歴史に残る激闘(男子W杯決勝)
日本時間の今日(12/19)の0時からワールドカップ決勝のアルゼンチンvsフランスが行われ、PK戦の末アルゼンチンがフランスを下し、マラドーナを擁して優勝した1986年のメキシコ大会以来3度目の優勝を遂げました。メッシにとって唯一手に出来ていなかったワールドカップをキャプテンとして手にするというドラマの面から見た歴史に残る試合でした。
また内容も凄かったですね。試合前はどちらかというと戦力的にフランス優位でボールもフランスが持つのではと思っていたのですが、アルゼンチンがシステムを4-3-3にして、左サイドにディ マリアを置いて彼に左に張らせた上でウラを突かせる事を徹底してフランス守備ブロックを押し下げるという攻撃的な戦いを仕掛け、23分にPKから先制し、36分には見事なカウンターから2点目。守っては中盤のデ パウル、エンソ フェルナンデス、マクアリステルの3人を中心に非常に厳しい守備を仕掛けてフランス自慢の攻撃陣を自由にさせず、ましてやエムバペにはボールすら渡さないという守備でフランスを封殺し、75分まではアルゼンチン圧勝ムードが漂っていました。が、フランスが前線にエムバペ、コロ ムアニ、テュラム、コマンといった運動能力の高い選手を入れて4トップ気味にして圧力をかけ、80分、81分とエムバペが連続ゴールを決めて同点に。それにより試合のムードは一変し、フランスが優位に進めた状態で延長戦に入りました。
このままフランスが優位に延長戦を進めるのか、と思わせたところで、アルゼンチンがパレデス、ラウタロ マルティネスを投入。フレッシュなパレデスをアンカーに入れてボールを持つ時間を増やすとともに中盤でも再び優位に立ち、108分にメッシが押し込んで勝ち越し。今度こそアルゼンチンが勝つかと思ったところで、CKからハンドを誘ってPKを獲得し、エムバペが決めて再度同点。最後はPK戦でアルゼンチンが勝利を手にしましたが、最後まで何が起こるかわからない凄い試合でした。
メッシという絶対的な個を擁しつつ、そのメッシにいかに良い仕事をしてもらうかという視点からチームを作り上げ、決勝で更に戦術的な仕掛けを用意して戦ったアルゼンチンは見事でした。優勝にふさわしいチームだったと思います。またメッシに目がいきがちですが、PK戦で4人目に登場してゴールを決めたモンティエルが喜びを爆発させるというより何とも言えない感極まった表情をしていたのが印象的でした。彼は延長戦でハンドしてしまった事に物凄い責任を感じていたと思うので、そんな彼が優勝を決めた事が印象に残りましたね。あと忘れてならないのが監督のスカローニ。現役時代はスーペル デポルの一翼を担った選手ですが、監督としても物凄く優秀だなと思いました。決勝の戦術的駆け引きはもちろん、緒戦でサウジに敗れながらよく立て直しましたよね。一方、敗れたとはいえ後半途中までの圧倒的な劣勢を、前線に個の力に長けた選手を並べて圧力をかけて同点に持ち込み、延長戦でも勝ち越されながら諦める事なく攻めて再度同点に追いついたフランスも見事でした。特にエムバペの身体能力を活かしたドリブルと逆境を跳ね返すメンタルは脅威的でしたね。まだ23歳という事で、これから彼がどんな選手になるのか楽しみです。
最後に、バルサでは何度も栄光を手にしながら代表ではなかなか母国にタイトルをもたらす事が出来なかったメッシが、総決算となるこの大会で念願のワールドカップを手に出来たのは良かったと思います。とはいえ、ここという場面での閃きは全く衰えていないとも感じたので、この後も彼のプレーを楽しみたいです。
という事で、歴史に残る大会となったカタール大会ですが、日本戦以外では決勝しか記事にする事が出来ませんでした。ちょっともったいないので、印象に残ったチームの話などを書ければ、と思ってます。
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