久々の勝ち点3(9/13 新潟戦)
先週末はアウェイでの新潟戦でした。昨年J1復帰が決まった時から広島と共に行きたいと考えていたところなので、泊りがけで行ってきました。新潟は食べ物が美味しいし日本酒も美味しくて、大いに楽しませて頂きました。
ただアウェイでの新潟戦の戦績は良いものではなく、僕が行った試合も、初めて行った2006年を筆頭にあまり良い思い出がなかったので、今回も苦労するだろうと思っていました。実際、結構苦しみましたが何とか1-0で勝利。アウェイでの勝利は4月下旬のF東戦以来だったとの事で、アウェイでの久々の勝利、ホーム・アウェイ両方加味した場合でも7月以来の勝利という事で、本当に良かったです。
<明治安田J1リーグ 於 デンカビッグスワンスタジアム>
清水エスパルス 1ー0 アルビレックス新潟
1.エスパルスのスタメン
SUB:沖、北爪、羽田、高木、宮本、小塚、矢島、松崎、千葉
新潟が4バックで戦うチームなので、システムをどうするのかを注目していましたが、鹿島戦に続き3バックを採用しました。このへんは秋葉監督のリアリストとしての側面が出たように思います。北川が警告の累積で出場停止なので万が一先制された時に巻き返すだけの攻撃のタレントが不足しているという事情も考慮したと思います。一方でボランチに磐田とのTMで良い動きを見せた弓場を久々のスタメンに抜擢し、アタッカーに中原を入れたあたりは練習で良かった選手を使うという秋葉監督の普段からの言葉をそのまま表したものと感じました。
2.新潟の戦い方
今季、樹森大介氏を監督に迎えた新潟ですが、開幕から苦戦を強いられ、第8節まで勝ち星なし。第9節で神戸相手に今季初勝利をあげましたが、その後も思ったように成績は上向かず、結局6月23日に樹森監督が解任され、コーチだった入江徹氏が監督に昇格しました。しかし監督交代後も所謂「解任ブースト」は働かず、前節まで9戦勝ち無しで積み上げた勝ち点はわずか1。更に主力の稲村、秋山が海外へ移籍し、小見、宮本、太田がJ1のクラブへ引き抜かれてしまうという非常事態。その代替としてブーダ、マテウス モラエス、Jクラブからも舩木、白井、小原、島村、上村を獲得したものの、リーグ戦後半の段階で新加入選手組み入れをしなければならないという苦しい状態におかれています。
しかしながら直近3試合のハイライト映像を観ましたが、アルベル元監督や松橋前監督によって仕込まれたビルドアップの上手さは健在だし、加えてミドルブロックを組んでからのプレスもしっかりしていて、そこでボールを奪って決定機を作る場面も見られました。ましてやホームであるデンカビッグスワンでの開催なので、厳しい試合になるだろうと予想していました。
3.試合経過
序盤はエスパルスが右サイドを中心に攻め込みます。右の大外のレーンを使って吉田と中原のラインでボールを前に運んで、早い時間にCKを奪うなどして新潟に圧力をかけます。一方の新潟は最初は後ろから繋ぐのではなく両サイドのウラに長いボールを入れて1トップのブーダを走らせる事で前へボールを運び、そこでボールを奪われても前から圧力をかけてボールを奪いにいく戦い方を選択。11分には弓場から中原へのパスをカットした長谷川が際どいシュートを放ち(梅田がグッドセーブ)、両チームを通じて初めての決定機を作りました。しかし先制したのはエスパルス。16分、スローインから乾、高橋利樹、中原、乾とダイレで繋いで、乾が新潟陣ペナ角あたりまで侵入。そこへ山原が猛然とオーバーラップをかけて、乾がその山原へパス。山原がダイレでGKとDFの間へクロスを入れ、そこに走り込んだ高橋利樹が押し込んで、エスパが序盤で先制点を奪いました。
先制された新潟は早めに同点に追い付くべく前への圧力を強めますが、エスパは落ち着いて対応してボールを奪ったら両サイドを上手く使ってボールを前へ運び、29分の山原のボレーシュートなどのチャンスを作っていきます。しかし30分を過ぎたあたりから新潟が持ち味の後ろからの繋ぎによってボールを前へ進められるようになります。両CBとボランチを起点にして、そこから前線のブーダ、長谷川、サイドの小原、マテウス モラエスへ効果的にボールを配給。時にはボランチの白井、新井も自らスペースへボースを運ぶシーンも作り、それに対してエスパは後ろでブロックを作ってはね返す事しか出来なくなります。決定機こそ作られなかったもののイヤな感じのまま前半が終了しました。
後半、エスパは何とか前から嵌めていって主導権を取り戻そうとしますが思うようにいかず、新潟が前半の終盤同様に後ろからしっかり繋いでエスパ陣内に迫り、53分に白井、56分にブーダが決定的なシュートを放ちます。見かねた秋葉監督は弓場、中原に代えて矢島、松崎を投入。この交代でエスパが落ち着きを取り戻します。60分に高橋利樹が再びゴールネットを揺らした場面こそVARチェックの結果オフサイドとされましたが、矢島が新潟の2トップの間などあちこちに顔を出してボールを受けて散らす役をこなし、周囲のブエノ、乾、松崎もこれに呼応して相手のブロックの中間に入ってボールを引き出すようになり、これによってエスパのボール支配率がグッと上がり、何と60分からの15分間のボール支配率は81.4%もの高い数字となりました。しかし新潟が76分にボランチに植村を入れて再び中盤の運動量を増やしたあたりから新潟がボールを持つ時間が長くなり、それによって途中投入されていた島村がボールを持つ機会が多くなって再三エスパから見て左サイドを脅かすようになりました。終盤、エスパは自陣ゴール前にクギ付けにされ、新潟の猛攻を食らいましたが、どうにか凌ぎ切って、エスパルスが7月の横浜FC戦以来の勝利となりました。
4.何とか勝てた要因
予想以上にしんどい試合でした。新潟は何とか最下位から脱出すべく必死に食らいついてきたし、特に終盤の粘りは凄かったので、冷や冷やものでした。そんな中で何とか勝てた要因についてまずは書いていきます。
①先制出来た事
まずは、当たり前の話ですが、先制出来た事ですね。キックオフ直後から新潟のコンパクトなブロックの右側を使ってボールを前に進め、CKをとるなどしていますが、シュートまでは出来ていませんでした。しかし同じ右サイドでファウルを受けて、それにより得た直接FKから初めて決定機を作り、その後1分もたたない時間で先制点を奪う事が出来ました。左サイドでのマイボールのスローインですが、スローインだと守備する側は通常より人につく事を意識するもので、この時も乾に相手右SBの藤原がついていって、それによりスペースが出来たわけです。そういうスペースを突くのが秋葉体制下のエスパは得意だし、この時も乾がいいタイミングでこのスペースに入りましたよね。全速力でオーバーラップをかけてクロスを入れた山原も、そのクロスに上手く合わせた高橋利樹も見事でした。何より高橋利樹以外にも中原、弓場、吉田と多くの選手が走りこむ形はまさに秋葉さんがやりたい形だと思うので、その形から先制出来たのは良かったですね。(ただこの試合は新潟の入りが何か慎重な感じで、ウラへのロングボールばかりだったので、それもウチにとっては幸いだったかなと思います。尤も、それによりこちらを押し下げてからのミドルブロックを組んでのプレスは結構きつかったですが)
②クリーンシートで終えられた事
次にあげたのが、最終ラインを中心によく踏ん張ってクリーンシートで終わらせられた事ですね。特に3バックの住吉、キム ミンテ、蓮川と両WBの吉田、山原、そしてGKの梅田の働きは見事でした。象徴的なのは55分頃のシーンです。新潟に前プレを剥がされて3対4の状態にさせられて、ウチの先制点と同じように右サイド深くに入られてクロスを中央のブーダに入れられるんですけど、蓮川が中に絞ってシュートをブロックしてるんですよね。現地で観てた時は3対4にされた時点で「やばい!」と思ったし、後で映像で見ても冷や汗モノのシーンでした。本当に見事なプレーでしたね。勿論蓮川だけでなく住吉もキム ミンテも要所で身体を張っていたし、梅田の落ち着いたセービングも見ている僕らを安心させてくれました。吉田も両サイドで小原、島村とやり合って止めてくれたし、1アシストの山原も頑張っていました。ここのところ3バックでの試合が続いていますが、それにより失点を抑えられるようになったのは残りのリーグ戦を戦う上で大きいと思います。
③後半のきつい時間帯で相手をいなすプレーが出来た事
前述したように57分に矢島、松崎が投入されてからエスパがボールを握れるようになり、新潟に行っていた流れを完全に引き戻して、ゲームをコントロールする時間を作る事が出来たのは地味に大きかったと思います。矢島があちこちに顔を出してボールを散らしてくれて、それに呼応してブエノ、乾、松崎といった選手が中間ポジションに顔を出してボールを回す事が出来、それにより新潟の攻撃の時間を削る事が出来ました。新潟としたらすぐにでもボールを奪って攻めたいと思っていたと思うし、それによる心理的なプレッシャーは大きかったと思います。考えてみたら試合の終わり頃にああやってボールを回して試合をクローズさせるのは昨季よく見られたシーンで、昨季の蓄積が出たシーンと言えるでしょう。
ただ、より上を狙いたいならこれだけじゃダメだよね、という物足りなさもあります。それは後述します。
5.課題・反省点
以上、勝因といえるところを書きましたが、課題も出ました。以下、それを書きます。
①前からの守備がハマらなかった事
まずは前からの守備がハマらなかった事ですね。前述したように前半の最初の15分は新潟がちょっと慎重な戦い方をしていたのでこの問題はあまり見えなかったのですが、30分過ぎくらいからCBやボランチから前線へクサビのパスが入れられる事に新潟の選手達が気が付いたのか、本来の後ろからビルドアップによる攻撃を仕掛けるようになりました。まあ先制していた分高橋利樹を中心とした前プレが少し抑えめになったのもあるのですが、それでもCBからボランチへのパスコースはカバーシャドウで消そうとしてはいました。しかし新潟もボランチもタテ並びになる事でパスコースを消しにくくしたし、それによってブエノや弓場が相手両ボランチを意識するようになった事で前線のブーダ、長谷川への意識が薄くなって、それで2人へのパスコースが空いてしまったのだと思います。また真ん中を消して外回しにさせても、サイドハーフにボールが入ってこちらのボランチを引き出したところで真ん中に斜めのクサビのパスを入れてくるし、で、もっと前から嵌めたかったと思うのですが、全くダメでしたね。後半もそれは同じで、結局はリトリートしてはね返す事が精一杯でしたね。
秋葉監督が本来やりたいサッカーは前から嵌めていってできるだけ前でボールを奪って攻める「超アグレッシブ」なサッカーのはず。ただそのための前からのプレスに関しては、少なくともこの日に関しては全然上手くいかなったと思います。選手個々は頑張ってましたよ。高橋利樹の2度追い、3度追いは素晴らしかったし、チーム最年長の乾も何度もスプリントしてプレスをかけてました。ボランチのブエノ、弓場も悪くはなかったです。ただ個人としては頑張っていたけどそれが機能しなかったのは何故か?結局人を捕まえる事ばかりに意識がいって、チームとして相手のボールの前進するコースをどう限定してどこで奪うのかまで共有出来ていたか?上を目指すのならそこを考えていかないといけないと思います。
②追加点が取れなかった事
これは月並みな反省点ですね。山原のボレーが決まっていたらとか、高橋利樹の幻のゴールの際にオフサイドラインを意識してくれていたらとか、そういう惜しい場面があったので、そうしたところで決められるように個人のシュートやラストパスの精度を上げていってもらえたらと思います。
ただこれに関連して気になったのが、勝因の③としてあげた時間帯の戦い方ですね。この時間帯、前述したようにボール支配率は81.4%もありました。が、この間殆どシュートを撃ってないし、決定機も作れてないんですよ。松崎がウラへ抜け出してパスがつながりかけた場面くらいですね、惜しいシーンは。あとは、相手ブロックの間に入ってパスを繋いで、そこでプレッシャーをかけられたら後ろへ戻す事の繰り返しです。これだと前述したように相手の攻撃の時間は削る事は出来ますけど、点差はわずか1点ですから、パス回しでミスして点取られたら同点なわけです。当たり前ですが。だからもっと追加点を取りに行くための意識を持ってそのための動き(ウラ抜けするとか)をもっとしなければいけなかったと思います。この試合は何とか1点差を守り切って勝てましたけど、他の試合でも同じように上手くいくとは限らないわけです。実際前節の鹿島戦は追いつかれてしまったわけですから。ましてやこの試合ではボールを握る時間帯があったのですから、ボールを動かす事で相手も動かして、それでスキを作るという戦い方も身につけて欲しいです。
以上、注文をつけさせてもらいました。チームが頑張ってくれたのは間違いないですし、それによって僕も楽しい気分になれたので、そこは良かったのですが、そこまで手放しで賞賛できる試合ではなかったぞ、というのは言っておきたかったので、書かせて頂きました。勿論選手達も監督・コーチ陣も理解していると思っているので、残り9試合で前述の課題をどこまで修正出来るかに注目したいと思ってます。
6.まとめ
今節の結果により降格圏となる18位のチームとの勝ち点差は11点になりました。順位は13位のままですから楽観は出来ませんが、残り試合数を考慮すると一息つけそうな位置には来たかなと思います。次はアウェイで首位京都と対戦します。勢いがあって強いチームとの対戦ですが、今のチーム力がどの程度かを計るには絶好の相手とも言えます。胸を借りるつもりで思い切りぶつかって欲しいですね。
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