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2024年5月 1日 (水)

6ポイントマッチ制す(4/28 岡山戦)

  先週末岡山へ行って来ました。サッカーで行くのは十何年か前の天皇杯の2戦目以来ですがその時は日帰りだったので、泊まりで行くのは初めてです。何を血迷ったのか行きは在来線を使っていった分観光については後楽園に行ったくらいでしたが、それでも現地のソウルフードや魚介類、地酒を美味しく頂く事が出来て楽しかったです。

 1日前に長崎が先に試合を終えていて、その時点でエスパは長崎に抜かれて暫定2位。この日対戦する岡山は勝ち点差3の3位で負けると得失点差で3位に転落するという大事な試合でしたが、何とか競り勝って第12節終了時点で1位をキープする事が出来ました。この結果が試合後の料理やお酒を更に美味しくしたのは確かでしょうね。

<明治安田J2リーグ 於 シティライトスタジアム>

 エスパルス 1ー0 ファジアーノ岡山

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:沖、北爪、原、松崎、西澤、西原、ドウグラス タンキ

 ルヴァン杯富山戦で完全休養させた前節の仙台戦のメンバーをそのまま起用しました。サブでは乾がいわき戦での怪我が癒えずサブにも入らず仙台戦で怪我をした蓮川も欠場したのは残念でしたが、ルヴァン杯富山戦で120分プレーして復調ぶりをアピールした原テルがサブに入ったのは明るい材料でした。

3.岡山の戦い方

 オフに積極的な補強を行って有力な昇格候補と目されていた岡山。7節で連勝を止められて以降の5試合が1勝3分1敗とやや勢いが落ちてきたようですが、それでも3位につけています。

 持ち味は11節終了時点で失点僅か7という堅守でしょう。システムは3-4-2-1なので3バックの両脇が狙い目になるかと思うのですが、岡山はそのへん洗練されていて、ボールサイドの方のWBが前に出て前にチェックにいく一方で逆サイドのWBが3バックの横に落ちて見た目4-4のブロックを形成してブロックに入ってきた相手ボールホルダーにチェックをかけてボールを奪っていく。チーム始動後4か月ほどでこれだけ洗練された守備組織を構築して結果も出しているのが岡山の強みだと思います。

 攻撃に関してはボール保持にはこだわらず早めに1トップのグレイソンに当ててセカンドボールをダブルボランチが拾ってボールを前に進めるかグレイソンのウラヘ2シャドウを走らせるかというのが基本スタイルみたいですが、1トップを務めるグレイソンが2~3月の月間MVPに選ばれておりそれにふさわしい数字を残しているので、彼をどう抑えるかも大きな命題の1つでした。そのグレイソンをサポートするガブリエル シャビエルが前節怪我をしてこの日もメンバーに入りませんでしたが、その分運動量に優れた木村と岩渕がシャドウに入っており彼らに勢いを持ってプレスに来られるとかえって厄介かもと思ってました。

4.狙い通りだった前半

 開始早々は岡山に早めにボールを入れられ、主に山原のサイドに人数をかけられてポケットを取られかけるなど危ない場面を作られかけましたが、徐々にエスパが優勢に試合を進めるようになりました。理由は主に矢島のポジショニングにあったかなと思ってます。攻撃時のエスパの基本的な立ち位置は下図の通りです。

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 あくまでイメージとして捉えて頂ければと思いますが、ビルドアップをスタートさせる時のエスパはブラガを前に上げて3トップのような形をとってきて、4-3-3で戦っているように見えました。まあ秋葉監督になってからは両サイドハーフに中に入らせて空いたサイドのレーンをSBに使わせるのが基本形ですし、岡山としては3バックがそのまま前3人を見ればいい。カギになっているのが左下にいる矢島で、彼のポジショニングが巧妙なんですよね。普通のサイドハーフ然としてサイドに張っていたと思ったら中の相手ボランチの後ろに立ってタテパスを受けたりと、空いたところに上手く入ってきてビルドアップに関わるのです。岡山としたら彼を捕まえたいので普通に考えれば右WBの柳貴博をあてるのでしょうが、そうなると左SBの山原が空いてしまって斜めのクサビを入れられてしまう。じゃあボランチのどちらかに見させるかとなると今度は真ん中のパスコースが空くしウチのボランチもフリーにさせてしまう。ただでさえ真ん中にスペースが出来ると北川やカルリーニョスがタテパスを受けに落ちてくるから容易に中は空けられないわけで、結果として矢島への対応が後手になってしまいそれでエスパは岡山のプレスラインを突破出来ていたと思います。派手なプレーはあまりなかった矢島ですが、地味ながら凄く効いていたと思います。

 前半エスパが優勢に試合を進められたもう1つの要因が相手1トップのグレイソンへの対応です。主に高橋がグレイソンとの空中戦をほぼ制圧し、グレイソンが後ろへすらして2人のシャドウにウラへ走らせた時も主に住吉がほぼ完ぺきにカバーリングして、岡山へなかなか攻め手を与えませんでした。空中戦のこぼれ球も中村、宮本が回収してくれた事でボールを握り続ける事が出来ました。

 ただ自陣に押し込められた時の岡山の守備は非常に堅く、なかなかペナ内には入れさせてくれませんでしたし、やっとの思いで掴んだPKのチャンス(映像で確認した限りではかなり岡山に厳しい判定でしたね)もカルリーニョスのPKが止められてしまい、これは流れをもっていかれるかもと思いました。まああれはカルリーニョスのミスではなくブローダーセンが見事でした。シュートタイミングを外すなどの引っかけに全く動じませんでしたからね。しかしその5分後に値千金のゴールが生まれます。

 岡山の末吉からグレイソンへのフィードが大きくなったのを見た高橋が胸トラップに切り替えて中村へパスし、中村もそのボールをフリーの北川へ。北川がこれを持ち出してからカルリーニョスへパスするとカルリーニョスが北川が走り込もうとしていたところへダイレで返し、北川が落ち着いてゴールへ流し込んでエスパルスが先制しました。北川、カルリーニョスのワンツーが美しいとしか言いようがないですが、その北川にボールを繋げた高橋、中村も見事だったと思います。岡山の特に前の選手達はグレイソンへのフィードを合図にして前に出ようとしていました。それを2人の素早い判断と正確な技術によって裏返す事が出来たわけですから。ちなみにそれまでの岡山の失点のうち流れの中からのものはわずか1失点のみでした。そのような堅陣を打ち破った見事な得点により、前半は1-0で折り返しました。

5.逆にシステムのミスマッチにより苦しめられた15分

 後半に向けて岡山は当然ながら修正をかけてきました。非保持時に誰が誰を見るか整理し、ボール保持時は無闇に真ん中に蹴るのではなくサイドにずらしてボールを送るようになりました。そして狙いどころとして吉田のサイドを執拗に突いてきました。岡山は相手を押し込んだ時には両WBも上がって5トップ気味になり、更にボールサイドにボランチ2人が絡んで3~4人でローリングしながら崩そうとしてきます。それに対してSBが簡単にサイドに行ってしまっては所謂ポケットの所が空いてしまうのでサイドハーフは戻らないといけないし、ボランチもカバーに回る事で何とか凌ごうとしますが、ボランチが2人とも来られては数的に足りなくなってしまう。という事で後半開始から60分頃までの時間帯は危ない場面を何度か作られました。48分にサイドからの輪笠のクロスのこぼれ球を岩渕に押し込まれそうになった場面(権田がセーブ)や 54分頃にハーフレーンでボールを持った輪笠がヒールパスを出してそれを受けてポケットに侵入した藤田がクロスを入れた場面(宮本がクロスをカット)などがそうです。

 木山監督も「今がチャンスだ」とばかりに選手交代で柳育崇と竹内を入れてきて、柳育崇は交代直後のCKでファーサイドへのボールをヘッドで折り返してあわやという場面を作ったし、竹内は一番危なかった58分の岡山の決定機に絡んでいます。山原のサイドを完全に崩されて柳孝博にフリーでクロスを入れられました。岩渕に合いそうだったのが絞ってきた吉田と交錯したためにクロスが流れて事無きを得たのですが、映像でこの場面を見ると吉田が岩渕を手を使って抑えているような感じだったので、PKを取られても仕方ない場面だったと思います。この時間帯は決壊寸前という感じでよろしくない状況でした。

6.昨季からの勝ちパターンで凌ぎ切った残り30分

 秋葉監督も危ない状況である事を察知して、前述の一番危なかった場面の直後に原テルを入れてシステムを3-4-2-1に変更しました。相手のシステムと同じにしてミラーゲームのような形にする事で誰が誰を見るかをはっきりさせるための変更で、昨季の後半にもよく使っていた形です。今季もやっていますがこんな早い時間に変更するのは初めてで、それだけ岡山の勢いに危機感を覚えたのでしょう。それでも岡山の勢いは止まらず、60分に岩渕とのワンツーからグレイソンにフリーでシュートを打たれるなどしました。が、68分にカルリーニョスとブラガを下げて松崎と西原というフレッシュなアタッカーを入れ、特に松崎が得意のドリブルでボールを相手陣へ何度か運んでくれて、それに合わせて全体を押し上げるようになった事でようやく岡山の勢いが落ちてきました。エスパは相手陣でボールを握る時間を増やし、焦る岡山からファウルを誘ってセットプレーで相手選手を自陣に戻させる事を繰り返す事で、上手く試合をコントロールしていました。岡山は85分に長身FWのルカオと斎藤を入れ更にDFの柳育崇を前に上げてパワープレーを仕掛けようとしましたが、実際にパワープレー狙いのロングボールが入ったのは1度だけで、それ以外はエスパがボールを握り続け、結局岡山の攻撃の時間を削り続けたエスパルスが1-0で勝利しました。

7.まとめ

 上位同士の対戦ならではの緊張感があり、互いにシステムのミスマッチをどう突くかという駆け引きも見られた見応えのある試合でした。エスパは前半その駆け引きで優位に立って優勢に試合を進める事が出来、チームの信条である早い切り替えからのショートカウンターで岡山の堅陣を破る事が出来たのは良かったと思います。一方で前半優位に試合を進めながらあまり決定機を作れなかった事と後半逆にシステムミスマッチの部分を突かれてバタバタしてしまったのは反省材料ですね。特に後者についてはいわき戦も同じような理由で苦戦を強いられてますので、引き続きの課題になるかと思います。とはいえ蓮川と入れ替わりの形で原テルが復帰してくれた事で、今後は3バックへの変更もしやすくなるでしょうし、終盤の戦いぶりはエスパらしくないwしたたかさを見せてくれて頼もしかったです。まだ12試合を終えただけで先は長いですが、ここまでは予想以上に順調に来ていると思います。とはいえここで気を緩める事なく勝ちながら課題を潰していって、更にチーム力を高めていって欲しいですね。

8.追記・竹内との再会

 この日対戦した岡山には、昨季退団した竹内が加入していました。キャンプ中に怪我をしたらしくてメンバーには入ってなかったのですが、この日初めてリザーブに入り、前述した通り54分に輪笠と交代で投入され、攻撃面でアクセントを加えていてウチにとっては脅威でしたね。試合後僕は早々にスタジアムから離れてしまったので見てないのですが、竹内がエスパのサポーター席に挨拶に来てくれました。DAZNで観ましたが、サポーターによる竹内のチャントをじっと聞いてくれた後で深くお辞儀をしてくれた姿にはグッと来るものがありました。竹内はウチがずっと苦しんでいた時期に支えてくれた選手ですし、まだまだやれる選手である事はこの試合でも証明してくれました。これからも頑張って欲しいです。

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