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2024年5月10日 (金)

快勝(5/6 群馬戦)

 GWの最終日、対群馬戦を観に群馬県の前橋まで行って来ました。昨季は日曜のナイトゲームでかつキックオフも遅かったため行きませんでした。このため8年ぶりの群馬戦アウェイ観戦となります。

 昨季は一度も勝てなかったし、今季は最下位に沈んでいるとはいえどこで調子を取り戻すかわからないので決して楽な試合にはならないだろうと予想していたのですが、結果は快勝。内容を見てもやはり今季は充実しているんだなと思わせる試合で、それをGW最終日に観る事が出来て嬉しかったです。

<明治安田J2リーグ 於 正田醤油スタジアム群馬>

 エスパルス 3ー0 ザスパ群馬

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1.エスパルスのスタメン

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 SUB:沖、山原、中村、成岡、松崎、カルリーニョス、北川

 最近あまりない中2日での連戦なので、スタメンをどうするかが注目されてました。昨季ローテーションした時はアウェイの山口戦以外はあまり良い結果を得られませんでしたし、秋葉監督も相当悩んだそうですね。最終的には前節から山原、中村、カルリーニョス、北川の4人に代えて北爪、吉田、西沢、タンキをスタメンに入れてきました。SUBには前節から休ませた4人をそのまま連れて行った一方で西原に代えて成岡を入れました。ルヴァン杯の富山戦のようにスタメンを完全に入れ替えるのではなく4人だけ入れ替えた形になりましたが、「おや?」と思ったのはシステムですね。右SBとして使われる事が多い原と北爪の2人を入れてきたので3バックが有力でしたが、開始から3バックで臨んだ事はなかったし4バックでもやれなくはないメンバーだったので、どっちで来るかが試合前の関心事でしたが、結局上図の通り3-4-2-1で臨みました。

 しかしながら上図の形はあくまでボール非保持時(守備時)のもので、ボール保持時(攻撃時)は4-3-3を基本としつつそこから流動的にポジションを入れ替えながら攻めていました。これについては後述します。

2.群馬の戦い方

 群馬は昨季大槻監督の下で充実した戦いをして、リーグ戦終盤までプレーオフ圏内を他チームと争い、最終的に失速したもののクラブ史上最高の11位となりました。基本システムは4-4-2なのですがボール保持時はSBが上がって3-4-2-1へ移行し、後ろの3バックとボランチ2人でパスを回し、相手の穴を見つけたところで前にパスを差し込んで一気に攻撃のギアを上げてゴールを奪うというしっかりとした攻撃の形を持つチームでした。守備も4-4のブロックが非常に堅固で、そうした群馬の前にウチは一度も勝てませんでした。特にアイスタでの試合は散々でしたよね。シーズン終了後は草刈り場となる事が懸念されましたが主力で抜けたのは畑尾、岡本くらいで佐藤など核となる選手は残留しており、更にJ3で活躍した選手を引き抜く事が出来たので、今季も怖いと思っていました。

 しかしながら始まってみると開幕から6試合勝ち無しと出遅れ、第7節で初勝利をあげたもののその後は勝てておらず最下位に沈んでいます。その原因のうち大きな要素を占めるのが昨夏の時点で攻撃の中心だった長倉を新潟に引き抜かれた事だと思います。彼が抜けて以降は得点力が低下してシーズン終盤の失速に繋がりましたし、オフの補強で川崎から永長を期限付で獲得したりしたものの長倉の穴を埋めるまでには至らなかったというのが一番大きいんじゃないかと思います。加えてなかなか勝てないからかシステムを3-4-2-1一本に変更したものの上手くいかなかったり、更に不動のボランチだった風間宏希、天笠が怪我で離脱するというアクシデントまで発生した結果今の状況に至っている感じでしょうか。

 ただこれ以上無様な試合は出来ないとは思っていたでしょうし、ましてやホームですから相当ネジを巻き直してくるだろうから簡単な試合はならないとある程度覚悟してましたし、実際試合の入りは群馬の方が良かったように思いました。一方で今季2得点をあげていたシャドウの北川柊斗が開始2分で腿裏の違和感から交代させる事になったあたりは、今思うとチームの運の無さを象徴していたのかなと感じます。

3.得意の形から生まれた先制ゴール

 前述した通りエスパルスはシステムを最初から3-4-2-1にして臨みました。狙いは試合前に秋葉監督が「群馬のゆったりしたペースに巻き込まれたくない」と仰っていた通り、開始から前プレをガンガンかける事で群馬の3バック+ボランチ2枚でゆっくり回しながら相手の付き所を探すスタイルをさせない事。そのために群馬とシステムを同じにして人を捕まえやすくしました。3バックにはタンキと2シャドウの2人が、WBにはWBが、ボランチにはボランチが付いて、ボールを持ったら厳しくチェックをかける事を徹底したわけです。

 それが上手くいったのが先制点のシーンです。群馬が3バックで回していた時にシャドウの和田がボールを受けに下りてきますが、和田に付いていった原テルが和田のトラップがズレたのを逃さずにボールと和田の間に入ってボールをイーブンに。それにいち早く反応した高橋が1トップのタンキに鋭いタテパス。タンキはこれを納めると左の西澤へ。西澤が左足でゴールニア上に叩き込んでエスパが先制に成功しました。

 まず西澤のシュートはお見事の一語に尽きます。利き足ではない左足でのゴールというのも素晴らしいです。その西澤に素早くパスしたタンキも見事ですが、そのタンキにタテパスを通した高橋の判断も素晴らしかったです。何よりこのゴールは素早いトランジションから一気にゴールを陥れるエスパが得意とする形ですが、それが3-4-2-1の採用に伴い原テルが和田に付いていったから生まれたというのも見逃してはならないポイントでした。

 これで自信を得たエスパは群馬がボールを持った時には自分が見ている選手にガンガンプレスをかけ、それにより相手のミスを誘ってボールを奪うという展開に持ち込みました。前半のボール支配率62%という数字がそれを物語っていると思います。ただボールを保持している時にそのまま3-4-2-1ではやらなかったところがこの試合のエスパの面白い所だったと思います。

4.可変システムとポジションチェンジによる攻撃

 ボールを保持している時のエスパは通常通り4バックのイメージで戦っている感じでした。エスパのゴールキックの時にそれが表れていました。3バックの3人が権田の前に立つのではなく、これまで通り高橋と住吉がゴールエリアの両端に立ってプレーをスタートしていたかと思います。その時原テルがどこにいたかというと右SBの位置にいました。何故そのようにしたかですが、恐らく攻撃時はシステムをそのままにして相手にもこちらを捕まえさせやすくするよりもシステムをミスマッチにしたままにしてその時に狙いどころとなるサイドの両WBのウラを狙いやすくしたかったからではないかと思います。

 ただ原テルが右SBとしてやっていたかというとそういうわけではなくどちらかというと矢島、宮本とともにセンターハーフの一角としてプレーしている感じでした。だからボール保持時のエスパのシステムのイメージはこんな感じだったかと思います。

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 原テルの位置はもうちょっと前でかつ中よりだったかもですが、あくまでイメージとして捉えて頂ければと思います。いずれにしろ右のサイドのレーンは北爪がメインで使い、原テルは中寄りのレーンから北爪をサポートしつつ矢島や宮本が動いて空けたスペースにも入って真ん中のパス回しにもよく絡んでいました。

 一方の左についてはSBの吉田が孤立しがちに見えるのですが、その吉田をサポートしたのが西澤で、タイミング良くボールを貰いに落ちてくる事で吉田が上がるスペースとタイミングを作っていました。これに矢島も上手く絡んでいて、西澤が上がったスペースへ上がって西澤とポジションを入れ替える事で群馬を混乱させていたと思います。左はこの3人の連携とポジションチェンジがスムーズでした。勿論右サイドでもこうしたポジションチェンジは行われていて、原テルが北爪を追い越してサイド深くへ入り込み北爪がハーフレーンからサポートするとかブラガが同じように右サイド深くへ入り込んだりもしてました。こうしたポジションチェンジが頻繁に行われるため群馬としては最後までボールの奪いどころを定められなかったと思います。とはいえ群馬も人数をかけて守っていたのでなかなか決定機までは至らなかったのですが、29分に権田のフィードを受けた前で受けた西澤がカットインしてシュートしたあたりからチャンスが出来始め、32分に北爪、38分に西澤のクロスからタンキとブラガの立て続けのシュート、43分に原テルのクロスからのタンキと立て続けに決定機を作りましたが得点には至らず、1-0で前半を終了しました。

5.試合を支配し続けた後半

 ハーフタイムに大槻監督から喝を入れられた群馬は、よりこちらへの寄せを早くしてきました。ただファウルが増えるばかりでペースを変えるまでには至らず、逆に56分にエスパに追加点が生まれます。左サイドで吉田、西澤、矢島に加えて宮本まで絡んでボールを回し、それによりハーフレーンにいた原テルの前に広大なスペースが出来ていた事を矢島が見逃さずそこへパス(もしかしたら宮本へのパスだったかもですが)。これに反応した原テルがそれを受けてタンキとのワンツーでペナ内へ侵入。群馬の選手にカットされてしまいましたがこぼれ球を拾った宮本が浮き球のクロス。これをタンキがヘッドでゴールへ沈めて待望の移籍後初ゴール。エスパが追加点を奪いました。

 2点差とされた群馬ですが気持ちを切らす事はなく、この後少しずつエスパの選手達の運動量が落ちてきた事もあり、何とか追い付こうと反撃してきました。特に途中から左WBに入った山中が厄介で、彼にボールを前に運ばれる事で押し込まれる場面が多くなりました。しかしエスパも攻撃の手を緩める事はなく、スタメンの1トップ2シャドウの3人をカルリーニョス、松崎、北川に入れ替えて、群馬が攻めにかかるのを逆手にとってカウンターを仕掛ける事で対抗。64分にカルリーニョス、78分に北爪、79分に北川と決定機を作っていきます。そして90分、松崎に圧力をかけて戻させたのに合わせてブロックを上げた群馬に対し、住吉がそのウラへ走り込もうとしていた北爪にパス。北爪がそれを受けて絶妙のクロスを入れて北川がそれを押し込んで3点目。結局エスパルスが3-0で快勝しました。

6.収穫と課題

 収穫は何といっても開始から3-4-2-1にして群馬のペースを壊し自分達がゲームを動かし続けるという狙い通りの試合が出来た事でしょうね。まあ3-4-2-1は昨季から主に試合をクローズさせるために使っていましたし、攻撃時に4バックベースの形に変えて戦うというのも、ボール保持時にはサイドハーフを内側へ絞ってSBに外側のレーンを使わせるという可変システムで昨季からずっとやっていましたから、この試合での形もその応用であり全くのぶっつけ本番ではないのですが、攻守が変わる毎に3バックと4バックを切り替えながら戦うというのは流石に初めてですからそれをそれほど穴を開けずにやり切ったのは素晴らしいと思いますし、戦い方の幅が広がりましたよね。更にそれをチームの核である北川、カルリーニョス、中村、乾抜き(乾以外は途中から出場しましたが)でやったのがまた見事でした。矢島はまた存在感を高めましたし、今季リーグ戦初スタメンのタンキ、西澤も自分達の持ち味を出して結果まで出したのですから言う事ないです。この2人、特に西澤はなかなか使われず苦しんでいたと思うので、立ち上がって拍手で迎えてあげたかったです。まあ僕はメインスタンド観戦なので後ろに群馬サポの方がいたら申し訳ないと思ったので立ち上がるまではせず、その分目一杯拍手しました。

 ただ失礼ながらこれは相手が低迷して自信を失いかけている群馬だから機能した可能性もあり、これを他の3バックのチーム(横浜FCや岡山等)に使えるようにするためにはまだまだ精度を上げていく必要があると思います(ポジションチェンジは以前からやっていて、それがかなりスムーズになってきているとは思いますが)。また相手がある事なのである程度押し込まれるのは仕方ないですが、自陣深いところでボールを奪われるのが2度あって、そのうちの1度は山中のポスト直撃のシュートに繋がっています。ああいうミスは可能な限り無くしたいですね。

7.まとめ

 これで6連勝。クラブ記録である2016年の9連勝に1つ近付きました。次はホーム・アイスタ日本平での鹿児島戦。井林や藤本がいるし決して侮る事が出来ない相手ですが、ホームで勝ち点を落とす事は許されません。是非とも勝ち点3を勝ち取ってブラジルデーを盛り上げたいですね。

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