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2025年6月 5日 (木)

ボロ負け(6/1 C大阪戦)

 先週末はアウェイでのC大阪戦でした。エスパは1998年に勝って以降J1ではアウェイでC大阪戦に勝った事がなく、僕も何回か負け試合を見せられてどよーんとした気持ちにさせられたので、もう10年くらい行ってませんでした。ただ前節神戸相手に勝った事で気分が良くなり「やっぱり行こうかな」と思い直して行く事にしました。現在のヨドコウ桜スタジアムに行ったのは初めてで、いろいろ変わっていて楽しかったです。

 が、試合は2-4でボロ負け。これだけ長居公園(ヤンマースタ、ヨドコウ桜スタ、長居第2)で勝てないと、クラブ幹部が長居公園近辺の神社でお祓いすべきじゃないかなとか思ってしまいました。まあ単純にC大阪戦が強かっただけなんですけどね。

<明治安田J1リーグ 於 ヨドコウ桜スタジアム>

 エスパルス 2ー4 セレッソ大阪

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:猪越、蓮川、北爪、弓場、中原、矢島、西原、小塚、郡司

 珍しくスタメンは前節と全く同じでした。前節神戸相手に勝ち切った勢いを重視したのでしょう。サブには土居に代わって今季初めて郡司が入りました。ずっと怪我で別メニューだったみたいですがようやく復帰となりました。

2.C大阪の戦い方

 昨季は10位に終わったC大阪。これを受けて4年間チームを指揮した小菊氏に代わりアーサー パパス氏を招聘しました。補強に関してはエースストライカーのレオ セアラやカピシャーバなどが退団しましたが、仙台で活躍した中島をレンタルバックし、ラファエル ハットン、チアゴ アンドラーデなどを獲得。開幕戦でアウェイながらG大阪を5-2で下すという派手なスタートを切りましたが、第2節から6試合勝ち無し。その後もなかなか安定した戦いが出来ていませんでしたが、5月に入って第14節にアウェイで京都を下したあたりから調子を上げ、6試合で4勝1敗1分と好成績を残して上位に食い込もうとしています。

 基本システムは4-2-3-1ですが、第14節からは3-4-2-1も併用しているようです。開幕戦のG大阪戦では後ろからしっかり繋いで攻めるとともにボール非保持(守備)時は前から積極的にプレスをかけてボールを奪いにいく非常に攻撃的なスタイルでしたが、逆にボールを奪われた時にカウンターを受けやすくなり、そのせいで失点が増えて思うように勝ち点を伸ばせなかったようです。しかし3バックにしてからは失点が減り、それにより勝ち点を伸ばす事が出来るようになってきました。一方で4バックを採用しなくなったわけではなく、前節の浦和戦では4バックで戦っています。そして今回の試合でも4-2-3-1でスタート。そしてスタメンのボランチには香川ではなく中島を起用。仙台でエースストライカーとして活躍した中島ですが、C大阪ではボランチでの起用がかなり増えているみたいで、このあたりはアーサー パパス監督の攻撃サッカーを志向している表れでしょうね。そしてこの試合はアカデミー育ちで攻撃の中心だった北野のC大阪でのラストゲーム。この試合に勝って笑顔で北野を送り出そうという思いはC大阪の中で強かったでしょうね。

3.試合経過

 どちらも攻撃的なサッカーを標榜するチームですが、試合はいきなり動きます。4分、相手陣だがペナから離れたところで松崎が倒されて得たFKで、山原が直接ゴールに叩き込んで、エスパが先制点をあげます。しかしC大阪も落ち着いて反撃し、一方のエスパも奪ったボールを相手陣まで運び、試合は攻め合いの様相でした。そんな中、相手を押し込んでの住吉からサイドへのパスをルーカス フェルナンデスがカットしてそのままエスパ陣内へボールを運び、慌てて住吉が対応しましたがペナ内でルーカス フェルナンデスを倒してしまい、PKを与えてしまいます。このピンチは沖が北野のPKを止めて凌ぎましたが、その後のCKで高橋仁胡にニアであわせられてしまい、エスパは同点に追い付かれてしまいます。同点に追い付かれたエスパは当然反撃に出ますが、逆に18分、またCKから中島にヘディングシュートを決められてしまい、わずか5分で逆転を許してしまいます。

 何とか早めに同点に追い付こうとするエスパでしたが、アクシデントが起きます。25分頃に北川がハムストリングの異常を訴えて、途中交代。これで攻撃の起点を失ったエスパは更に劣勢となり、C大阪に完全にペースを握られ度々決定機を作られます。エスパもカピシャーバをトップに移してから少しずつ攻勢に出られるようになり、36分、41分とチャンスを作りますが得点には至らず、前半は1-2で折り返しました。

 後半、エスパは開始から住吉に代えて蓮川、松崎に代えて中原を投入し、何とか早く同点に追い付くべく攻勢をかけ、51分頃に乾のスルーパスからカピシャーバがシュートを放つ場面を作ります。しかし54分、乾のサイドからのクロスをGK福井に処理されてからのロングカウンターでラファエル ハットンに独走を許して致命的な3点目を奪われます。この後もエスパは小塚、郡司を投入して1点でも多く返そうと攻撃を仕掛けますが、ボールを奪われてはロングカウンターを受ける事の繰り返し。70分にはスローインから繋がれて、北野のパスからルーカス フェルナンデスに技ありのシュートを決められて4点目。89分に中原のクロスから郡司がJ1初ゴールを決めますが大勢は決した後。76分からの15分でC大阪が放ったシュートはエスパの倍の6本。最後の方はやりたい放題やられたエスパルスが2-4で完敗しました。

4.敗因

 表題の通りで、「ボロ負け」でしたね。試合開始早々に山原のゴラッソで先制して「もしかして」と思ったものの、その後は次第にC大阪に蹂躙されていくいつもの展開となってしまいました。前述した山原のゴラッソと郡司のJ1初ゴールでかろうじて爪痕を残せたのがわずかな救いでした。

 じゃあ何故このような負け方になったのかについて、何点かあげていきたいと思います。

①C大阪が強かっただけでなく対エスパ対策をしてきた

 まず単純にC大阪が強かったです。個だけでなく組織でも上でした。ボール保持(攻撃)時は、左右両方でSBもしくはサイドハーフがサイドに張る事で相手のブロックの横幅を広げさせ、相手のブロックが片方のサイドに寄ってきたら逆サイドに振って空いたスペースを突いてきました。ウチも同じようなボールの前進のさせ方をしますが、C大阪の方がより精度が高かったです。また前線や中盤でのプレスの強度、ボールを失った時のネガトラ、ボールを奪った時のポジトラはいずれもエスパよりも上で、その強さ、速さの前に次第にウチの方がスタミナを失っていった感じがしました。更にポジトラの早さを活かしてのロングカウンターも脅威でした。何でもC大阪のロングカウンターでの得点数はリーグトップだそうですが、それもうなずける内容でした。

 という感じで、C大阪は非常に強かったですが、更にエスパルスに対する対策もしっかり施してきた印象です。特に攻撃時に狙いとしていたのが両SBのウラですね。単純にウチがボール非保持時に高いラインを敷いているのでその背後を突くというのは常道ですが、ウチが相手を押し込んだ時は両SBも上がっているからその後ろが空くわけで、そこを狙われてましたね。最初にそれをやられたのが5分50秒です。松崎のクロスをCBがクリアして、そのボールが北野に渡り、北野からルーカス フェルナンデスへスルーパスが出るのですが、ルーカス フェルナンデスは北野にボールが渡った時点で山原の背後のスペースへ走り出しているんですよ。勿論単純にウチから見て左に思い切りスペースが空いていたから、というのもあるでしょうが、押し込まれた時のSBの後ろのスペースが狙い目だというのが共有されていたというのもあったと思います。逆サイドのチアゴ アンドラーデにも同じようにやられてましたからね。

 またCKも、特に前半はやられましたよね。前節の神戸戦においてCKでゾーンの真ん中に入られて失点してますから、そこも狙い目というのが共有されていたと思われます。実際に2失点目がその形で、中島に前節の1失点目と同じような場所に入られてやられてます。このゾーンを担当していたのは住吉だと思いますが、住吉の前にラファエル ハットンが入ってきたのでそちらに釣られてしまって住吉の後ろに入った中島にどフリーでヘッドを許してしまいました。C大阪はこの後も40分頃に畠中、42分頃にチアゴ アンドラーデと同じような場所からヘディングシュートをしていますが、こちらの穴を把握していたからこそでしょう。エスパはたまらず後半からCKの守り方を完全なゾーンから一部マンツーマンに変えていますが、そうしなければならなかった時点で負けでしょう。

②ミスによる失点が相次いだ

 2点目は秋葉監督が試合後「ミスで自滅した」と仰った点ですね。秋葉監督が暗に言及したのは9分頃の住吉のブエノへのパスがカットされたところだと思います。ただここはルーカス フェルナンデスが住吉の意図を読んでカットした側面が大きいと思うので、「オレは横パスが嫌いだ!」と批判される類のものではないと思います。一方でその後の住吉の対応はミスといってもいいと思います。ルーカス フェルナンデスから北野にパスが渡った時のスライドが遅れて、そのために北野を後ろから倒してしまう形になってしまいました。もう少し早くスライドしていれば上手く対処できたんじゃないかと思います。で、その流れでCKから決められてしまったのも拙かったですね。せっかく沖がPKを止めてくれただけに余計に。結局最初に住吉がパスカットされてPKを与えてしまったところから最終的に失点につながってしまったので、これが選手達のメンタルに与えた影響は大きかったと思います。

 ただ、僕は後半の3失点目に繋がったミスの方が痛かったと思ってます。まず乾のクロスをGKの福井がキャッチしたところから始まるわけですが、福井はまず喜田に渡して、そこにブエノが寄せてきたので畠中に下げます。この時点で畠中はフリーでした。で、畠中はダイレで中盤でフリーだった北野に出すのですが、そこへ何故か蓮川が寄せていきます。が、あっさり北野にかわされてしまい、更に高橋も寄せてきて北野がパスを出そうとしたのを見て滑って何とかカットしようとしたのですが叶わず、ボールはどフリーのラファエル ハットンに渡って、あっさり3点目を決められてしまったわけです。

 蓮川、高橋のあり得ない判断ミスだと思います。パスの出し手である畠中には殆どプレッシャーがかかっていませんでしたから、こういう時は後ろの選手はステイするのがチームの約束事のはずです。逆に寄せるならファウルしてでも止めるつもりで寄せなきゃダメです。それが蓮川はあっさりかわされちゃうし、更に高橋まで寄せちゃってしかも滑っちゃってはダメでしょ。CB2人とも中盤の選手に寄せにいったら誰が最終ラインの真ん中を守るんですか?僕は住吉のパスミス以上にこの2人の判断ミスの方がやっちゃいけないミスだと思います。ただ、一方で何で北野へのパスコースがあれだけ空いていたの?という疑問もあります。宇野は中島についていましたが、北野をしっかり見るようにハーフタイムで指示されていたのなら宇野がパスコースを消すべきでした。他の中盤から前の選手も全体的にこちらの攻撃が止められた事で集中を切らしている感じで、これじゃ「残留争いするチーム」と言われても仕方ないですね。

③北川が怪我で途中交代してしまった

 もう1点、25分に北川が怪我で負傷交代してしまったのも痛かったですね。北川がいる時は、ボール非保持(守備)時は乾とともに相手最終ラインをけん制しながらパスコースを限定したり前プレをしてくれるし、ボール保持(攻撃)時はウラ抜けの動きをして相手最終ラインを押し下げたり、前でボールを引き出してポスト役をしてくれたり、と、様々なタスクをこなしてくれていましたから。特に効果をもたらすのがウラ抜けの動きによる相手最終ラインとの駆け引きで、これにより味方にスペースを与えていたのはもっと評価されていいと思います。

 で、北川が下がった後、彼に代わって入った矢島が2トップの一角に入ったのですが、この起用は結果的に失敗だったと思います。矢島は中盤の選手ですし足元へのボールを欲しがる選手ですから相手最終ラインとの駆け引きなど出来ません。またボール保持時のパスの受け方もトップと中盤では違います。結局この起用によってエスパはボールを奪ってもどこにパスを出せばいいかが判断できず混乱をきたし、一方のC大阪も北川のウラ抜けを気にしなくて良くなったので、中盤からどんどんプレスをかけるようになり、結果としてエスパは殆ど前にボールを運べなくなりました。30分過ぎくらいに矢島に代えてカピシャーバをトップの位置に入れた事で少しずつチームは落ち着きを取り戻しましたが、それまでに起きていた混乱による損失は小さくなかったと思います。

 以上、3点をあげさせて頂きました。C大阪に対策され、失点に直結するミスが出てしまい、北川の負傷交代というアクシデントまで重なったらそりゃ勝てないよね、という感じではあります。ただ1点疑問に思うのは、特に①に関連して「じゃあウチはC大阪戦に向けて何か対策したの?」という点です。前節の神戸戦に関してはしっかり対策をとって、それがハマったために勝てたと思ってますが、この試合に関してはどんな対策がとられたかがわかりません。前節課題だったCK時の守備も特に改善されたとは思えないどころか前節とほぼ同じ形でやられていますし、何よりスタメンは前節と同じである一方前節と違って特に可変システムにはしていません。言ってしまうと全く対策を施さずに真っ向勝負を挑んで玉砕してしまったとしか思えないのです。この推測があたっているなら、今回の敗戦の責任を一番負うのは秋葉監督です。最終的に試合毎のゲームプランを決めるのは監督ですから。そんな無謀・無策な戦い方をさせておいて、しかも相手のロングカウンターに対して試合中に有効な修正を出来ないでおいて、試合後に「残留争いするチームだ」とか仰るのはいかがなものかと思ってしまいますね。

 ただ、この「残留争いするチームだ」という言葉には、秋葉監督自身の事も含まれていると思いますし、秋葉監督ご自身が緩んだ戦いをさせてしまった責任を感じての事だと考えます。今回の敗戦と試合後のコメントを受けてチーム全体に危機感が生まれたと思いますので、監督、コーチ、選手、スタッフが今一度ネジを巻き直して後半戦に臨んでくれる事を期待したいです。

5.良かった事

 ここまでかなり批判めいた事を書き連ねましたが、良かった事もわずかですがありました。山原の直接FKからのゴラッソは見事でしたし、郡司がようやく怪我が癒えてリーグ戦に出て最初にゴールを決めてくれたのも良かったです。また途中から入った小塚のゲームメイクも光りました。何より後半開始から出場した中原が非常に良いプレーしていました。あちこちに顔を出してボールを引き出してましたし、ボールを持ったら簡単にボールを奪われない技術の高さを見せて右サイドで起点になってくれました。郡司のゴールをアシストしましたし、あれだけのプレーを続けて出来れば松崎に代わってスタメン入りする事もあり得ると思います。

6.まとめ

 これでリーグ戦19試合とちょうど半分を消化しましたが、7勝4分8敗と負け越しに終わってしまいました。シーズン開幕当初の予想よりは良くやっていると思いますが、これからは相手チームの対策も強化されてくると思うので、全く油断は出来ません。今週は国際AマッチWEAKなのでリーグ戦は無し。次の公式戦となる来週水曜の天皇杯と来週末のG大阪戦に向けてじっくり準備時間をとる事が出来ます。今回のボロ負けを受けてチームをどう立て直していくのか、注視していきたいと思います。

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