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2025年5月15日 (木)

痛み分け(5/11 町田戦)

 先週日曜(5/11)は久々のアイスタ日本平での町田戦でした。良い天気だったのはいいのですが、5月も中旬という事で日差しが結構強く、しかもそれに対する対策を何も考慮してなかったため思い切り日焼けしてしまいました(汗。

 ウチも町田も連敗中という事で「何としても勝って連敗を止める!」という強い気持ちで臨んだと思いますが、結果はドロー。両チームとも連敗を止める事は出来ましたが、町田は2度先行しながら追いつかれたし、ウチもホームでの戦いだった分勝ちたい気持ちがより強かったと思うので、「痛み分け」という表現が一番ふさわしいでしょうね。

<明治安田J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 エスパルス 2ー2 FC町田ゼルビア

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:猪越、山原、住吉、弓場、中原、矢島、嶋本、西原、ドウグラス タンキ

 町田が今季3バックで戦っているため3バックの可能性が高いと思っていましたが、スタメン表を見た時には3バック、4バックのどちらの可能性もあるなと思ってました。実際には3バックで、ボール保持(攻撃)時は高木を右SBにスライドさせての4バックという形でした。最終ラインのメンバーについては、高橋が前節脳震盪の疑いで交代したのを受けて今節は欠場し、代わりに高木が久々のスタメン入り。一方住吉が全体練習に復帰したという事でスタメン入りの可能性もありましたが、まずばリザーブからのスタートで、最終ラインの真ん中は羽田が務めました。おそらく住吉の試合勘を考慮したのでしょう。

2.町田の戦い方

 一昨季に黒田氏が監督に就任してJ2をぶっちぎりで優勝し、初めてのJ1での戦いとなった昨季も一時は首位に立つなど最後まで優勝争いに絡み続け、最終的に今秋からのACLEへの出場権を獲得した町田は、今オフは昨季ほどの派手さはないものの西村、前などの実力者を獲得し、開幕戦こそ広島に敗れたものの、第4節からは6試合負け無しと順調な滑り出しを見せていました。しかし第10節に浦和に敗れてからの6試合は1勝5敗と苦しんでおり、特に前節は前半先制しながら後半に同点に追い付かれATに逆転ゴールを許すというショッキングな形で敗戦。更に相馬が怪我で離脱し中山もこの試合で脳震盪の疑いにより途中交代と怪我人も出ているようです。

 システムは3-4-2-1。昨季の終盤から取り入れたもので、今季は一貫してこの形で戦っています。戦い方は昨季までのようにロングボール中心ではなく後ろからも繋いで攻める形も取り入れています。ただアタッキングサードに入ってからの両サイドからのクロスによる揺さぶり、ボール非保持(守備)時の激しいコンタクトによるボール奪取は健在で、この試合でも苦しめられました。

3.試合経過(前半)

 開始から、エスパは足元でボールを繋ぎながら、町田はオ セフンへロングボールを送ってからのセカンドボールの回収からという対照的な攻め方ながら、お互いに攻め合う展開となります。最初に決定機を作ったのはエスパで、10分30秒頃、松崎からのスルーパスを北川が左へ流して乾がシュートを放ちますが枠外に終わります。町田も11分50秒頃、右サイドでパスカットした昌子からオ セフン、ナ サンホと渡って、ナ サンホからのクロスのこぼれ球を西村がフリーでシュートを放ちますが、沖がセーブして事無きを得ます。が、このあたりから町田がエスパの後ろからの繋ぎに対しての圧力を強め、エスパはなかなか前へボールを繋げなくなりました。町田ははっきりと人を捕まえてきていて、ビルドアップのキープレイヤーとなるブエノに前を付けて容易にパスを出させず、右の松崎がヘルプで落ちてきた時には昌子もついてきてボールを繋がせません。なら昌子の後ろを狙おうという事で北爪が前に出てそこにロングフィードを出す形をトライしたのですがなかなか上手くいきません。ただ町田のロングボールやクロスの精度も高くなかったので点が入る気配がなかったのですが、21分、沖のゴールキックがミスキックとなって町田ボールとなり、そこからオ セフン、ナ サンボとボールが渡って、ナ サンホがクロス。これを西村がヘッドで合わせて、町田が先制点を奪いました。

 これにより町田が優位に試合を進めます。ボール非保持(守備)時は5-3-2のミドルブロックを作ってスペースを与えず、ボールを奪うと後ろでじっくり繋ぎながらタイミングを見てオ セフンにクサビのボールを入れて押し込んでいきます。エスパはオ セフンのクサビのボールからの攻めを防ぐ事が出来ず、攻めては松崎と乾がポジションを入れ替えてそこにブエノを絡ませたり高木を右サイドの高い位置へ上げてそこにロングフィードを入れたりといろいろ工夫はしたのですが、町田の堅守を脅かす事が出来ず、逆に40分にドレシェヴィッチにフリーで危険なミドルを撃たれるなど思うように試合を進められません。41分頃からようやく町田を押し込む事が出来るようになりましたが、結局0-1で前半を折り返しました。

4.試合経過(後半)

 後半、秋葉監督は羽田に代えて住吉を投入。その住吉が47分頃にオ セフンへのボールを2度に渡って防いだ場面に象徴されるように、エスパの最終ラインに安定感をもたらし、これで最終ラインが高いラインをとれるようになったエスパが町田守備陣を揺さぶっていきます。乾、松崎が相手ブロックの中間に入り、ブエノ、宇野、住吉がそこへパスを供給。それを受けた乾、松崎が更に前にボールを展開していき、サイドでは右は北爪と高木、左はカピシャーバと蓮川が絡んで両サイドから揺さぶりをかけ、49分には乾のループシュート、52分30秒頃には北川のシュートのこぼれ球をブエノが詰めるなどの決定機を作っていきます。しかしなかなかゴールには至りませんでしたが、62分頃、カピシャーバのクロスのクリアを拾いにいった乾をドレシェヴィッチが倒してしまいPKの判定。北川がこれを冷静に決めて、エスパが同点に追い付きます。しかしそれも束の間、町田がキックオフからウチから見て左サイドへロングボールを送り、そこから早いクロスを入れると、逆サイドで林が合わせてゴール。このキックオフの際に矢島が選手交代で入ったのですが矢島がポジションに着く前にゲームを再開した事をエスパの選手達は抗議しますが認められず、エスパは再びリードを許す事となってしまいました。

 再びリードを許したエスパは74分に山原、78分に中原、タンキを投入して何とか同点に追い付こうとしますが、町田の堅いブロックをなかなか崩す事が出来ず、逆に74分頃に西村にどフリーでシュートを許してしまいます。80分の乾のスルーパスからの中原のクロスという決定機もモノに出来なかったエスパでしたが、84分、左サイドからのカピシャーバのアーリークロスにタンキがニアで合わせてゴール。エスパが再び同点に追い付きました。この後はエスパが89分頃に山原がウラに抜け出すというチャンスを作り、一方の町田も90+5分にドレシェビッチが2本決定的なシュートを放つ決定機を作りますがともに追加点には至らず、試合は2-2で終了。エスパルスは連敗を2で止めました。

5.2失点に見る守備時の課題

 まず何とかドローに持ち込めて良かったです。町田相手に2度リードを許しながら、ですからね。よく2度も同点に追い付けたと思います。ただ、2失点とも安い失点でしたね。ここでは2失点の場面を振り返る事で今のエスパの守備時の課題を考えてみたいと思います。

①1失点目

 まず1失点目の前段として、この日の3バックの中央には羽田が入りました。恐らくはオ セフン対応として長身の羽田が選ばれたのだと思いますが、3バックの真ん中となるとラインコントロールまでやらないといけないので、思い切った抜擢だなと思っていました。で、実際に試合が始まってみると、予想以上にオ セフンの身体能力が高かったのかなかなか彼のポストプレーを止める事が出来ず、更にウラへのボールに目測を誤る事もあり、最終ラインがちょっと安定感を欠く状態でした。ボールを持った時も、試合経過(前半)で書いた通り、町田の人を捕まえての守備の前になかなかボールを前に運べず、状況を打開するために沖が町田の前プレを超すボールを入れていこうと模索していました。

 そうした時間があって、21分に先制を許すわけです。まず沖のキックが昌子に拾われたところですが、ミスキックと前述しましたが、昌子が北爪へのパスと読んでカットした可能性もあると思います。いずれにしろエスパとしては攻撃に意識が行きかけたところで相手にボールを奪われたわけです。北爪だけでなく高木も右サイドの高い位置へ出てましたし羽田も4バックでの右に出ようとしていて、2人とも慌てて元の位置へ戻ろうとしていました。が、羽田の前にはオ セフンと前プレで出ていた仙頭がいて、羽田1人で2人を見ないといけない状態でした。で、昌子がパスを出そうとしたのを見て羽田は仙頭につこうとしたのですがウラをかかれてオ セフンに出されてしまい、そこからエスパ全体が後手を踏み続けて先制を許したわけです。

 この失点について羽田を責める声が強いのですが、ことこの失点に関しては責める事は出来ないかなと思います。やはり沖のキックが拾われてしまったのが最大の問題で、秋葉監督が試合後仰った通りもう少し時間をとって蹴った方が良かったと思います。まあ前半劣勢になった要因として羽田がオ セフンを抑えられなかった事が一番大きかったのは確かなので、そこは羽田に精進して欲しいですが。

 ただこの失点の最大の問題は、ナ サンホがクロスを入れようとした時に最終ラインにいた宇野と蓮川が仙頭に引っ張られて下がり過ぎてしまった一方で、それにより空いたスペースをカバーする選手が誰もいなかった事。まあナ サンホには誰もついてなかったので最終ラインが相手に引っ張られてしまうのはある程度仕方がないと思うのですが、それならそれで空いたスペースを誰かがカバーしないと。で、このように最終ラインが下がった時にバイタルエリアがガラ空きになるケースは74分の西村のシュートシーンも同様ですし、他の試合でも見られますので、この部分に関してはチーム内でやり方を整理する必要があると思います。

②2失点目

 まず後半開始のキックオフは町田ボールでした。この時もいったん最終ラインにボールを下げ、その間に中盤から前がエスパ陣内へ入り、昌子から望月へロングボールを入れてきました。で、エスパに同点にされた後のキックオフも同じ形でした。町田の全ての試合を観たわけではないのでわかりませんが、これが基本的な町田のキックオフのやり方なのでしょう。ただ後半開始直後は乾が昌子に猛烈なプレスをかけたのに対し、同点後のキックオフでは矢島がまだポジションについていなかったので、後半開始時は乾と共に前プレをかけた北川は矢島のポジションを埋めるために前に出る事が出来ませんでした。このため昌子は望月が想定しているポジションにつくまで待ってロングボールを蹴る事が出来ました。これを考慮すると矢島がポジションに付く前に試合を再開させた山下主審に選手達が抗議するのもわかります。

 ただそれを差し引いても安い失点だったなぁと思ってしまいますね。カピシャーバが望月に競り負けてしまったのは身長差があるので仕方ないとして、蓮川は最初西村についていこうとしたんですけど、カピシャーバと望月が競り合ったこぼれ球がデュークの方にいった時にデュークにいっちゃったんですよ。で、デュークがワンタッチで西村に出したので西村にいこうとして、西村のクロスに足を出したんですけどそれが当たっておあつらえ向きのクロスになってしまったわけです。まあ難しい状況だったのは確かなんですけど、蓮川は西村にいったのならそのままついていた方が良かったと思います。その分住吉がデュークを見て高木もそれに合わせてスライドして対応するという感じで。それか西村にはいかずに3バックの3人の距離を保ってブエノかカピシャーバが戻ってくるのを待つ。いずれにしろ3バックの3人が距離を保つ事でカバーしやすくする体制をとるべきだったかなと思います。まあ言うのは簡単で実際に対応するのは難しいとは思いますが、どうすべきだったかチーム内で話し合って欲しいですね。

6.収穫は結構あった

 また例によって反省点から書きましたが、収穫は結構あったと思います。まず住吉が復帰して45分間プレーした事。怪我明けという事で時間制限が設けられていたみたいですが、オ セフンを完璧に封じるなど怪我明けというのを全く感じさせませんでした。で、住吉が入った事で最終ラインが安定し、高いラインを保つ事が出来たわけですが、それを受けて町田のミドルブロックにどんどんパスを差し込んでいって相手を押し込む事が出来たのが2つ目の収穫ですね。正直町田のブロックにあれだけタテパスを入れられるとは思ってませんでした。松崎や乾、北川のポジショニングは上手かったですし、そこへパスを入れていくブエノ、宇野、住吉も見事でした。また途中交代で入った矢島、中原、山原が彼らと遜色ないプレーをしていたのも良かったです。80分頃、山原が右サイドからカットインして乾に預け、その間に中原が右からハーフスペースレーンに侵入し、乾がそこへスルーパスを出した場面は見事でした。

 あとはカピシャーバによる初アシストと、それによって生まれたタンキのゴールですよね。タンキは前節不本意な形でゴールを取り消されたので、この試合で今季初ゴールを決める事が出来て良かったです。ゴール自体も昌子を背で受けながらバウンドしたボールをヘッドで合わせるという見事なものでしたしね。それとカピシャーバはクロスの質がいいのに中で合わせる人がいないという場面が結構多かったので、もったいないなと思ってたんですよ。それがこの試合でようやくあの質の高いクロスがゴールに結びついたので、観てる方としても嬉しいです。あの質の高いクロスを活かさない手はないと思うので、タンキ以外の選手でも合わせられるようにクロスを入れる時の中の入り方を前の選手で話しておいて欲しいですね。まあ逆サイドの北爪や高木が合わせる形もありますけど。

7.まとめ

 安い2失点によって引き分けに終わってしまったのは残念です。ただお互いの意地がぶつかり合う見応えのある試合でした。次はアウェーで鹿島戦。6連勝中で首位快走中のチームです。非常に厳しい試合になるとは思いますが、こちらもけが人がだいぶ復帰してきましたし、自分達の現在の力を測るには絶好の相手だと思います。全力でぶつかって勝ち点を持ち帰って欲しいです。

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