惜しかった(5/6 柏戦)
GWの最終日(5/6)、エスパルスはアウェー三協フロンテア柏スタジアム(通称日立台)に乗り込んで柏と対戦しました。試合当日は結構な雨が降り、前半途中くらいから小降りにはなったものの、ピッチ上に水が溜まって場所によってはボールが止まるところも出て、「アイスタのピッチでやっぱり凄いんだな」と改めて思いました。またここの特にアウェイ側のエリアは屋根とかスタンド下とか雨宿り出来るところが全くないのも不便なんですよねぇ。まあ雨さえ降らなければピッチとの間隔が狭くて見やすいんですけど。
前節国立でのホーム開催で0-3と完敗してしまい、そこから中2日での試合という事で十分な準備が出来ず、しかも相手は8試合負け無しの柏という事で相当な苦戦が予想されました。実際相当に苦戦しましたし、0-1で敗れてしまいましたが、それでもチーム全体で精一杯戦った事が伝わってきました。だから試合終了後は「惜しかったなぁ。でも良くやった。」という気持ちでした。
<明治安田J1リーグ 於 三協フロンテア柏スタジアム>
清水エスパルス 0ー1 柏レイソル
1.エスパルスのスタメン
SUB:猪越、山原、高木、弓場、松崎、西原、乾、北川、ドウグラス タンキ
秋葉監督は前節の試合終了後のコメントとして「ダイナミックな采配が出来なかった」と仰っていましたが、それを受けてシステム、スタメンとも変えてきました。システムは柏と同じ3-4-2-1とし、メンバーも宇野をボランチに戻して羽田、蓮川をスタメンに入れ、前線の3人全員を入れ替えました。まあ後者に関しては横浜FM戦と同じ考え方で、前半のメンツでいけるところまでいって後半にフレッシュな状態で北川、乾、松崎を入れて勝負をかけるというゲームプランだったのだろうと思います。
2.柏の戦い方
昨季の柏は最後まで残留争いに巻き込まれ、最終的に17位でフィニッシュしました。これを受けてクラブは徳島、浦和の監督を歴任したリカルド ロドリゲス氏を監督に招聘。これを受けてオフではリカルド ロドリゲス氏の下でプレーした事のある小泉、渡井などリカルド ロドリゲス監督のサッカーにフィットしそうな選手を数多く獲得。攻撃陣の中心だったマテウス サヴィオやパリ五輪代表の関根は抜けたものの狙いをきちんと持った選手編成を行いました。シーズン開幕後はその効果が早速出て、開幕後の4試合で3勝1分と好スタート。第5節で鹿島に敗れたもののその後8試合負け無しで暫定で3位と好位置につけています。
基本システムは3-4-2-1なのですが、3バックのうち1人が中盤の位置に上がって残りの2人とGKでビルドアップをスタート。中盤の立ち位置も相手によって変えてきます。まだアタッキングサードに入ってからの崩しは仕込み切れてないみたいで、それにより得点は少ないですが、一方で失点も非常に少なく接戦を確実にモノに出来る力を得つつあるようです。
3.試合経過
試合開始直後はエスパが勢いを持って攻め込み、CKを得るなどのチャンスを作ります。しかし柏も5分に久保の突破からのクロスを逆サイドのWBのジエゴが合わせる柏らしい決定機を作り、そこからは柏がペースを握ります。エスパがボール非保持時に5-2-3のブロックで柏をはめようとしたのに対し柏は左CBの三丸をSBの位置にずらして犬飼と古賀のGKの小島からビルドアップをスタート。そこにボランチの熊坂がボールを受けに下がってくるなどの柔軟なポジション取りでエスパに狙い通りのプレスを許しません。このため柏がボールを握り続ける状態となり、16分から15分間の柏のボール保持率は82.8%となりました。しかしエスパもそれは想定していて、リトリート時は5-4-1のブロックを組んで柏にシュートまではさせません。また中盤でブロックを組む時は相手に合わせて2トップにする事で少しずつ柏に圧力をかけられるようになり、ボール保持時はカピシャーバの突破力などを使う事で少しずつ相手陣内へ攻め込む回数を増やし、33分に中原、35分のアフメドフがシュートを撃つなどのチャンスを作ります。ただ得点には至らず、スコアレスで前半を折り返しました。
後半、秋葉監督はアフメドフに代えて北川を投入します。おそらくはほぼ予定通りの交代で、46分頃には北川が相手陣ポケットに侵入してボールを引き出し、ブエノのクロスバー直撃のシュートへ繋げます。しかし先制したのは柏。52分、最終ラインの古賀からこちらの北爪と羽田の間に走りこもうとしていた仲間にスルーパスが通り、仲間がクロスを送ると中央で垣田が合わせてゴール。完全に崩された形でエスパが先制を許しました。
追いつきたいエスパは58分に乾と高木を投入。66分には北川がウラへ抜け出し、柏GKの小島が飛び出して防いだボールを拾った乾が小島をかわしてシュートを撃つという決定機を作ります(犬飼がクリア)。エスパは68分に松崎を投入し、76分には宇野に代えてタンキを投入して3-5-2に移行して更に攻めたてます。そして85分30秒頃、CKからタンキがヘッドで合わせてゴールを決めます。しかしVARチェックを経てノーゴールとなり、同点にはなりません。エスパは更に攻勢を強め、90+7分頃にはCKのこぼれ球を拾ってのクロスに高橋が飛び込み、GKなどと交錯してこぼれたボールをカピシャーバが押し込もうとしますがゴールライン上でクリアされ、ここでもゴールならず。結局エスパルスは0-1で惜敗となりました。
4.敗戦の要因
前節から中2日なので選手達を心身ともにリフレッシュさせるのが精一杯だったと思うのですが、それを感じさせない試合ぶりでした。試合が終わった後は「悔しい」という気持ちよりも「惜しかったなぁ」という気持ちの方が遥かに大きかったですから(後半のエスパの攻撃が自分の席が逆側で行われていたので、ATの攻防とかがよく見えなかったというのもあるかもですが(汗)。
とはいえ負けてしまったのが現実です。敗戦の要因は以下の2点が挙げられると思います(いずれもありきたりですが)。
①わずかのスキを突かれて先制を許した事
ボール非保持時のエスパはリトリートした時は5-4-1で構えていて、前半から柏にボールを握られ揺さぶられながらも決定機は5分のジエゴのシュートしかありませんでした。しかし後半、北川を入れて最初に決定機を作った事で「さあ行くぞ!」と思った矢先に先制を許してしまいました。柏に2分くらいを持たれながらもブロックの外で回させていたのですが、仲間が羽田と北爪の間に走りこもうとしていたのを見た古賀がパス。これを通されて久保がフリーでポケットに侵入してクロスを入れられ、垣田に押し込まれてしまいました。まず北爪がサイドに張っていたジエゴに意識が行き過ぎて謂わば「ピン止め」されていたのが問題かと思います。次に羽田ですが、古賀のパスをカットできると思って前に出たものの予想以上にパススピードが速くてパスを通されてしまったのが2つ目の問題点。僕がフォローさせて頂いている方が「前半水が浮いていたためボールのスピードが遅くなる事が度々あったので、それをイメージしてああいう判断になったのでは」と仰ってましたが、僕もその可能性が高いと思います。ただミスである事に違いはないでしょう。もう1つは蓮川の対応が遅れた事。羽田が古賀からのパスをカットすべく前に出た時に蓮川はそれにより生まれたスペースをカバーすべく仲間の走る方向にスライドすべきだったんじゃないかと思うのですが、その対応が遅れたために仲間から垣田へのクロスを通してしまいました。高橋も蓮川に合わせてスライドする必要があったと思います。エスパの守り方は人を捕まえるところに意識がいって守備時の味方との距離感とかチャレンジ&カバーの意識が薄くなりがちで、このゴールはそのスキを見事に突かれた形となりました。J1ではこうしたスキは必ず突かれるので、このへんのスキを生まないための意識付けはやっていかないといけないと感じました。
②点をとるべきところでとれなかった事
試合全体としては柏に多くの時間ボールを握られ続けましたが、シュート数、ゴール期待値とも柏を上回っていました。にも関わらず1点もとれなかったのは大きな敗因ですよね。特に66分の乾のGKがいないゴールへのシュートと90+7分のカピシャーバのシュートは決めたかったですね。いずれも柏の選手にゴールライン上でクリアされてしまったので、柏のゴールを守る強い意識が上回った形となりましたが。高橋もセットプレーから4本シュートを撃ってますので決めたかったところですが、ここでも柏の身体を張った守りの前にわずかにシュートコースをずらされたという事なのでしょう。が、どれか1つでも入っていればと思わずにはいられません。
5.良かったところもたくさんあった
以上、敗因をあげました。言ってしまうと非常にありきたりな形で負けてしまった格好ではあります。とはいえ、良かったところもたくさんありました。前半は前3人をフレッシュな選手にしての3-4-2-1にして、なかなか思ったように前から嵌められませんでしたが、それでも相手にボールを持たれながらもチャンスは殆ど作らせず、途中から立ち位置を微妙に変えて前から嵌められるようになって少しずつ攻撃の機会を増やす事ができました。後半、北川を入れながら先制を許したものの、乾、松崎を入れて左のカピシャーバも加えて一気に攻撃を活性化させ、72分にはタンキを入れて久々に2トップにして、一度は同点ゴールを奪う事が出来ました。何より強調したいのが、これが3日前に0-3で酷くやられた後の試合である事。中2日でよく気持ちを切り替えて全力で戦ってくれたし、秋葉監督をはじめとするスタッフ陣も選手起用など最善の準備をしてくれました。負けてしまいましたが、その事には感謝したいです。
6.アフメドフをどう活かすか?
といいつつ、また課題寄りの話になるのですが、アフメドフをどう活かすかというのはまだ見つかってないかな、というのを観ていて感じました。動き自体は良かったと思います。ボールに絡む機会はルヴァン杯の相模原戦と比べて格段に増えましたし、35分頃にはDFに防がれたとはいえ惜しいシュートも撃っています。ただ周囲が完全にアフメドフの活かし方を理解してそれに合ったパスを出せているかというと違うように思うんですよね。当たっているかはわかりませんが、アフメドフとしてはサイドから早いタイミングでのクロスが欲しいんじゃないかなと感じます。34分頃にはカピシャーバが強引に左サイドを突破してクロスを入れて、これはDFにわずかに当たってCKになってしまうのですが、この時のアフメドフのゴールへの入り方は凄く良かったので、クロスがアフメドフに届いたらゴールにつながったかもと感じました。思えばウチの攻め方として、サイドにボールが入るとそこに数人が絡んでパス回しをしながらポケットへ侵入する機会をうかがうじゃないですか。それは真ん中が身長の高くない北川だからというのが結構大きいと思うのですが、トップがアフメドフだったら簡単にクロスを入れてみるのもいいんじゃないかと感じます。どうしても観てる側もトップの選手に北川と同じ動きを要求しがちですけど、アフメドフにはアフメドフの良さがあると思うのでそこをチームも観てる側も考えるべきでは、と思います。動き自体は良くなってきているので、ね。
7.VARによるゴール取り消しについて
さてこの試合について語る上ではどうしてもこの話題に触れざるを得ません。85分30秒頃、CKからタンキのヘディングシュートがゴールを揺らして、いったんは得点が認められるのですが、VAR判定により得点が取り消されてしまいました。
判定理由は、タンキが飛ぶ前に小屋松を片手で押したのがプッシングだという事のようです。選手達は相当怒ってましたし、秋葉監督も試合後の記者会見で「あれをファウルととられたらFootballではなくなる」と仰ってました。特に秋葉監督が試合後に判定に関して触れるのはエスパの監督になってからは初めてだと思います。僕も帰って映像で確認しましたが、厳しい判定だなと感じました。ただタンキの右手が小屋松の背中に触れちゃっているので、ファウルととる審判もいるだろうなとも感じます。それほど微妙な判定でしたね。
という事で、僕がこの件についてこれ以上掘り下げるつもりはないのですが、この件に関して元国際審判員の家本政明さんがnoteに記事をアップして下さっています。非常に得心のいく記事でしたのでリンクを貼っておきます(有料なのはご勘弁を(汗)。
なぜ主審はそう判断したのか?#667 柏v清水戦85分20秒
8.まとめ
これで連敗となり、GW三連戦の結果は1勝2敗の負け越しとなり、勝敗も五分となってしまいました。しかし嘆いている暇はありません。日曜(5/11)にはホーム・アイスタ日本平での町田戦が控えています。町田も連敗中である分必死になってくるでしょうが、僕達の要塞アイスタ日本平で負ける事は許されません。柏戦と同様に最善の準備をして、勝ち点3を奪って欲しいです。
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