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2025年3月15日 (土)

初黒星(3/8 G大阪戦)

 G大阪戦に関する記事のアップが京都戦の前日の夜になってしまってゴメンなさい。月曜から3日間出張があったりしたために、記事を書く暇がなかなかありませんでした。もう明日(3/16)は京都戦ですが、それに向けてどのような課題があるか等の確認くらいに軽く見て頂ければ。以下、本文です。

 先週土曜(3/8)にG大阪戦を観にパナソニックスタジアム吹田へ行ってきました。ここに行ったのは6年ぶりです。その時は終盤までスコアレスで進んでいたのですが終盤に失点して0-1で敗れました。その試合でG大阪の決勝ゴールをあげたのが矢島で、GKだったのが今は広報の西部さん。昨季の公式Youtubeチャンネルの勝利飯のどれかで矢島が西部さんに言ってましたね。

 スタジアムは非常に見やすいし試合前は両チームのサポが盛り上げて非常に良い雰囲気でしたが、肝心の試合は0-1で敗戦。今季初黒星を喫してしまいました。試合内容も良いものでなく悶々としていたのですが、試合後は旧友が集まって互いにクダを巻き、更に2次会で串カツ屋にも行ってワイワイやっているうちにモヤモヤしていた気持ちがかなり収まりました。やはり持つべきものは友人ですね。

<明治安田J1リーグ 於 パナソニックスタジアム吹田>

 エスパルス 0ー1 ガンバ大阪

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:梅田、高橋、吉田、北爪、宮本、小塚、西原、アフメド アフメドフ、ドウグラス タンキ

 この試合はG大阪が4バックという事で、エスパも同じく4バックを採用しました。しかしその場合左サイドハーフを誰にするかが問題となるのですが、秋葉監督は新人の嶋本を抜擢。練習で良いプレーをしていたのでしょうね。状態が良ければ年齢に関係なく使うという姿勢は良い事だと思いますが、この抜擢の成否がこの試合を左右するだろうとも思いました。リザーブに。ついては変更ありませんでした。梅田が岡山戦に続いてリザーブに入ったのは今は猪越よりも良い状態だからという事なのでしょう。

2.G大阪の戦い方

 昨季DF中谷とGK一森を中心とした堅い守備をベースに安定した戦いをして、2020年以来の4位という好成績をあげたG大阪。今オフは大きな動きがなかったものの、戦い方は確立されているので、今季も上位候補と目されていました。が、開幕戦の大阪ダービーでC大阪に2-5で敗戦。更に守備の中心の中谷と攻撃の中心の宇佐美が怪我で戦線を離脱し、第3節では岡山に0-2で完敗と苦しい滑り出しとなりました。しかしここで広島から満田を獲得し、第4節の東京V戦ではその満田が後半から出場すると一気に攻撃を活性化させ、終盤のジェバリのゴールで勝利。勢いを得た状態でホームのパナスタへ戻って来ました。

 システムは4-2-3-1。この試合では前述した満田がスタメンに入りトップ下。また1トップは前節決勝ゴールをあげたジェバリが入りました。試合前の勝手なイメージでは、ポヤトス監督がスペイン人という事でもっとボールを握る事を重視してゆっくりボールを回してくるのかなと思っていたのですが、イメージと違ってアップテンポで攻めてきました。まあ考えてみれば大阪ダービーもそうでしたが。あとしっかりとしたミドルブロックを組んできて、ボールが入って来た時のプレスの強度は予想以上でした。エスパはこの強度に苦しめられる事になりました。

3.何も出来なかった前半

 前半立ち上がり15分はエスパルスの方がボールを握る展開となり、ブエノ、宇野、乾の3人を中心にし、そこに嶋本も絡んでテンポ良くパスを回し、ボールを前に運ぼうとします。が、G大阪はコンパクトなブロックを中盤に敷いて待ち構えて、ボランチのネタ ラヴィ、鈴木徳真を中心にボールホルダーに対して厳しくチェックをかけていきます。そこへパナスタ独特のアウェーの雰囲気にのまれたとしか思えないようなイージーミスも重なって、エスパはセンターラインあたりかそれより低い位置でボールロストをする場面が頻発しました。一方、G大阪はボールを奪ったら素早くボールを前に運び、自陣でボールを持った時も無理につなごうとせずに1トップのジェバリに長いボールを入れて起点を作ってそこから攻めるシンプルな形も見せてエスパに圧力をかけ、4分に山下、7分に倉田、9分に満田と立て続けにシュートを放ちます。どうにか失点は免れたもののエスパとしてはボールを持てているのに逆にG大阪に決定機を作られる危険な展開が続きました。

 それに輪をかけるアクシデントが発生します。10分頃、山原が最終ラインでボールを受け、前プレをかけてきた山下をかわしかけたところで後ろからタックルを受けてしまいます。一度はプレーしようとピッチに戻りましたがすぐに座り込んでしまい、北爪と交代する事になってしまいました。これに伴って高木が左SBに回りましたが、いきなり山原のようなプレーが出来るはずもなく、サイドでボールを運べる選手のいなくなったエスパは更に厳しい状態となりました。22分頃にどうにかボールをペナ前まで運んでのブエノの惜しいシュートという場面もありましたが、それ以降はG大阪に完全にペースを握られてしまいます。そして36分、相手ボールのスローインからのボールがフリーでポケットに侵入した山下へ。山下がループ気味に放ったシュートがゴールへ吸い込まれ、G大阪が先制しました。その後、この失点で目覚めたエスパの選手達が積極的に前に出るようになり、40分の北川のシュートなどの惜しいチャンスを作りましたが得点には至らず、前半は0-1で折り返しました。

4.上手くあしらわれた後半

 後半、エスパルスは開始から嶋本に代えて小塚を投入。またハーフタイムで、まずサイドに起点を作ってからポケットをとって崩していくよう修正をかけ、選手達もその修正通りに右は中原、北爪、左は小塚、高木でサイドにポイントを作って、そこに乾や宇野が絡む事でポケットやバイタルエリアを攻略し、51分、54分の2回宇野がペナ内へ侵入してシュートを撃つという惜しい場面を作りました。しかし60分を過ぎるとG大阪もエスパのやり方にアジャストし、ペナ前でエスパの侵入を抑えてボールを奪い、そこからジェバリにボールを預けて全体を押し上げる事で次第にエスパを押し返し、75分までの15分間で62.9%ものボール支配率を記録。その中で満田、山下、ジェバリなどが8本ものシュートを放ち、エスパに反撃の機会を与えませんでした。

 エスパは66分にアフメドフを投入してシステムを2トップにし、80分にはタンキと西原を投入して何とか同点に追い付こうとしますが、G大阪を慌てさせるまでには至らず、G大阪に上手く時間をコントロールされてしまいます。試合は結局0-1で終了。エスパルスが今季初の敗戦を喫しました。

5.敗戦の原因

 完敗でしたね。G大阪は守備の中心である中谷、攻撃の中心である宇佐美を欠いていましたが、実際に対戦してみるとさすがは昨季4位フィニッシュしたチームだなと思いました。ウチとしてはJ1の上位チーム相手とはまだまだ力の差があるなぁと感じました。アウェーだったから余計に、というのはあるでしょうけど。

 ただ「力の差が」だけで片付けてしまっては本ブログの存在意義がなくなってしまうので、この試合の敗因をいくつかあげてみます。

①個の力に差があった

 いきなり「個の力ガー」ではそれこそ身も蓋もない(汗)のですが、秋葉監督のサッカーが「個の力で勝負する」というものなので、この点には触れざるを得ません。実際、所々で個の力に差を感じるところがありました。例えば左サイドハーフで初スタメンとなった嶋本と右SBの半田。嶋本がハーフスペースのレーンにポジションをとってプレーしていたのをしっかり捕まえて圧力をかけ、少しパスの出しどころに手間取ったら素早く寄せてミスを誘発していました。半田は途中から左SBに入った高木に対しても非常にいやらしいポジションをとってパスの出し所を迷わせていました。後ろの方では蓮川、住吉と対峙したジェバリ。G大阪最終ラインからのロングボールに対する競り合いでなかなかジェバリに勝てずに起点を作られてしまっていました。あとはボランチのネタ ラヴィと鈴木徳真。自分達のゾーンにボールホルダーが来たら確実に捕まえてプレーさせず、これには乾でさえ相当苦しめられ、らしくないボールロストもしてしまってました。秋葉監督としては乾がこれだけ抑えられたのは誤算だったでしょう。

②攻撃があまりに一本調子だった

 以上、所々で個に差が出てしまったと書きましたが、サッカーは11人で戦うスポーツ。11人が1つのゲームプランの下で意思統一をしてプレーすれば個の力の差を縮める事が出来ます。が、エスパは特にボール保持(攻撃)時の戦いで拙さを見せてしまいました。

 今季のエスパは選手間で一定の距離間を保ち、その中でショートパスを細かく繋いで相手守備陣を攻略する攻めを志向しています。それ自体は間違いではないのですが、この試合は攻略する先があまりに中央に偏っていて、数人で細かくパスを繋いで相手ブロックに果敢に突っ込んではコンパクトでかつ真ん中をしっかり締めたG大阪守備ブロックの餌食になっていました。エスパとしてはショートパスを細かく繋いだ攻めにある程度自信を持っていたのでしょうが、G大阪としてはエスパの攻め方に関する情報は入っていたでしょうし、勝手に自分達の守備網に入ってくるのですから対応が楽だったと思います。

 G大阪のコンパクトなブロックを崩すのであれば、もう少しブロックを広げる工夫が必要だったと思います。例えば北川や両サイドの選手にウラ抜けを狙わせてそこに長いボールを入れるとか、いったんサイドに起点を作っておいて逆サイドに振るとか、そうした工夫は、特に前半は全くありませんでした。サイドからの攻めも少なかったし、あまりに一本調子だったと思います。

③サイドのプレーヤーが足りなかった

 ただこの日のエスパのスタメンを見た時に、サイドの選手には不安がありましたし、預けたら一人で何かしてくれる選手は少なかったですよね。左SBの山原がその数少ない一人ですが、右SBの高木はよく頑張っているのもののまだ課題がありますし、左サイドハーフに抜擢された嶋本はそもそもボランチなど真ん中が本職の選手。右サイドハーフの中原は突破力がありますが基本的にはサイドを突破するよりは同サイドの選手の連携で崩したり真ん中に入ってプレーメイクに参加する事で持ち味を発揮するタイプ。なのでサイドに預けても詰まってしまう恐れもありました。

 そんなエスパを更なる苦境に落としたのが山原の負傷離脱。左サイドの攻撃の起点であり自分一人でも突破できる山原が抜けてしまったのは誤算でした。代わりに右SBの高木が左へまわりましたが、いくらここ4試合右SBまたは左CBとして原テル退団の穴を埋めて余りある働きをしていたとはいえ、いきなり山原の代役を務めるのは荷が重過ぎます。右SBに入った北爪の足の早さには定評がありますが、一人で突破するというよりはスペースを作ってあげて活きるタイプです。こうして両サイドの槍役がいなくなったエスパは必然的に頼りがいのある真ん中の乾にボールが集まるようになって余計に②の傾向が強くなったのではないかと思います。

 ここで開幕2試合での勝利に貢献したカピシャーバや広島戦で右サイドを切り裂いた松崎がいれば違ったのでしょうけどね。秋葉監督としてはただでさえカピシャーバ、松崎がいない上に山原まで怪我で途中交代を余儀なくされたのは誤算でしょう。考えてみるともともとのスカッドにサイドアタッカーやSBの出来る選手があまり多くないので、③に関して秋葉監督を責めるのは酷かもしれません。試合後のインタビューとかでも真ん中に偏り過ぎたと仰ってましたし。

④守備での懸念点を突かれた

 この試合でエスパは3試合ぶりに4バックで戦いました。4バックで戦う時にネックになるのはポケットをどう守るかという点。「5レーンを使って攻める」というのが常識になった今では、4バックで戦うチームが5トップ気味に攻めてきた相手をどう抑えるか、特にCBとSBの間、つまりポケットをどう守るかというのは課題となります。エスパの場合はCBは真ん中を開けないようにし、その分CBとSBとの間に選手が入った時は同サイドのサイドハーフもしくはボランチがカバーする決まり事になっています。この試合でも左の蓮川と高木の間を宇野とかがカバーしていました。

 が、失点した場面、自陣左サイドでのスローインから始まったのですが、半田のスローインを満田が半田に返すと、半田がハーフスペースをフリーで上がってきたネタ ラヴィへパスを出しました。このため山下についていた高木がネタ ラヴィにチェックにいったのですが、ネタ ラヴィは真ん中へ出すと見せかけてフリーとなった山下へパスを出し、フリーでボールを受けた山下にループ気味のシュートを決められてしまいました。

 この時問題になるのが乾。スローインの時に乾はネタ ラヴィへのコースを消していたのですが、ネタ ラヴィが前へ移動していた事に気付きませんでした。まあ蓮川がもう少し山下に寄せていれば、というのはありますが、ゾーンといいつつ人を捕まえて守る秋葉監督のやり方からすると、乾がネタ ラヴィについていかなかったのは非常に拙かったと思います。試合後のコメントで乾が「自分の責任」と言っていたあたり本人も自覚しているでしょう。

⑤選手交代が機能しなかった

 エスパは後半開始から小塚を入れ、66分にアフメドフを入れて2トップにし、80分にはタンキ、西原も投入して何とか同点に追いつこうとしていました。が、あまり機能しませんでした。特にアフメドフを入れて2トップにしたのに逆にG大阪にペースを握られたのは問題だと思います。ただシステム変更以前にアフメドフに何をさせたかったのか、タンキにどういう役割を期待したのかがチーム内で共有されてなかったのが問題だったんじゃないかと思ってます。アフメドフはポストもこなせそうですがやはりウラのスペースを使わせて活きるタイプではないかと思います。タンキもアバウトなロングボールでも収めてくれるから、そういうパスを出してあげた方が良いはず。なのにショートパスで繋ぐ事ばかりに意識がいってアフメドフやタンキの良さが活きるパスが殆ど出なかった。試合後に「アフメドフの良さがわからない」というコメントをよく目にしましたが、僕からすると「周りがアフメドフの良さを活かせていないからでしょ」と返したくなりますね。

 で、この課題は②に繋がるんですよ。ショートパスで繋ぐだけの一本調子の攻め。しかもそれはG大阪のブロックの前で行われるばかり。それじゃ点なんて入りませんよ。もう少しサイドやウラにもボールを出す事で守備側を揺さぶらないと。ここまでの4試合でショートパスで崩すやり方がある程度通用する事はわかったのですが、この試合では「もっと戦い方の幅を広げないと上にはいけない」という課題を突きつけられてしまったと感じました。

6.まとめ

 以上、少し辛めの内容となりましたが、ある程度ベースが出来ているというのは誇っていい事です。あとはそれに別の武器を加えていけばいいわけですから。また終始押されながらも最終ライン、特に蓮川とGKの沖はこの日も非常に良いプレーをしていました。また宇野やブエノも穴が開きそうなところをよく埋めてくれました。それを考えると全くいいところがない、というわけではなかったと思います。

 次はホーム・アイスタ日本平での京都戦。京都には昨季の天皇杯で苦杯を喫してますし、前節敗れた分「連敗は出来ない」と必死になって向かってくるでしょう。ただアイスタ日本平で負けるわけにはいきません。この試合と違って次はホームの大声援があるのですが、選手達には本来の力を存分に発揮して勝ち点3を奪って欲しいです。

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