激動の12月30日後編(2024年シーズンオフの動き その8)
昨日(12/30)の公式からの加入・退団リリースラッシュに関する記事の後編です。今回は退団していく選手達についてです。
なお加入する選手達に関する記事はこちらをご覧ください。⇒リンク
まず成岡から。アカデミー時代から期待の星で、高1の時にクラ選U-18優勝に貢献。そしてまだ高3だった2020年のルヴァン杯でトップチームデビューを果たし、翌年トップチームに昇格しました。が、そこからは思うように試合に出られず、武者修行に出て活躍するも戻ってきたらやはり試合に出場出来ない事の繰り返し。今季は1年間エスパに在籍しましたが、リーグ戦出場は6試合に留まりました。最終戦でスタメンフル出場した時に久々に生で観て、ボール保持時の運動量やパスセンスやスペースを見つけるセンスはやはり凄いと思ったものの、ボール非保持時のデュエルは引き続きの課題だなと思ってました。本人も同じような危機感を持っていたのでしょう。山口から完全移籍でオファーされた時は相当悩んだとの事ですが、最終的には試合にもっと出てフィジカルを鍛えてプロサッカー選手として一人前になりたいとの思いが勝ったのだと思いますし、それを達成するには自ら退路を断つ必要があると判断したのでしょう。これは本人の決断を尊重したいです。山口は新進気鋭の志垣監督の2年目のシーズンで、結構戦術的な要求が高そうなイメージがあります。そんな志垣監督の下で鍛えてもらって山口で活躍して、1年後かそれ以降かはわかりませんが、ウチが「戻って来て欲しい」と思わせるプレーヤーになって欲しいです。
次に菊地について。高3の時に千葉と共にプレミアEASTで青森山田と最後まで優勝争いを繰り広げたユースの主力として活躍し、その年の天皇杯の川崎戦でCBのスタメンとしてトップチームデビューも果たし、鳴り物入りでトップチームに昇格したのですが、その後の3年間でエスパでの公式戦出場はルヴァン杯の3試合のみ。4月に山形のオファーを受けて武者修行に出たものの、怪我もあって出場は2試合に留まりました。本人としては忸怩たる思いだったと思いますので、新たに武者修行に出る事を選択するのは自然な流れでしょう。J3のFC琉球を自分の力でどれだけ押し上げられるか。勝負の年だと思うので、頑張って欲しいです。
3人目はルーカス ブラガ。サントスFCからの期限付移籍という事で実力は確かだと思いますが、日本に馴染んでくれるのかというのが心配ではありました。ただ徐々にフィットしていって第4節の大分戦に初めてスタメン出場。ボールテクニックの高さと独特のリーチでのドリブルで右サイドハーフのスタメンに定着して、32試合にスタメン出場してチーム2位の8得点と今季のクラブの目標達成に大きく貢献してくれました。またオフに奥様と富士登山をするなど日本に馴染もうとしてくれたのも嬉しかったですね。それだけに来季もいてくれると非常に心強かったわけですが、サントスFCからの移籍金が高くて買い取る事が出来ず、サントスヘ復帰する事となりました。1年間という短い期間でしたが、攻守に献身的にプレーしてくれましたし、ホームでの長崎戦での同点ゴールなど印象的なプレーも見せてくれました。機会があればまた日本で会いたいですね。
4人目は原輝綺。2021年に鳥栖から加入して、スイスでプレーした半年を除いた3年半エスパルスでプレーしてくれました。今季も22試合にスタメン出場するとともに副キャプテンとしてチームを支えてくれました。個人的にああいうサッカーIQの高いプレーヤーは好きなので、リーグ戦終了直後くらいにネット記事で名古屋移籍の記事が出た時はかなり動揺しましたね。その後何の音沙汰もなくなったのでちょっと安心していたのですが、甘かったですね。残念だし彼のように右SBとCBの両方を高いレベルでこなしてくれる選手はそうはいないので戦力的にも非常に痛いと思います。ただ彼は山原と並んで今のエスパの中で代表に近い存在の選手だと思っているので、そんな選手が昨季J1に上げられなかった悔しさから更に1年間エスパルスでプレーしてくれてJ1復帰に貢献してくれた事には本当に感謝していますし、その重荷が外れた以上彼がより上を目指す事を止めるのは難しいとも思っています。移籍先の名古屋ではより高いレベルでの競争が待っていますが頑張って欲しいですし、その名古屋とJ1で競い合えるようウチも頑張らないといけませんね。
最後に西澤について。アカデミーで北川、宮本と同期で、筑波大を卒業後にエスパルスに加入して以降はエスパの顔といってもいい程の存在だったと思うので、今回の移籍には完全に虚を突かれました。今季は試合終盤からの交代出場ばかりで、「このままだと」と個人的に思っていたのですが、今季初スタメンとなったアウェイの群馬戦で初ゴールを決めたあたりは流石だなと思ってました。が、練習試合中の大怪我で戦線離脱。本当に大ピンチだったと思います。が、復帰後のアウェイでの藤枝戦でいきなり貴重な同点弾を決め、その次の国立での横浜FC戦ではボール非保持時は5バックの右でボールを持ったら前に上がって右サイドハーフという非常に難しいタスクをこなして、「西澤ここにあり」と大いにアピール。これはJ1でも欠かせない選手だなと思ったし、クラブもそう考えたからこそ契約延長のオファーを出したと思います(西澤のインタビューに契約非更新になった的な話はなかったですよね)。が、言い方は悪いけど便利屋的な感じでいる事に西澤自身が危機感を感じて、鳥栖からのオファーを最終的に受けたのだろうと思います。クラブの象徴的な存在がいなくなるのは寂しいですし、戦力的にも痛いです。でもまだまだ成長したいという西澤の決断を尊重すべきでしょう。鳥栖を再びJ1に上げて、クラブが「戻って来い!」とオファーするだけの選手になってくれる事を祈っています。
以上、退団する5人についてですが、こうして感想を書いていくと今季の思い出が蘇ってきて辛いですね。また戦力的にも痛いです。特に原テルと西澤がいたからこそのボール保持時4バック、非保持時5バックの可変システムが出来ていたので、彼らほどのサッカーIQを持つ選手を探すのは大変です。特に原テルの右SBは現時点では北爪と高木しか出来る選手がいないので補強が必要だと思うのですが。クラブも既に動いていると思うので、どうなるか引き続き注目したいです。
一方でチームの大枠は固まったと思われます。あとは外国人選手の去就とウワサされる新加入選手、更にステルス移籍で加入する選手の有無が注目ポイントですが、果たしてチーム始動日の1/6に間に合うでしょうか。
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