守り切って勝ち点1(8/23 福岡戦)
先週末はアウェーでの福岡戦でした。唯一の九州での試合という事で、行きたい気持ちはあったのですが、先々週広島に行って、その帰りに在来線を使って帰るという無茶(?)をした影響からか体力的にしんどかったので、今回は見送りました。無事残留できたら来季は行きたいなと思っています。
試合は0-0のスコアレスドロー。福岡との対戦成績はいいのですが、ことアウェイとなると3年前の逆転負けの印象が強くて、今回も難しい試合になるだろうと思っていました。ですので今回の結果はベストではないもののベターな結果だったと思っています。ただどこか物足りなさも感じました。
<明治安田J1リーグ 於 ベスト電器スタジアム>
清水エスパルス 0ー0 アビスパ福岡
1.エスパルスのスタメン
SUB:沖、北爪、吉田、住吉、中原、矢島、乾、北川、アルフレド ステファンス
前節3失点を食らったのを受けてどういう布陣でくるのが注目されましたが、福岡が基本3バックのチームという事で、同じ3-4-2-1のシステムを採用し、リーグ戦の広島戦と殆ど同じメンバー構成にしてきました。ミラーゲームにして相手を前から嵌める事でまずは失点を抑えようという考えだったと思われます。ただ3バックの真ん中には移籍してきたばかりのキム ミンテが起用されました。それだけ秋葉監督も期待されているのでしょうね。サブには北川、乾が控えており、前半はロースコアで凌いで後半勝負というゲームプランだったのではないかと思われます。
2.福岡の戦い方
今季から金明輝氏を監督に招聘した福岡は、前任の長谷部氏が築いた堅実なサッカーに金監督の色も少しずつ入れていくチーム作りを行い、その成果からか第4節から7戦負け無しと好スタートを切りました。しかし第11節でエスパに敗れてからは9戦勝ち無しと不調に陥ってしまいました。しかし持ち前の守備の堅さと球際の強さを武器にして徐々に持ち直し、第20節からは8戦負け無しで11位に付け、上位を窺っています。
基本システムは3バックなのですが、前節の鹿島戦では4バックで戦っており、相手によってシステムを変える柔軟さを持っています。またこの試合でもそうでしたが、ボール保持(攻撃)時には3バックのうちの1人が上がって、残りのCB2人とGKでビルドアップを行ったり、上がった3バックの1人が前線に上がったりと状況に応じてポジションを変えるやり方も身につけています。一方のボール非保持(守備)時のボールホルダーへのチェックの速さ・強度の高さも備えており、難しい試合になる事が想定されました。
3.試合経過
前半は非常に堅い試合展開となりました。エスパルスも福岡も同じ3-4-2-1で互いに誰が誰を見るかがはっきりしているため、中盤で激しいぶつかり合いが多く見られました。その中でエスパはボール保持(攻撃)時、ボールを前進させようとして詰まりかけたら早めに1トップの高橋利樹に当ててポイントを作り、そこでのこぼれ球を拾って前進させる事で相手陣に迫ろうとしましたが福岡の堅陣の前に思うようにチャンスを作れず、逆に福岡の柔軟なポジショニングのために前プレが思うようにかけられなくなり、次第に福岡がボールを握る時間が増えていきます。ただ福岡のエスパの5-4-1のブロックを前にして攻めあぐね、前半は0-0で後半に折り返しました。
後半も前半の残り15分と同様に福岡がボールを握りエスパが守る展開が多くなり、福岡がポジション取りの上手さと両サイドでの崩しから際どい場面を作るようになりました。これを受けて秋葉監督は北川、乾、矢島の同時投入を敢行。後ろで矢島が、中盤の前の方で乾が上手くボールを散らして相手の守備を剥がせるようになり、エスパが一気にボールを握る時間を増やしチャンスも多く作るようになります。しかし82分、ブルネッティが2枚目の警告を貰って退場となり、エスパが数的不利となります。ここで金監督はウェリントンを投入し、福岡が一気に攻勢をかけてきたためにエスパは防戦一方となりました。しかし梅田、キム ミンテらの頑張りもあって何とかゴールを割らせず、試合は1-1のドローに終わりました。
4.試合のポイント
前節ホームで1-3で敗れ、今節は静岡から遠い福岡での試合という事で難しい試合になる事は想定されてましたし、実際そうなりましたが、結果として0-0のスコアレスドローで勝ち点1を積み上げる事が出来たのは、ベストではないけれどベターな結果だったと思います。ただ「うーん」と唸ってしまう点もあったので、以下、3つに分けて考えていこうと思います。
①消極的だった守備
まずボール非保持(守備)時について。前述した通り、この日は福岡が3バックをメインにして戦うチームなので、システムを福岡と同じ3-4-2-1にしてきました。ミラーゲームの形にする事で誰が誰を見るかを明確にする事で、相手を前から嵌めやすくするのが狙いだったと思います。その狙いは半分は当たったと考えます。福岡は今季のチームのボール保持率がJ1で17位、攻撃回数は最下位のチーム。つまりハイプレス、ミドルプレスでボールを奪ってカウンターで仕留めるのが得意なチームだと思います。なので、ウチがリトリートして5-2-3もしくは5-4-1でブロックを組んだ時、攻めあぐねているように見えました。後半は両サイドからの圧力を強めてCKを奪い、そこからチャンスを作ってはいましたが、82分にブルネッティが退場して数的優位になるまではそれほど決定機は作れてなかったと思います。一方エスパの立場からすると、前節ホームで3失点で敗れ、降格圏となる18位のチームとの勝ち点差は7に縮まっていてイヤな感じになっていました。そんな中で迎えたアウェーでの試合ですから、まず3失点してしまった守備をテコ入れし、試合ではミラーゲームにして福岡の動きを止め、謂わば塩漬けにして、最低でも勝ち点1をとろうというゲームプランだったんじゃないかなと思います。秋葉監督の「リアリスト」としての側面が出たわけですが、その狙い通りにはなったと思います。
ただ、当たったのは「半分だけ」だったと思います。ボールを奪う位置が低すぎました。下記の図はSPORTERIAに載っていた福岡がボールロストした位置、つまりウチがボールを奪った位置を表した図です。
見て頂くとわかるのですが、ボールを奪った位置について自陣のペナ前周辺が圧倒的に多いんですよ。前の方で奪ったのもありますけど、2週間前のアウェーでの広島戦に比べると明らかに少ないと思います。ミラーゲームにして前から嵌めやすくしたのにこれではダメだろうと思ってしまうんですよね。
じゃあ何故そうなったかというと、1つは天候の違いがあげられると思います。広島戦は雨で大変でしたけど、その分気温が低かったので、選手達も雨は大変だったでしょうけど動きやすかったと思います。それに対してこの日の福岡は気温も湿度も相当高かったみたいですから、選手達は思うように動けなかったのではないかと思います。2つ目は福岡のビルドアップの仕方。前述した通り、福岡は3バックの1人の安藤を前に上げて残りの奈良と上島、そしてGKの小畑の3枚でビルドアップをスタートさせてました。エスパの高橋利樹ら前の選手からすると、DF2人だけなら自分の対面の選手に前プレをかければいいのですが、GKもパス回しに参加するとなると数的不利になるからGKに前プレに行っていいか迷うわけですよ。それでプレスが上手くハマらなかったんじゃないかと思います。更に福岡は前半の途中からもう1人のCBも上げて、代わりにボランチ(主に松岡)が下がってビルドアップを行っていました。そうなるとマンマーク気味でやっているエスパとしたら、松岡には誰が行くのか、上がっていった安藤などのCBは誰が見るのかという感じで混乱してしまって、結果として前プレどころではなくなり、ミドルブロックもしくはリトリートしての5バックでしか守れなくなったんじゃないかなと思います。こうやって誰が誰を見るのかをずらされた時の対応にもろさがあるのが今のエスパの弱点だと思います。で、こういう時に修正すべきところを考え決断し、ピッチ上の選手達に指示を出すのが監督の仕事だと思うのですが、ボール非保持(守備)時の修正は出来なかったですね。もしかしたら最後のところで守れているからOKという考えだったのかもしれませんが。
②守備面のあおりを食った攻撃
次にボール保持(攻撃)時について。こちらについては全然上手くいかなかったですね。理由は前述した「ボールを奪う位置が低すぎる」に起因していると思います。秋葉監督としたら2週間前の広島戦のように前からプレスをかけてボールを奪って攻撃をかけ、それを繰り返す事で分厚い攻撃をしかける事を考えていたはず。ですが、前述したように前プレが思うようにいかず、自陣でブロックを敷いたところで何とかボールを奪ったとしても、そこから攻めるのは簡単ではありません。福岡の強度の高いプレスが来ますし、それをどうにか剥がしたとしても、その分時間がかかるから気が付いたら福岡は自陣に戻ってミドルブロックを敷いている状態。そんな状態で、かつ定まったビルドアップの形がないエスパとしたら高橋利樹の動きに合わせてロングボールを入れていくしかなくなるわけです。そんな中でも何度かアタッキングサードにボールを持ちこむ場面もありましたが、左のカピシャーバ、右の高木、蓮川の頑張りによってクロスを入れるかCKを取るかしか攻め手がない状態。これだと厳しいですよね。そんな感じで途中までは得点が入る雰囲気がしなかったエスパでしたが、その根本原因は「ボールを奪う位置が低すぎる」点にあると思ってます。
ただ60分頃に北川、乾、矢島の3人が入ってから、そして68分頃に高木がラインブレイクして、そこにブエノからの絶妙なフィードが入っての1対1からは一気に攻撃が活性化しました。それが3つ目のポイントです。
③北川、乾は本当に不要か?
やや挑戦的なサブタイトルになっちゃいましたが(汗、間接的にこの話に繋がるので。まず北川、乾、矢島の3人が同時投入されたのは60分です。それまでの15分間は福岡にボール支配率で56.9%も握られましたが、3人が同時投入された60分からの15分間のエスパのボール支配率は63.9%まで跳ね上がりました。その要因として乾がボランチや最終ラインから上手くボールを前進させる役目を果たしてくれた事と、北川が高橋利樹と共に前線でのロングフィードを受ける役をやってくれた事でボールを前進させる手段が増えた事が挙げられると思います。尤もボールを握っているだけではダメで、この時間の最初の決定機は68分の高木のGKとの1対1まで待たなくてはなりませんでしたが、これを機にエスパの攻撃のギアが上がり、その直後の69分の矢島のクロスからの山原のシュート(クロスがマイナスにずれたためにミートせず)、74分のCK崩れからの矢島のマイナスのスペースへのクロス(誰もいなかった・・・)、78分の高木のクロスからの高橋利樹(前に出過ぎて合わせるのが難しくなった)と立て続けにチャンスを作りました。これらのどれか1つで決めていれば違ったのですが・・・。特に高木のシュートは本人も決めたかったでしょうけど、大事に行き過ぎましたね。
で、サブタイトルに戻るわけですが、この時間帯にこれだけチャンスを作る事が出来たのは前述したように乾や北川が入る事でボールをアタッキングサードへ前進させるルートを増やす事が出来たのが大きいと思ってます。確かに2人ともちょこちょこボールロストしてましたし、まだ本調子ではないと思います。あと乾に関しては2シャドウの一角(というよりトップ下?)なのだからもう少しペナ内へ入る回数を増やして欲しいなという思いもあります。ただ2人の投入によってボールをアタッキングサードに前進させる回数が増えたのは確かだと思っています。なので2人はベンチ外でいいというのは違うと思いますし、ましてや「要らない」とまで酷評するのはおかしいと思ってます。
余談ですが、「そんなに2人は悪かったかなぁ」と思って観返した結果思ったのが「投入された3人の中で矢島が一番効いてたな」という点。ボールを前進させるのに関与したと思ったらポケットに走りこんでクロスを入れるなど神出鬼没の動きをしてました。前節トップ下でスタメン出場して全然いいところが出せなかった事を思うと見違えるような働きでしたが、やはりトップ下よりもボランチから上がっていく形の方が向いているのかなと思いました。尤も守備の強度の面で宇野や嶋本らに比べると少々物足りないので、難しいところですね。
以上、この試合について3つのポイントから見ていきました。60分からの15分間で攻撃に転じた時間もありましたが、82分にブルネッティが退場してからは防戦一方の状態になったのもあって、90分トータルで見ると「どうにか守り切って勝ち点1を積み上げた試合」といっていいと思います。移籍して早々にスタメンに抜擢されたキム ミンテが非常に安定した守備を見せてくれたのは非常に大きな収穫ですが、結果と内容を見た限りではアウェーでの広島戦の状態に戻った感じなんですよね。その3日前の天皇杯でボコボコにされた後でしたから。で、次節はホームに戻っての鹿島戦です。4バックで戦っているチームである事、そしてキム ミンテとブルネッティが出場停止のためスタメンクラスのCBが蓮川、住吉しかいない事(高木を3CBの一角にするなどの策もありますが)の2点から考えると、次節は4バックで戦うでしょう。そこで問われるのが横浜FM戦の時と違ってきちんと4-4-2のブロックをコンパクトにしてロースコアで戦い抜けるかどうかです。特に両SBをつり出してそのウラを狙うというのは当然やってくるでしょう。これに対する対策をしっかりと講じなくてはなりません。この試合で4バックでの守備を機能させて勝つ事が出来るか、それとも横浜FM戦やその前のアウェーでのC大阪戦の時のようにボコボコにされるか、どちらになるかによって今後のエスパルス(と秋葉監督)の行方は大きく左右されるのではないかと思ってます。
5.まとめ
などと少々他人事のような文章を書きましたが、アイスタ日本平で負けるのを観るのはイヤです。僕達のホームですからね。相手は天皇杯で負けてしまった分相当気合を入れてくると思いますが、それ以上の気持ちで戦って欲しいです。
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