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2024年10月31日 (木)

We are back(10/27 栃木戦)

 先週日曜(10/27)、アウェイでの栃木戦を観にカンセキスタジアムとちぎに行って来ました。入場者数約1万6千人というのはクラブ新記録との事。実際、人が多かったです。6千人もの人が集まったといわれるエスパサポの人数も多かったですが、栃木を応援する人達の数も多くて、僕が座っていたメインスタンド2階席のアウェイ寄りのエリアにも栃木に声援を送る人が結構いたし、ゴール裏サポは選手バスがスタジアムに入るのを待っていてチャントを歌っていたし、選手入場時には旗を使ったコレオも行うなど相当気合が入っていました。負けたら降格が決まる恐れがあったわけですから栃木サポも必死ですよね。

 試合は1-0でエスパルスが勝利し、J1昇格一番乗りを果たしました。ウチにとっては復帰ですけどね。本当にホッとしましたし、選手達が喜びを表す姿を見て本当に良かったと感じました。一方で栃木はJ3降格が決定。実はスタジアムを出るまでこの事実を知らなかったので、それを知った時はちょっとハシャギ過ぎた?とか思いました。勝負の世界なので仕方がないのですが、残酷ですね。

<明治安田J2リーグ 於 カンセキスタジアムとちぎ>

 エスパルス 1ー0 栃木SC

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:梅田、宮本、西澤、松崎、矢島、北川、ドウグラス タンキ

 意外にも前節のスタメンから4人を変更してきました。特に権田の名前が無くて沖がリーグ戦初スタメンとなったのはビックリしました。どうも先週の練習中に何らかのアクシデントがあったみたいですね。またシステムも3-4-2-1に代えて来ましたが、これは前節思わぬ逆転負けを喫して残り3試合1つも落とせなくなった事と、スタメンで使えるメンバーと栃木の戦い方を考慮して、この形にした方が勝つ確率が高いと判断したのでしょう。一方でサブにはDFが1人もいないのは心配ではありましたが、一方でアタッカーが多く入った事で万が一ビハインドになった時には心強いなと思いました。

2.栃木の戦い方

 今季から田中誠監督、柳下ヘッドコーチの新体制でスタートした栃木。開幕直後は連敗したものの第3節で甲府相手に今季初勝利を飾ると、第4節ではホームで横浜FCを破る金星をあげており、出だしは決して悪くはありませんでした。が、第7節で千葉に0-8で大敗を喫したあたりから調子を崩し、第11節の鹿児島戦から5連敗で第7節の長崎戦から9試合勝ち無しとなり、順位も19位まで落ちました。この結果を重く見たクラブは田中監督と柳下ヘッドコーチを解任し、かつて山形、徳島、そしてエスパをJ1昇格に導いた実績を持つ小林伸二氏を新監督に招聘しました。これにより少しずつチーム状態は良くなって、第21節では大敗を喫した千葉をホームで破り、第25節では熊本に勝ってようやく順位を18位に上げました。が、そこから上へはなかなか行けず、第32節から直近の第35節まで4試合負け無しではあるものの、うち3試合はドロー。17位の大分との勝ち点差は5で、今節大分が勝って栃木がドロー以下なら栃木が降格してしまうという状況になっていました。

 基本システムは3-4-2-1。田中・柳下体制ではマンツーマン守備でしたが小林監督になってからは基本ゾーンで守るようになっています。攻撃は前に高い選手が多いのでそこへ当ててセカンドを拾って攻める感じかなと勝手に思っていましたが、思っていたよりも後ろからきっちり繋いできましたね。守備はここ4試合の失点はわずか2点と粘り強く守れるようになっているみたいだし、先制を許すと厄介な展開になると思っていました。

3.栃木の気迫に押された前半

 試合は開始早々に動きます。2分30秒、栃木のCKを住吉がクリアしますがこぼれ球を石田がシュート。これがゴールネットに突き刺さって栃木が先制、したように見えました。が、沖を始めとしたエスパの選手達が猛然と副審のところに抗議に行き、副審と主審の岡部さんが協議した結果、シュート時に矢野がオフサイドポジションでかつシュートコースに近いところにいてそれが沖のセーブに影響を与えたと判断され、オフサイドとしてゴールは認められませんでした。

 このプレーを副審の方は見ていたはずで、その証拠にゴールを認めるジェスチャーはしてないんですよね。でも旗も上げてなかったので、それを確認した岡部さんがいったんはゴールを認めるジェスチャーをしてしまいました。まあ副審の方からだとゴールに関与したかまでは判断するのは難しかったかもしれません。いずれにしろCKを跳ね返した時にちゃんと最終ラインを上げた事が失点を防いだのだと思います。

 ただこのプレーは栃木に更に大きな勇気を与えたようで、激しい気迫で対人守備をしてきたり前からのプレスを仕掛けてきました。エスパが基本3-4-2-1にして栃木と同じにした事で栃木にしても相手を捕まえやすくなったのはあるでしょう。ウチの3バックに対して1トップ2シャドウが、両WBにも両WBが厳しくチェックをかけてきました。特に1トップでチーム最年長40歳の矢野の気迫は凄まじく、2度追い3度追いを何度もしてきました。これに対してエスパはボールを付けようにも受け手がみんな捕まえられているのでパスを出しにくい状態に陥り、7分、8分にいずれもブラガに付けようとしてボランチの佐藤に引っかけられてカウンターを食らったり、9分には住吉が前プレをかけてきた大島をかわそうとして引っかけられてきわどいシュートを撃たれたりと立て続けに危ない場面を作られました。

 エスパの攻撃の方は10分にカウンターから北爪がシュートを撃ったのが最初のシュートだったのですが、その後カルリーニョスが何度か相手の3バックにプレッシャーをかけてミスを誘ったり原テルが後ろから右サイドのウラにボールを入れたりした事で、少しずつ相手陣でのプレーが増えていきました。が、栃木の5-4-1のブロックの前に有効な攻撃を出来ませんでした。攻撃時は原テルを右SBの位置にして北爪をサイドハーフに上げる形をとりましたが、前の真ん中にいるのがカルリーニョスくらいと人数が少なく、ボールホルダーに厳しくチェックをかけられてボールを下げさせられる事が多く、ボランチの2人に加えて乾もボールを引き出しに下がっちゃうのでどうしても後ろが重たくなってしまい、シュートまで持っていく事が出来ませんでした。が、中村が蓮川と住吉の間に落ちて3人でビルドアップをスタートさせ宇野と乾で3人をサポートするという形に落ち着いてからようやくボールを長く持てるようになり、更に相手の左サイドが攻略ポイントになりそうという事でそこを原テル、北爪のコンビで攻略するようになって更に相手陣の奥深くに攻め込めるようになり、43分には北爪のクロスからカルリーニョスのヘッド、45分にはブラガとのパス交換でポケットに侵入した北爪がクロスを入れるといった決定機を作れるようになりました。ただ得点には至らず前半はスコアレスで折り返しました。

4.後半の入りで上回った後半(45~82分)

 後半、エスパは前半のお返しとばかりに入りから栃木に圧力をかけていきました。前線の3人が相手の3バックに前プレをかけ、奪ったボールを右サイドに展開して相手の左サイドを揺さぶり、ボールを奪われてもゲーゲンプレスでミスを誘ってボールを奪って再び相手を押し込むという展開が続きました。その流れで50分に先制します。CKを中村がニアですらし、それをフリーの住吉が上手く合わせてボールをゴールへ流し込みました。中村と蓮川がニアに動いた事で相手の注意をニア側に引き付けた事が大きかったですね。住吉も上手く相手DFの死角に入ったし、シュートも見事でした。前節セットプレーが淡泊と指摘させて頂きましたが、それに対する答えを頂いたみたいで嬉しいですね。

 この直後、栃木は三枚替えを敢行し、更に60分、65分と続けて選手交代をしてより動ける選手を配置する事で何とか同点、逆転を狙って局面で激しいバトルを仕掛けてきました。その気迫に煽られて(あとなかなかファウルをとってもらえないフラストレーションもあって)エスパの方も余計なファウルをして警告を貰ったりもしましたが、基本的には相手の厳しいチェックにも臆する事なく対応し、ボールを持ったらテンポ良くボールを回して61分に吉田のクロスにカルリーニョスが合わせようとするなどのチャンスを作っていきました。更に65分にブラガ、吉田に代えて矢島、西澤、70分にカルリーニョス、乾に代えて北川、タンキを投入してこちらも前にフレッシュな選手を入れると、特にタンキが長いアバウトなボールも収めてくれるようになったので守備の負担が軽減し、前で起点を作る事も出来るようになりました。この効果から74分にタンキ、76分に北川と惜しいシュートを放つなどエスパの方により得点の匂いが漂うようになりました。一方で後半の栃木のシュートはゼロ。ここまでは「勝ちパターンに入ったな」という感じでした。

5.空気が一変して厳しい状態となった残り8分

 ところが82分にこの空気が一変します。左サイドで北爪と北川でパス交換しながら攻め込み、北爪から北川にパスが入った時に栃木の森が後ろからタックルして北川を倒してしまいます。これに怒った北川が森に蹴りを入れてしまい、その行為を報復ととられて北川にレッドカードが提示されてしまいました。これによりエスパは残り8分とアディショナルタイムを10人で戦わなくてはならなくなりました。これにより栃木がボールを持つ時間が増え、前線の宮崎に加えて途中からDFに入ったラファエルを上げて、こうした長身の選手にどんどんロングボールを入れてパワープレーを仕掛けてきました。これに対してエスパは住吉、蓮川、原テルを中心に対応。90+2分にはロングボールを沖と住吉が交錯してこぼしてしまいこぼれ球を拾ったラファエルにシュートを撃たれましたが、いち早くカバーに入った原テルがブロックしてゴールを許さず、90+4分には宮崎にシュートを撃たれましたが枠を外れ、結局8分ものアディショナルタイムを凌ぎ切ったエスパルスが1-0で勝利。これによりエスパルスが2試合を残してJ1復帰を決めました。

6.試合の感想

 まずこの試合と同時刻に行われた試合で17位の大分が勝ったため、18位の栃木のJ3降格が決まりました。ウチのJ1復帰が決まったその試合で相手チームの降格が決まってしまうあたりにフットボールの残酷さを感じます。ましてやこの試合での栃木の「勝つんだ!」という気迫は凄まじいものでエスパはかなり苦しめられたし、この試合だけを見ると栃木が降格するチームとは思えないです。ただ5月にアイスタで戦った時は守備がちょっと淡泊だなと感じていて、結局この試合で見せていたような気迫あふれるプレーと粘り強い守りを1年間続けられなかった事が降格してしまった要因なのでしょうね。残念な結果となりましたがこの悔しさを糧に立て直す事を期待したいです。

 一方のエスパは、前半の入りが悪過ぎましたね。いきなりゴールを決められそうになるし、前プレに慌ててしまって何度か危ないシーンを作られるなどバタバタでした。来季の事を考えるとあれくらい前プレをかけられても剥がす事の出来る力が欲しいところです。ただクロスをはね返したらラインを上げるとかシュートを撃たれそうになったらブロックにいくとかいうような当たり前のプレーをしっかり行う事でどうにか無失点で凌げたのは良かったです。このあたりは秋葉監督が口酸っぱく言っている「上手くいかなくても我慢強く粘り強く対応する」というのが身に付いている証左かもしれません。同じ事は攻撃面でも言えて、相手の攻め口を見つけるまで随分時間がかかりましたが、粘り強くボールを動かしながら穴を探していくという作業が出来ていて、それが前半の終わりから後半の入りにかけての攻勢に繋がりました。やはりサッカーは相手がいるのでいつも自分達の思い通りにいくとは限らず、逆に思い通りにいかない時間の方が多い試合もあります。そうした中でも粘り強く戦って少なくとも先に失点しないようにする事は重要です。昨季はそこが上手くいかない試合が多くて紙一重の試合を落とす事が何度かありましたから、その反省を受けて今季は粘り強くしたたかに戦うというのをテーマにチームを作ってきたと理解しています。必ずしも全ての試合でそれが出来ていたわけではないですが、少なくともこの試合に関してはそうしたチーム作りが実ったからこその勝利なんじゃないかなと思います。

 個人に目を向けると、決勝点の住吉とアディショナルタイムでのシュートブロックをしてくれた原テルの2人がMOMですかね。住吉は最終ラインの真ん中で何度も身体を張ってくれたし、原テルは守備は勿論ボール保持時のパス出しとか動き出しとかも光りました。リーグ戦初出場となった沖も安定したプレーを見せてくれましたね。ただもっと出来る選手だと思っているので、これからも期待したいです。あと目立たないですが北爪も良かったです。特に前半なかなか上手くいかない中でもアップダウンを怠らず、前半のシュートチャンス全てに絡んでくれた事が流れをエスパに呼び込む事に繋がったと思います。影のMOMと言ってもいいんじゃないかとすら思ってます。一方、北川は82分のプレーが本当に余計でした。確かに森のタックルも危険なものだったのでカッとなるのはわかるのですが、報復行為はしちゃダメです。勝ったからいいようなものの残り2試合とも出場出来ない事になってしまったので、猛省して欲しいです。勿論彼のこの1年のキャプテンとして、エースストライカーとしての働きぶりが色あせるような事はないですけどね。

7.まとめ

 これでJ1復帰という今季のエスパルスの目標、というかノルマは達成されました。しかも横浜FCが敗れたために、エスパルスは再び首位に立ち、秋葉監督やキャプテンの北川が掲げてきた「J2優勝してJ1昇格」が現実味を帯びてきました。残り2試合ともに僕達の要塞アイスタで戦えるというおまけ付きです。まずは今週末いわきを迎える事になります。非常にタフな相手ですが、何としても勝って優勝に王手をかけて欲しいです。

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