雨中の激闘(8/10 広島戦)
8/10はアウェイでの広島戦でした。会場となるエディオンピースウィング広島は昨季エスパがJ1への復帰を決めた時から「絶対に行きたい!」と思っていたスタジアムでした。ただアウェイサポへのチケットの割当は少なくて(それ以外の席も一般販売開始までの間に埋まってしまう)チケットがとれるか心配だったのですが、幸運にもチケットを購入する事が出来、広島まで行ってきました。当日はかなりの雨でスタジアムに着くまでが大変だったのですが、席についてしまえばしっかりと屋根で覆われていて濡れる心配をせずとも良く、ピッチも水捌けが良くて水が浮いてるようなところがなくて、本当に良いスタジアムだなと感心しました。
試合は0-0のスコアレスドロー。水曜日の天皇杯は0-3で完敗したのでこの日もどうなるか心配だったのですが、秋葉監督の檄が効き、選手達もそれにしっかり応えてくれました。一方の広島も改めて強いチームだなと感じましたし、他のエスパサポも同じ気持ちだったのか試合後の挨拶にピッチを一周している広島の選手達がエスパのゴール裏を通った時に拍手を送っていました。「ピースマッチ」と銘打ったこの試合にふさわしい良い光景だったと思います。
<明治安田J1リーグ 於 エディオンピースウィング広島>
清水エスパルス 0ー0 サンフレッチェ広島
1.エスパルスのスタメン
SUB:沖、北爪、羽田、吉田、宮本、中原、矢島、乾、北川
8/6,10と連続して同じ相手と当たると決まった時から秋葉監督はこの2試合をセットと考え、その中でどのように選手起用をしたら良いかを考えていたと思います。この試合で天皇杯からスタメンを5人入れ替えたのも予定通りだったでしょう。ただ4バックで戦って0-3で敗れたのは想定外と考えたのか、この試合では3バックに切り替えて臨みました。それにより守りを厚くして最低でもスコアレスで折り返して後半に北川、乾を入れて勝負を賭けるというのが試合前のプランだったと思うのですが、後述するように前半はとても良かったですね。
2.広島の戦い方
中断前に公式戦3連勝と良い感じで中断期間に入った広島ですが、天皇杯でもその好調さを維持し、3-0でエスパを破りました。荒木、塩谷、佐々木の3バックは非常に堅く、万が一抜かれてもGKには大迫がいる事による安定した守備と、ボールを奪ってからの速い攻撃を持ち味としながら、相手にリトリートされても両サイドから揺さぶって崩す力のある攻撃を持っていて、その攻守を前にしてウチはなかなか良いところを出させてもらえませんでした。
ただ中3日という条件は広島も同じで、それを考慮したのかこの日はスタメンを3人入れ替えました。1トップとシャドウの1人に木下と加藤を入れ、天皇杯で得点をあげた中村を左WBに回し、前田はベンチになって、更に右WBも清水にしてきました。とはいえ広島の選手層は厚いですし、1トップに入った木下には天皇杯で3点目を決められているので、「フレッシュな選手を入れられるのはイヤだなぁ」と思ってました。
3.試合経過
エスパルスは水曜の天皇杯での借りを返すべく、移籍後初スタメンの高橋利樹を軸に積極的に入ります。最初のシュートこそ広島に譲りましたが(しかも結構危ないヤツ)、ボール支配率では広島を上回り、両サイドから揺さぶりをかけ、22分のCKからの高木による初シュートに繋げます。その後は25分の右サイドからの嶋本の惜しいクロス(高橋利樹の手前で荒木がわずかに触る)、29分のカピシャーバのシュートなど惜しいシーンを作ります。44分50秒頃にはCKから高木がドンピシャヘッドを放ちますが、大迫に阻まれ、エスパが終始押し気味に試合を進めながらも前半は0-0で折り返しました。
後半、広島は開始から2枚替えを敢行。両WBに東、中野を入れ、左WBだった中村をシャドウの位置に上げて、天皇杯の布陣に近付けてきました。それが功を奏し、46分に中村が前に持ち出しての展開から川辺がシュートを撃つというエスパにとっては危険な場面を作られます。しかしエスパも負けてはおらず、48分に相手のパスミスを高木が拾ってからの展開で松崎がカットインから惜しいシュートを放ち、試合は撃ち合いになるかと思われました。しかし57分に北川、乾を入れたあたりからエスパの守備時の強度が落ち始め、更に60分に広島が攻撃に変化を付けられる中島を入れてきた事で広島が優勢となり、61分の中島のスルーパスからの中村のシュートなど危険な場面を作られます。この後も基本的には広島が押し込む展開が続きますが、エスパも負けじと85分に途中出場の北爪の斜めのランニングに合わせて北川がスルーパスを送り、北爪がGK大迫と1対1になる場面を作りますが大迫に止められてしまいます。この後もお互いにチャンスを作りますが得点には至らず、試合は0-0のドローとなりました。
4.なぜ前半優位に試合を進められたのか
特に前半は強い雨が降る中での試合で選手達の負担は大きかったと思いますが、それを感じさせない熱い試合でした。エスパルスとしては「同じ相手に連続して負けるわけにはいかない」という強い意志を感じましたし、対する広島もホームで、それもピースマッチと銘打たれた試合では負けられないという思いがあったと思います。そういう試合を現地で観る事が出来て良かったです。
で、この試合は前半はエスパが優位に試合を進め、後半は広島に巻き返されたという展開だったと思いますが、では何故そうなったのかを書いていきたいと思います。まず前半から。何故前半優位に試合を進められたのかを書いていきます。
①システムを3-4-2-1にした事で前からの守備がハマった
水曜の天皇杯では基本4バックでリトリートした時だけ5バックにするやり方にしたもののなかなか上手くいきませんでした。その反省からか秋葉監督はシステムを広島と同じ3-4-2-1にしてきました。ミラーゲームにする事で誰が誰を見るのかを明確にし、その上で前から嵌めていこうという考えだったと思いますが、これが当たりました。特に1トップの高橋利樹が精力的に前プレをかけ、それに呼応するようにシャドウの松崎、カピシャーバもパスコースを限定しながら前プレを敢行。三列目も久々スタメンの嶋本がデビュー戦のG大阪戦から見違えるような強度の高いプレスをブエノと連携しながらかけていきました。そうやって前から嵌めていってパスコースを限定していけば最終ラインの選手達がボールがどこに来るのか予測しやすくなります。住吉、蓮川らが広島の前の選手へのボールをインターセプトする場面が多かったのは、前からの守備がハマったためだと思います。
②攻から守への切り替えが早かった
水曜の天皇杯では切替(トランジション)のところで広島に劣ってしまったために、度々カウンターを浴びてしまっていました。その反省を受けてかこの日はボールロストしてからの切り替えが非常に早かったです。特に高橋利樹のプレスバックが早く、それに呼応するように嶋本ら他の選手が相手のボールホルダーに襲い掛かってボールが自陣に入るまでにボールを奪い返していました。前半エスパのボール支配率が広島を上回ったのは、この切り替えの早さによるボール奪取が多かったからというのが大きかったと思います。
③高橋利樹のポストプレーが効いていた
ボール保持(攻撃)時においても高橋利樹が効いていました。後ろからのロングボールを収めてくれるし、ルーズボールの競り合いでも身体の強さを活かしてくれるので、ビルドアップの際に詰まった時のボールの逃がし先になってくれました。他にも左ではカピシャーバが山原、ブルネッティと連携しながらボールを前に進めてくれましたし、右では高木、松崎が作ってくれたスペースを使って蓮川がボールを運んでくれました。このように真ん中、両サイドからボールを運び、広島を押し込む事が出来ました。
以上のような理由により、前半はエスパが優位に試合を進める事が出来ました。それにも関わらず流れの中から決定機を作る事が出来なかったのは課題ですね。以前から続いているものですが。やはり両サイドに人をかける分真ん中に人がいなくなっちゃうのが原因だと思います。これをどう修正するかが課題でしょうね。
5.なぜ後半盛り返されたのか
前述した理由によって前半は優勢に試合を進める事が出来たのですが、後半は広島に押し込まれる時間が増えていきました。要因は以下になるかと思います。
①広島の交代策が的確だった
広島は後半開始からWBに東、中野を入れ、左WBに入っていた中村をシャドウに上げました。これがハマりました。特に中村は足の速い選手で、天皇杯でも脅威になっていました。この試合でもシャドウに上がってすぐにチャンスを作ったし、その後も何度もチャンスに絡みました。右WBに入った中野も上背のある選手で、彼が入った事で左サイドで後手に回る事が多くなりました。その後入った中島、前田、マルコス ジュニオールも広島が攻勢を強める事に貢献していたし、広島の選手層の厚さを改めて感じました。
②守備強度が時間がたつにつれて落ちてしまった
広島が選手交代で攻撃の圧力を強めたのに対し、エスパも57分に北川、乾を入れて勝負をかけてきたのですが、思ったように攻撃の時間を増やす事が出来ませんでした。やはり前半から飛ばし気味にプレスをかけてきた分前半ほどにはボールホルダーに強く寄せられなくなったし、代わって入った選手のうち乾に関してはカバーシャドウでパスコースを消すのは得意ですが、相手に強く寄せるという面に関してはそれほど得意ではないので、これも影響したように思います。
ただこの試合の出来を以て「もう乾はスタメンで使えないのでは」という意見には同意しません。確かに前述した非保持時の強度の課題はありますし、この日もボールロストが目立ったのも事実です。ただ乾が入ってからの方がポケットをとる回数が増えたように保持時の崩しに貢献しているのは変わっていません。あとボールロストの回数が多くなっているのは確かなのですが、それだけ広島が乾にプレッシャーをかけていた証左ですから、乾を囮にして別の選手を使ってボールを前進させるやり方を考えた方がいいように思います。
6.収穫の多い試合だった
などといろいろ書きましたが、全体としては収穫の多い試合だったと思います。特に前半の出来が良かったのは後半から出場した選手達にとって刺激になったでしょう。スタメンで1トップに入った高橋利樹は攻守にわたって献身的なプレーをしてくれて、良い選手が来てくれたなぁと思いました。特に25分の嶋本のクロスや48分の松崎のシュート、56分の嶋本のシュートといった場面でシュートを撃てるところに絡んでいたのが好印象です。久々のスタメンの嶋本も良かったですね。強度の高い守備で何度も広島の選手達からボールを奪っていたし、ボール保持時はあちこちに顔を出して攻撃に厚みを加えてくれました。初スタメンのG大阪戦はなかなか持ち味を出せませんでしたが、そこから見違えるほど成長してくれたと感じました。これだと宇野もウカウカしてられませんね。それから最終ラインの住吉、蓮川、ブルネッティも非常に安定していました。なかでも古巣相手の試合だった住吉が気迫あふれるプレーを見せ、何度も広島の攻撃をはね返していたのが印象的でした。
水曜の天皇杯で0-3と完敗を喫し、その4日後に同じ相手と試合をするという事で、ともすると前の試合での印象から弱気になりがちですが、そのように弱気になる事がなく開始から強気に戦い抜けたのは良かったと思います。秋葉監督の言葉を借りれば「心に炎を燃やして」戦い抜いた感じで、そうやって選手達のマインドをポジティブな方向に持っていく秋葉監督のマネジメントは流石だなと感じました。勝てなかったのは残念ですが、今後もこうやって戦えばいいという感触を得る事が出来たのではないかと思います。
7.まとめ
勝ち点1を積み上げた事で13位を維持。次はホーム・アイスタ日本平に戻っての横浜FM戦です。横浜FMはJ1に残るために目の色を変えて食らいついてくると思います。しかし僕達の要塞・アイスタで負けるわけにはいきませんし、ましてやチケットがSOLD OUTして満員の中での試合です。何としても勝ち点3を積み上げて欲しいですね。
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