また惜敗(5/17 鹿島戦)
先週末はアウェイでの鹿島戦でした。この日は大事な用事があったため現地に行く事は出来ず、終わるのも予想より遅れたためDAZNでの追っかけ再生での観戦となりました。
相手の鹿島は6連勝中で、しかも鹿島との対戦成績は負け越しで、特にアウェーでの成績は悪く、その上開始早々に先制されるという最悪の展開で「これはボコられるのか?」と思ってしまいました。が、全く怯む事無く応戦して、後半の特に65分以降はかなり優位に試合を進め、最後までわかりませんでした。結局1点が遠くて敗れてしまいましたが、「残念。でもいいゲームだった。」と感じました。まあ現地で御覧になっていた方は別の感想を持ったかもしれませんけどね。
<明治安田J1リーグ 於 県立カシマサッカースタジアム>
清水エスパルス 0ー1 鹿島アントラーズ
1.エスパルスのスタメン
SUB:猪越、北爪、羽田、小塚、中原、弓場、矢島、西原、ドウグラス タンキ
基本システムは鹿島を意識しての4バック。スタメンに住吉、山原が復帰して、最終ラインは開幕戦以来のメンバーとなり、久々にほぼベストメンバーと呼べるメンバーがスタメンに揃いました。サブに高橋、アフメドフ、宮本がいないのは気になるもののリーグ戦途中から頭角を現した弓場、羽田が入っており、こちらも充実した布陣がそろったと思います。
2.鹿島の戦い方
昨季はリーグ戦は5位でカップ戦も獲れず8年連続で無冠となった鹿島は、OBであり昨季まで川崎を指揮し強豪クラブへ育て上げた鬼木達氏を監督に招聘し、選手もレオ セアラ、キム テヒョン、小池といった実力者を獲得し、万全の態勢で今シーズンを迎えました。開幕戦でいきなり湘南に足元をすくわれましたが、その後の6試合は5勝1分と巻き返し、第8節の広島戦から3連敗したものの、第11節の岡山戦からは6連勝で首位に立っています。途中けが人が続出しましたが、鬼木監督が上手くやり繰りして順調な戦いぶりを見せていると言っていいでしょう。
システムは、最初は4-4-2でしたが、途中から鈴木をサイドハーフにしての4-2-3-1にしています。戦い方としては最初は積極的に前プレをかけたりしていたみたいですが、途中からはしっかりとミドルブロックを作って相手を撥ね返す形にシフトしているみたいで、ボール保持(攻撃)時も川崎の時ように後ろから繋ぐだけでなく長いボールを織り交ぜていて、このあたりは自分のやりたいサッカーを押し付けるよりもまずは鹿島が今まで培ってきた形を優先しているように見えます。とはいえ得点はリーグ1位で失点も第16節時点でリーグ2位と首位に立つにふさわしい数字を出しており、一方で6連勝した試合で1点差が5試合と非常に競り合いに強いところも見せており、この試合でもその力を見せつけられる格好となりました。
3.試合経過(前半)
試合は開始直後の2分頃に宇野がペナ外からシュートを撃ち、鹿島も3分頃にチャヴリッチが突破からシュートを撃つというアグレッシブな展開となります。エスパは基本的にはミドルブロックを作ってけん制をかけつつ、鹿島がボールを下げたら前プレをかけて積極的にボールを奪いにいきます。4分53秒頃にはこの前プレが鹿島のミスを誘って北川がボールをカット。GK早川が前に出ていたのを見てループシュートを放ちますがボールは枠を捉えられず、エスパは千載一遇のチャンスを逃します。すると7分、チャヴリッチがウチから見て左サイドを駆け上がり、クロスを上げると見せて山原をフェイントでかわして更にポケット付近までボールを持ち出した後マイナスのクロス。これを鈴木がゴールへ沈めて、鹿島が先制点を奪いました。
これで勢いの出た鹿島はより積極的にエスパ陣内へ攻め込み、10分55秒、12分25秒にいずれも田川がシュートを撃つなど攻勢をかけます。しかしこれを凌いだエスパは次第にボールを握る時間を増やしていき、18分40秒頃には、オフサイドとなったものの北川がゴールネットを揺らすシーンを作るなどして鹿島を慌てさせます。鹿島も負けておらず28分に船橋がシュートを放つなどの場面も作りますが、エスパも39分にブエノのクロスから北川がヘッドで合わせる場面などを作り、一進一退のまま前半は0-1で折り返しました。
4.試合経過(後半)
後半開始直後は鹿島が攻勢に出て、45分50秒、デザインされたCKから鈴木が大外でボレーシュートを放つ(沖が左足でブロック)などのチャンスを作ります。しかしエスパも負けておらず、58分40秒に山原のマイナスのクロスを乾が右足で合わせる(枠外)という決定機を作り、前半から変わらず一進一退の状況でした。しかし60分を過ぎたあたりから鹿島の運動量が落ち始め、エスパがより優勢に試合を進めていきます。これを見た秋葉監督は66分、乾、松崎に代えて矢島、中原を投入。その直後の66分28分にはウラへ走り出した北川に山原が絶妙のパス。北川がこれをダイレで右のスペースへ出すと、矢島がどフリーで走りこんでシュートを放つという決定機を作りますが得点出来ません。しかしエスパは怯む事なく攻勢をかけ、73分40秒には中原が右からカットインしてきて北川へパス。北川がこれを反転して2度シュートを放ちますが、いずれも得点ならず。この後もエスパは77分に小塚と西原、81分に北爪を投入して更に攻勢を強めますが、鹿島の身体を張ったディフェンスを最後まで打ち破る事が出来ず、試合は0-1でエスパルスが敗れました。
5.敗因
惜しい試合でした。まあ「もったいなかった」とも言えますかね。しかしエスパルスは90分通して良い試合をしたと思います。鹿島と対戦した中でもアウェーでの戦績は12勝23敗(カップ戦も含みます)と非常に悪いのに、それを感じさせないどころか真っ向勝負でむしろ優勢に試合を進めたのですから、何ら卑下する必要はないと思っています。
とは言え、負けたのは事実です。では何故負けてしまったのかを考えていきたいと思います(といっても今回もシンプルなんですけどね)。
①鹿島の守備が堅かった
まず鹿島の守備が堅かった事をあげるべきでしょう。4-4のブロックをコンパクトに保ってボールホルダーに激しくチェックにいく形が徹底されてました。特に堅いと思ったのは押し込まれてからの対応ですね。一人一人が身体を張ってシュートやクロスにブロックにいって、最後のところはやらせてくれませんでした。象徴的なのは54分頃ですね。松崎がサイドの深いところでボールを受けて突破しようとしたのですが、安西が最後までついていって松崎に自由にやらせませんでした。危ないってところでああいうプレーが出来るのが今季の、あるいはJリーグ開幕から受け継がれる鹿島の強さなのかもしれないなと思いました。
②試合開始早々に安い失点をしてしまった
それに比べてウチは、っていう感じで取り上げないといけないのが失点シーンですね。まず山原のチャヴリッチへのプレーが軽かったです。というかあそこで滑っちゃダメですね。あそこからクロスを上げられても失点の確率は低いですし、そこから内側に入られる事の方が危険度は増しますから。あそこは滑らずに対応すべきでした。で、チャヴリッチにポケットまで侵入されてマイナスのクロスを入れられ、鈴木に決められるわけですが、高木のカバーがもうちょっと早かったら良かったですね。ただカバーに行った姿勢は良かったです。あと住吉は1トップの田川を抑えてたので仕方ないかなと思いますが、ボールが足に当たってしまったのは不運でした。問題はボールウォッチャーになった上にシュートを防ぎにいけなかった宇野ですかね。前節も最終ラインを下げさせられてのマイナスのクロスから決められていて、今節も同じ形でやられたので、宇野だけじゃなくチーム全体で対応方法を整理する必要があると思います。
③点をとるべきところでとれなかった
あとは点がとれなかった事ですね。決定機はありましたから。4分53秒頃の北川のループ、58分40秒頃の乾、66分28秒頃の矢島、73分40秒頃の北川の2本のシュートと5本もありましたから。特に北川のループと矢島のシュートは決めて欲しかったですが、相手GKの早川が良いGKなので意識しちゃいましたかね。とはいえ決めるべきところで決めないと勝つ事は出来ないですから、そこは猛省して欲しいです。
6.良かったところ
とはいえ、内容自体は良かったです。非保持(守備)時は4-4-2のコンパクトなブロックを作って相手をけん制し、相手がボールを下げたら前プレをかけて圧力をかける事で何回か相手のミスを誘う事が出来ました。またボールを保持したらCBの蓮川、住吉とSBのどちらかもしくはブエノの3枚でビルドアップをスタートし、相手2トップの脇を使ってボールを前進させようとしてましたが、タイミング良く宇野、乾、松崎が相手のボランチとサイドハーフの間の所謂中間ポジションに顔を出してボールを引き取り、ボールを前進させる事が出来てました。またブエノから乾へのパス出しが見事で、ブエノは狭いところでも難なくパスを通すし乾のポジション取りも良いので、そこから更にチャンスを広げる事が出来てました。更に良かったのは、乾、松崎が交代で下がっても攻撃のクオリティが落ちなかった事です。矢島も中原もいろんなところに顔を出してボールを引き出しチャンスを広げる事に貢献してましたし、久々出場の小塚も良いパスを出していました。北爪も右サイドの攻撃を更に活性化させてましたね。西原だけは物足りなかったけど、ベストメンバーといって良いこの日のスタメンから入れ替わっても鹿島を押し込み続けあと一歩のところまで追いつめる事が出来たのは収穫といっていいと思います。
だからこそ1点欲しかったですけどね。この日は前述した通り決定機が4回はありましたからそこで決められればというのはありますが、他にも別のところに出していれば決定機になったかもという場面はあったと思います。例えば69分30秒頃に中原がファーにカピシャーバにクロスを出したけど合わせられなかったシーンがありました。ただカピシャーバはDFに捕まえられてましたし、ちょうどブエノがどフリーで上がってきてたので、ブエノを狙った方がゴールの確率は上がったと思います。これも結果論ではあるのですが、サイドにボールがある時の中への入り方とかクロスをどこに出すかはある程度整理して共有できると思うので、そこはチーム内で詰めて欲しいです。
あと忘れてならないのが北川で、常に相手最終ラインと駆け引きをしてウラ抜けの機会を窺い、機を見てウラに抜け出してチャンスを広げる事に貢献していました。オフサイドになりましたけど5分50秒頃にブエノがゴールネットを揺らしたのは北川のウラ抜けからですし、66分40秒頃の矢島のシュートシーンも北川がウラに抜けたところから始まってますからね。ああやってウラ抜けされてそこにパスを通されるとやはり相手最終ラインとしてはラインを上げにくくなるものです。北川が休まずにウラを狙い続ける事で後ろの乾、松崎らがパスをスペースができやすくなったのです。ポスト役として16分頃に真ん中で受けて宇野とスイッチしようとしたり、70分頃にサイドに抜け出してアンダーラップをしてきた山原にヒールパスを出したりとチャンスを広げる役も担っていて、本当に効いていたと思います。
ただゴールを決められなかった事で結構北川には批判が出ているみたいなんですよね。「FWなんだから点をとらないと」みたいな。それはまっとうな批判だと思います。ただねぇ、北川には結構たくさんのタスクが割り当てられているので、その上得点までとらないといけないので大変だと思うんですよ。言ってしまうと99年にステージ優勝した時の安永の立ち位置なんですよね。だからその年の久保山みたいに他の選手が決めてくれればいいわけで、その意味では乾、松崎、カピシャーバといった二列目の選手達がもっと得点をとってくれれば良いと考えます。あるいは北川がウラ抜けやポスト役をこなしつつ最後のところで得点を決めるという、言ってしまうと大迫のレベルまで成長してくれればそれが一番いいでしょう。クラブの顔ですからね。ただ北川の成長を待っていられるかは何ともいえないところです。もしそれを待っていられないと判断したら、北川がより得点をとりやすいように2トップなど別のシステムにするか、或いは新たなFWを獲ってくるかという事になりますが、その判断はクラブに任せるしかないです。ただ繰り返しになりますが、北川は今でも十分チームに貢献してくれているので、あとは更に点をとれるところでとれるよう頑張って欲しいです。
7.まとめ
これで今季2度目の4試合勝ち無し。また降格圏のチームとの差は5に縮まりました。ただ4試合勝てないとか下が迫ってきたとかいう苦しい時期が来るのはシーズン前にある程度想定していたので、「これくらいなら別に」という感じでいます。ただ次のホームでの試合は負けられません。下が詰まってきたからとかいう理由ではなく僕達の要塞アイスタでの試合だから。相手の神戸は調子を上げてきていますが、何としても勝ち点3を奪って欲しいです。
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