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2024年6月 1日 (土)

連敗阻止(5/26 水戸戦)

 先週日曜(5/26)の水戸戦の記事のアップが遅れてしまってすみません。先週末から非常に忙しくて、試合も行くつもりだったのが行けなくなったし、その後もブログを書くヒマが全くなくて今日(6/1)になってしまいました。明日(6/2)の山口戦に臨むにあたって前節の試合を振り返るという感じでご覧いただければ幸いです。

<明治安田J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 エスパルス 2ー1 水戸ホーリーホック

1.エスパルスのスタメン

20240526

 SUB:沖、住吉、吉田、宮本、松崎、乾、ドウグラス タンキ

 前節の横浜FC戦の翌日に行われていたTMの松本戦は4-0で勝ったのですが、前節の敗戦から切り替えるために秋葉監督はその時のメンバーから高木と白崎をチョイスしてスタメンに抜擢しました。これによりサブに回った住吉と宮本はいずれもずっと試合に出続けていたので、この起用が上手くいけば選手層を厚くするという意味で大きな成果となるだろうと思いました。

2.水戸の戦い方

 水戸は16節終了時点で4勝6分6敗。シーズン開始時は濱崎監督が昨季から継続して指揮を執り、開幕戦ではいわきに勝って良いスタートを切ったものの第2節から4連敗。第6節から5試合連続ドローの後第11節の山口戦で開幕戦以来の勝利をあげて調子に乗るかと思ったのですが、次の藤枝との6ポイントマッチで敗れ更に横浜FCにも敗れて降格ゾーンに入ってしまったところで、濱崎監督は解任。コーチだった森さんを監督に昇格させ、その後は2勝1分と持ち直し降格圏を脱出していました。

 スタイルは4-4-2でのハイライン・ハイプレスサッカー。これは濱崎監督の時も同じですが、監督が森さんになってから約束事を整理して選手達にそれを徹底させる事で調子を取り戻してきたようです。忘れもしない昨季のリーグ戦最終戦での水戸戦では水戸の同サイドへ圧縮してのプレスの前にパニックになってしまって前半何も出来ませんでしたから、森監督になって整備されたプレスをかわせるか否かが試合のポイントになると思ってました。

3.がっぷり四つの展開の中で生まれた先制弾

 予想通り水戸は真っ向勝負で挑んできました。2トップがこちらのCBに前プレをかけ、ボランチ、サイドハーフ、SBもシステムが同じである事を活かして対面に激しくチェックをかけてきました。ボールを奪ったらシンプルにこちらの最終ラインのウラにボールを出して、2トップの寺沼の強さ、落合の早さという武器を最大限活かそうとしてきました。サイドハーフを走らせる場面もあったしウラ狙いは徹底してましたね。これは水戸がそういうサッカーを志向しているというのもあると思いますが、前節ウチがこのやり方で横浜FCにやられたのも影響していたでしょう。それと2トップを走らせるだけでなく特に寺沼に当ててくるボールも混ぜてきたのですが、こちらのDFの高木と競らせるようにしてきました。高木は身長はそれほどありませんから狙ってきたのでしょうね。

 しかしエスパも昨季最終戦のようなパニックを起こす事はありませんでした。特にプレスに対しては個の技術や強度の高さ、切り替えの早さ、走力で対抗。10分頃には自陣で厳しく前プレをかけられましたが、原テルが寄せてきた選手を股抜きでかわしてボールを前に出して最終的に相手ゴール前まで持っていっているし、20分頃には同じく自陣で前プレをかけられますが、高木がSBでなく内側のレーンに入った矢島にパスを出し、そこに中村がサポートに入って最終的に山原、カルリーニョスに繋ぎCKをとっています。一方で相手のウラ抜けに対してはエスパの前プレが嵌らずフリーでフィードを送らせてしまっていたので止める事が出来ず、試合は全く五分の展開となりました。

 しかし先制したのはエスパルスでした。前述の20分頃の繋ぎで得たCKのこぼれ球の処理で高木がファウルを受けてFKを獲得。この直接FKを矢島が決めてエスパが先制しました。水戸からするとクロスバーに当たって外側にはね返ったボールがGK松原の腕(?)に当たって入ったというアンラッキーなものでしたが、それでもシュートの速さとコースはほぼ文句のつけようがないもので、見事なFKでした。

4.水戸の攻勢に晒された前半残り20分

 しかし先制してホッとしたのもつかの間、あっという間に水戸に同点にされてしまいます。27分、CKのこぼれ球から長井が低い弾道のシュートを放ち、これがゴールに吸い込まれ、水戸が試合を振り出しに戻しました。長井のシュートは確かに見事でしたが、ブラガにはもう少し寄せて欲しかったし、ゾーンで守ってはね返した後の対応は引き続きの課題ですね。

 これで勢いの出た水戸はこれまで以上に激しいプレスをかけてエスパからボールを奪い、奪ったボールをスムーズに前に運んでいくようになりました。その運び方は1つはシンプルに最終ラインのウラへボールを出して味方を走らせる事。もう1つは、いったん最終ラインでボールを回してエスパの前線・中盤のプレスを呼び込んでおいてその後ろのエスパ最終ラインの手前で味方に受けさせるボールを送る事。つまりエスパが何とかボールを奪おうと前線・中盤が前に出てくる事で生まれるこちらの中盤と最終ラインとの間を使おうとしたのです。エスパの最終ラインとしては試合開始からウラ狙いのボールを何本も出されているからどうしてもそれを警戒してしまうし、前の選手としては何とか水戸の2トップへボールを出させないようにするために前プレをかけようとするので、そうなるとどうしても全体が間延びしてしまいます。更に水戸は最終ラインがボールを持っている時はボランチの一角の長井が落ちて3枚でボールを回してきて、4-4-2の形から前プレをかけようとするエスパに対して嵌められないような形をとってきたので、エスパとしては前線へのボールを制限出来ず押される時間が続いてしまいました。何とか同点で折り返したものの後半に向けて不安を感じさせる内容でしたね。

5.システム変更で息を吹き返した後半開始からの30分

 前半の内容を受けてエスパルスは、前半終わり頃に腿の違和感を訴えていたカルリーニョスに代えて乾を後半開始から投入し、システムも4-2-3-1に変更しました。これは水戸と同じシステムだったために相手に捕まえられやすくなっていたのを解消する狙いだったと思います。実際乾がいろんなところに顔を出して相手のプレスを回避する出口となった事で水戸のプレスを剥がしてボールを前に運べるようになり、エスパがあボールを握る時間が増えました。それが早速形になったのが53分です。乾が右サイドでボールを受けて高木に出し、高木は左サイドの山原へパス。山原は、矢島が左のポケットにフリーランをする事で水戸のDFの注意がそちらに向き真ん中にパスコースが出来たのを見逃さず、真ん中の北川へパス。北川はボールをキープした後前に走り込んだ白崎へパスを出し、これはカットされてしまったもののこぼれ球を右にいた原テルにパス。原テルは一瞬タメた後で絶妙のクロスを入れ、これを白崎がヘッドで叩き込んでエスパが勝ち越し点を奪いました。全員がよく走りながらテンポ良くボールを動かしてゴールを奪う今季のエスパらしさが表れたゴールでした。

 これで試合のペースを完全に取り戻したエスパは乾を中心にボールを回して水戸を攻め立て、56分に山原のクロスから北川のヘッド、57分に北川の折り返しから乾のシュート(右足のアウトかトゥキック)、59分には乾が中盤での見事なターンからボールを持ち出して矢島へのスルーパスとチャンスを立て続けに作りました。一方でボール非保持時は前プレをかけるタイミングやかけ方を修正する事により前半ほどは危ない場面を作られなくなりました。しかしこのまま黙っている水戸ではなく、2トップの一角だった落合に代えて草野を入れ更にFWの山本を入れて前線をフレッシュな選手にして再び攻勢をしかけてきました。これによりエスパが押し込まれた時に真ん中が数的不利な状態になる場面が出てくるようになりました。

6.再度のシステム変更により逃げ切り

 そこで秋葉監督は75分、ブラガに代えて住吉、北川に代えてタンキを入れて、システムを3-4-2-1に変更しました。これにより後ろのスペースは埋まりボールを入れられてもはね返せるようになりましたが、一方で北川が抜けた事で前にボールを呼び込む事が出来なくなったため、前にボールを送ってもはね返されて回収されるようになってしまい、再び水戸にボールを持たれる時間が長くなりました。こうなると危ない場面も多くなるわけで、特に83分頃の住吉がボールを奪われて久保にフリーでシュートを撃たれる場面は危なかったです。この後もエスパは水戸の攻勢を受けましたがATの草野のシュートも権田がガッチリ抑えるなど水戸に得点を許さず、2-1でエスパルスが水戸を下しました。

7.課題と収穫

 何とか勝ち切って連敗を止める事が出来たのは良かったと思います。が、課題も多いですね。特に水戸のロングボールを使った攻撃には苦しめられました。更に単純にウラ狙いのボールを出すだけでなくこちらの最終ラインの手前で受けさせるボールを混ぜてこられた時の対応をどうするかは大きな課題ですね。それはこちらの前プレが思うように嵌らない時に怒り得るものなので。白崎は自分達ボランチの後ろにボールを入れられないようなポジショニングを腐心していたようですが、それでも前プレが嵌らないとつい前に出たくなりますからね。それに前プレが嵌らない時に全体が間延びしてしまうのは今シーズンこれまでも出ていました。特に相手が後ろ3枚でボールを回していてこちらが4-4-2の時にこういう事象が起きていたと思うので、こうした現象に対してどう対処するかは一番の課題だと思います。対応としては前プレはせずにけん制にとどめてブロックをコンパクトに保つ事を優先させるか、スライドをする事で対処するか等いくつかあると思います。

 一方で相手の前プレをどう剥がすかについては前述したようにある程度は出来ていたと思います。が、個人の頑張りで対処した部分も多分にあると思うので、ここも引き続きの課題ですね。こうやって厳しく前線からプレスをかける事でこちらに自由に攻撃させないようにするというのは今後どのチームもやってくると思うので、何とかチームとしての対応方法を見出して欲しいです。

 という事で横浜FC戦で出た課題について引き続き対応が必要ですが、一方で高木、白崎といったTMで結果を出した選手をピックアップした結果勝つ事が出来たのは、チームにとっては大きいと思います。「頑張っていれば自分達も」という思いをサブメンバーに植え付ける事が出来たわけですからね。高木は身長でミスマッチながらも良く抑えていたし、白崎が攻守に献身的に動き回って決勝点まで奪ったのも良かったです。その意味では単なる勝ち点3に留まらない効果をチームにもたらしたのではないかと思います。

8.まとめ

 これでエスパは首位をキープ。次節はアウェイでの山口戦です。山口は6位につけており、ここ4試合負け無しです。さらに維新みらいふスタジアムの状態が相当悪いみたいなので、それも選手達を悩ませる事でしょう。難しい試合になる事は間違いないので、昨季この地で大勝した事は忘れるべきです。何とか勝って帰って来て欲しいですね。

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