2025 J1戦力分析その1(鹿島、浦和、柏、FC東京、東京V)
開幕まで2週間を切りました。先週末の鹿児島での磐田とのトレーニングマッチやクラブが配信してくれるキャンプの動画を見る限り、これまでのところチームは良い感じでチーム作りが出来ているようです。残り2週間、三保で更にチームを仕上げていって欲しいところです。
で、昨年一昨年はJ2の各クラブの戦力分析記事を載せていました。で、今年も昨年と同様J1の各クラブの戦力分析をしようと思います。何せJ1で戦うのが3年ぶりなので、自分自身も各クラブの特徴などを思い出しておく必要があるもので(汗。よければお付き合い下さい。
〇鹿島アントラーズ(昨季順位:5位)
監督:鬼木 達(1年目)
基本システム:4-4-2
主な在籍選手:GK 早川
DF 濃野、植田、関川、安西
MF 知念、柴崎、樋口、チャヴリッチ
FW 鈴木、師岡
主な加入:小池(DF 横浜FM)
キム テヒョン(DF 鳥栖)
松村(MF 東京V)
下田(MF いわき)
荒木(MF FC東京)
レオ セアラ(FW C大阪)
主な退団:須貝(DF 甲府)
仲間(MF 柏)
名古(MF 福岡)
藤井(MF 湘南)
ギリェルメ パレジ(MF CAタジェレス)
昨季はポポヴィッチ氏を監督として招聘し、7月までは2~3位と常に優勝を狙える位置に付けていたものの8月から9月にかけて6試合勝ち無しを記録して順位も下降。10月にポポヴィッチ氏を解任したものの結局5位に留まり、8年連続で無冠に終わってしまった鹿島。今オフでは名古、仲間、藤井といった主力のMFが抜けてしまいましたが、レンタルに出していた荒木、松村、下田が復帰。特に荒木は昨季パリ五輪代表として活躍し、大きく成長して帰ってきたわけですから、前述のMF陣流出の穴は埋められる事でしょう。そしてFWには昨季リーグ2位の21得点をあげたレオ セアラを獲得。大黒柱の鈴木優磨も健在なのですから、間違いなく優勝候補の一角でしょう。
このチームを束ねるべく監督として招聘したのが前川崎監督の鬼木 達氏。この方がオフの補強の目玉と言ってもいいかもしれません。トレーニングマッチの成績はいまひとつのようですが、鬼木監督が川崎で培った経験と鹿島が培ってきたクラブの力が上手く融合すれば、非常に怖いチームになるように思います。敵として見たら恐ろしい限りではありますが、どんなチームになるか、動向を見ていきたいです。
〇浦和レッズ(昨季順位:13位)
監督:マチェイ スコルジャ(2年目)
基本システム:4-2-3-1
主な在籍選手:GK 西川
DF ホイブラーデン、井上、石原
MF 安居、グスタフソン、関根、渡邊、中島、大久保
FW チアゴ サンタナ
主な加入:荻原(DF ディナモ ザグレブ)
金子(DF コルトレイク)
ダニーロ ボザ(DF ECジュベントゥージ)
松本(MF 広島)
柴戸(MF 町田)
長倉(MF 新潟)
マテウス サヴィオ(MF 柏)
高橋(FW 横浜FC)
主な退団:佐藤(DF 名古屋)
大畑(DF OHルーヴェン)
小泉(MF 柏)
リンセン(MF NEC)
宇賀神(DF 引退)
興梠(FW 引退)
昨季佐藤、渡邊、チアゴ サンタナらを獲得し、ヘグモ氏を監督として招聘してリーグ優勝を目指したもののなかなかヘグモ監督の戦術が浸透せずにチームは中位をウロウロしている状態。8月27日にヘグモ監督を解任して前任のマチェイ スコルジャ氏を再び監督として呼び戻したものの第31節から4連敗を喫するなどチームを立て直すには至らず、結局13位でシーズンを終了しました。雪辱を果たすべくこのオフも大補強を敢行。柏からマテウス サヴィオを引き抜いたのを筆頭に広島から松本、新潟から長倉を獲得。更に欧州にレンタルで出していた萩原を呼び戻し、金子も獲得して、仕上げにブラジル人DFのダニーロ ボザまで加入させました。一方で主力の流出は少数に留め、昨季以上に充実した戦力を揃える事に成功しました。いくぶん中盤が分厚過ぎる気もしますが、面子だけみれば神戸、広島に匹敵する優勝候補でしょう。
この大戦力を束ねるのが2年目となるマチェイ スコルジャ氏。一昨季には浦和を4位に導いており、監督としての能力は確かです。ただこれだけの選手達を1つのチームとして束ねられるかは何とも言えない気がします。一昨季の浦和が堅守を売りにしていたというのも引っ掛かるところですね。何せ中盤の攻撃的な選手が非常に多いので。あと6月にクラブW杯を控えているというのも懸念材料の1つですよね。まずこのクラブW杯に向けてピークに持っていきつつ、それと並行してリーグタイトルを目指すというのは簡単じゃないでしょう。リーグ戦とクラブW杯をどう両立するのか、スコルジャ監督には難しい舵取りを迫られる事になりますね。まあそれでも十分強いチームだと思いますが。
〇柏レイソル(昨季順位:17位)
監督:リカルド ロドリゲス(1年目)
基本システム:3-4-2-1(?)
主な在籍選手:GK 松本
DF 片山、犬飼、古賀、ジエゴ
MF 山田、手塚、白井、戸嶋、小屋松
FW 細谷、木下
主な加入:小島(GK 新潟)
杉岡(DF 湘南)
原田(DF 鳥栖)
田中(DF 長崎)
原川(MF FC東京)
小泉(MF 浦和)
渡井(MF 徳島)
久保(MF 名古屋)
仲間(MF 鹿島)
主な退団:守田(GK 町田)
関根(DF スタッド ランス)
立田(DF 岡山)
川口(DF 磐田)
マテウス サヴィオ(MF 浦和)
落合(MF 新潟)
昨季は最後まで残留争いに巻き込まれて17位で終了。一昨季も17位と2年連続で低迷してしまったからか、クラブはここ数年続けていたブラジル路線から転換を図るべく徳島、浦和を指揮したスペイン人のリカルド ロドリゲス氏を監督として招聘しました。今オフはそのリカルド ロドリゲス新監督を意識した動きが要所で見られます。中盤にリカルド ロドリゲス新監督の指導を受けた経験のある小泉、渡井を獲得。またGKに新潟で正GKを務め足元の技術が高い小島を獲得しました。一方で流出に関しては、攻撃の軸だったマテウス サヴィオが浦和に引き抜かれ、不動の右SBだった関根も海外へ旅立ってしまったのは痛いでしょうし、立田も岡山へ移籍しましたが、退団が噂されていた細谷、古賀が残留を決断。他の主力選手のプロテクトにも成功したため、新加入組も合わせるとなかなか粒ぞろいの選手が揃いました。リカルド ロドリゲス新監督にとっては更にやりがいの出るチーム編成になったのではないでしょうか。
こうなるとここ2年低迷していたというのは捨てた方がいいでしょうね。リカルド ロドリゲス新監督の能力は証明済ですし、彼が落とし込むであろうポジショナルプレーは、ちょっと昔になりますが下平さん(現長崎監督)の時代にやってますし、今の選手達にとっても全く馴染みのないやり方というわけでもないでしょうからね。これまた手強いチームが出来上がると思っていた方が良さそうです。
〇FC東京(昨季順位:7位)
監督:松橋力蔵(1年目)
基本システム:4-2-3-1
主な在籍選手:GK 野澤大
DF 白井、木本、森重、長友
MF 高、小泉、俵積田、安斎、遠藤
FW 仲川
主な加入:木村(DF 鳥栖)
塚川(MF 京都)
橋本(MF SDエイバル)
エヴェルトン ガウディーノ(FW グレミオFBPA)
マルセロ ヒアン(FW 鳥栖)
佐藤(FW ブレーメン)
主な退団:中村(DF 町田)
徳元(DF 名古屋)
原川(MF 柏)
荒木(MF 鹿島)
ディエゴ オリヴェイラ(FW 引退)
昨季、クラモフスキー氏にとって2年目のシーズンだったわけですが、連勝して調子を上げてきたかと思わせては連敗してしまうのを繰り返す不安定な戦いとなり、同じく東京をホームとする東京Vの後塵を拝す7位で終了し、その責任を取る形でクラモフスキー氏は退任となりました。この悔しさを晴らすべくオフは大補強に走るかと思いきや実際はそれほどでもなく、引退したディエゴ オリヴェイラの後釜のFWとしてマルセロ ヒアンを獲得し、鳥栖にレンタルに出していたパリ五輪代表の木村を呼び戻した以外はそれ程動きはありませんでした。しかし今年に入ってからアカデミー出身で欧州でプレーしていた橋本拳人が復帰。更に明治大からドイツに渡ってヴェルダー ブレーメンでプレーしたパリ五輪代表の佐藤恵允も獲得して注目を集めました。一方で流出は荒木、原川、中村など少数に留め、更に上を目指すだけの戦力は確保しました。ただ攻撃の中心だった荒木がレンタルバックで鹿島に帰ってしまったのは痛手で、この穴をどう埋めるかですよね。今のところ佐藤が最有力候補でしょうか。
このチームの監督を任されたのが、新潟を6年ぶりのJ1復帰に導き、昨季はルヴァンカップ準優勝に導いた松橋力蔵氏。この新潟での実績を評価したFC東京に請われての就任となりました。松橋監督のイメージはどちらかというとモチベーターの要素が強いのですが、一方で新潟では前任のアルベル氏が仕込んだポジショナルプレーをベースにしたサッカーを崩す事なくより勝てるチームに仕上げたところを見ると戦術的なベースもあると思うので、その力をFC東京でも発揮出来れば強いチームが出来ると思います。ただ新潟と違うのは代表経験者がゴロゴロいる点で、そういうプライドの高い選手達を一つにまとめられるのかという一抹の不安もあります。ここは松橋監督の力量次第ですかね。
〇東京ヴェルディ(昨季順位:6位)
監督:城福 浩(4年目)
基本システム:3-4-2-1
主な在籍選手:GK マテウス
DF 谷口、林、綱島
MF 宮原、森田、斎藤、松橋、翁長
FW 染野、山見、木村
主な加入:馬渡(GK 湘南)
鈴木(DF 磐田)
福田(MF G大阪)
平川(MF 磐田)
主な退団:山田楓(MF CDナシオナル)
松村(MF 鹿島)
見木(MF 福岡)
一昨季のプレーオフでギリギリのところでエスパルスを蹴落として16年ぶりにJ1に復帰。昨季は、開幕5試合勝ち星なしとなったように前半戦は下位の方で苦しんだものの次第にJ1のレベルに慣れてきて、後半戦は第28節から4連勝をあげるなどして順位を上げ、最終的に6位でフィニッシュしました。ただ主力にレンタルで来てもらっている選手が多かった分、今季に向けてはこの戦力を維持できるかが焦点でした。しかし江尻強化部長の辣腕ぶりと、城福監督の下で6位に躍進した事で「このチームでなら自分を成長させられる」と感じたのか、主力の林、染野、山見、木村を完全移籍に移行させる事に成功。まあ松村が鹿島へ戻し、山田楓が海外へ旅立ち、見木が福岡へ移籍するといった主力の流出はあり、特に見木の退団は痛かったはずですが、代役として磐田から平川を獲得。その他福田、鈴木といった実力者も獲得して、ほぼ昨季と同等レベルを維持する事に成功しました。
率いるのは城福浩監督。3月で64歳になるというベテランの域に入った方です。その豊富な経験とモチベート能力で東京Vの若い選手達を鍛え上げて16年ぶりのJ1復帰と昨季の6位フィニッシュを成し遂げました。東京Vは選手の平均年齢が若く、対する城福監督は若い選手を育てるのが上手い方なので、非常に良い組み合わせと言えるのでしょうね。
で、エスパはこのチームと開幕戦で当たるわけです。昨季一足先にJ1の高いレベルで揉まれて強くなった東京Vが相手ですから、「一昨季はウチは負けてない」などという甘い考えは捨てるべきでしょう。一方で、東京Vとどの程度戦えるかで今後どのくらいチームのレベルを上げていく必要があるかを測る良い試金石になるとも思っているので、不安は尽きないですが楽しみでもありますね。
これで第1弾は終了です。次は町田、川崎、横浜FM、横浜FC、湘南について書きます。
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