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2025年3月23日 (日)

自滅(3/16 京都戦)

 先週日曜(3/16)はホーム・アイスタ日本平での京都戦でした。前日くらいまで一日中雨という予報が出ていて、「これは滝行かな?」と思っていたのですが、実際は試合開始1時間くらい前に雨があがり、試合中は雨が止んだ状態で晴れ間が出た時間帯もあったので助かりました。風が強くて寒かったですけどね。

 ここ2年アイスタではエスパの成績が良く、特に昨季はリーグ戦で1敗、カップ戦を合わせても2敗しかしていないので、この試合でも勝ってくれるものと勝手に思っていたのですが、結果は1-2で敗戦。内容的にも選手達が力を出し切れていないように見えて、悶々とした気持ちで帰宅しました。

<明治安田J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 エスパルス 1ー2 京都サンガF.C.

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1.エスパルスのスタメン

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SUB:猪越、蓮川、吉田、羽田、小塚、中原、弓場、嶋本、アフメド アフメドフ

 前節負傷交代した山原に加えて宇野も欠場。代わって宮本と西原がスタメンに入りました。山原が欠場した左SBには前節に引き続き高木。それからCBは蓮川に代えて高橋が入りました。これは京都の原やラファエル エリアスの高さを考慮したからと秋葉監督が仰っています。サブにも変化がありました。練習試合で怪我をしたのかタンキがリザーブから外れ、代わりのFWはなし。一方、これまでリザーブにも入っていなかった弓場と羽田が初めてリザーブに入りました。メンバーの入れ替えでチーム内が活性化するのは良い事ですが、一方で台所事情の苦しさもうかがえました。

2.京都の戦い方

 昨季の京都は、一時は長く降格圏内に沈んでいましたが、後半戦に入ってから次第に持ち直し、終盤の第35~38節では勝ちがなかったものの14位でフィニッシュしました。今オフも新外国人2人に加えて京都アカデミー出身の奥川も獲得し、今季の台風の目とする声もありました。実際には開幕戦で岡山に敗れるなど出だしは良くありませんでしたが、第4節にアウェーで川崎相手に今季初勝利をあげ、第5節は敗れたものの全く侮れない存在だと思っていました。

 システムは4-3-3。しかしトップの3人はサイドに張るわけではなく3人とも基本的に真ん中でプレーし、そこに後ろから長いボールを入れて中盤がセカンドボールを拾って攻撃を仕掛けるのが主な形。一方でボールロストしたら素早くプレスを仕掛けてボールを奪って二次・三次攻撃を仕掛けてきて、ウチもこのネガトラの速さには相当苦しめられました。

3.劣勢を強いられた前半

 試合は、前半キックオフを選択した京都が攻め込んで、1分にいきなり福岡がきわどいシュートを放ち、その後もエスパを押し込んでいきました。その要因は京都が風上だった事もありますが、何よりエスパのボール非保持時の陣形にあったと思います。

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 御覧のように京都にボールを持たれた時は左サイドハーフの西原が最終ラインまで下がって5バックを形成する5-3-2の陣形をとりました。前述したように京都は3トップが3人とも内側に絞ってプレーするので、その3人を捕まえるのが目的だったと思います。が、こうなると逆に中盤で数的不利になるし、ただでさえ前への圧力が強い京都の選手達を自陣に引き寄せる格好になるので、結果としてエスパは京都の後ろからのボールを撥ね返してもこぼれ球を拾われてしまい、何とかボールを奪ってもすぐに近くの京都の選手達にプレスをかけられボールを奪われる事の繰り返しとなりました。前半の開始から15分の京都のボール保持率は60%、15~30分は62.4%と圧倒的にボールを保持される展開となってしまいました。

 ただエスパもやられっ放しだったわけではなく、9分には西原が中に絞ってのレイオフの形から乾が左サイド奥へ侵入し、そこで得たCKから乾、高橋、高木と連続でシュートを放っています。また20分くらいから次第にエスパが京都の圧力に慣れてきて少しずつ中盤でボールを持てるようになり、22分に松崎、32分頃に乾が惜しいシュートを放つなど次第に押し返していました。しかし34分、高木が松田をペナ内で倒してしまってPKの判定。これをラファエル エリアスが冷静に沈め、エスパが先制点を許してしまいます。前半はこのまま0-1で折り返しました。

4.後手にまわった後半

 後半、早めに同点に追いつきたいエスパは、ハーフタイムで両サイドが相手のSBのウラを狙うように修正し、その修正によりボールを持った時に北爪と西原がより高い位置を取り、そこへ長いサイドチェンジのボールを入れる事で京都の前プレを剥がして前に進む事になって、後半の入りはエスパが優位に試合を進められるようになり、50分の北川のシュートなど惜しい場面を作れるようになりました。実際、後半開始からの15分間のエスパのボール試合率は61%という高い数字になっています。しかしこの状況を見た曺貴裁監督は59分という早いタイミングで米本、松田に代えて川崎、ジョアン ペドロを入れて選手の運動量にテコ入れをし、これによって京都が再びエスパを押し返し、更に67分にカウンターからジョアン ペドロが追加点をあげて0-2。エスパは更に厳しい状況となりました。

 2点ビハインドとなったエスパは72分に西原、宮本に代えて中原、小塚を投入。更に77分に松崎に代えて蓮川を投入して完全な3バックへ切り替えます。これによりより前でボールを持てるようになったエスパが京都を押し込み続けるようになり、82分、乾が倒されて得たPKを北川が決めて1点差にします。その後も攻め続けたのですがあと1点が遠く、結局1-2でエスパルスが敗れてしまいました。

5.敗因

 この試合が終わった後、僕は本当に腹を立ててました。「ここは僕達の要塞アイスタなのに、何で「超攻撃的、超アグレッシブ」といううたい文句からかけ離れた試合してるんだよ!」と思ったので。あまりに怒ってて、この試合を見直すまで3日かかりました(出張で忙しかったのもありますが(汗)。まあ3日ブランクを開けて頭を冷やした事で、見えてくるものもありました。以下、この試合で何がまずかったのかをあげていきます。

①ボール非保持時に5バック気味にした

 まず前述したようにボール保持時は4バック、非保持時は5バックという可変で戦った事ですね。それによりただでさえ前への意識が強い京都をより前へ出やすくしてしまいました。またこれに伴って中盤の人数が減ってしまったという弊害も起こしてしまいました。京都が最終ラインでボールを持った時は北川、乾に加えて松崎も前プレに出て、それによりボールを奪う場面もありましたが、前プレを剥がされると最終ラインの前の広大なスペースをブエノと宮本の2人で守らなければならなくなり、結果として容易にエスパ陣内に入らせてしまってました。試合後に「宮本はダメだ。宇野じゃないと」というコメントをチラホラ見ましたが、むしろ宮本はこの戦い方を採用した事による犠牲者だと思っています。

 まあ冷静に考えると秋葉監督の意図も理解できます。4バックのままだとCB2人で京都の3トップを相手にしないといけなくなるわけで、それによる怖さは昨季の天皇杯で認識しているでしょうからね。また西原に左サイドハーフとWBの兼任みたいな役割を与えたのも左サイドハーフとしての良さを期待したからで、もっと言うと山原、カピシャーバという適任者が欠場した中では他に適任者がいなかったという事でしょう。吉田の持ち味は守備ですし、中原は利き足が左とはいえ右サイドでの出場の方が多いですからね。また前半途中まではかなり京都にボールを握られましたが、その割にはシュートを撃たれてないんですよね。これは守備においては秋葉監督の狙い通りだったと言えるでしょう。

 ただやはり京都を攻略するには前へ出る矢印をいかに折るかが重要だと思います。それを折るどころか自ら呼び込むようなやり方は拙かったんじゃないかと思いますし、少なくとも前半20分過ぎまでは無駄な時間だったと考えます。

②ミスから2失点した

 前述した通り、前半20分過ぎまでは京都にボールを握られ続けましたが、それ以降少しずつ押し返してきていました。しかし34分にPKを献上し先制を許した事でエスパのゲームプランが完全に狂ってしまいました。この場面、京都の左サイドウラへのボールを高木がカットしたのですが、その後、中にいたブエノにパスを出したところを米本にカットされ、そのボールをペナまで運ばれてしまっています。なので高木の判断が軽率だったかもしれません。ボールを持った時余裕があったので、逆サイドのウラにロングボールを入れるか、近くなら宮本の方がフリーだったかもしれませんね。結果論ですが。

 また後半の2失点目もパスミスからでした。67分、ブエノから高橋へのバックパスを川崎にカットされ、そのままゴール前へ持っていかれてしまいました。まあブエノのバックパスは確かに軽率でした。が、ブエノが住吉からパスを受けた時、ブエノは福岡、川崎、ラファエル エリアスの3人に囲まれていたんですよ。そんなブエノにパスを出す判断をした住吉も軽率だったと思います。まあブエノは滅多にボールを取られない頼れる選手なので、預けたくなる気持ちもわかるんですけどね(僕も球蹴りでよくやるし(汗)。

 しかしサッカーはミスが起こる可能性が高いスポーツであり、ミスが起きた時どうカバーするかが重要です。その意味で、1失点目に繋がる場面で高木のパスがカットされた時点で中盤と前線が上がっていたためにスペースが空いて、最終ラインが京都の3トップに晒されてしまっていてミスをカバーする事が難しかった事、2失点目ではボールを奪われた時点で高橋とブエノがボールウォッチャーになっていて、ジョアン ペドロの上がりについていったのが宮本しかいなかった事は付記しておきます。特に1失点目は①によってより起きやすくなっていた事象だと思うので。

③選手交代が後手にまわった

 前述した通り、後半押し込まれた状況を受けて曺監督は59分に選手を入れ替えて運動量を増やし、それにより京都は息を吹き返しました。この時に交代で入ったジョアン ペドロが追加点をあげるというオマケ付きです。それに対してエスパの交代は2失点目を奪われてからの72分の交代が最初。その後77分の交代を経て、最後の交代は90分ですよ。あとATだけなのにアフメドフに何を期待してるの?って感じです。

 何度か書いているように、サッカーの監督の役割のうち選手交代の占める割合はせいぜい2~3割だと思ってます。なので、選手交代云々「だけ」で監督をあれこれ評価するつもりはありません。ただことこの試合の秋葉監督の選手起用に関しては疑問、というより怒りを感じています。まあこれも結果論なんですけどね。

 他にもビルドアップを担う山原、宇野が欠場してしまった事の影響や、そもそも特定の選手に頼らないビルドアップのやり方が出来ていないとかいった問題があげられますが、表に見えた敗因としてはこの3つだと思います。

6.良かった事もあった

 などと批判めいた事をあれこれ書きましたが、良かった事もありました。まず西原が難しいタスクをこなした事。ボール非保持時は最終ラインに下がり、ボールを奪ったらサイドハーフの位置へ上がる難しいタスクを与えられましたが、完璧ではないにせよ彼なりによくやっていたと思います。WBの位置に下がって対面の須貝とやり合い、エスパがボールを持ったらサイドへ開くだけでなく中へ絞ってタテパスを受ける役割もこなしてました。相手を背負うのはあまり得意ではないはずが、そこからチャンスに繋がる場面もありました。ただやはり彼はサイドでボールを持って仕掛ける時こそ良さを発揮する選手だと思うので、その良さをどのようにチームで発揮してあげるのかを監督、コーチが考えてあげて欲しいです。

 それから72分に小塚が宮本に代わってボランチの位置に入りましたが、エスパに入ってから一番良いプレーをしていたと思います。中盤のいろんなところに顔を出してパス交換する事でリズムを作り、ここぞというところで良いパスを出してました。北川のPKに繋がった場面では、まずサイドの北爪に出すふりをしてハーフスペースの中原に入れ、そのボールが奪われそうになるところを住吉が寄せてルーズになったボールを北爪に入れたところから始まっています。他にも同じように北爪に出すフリをしてハーフスペースの北川に出した場面がありましたし、90+1分40秒頃に大外からウラへ走り出した中原に絶妙なスルーパスを出した場面はしびれました。ボランチとして入り、途中からアンカー役となりましたが、やはり彼の適性はサイドより真ん中、特にボランチなんでしょうね。ボランチは矢島、弓場まで控える最激戦区ですが、この競争を勝ち抜いてスタメンを勝ち取った時はもっと凄いプレーが見られるかもしれません。

 他にSBの、特に攻撃の部分を身につけつつある高木は良かったと思いますし、全て悪かったわけではないので、良かったところは評価してあげないといけませんね(これは自らへの自戒もこめて)。

7.まとめ

 アイスタ日本平で負けてしまった事は本当に残念だし、今でも悔しいです。ただ終わった事をいつまでも悔やんでも仕方がありません。幸い次の試合まで時間がありますし、それを利用していろいろな微修正を加えていると思います。それが来週水曜のルヴァン杯の相模原戦、そして週末の湘南戦に繋がる事を期待したいです。

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