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2024年4月 5日 (金)

詰めが甘かった試合(4/3 徳島戦)

 前節の記事のアップが遅すぎたのもありますが、こういう後味の悪い試合の記事はとっとと終わらせるに限りますwww。

 昨日(4/3)の徳島戦、平日なので行けるはずもなく、更にリアルタイム観戦も難しい状況だったので追っかけ再生の形で観戦しました。もう少しで勝てるところで追い付かれてのドローというのは昨年12月の国立での悪夢をどうしても思い出してしまうので、ガッカリしました。こういう事が起こり得るのがFootballではあるんですけどね。

<明治安田J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 エスパルス 1ー1 徳島ヴォルティス

1.エスパルスのスタメン

20230403

 SUB:沖、北爪、カルリーニョス ジュニオ、松崎、郡司、ドウグラス タンキ

 まずCBに高橋を久々に起用しました。恐らく蓮川を休ませるためだろうと思います。中盤から前は白崎を今季初めてボランチに入れてボランチだった中村をトップ下に起用。前節の山形戦の終盤で使った布陣にそこそこ手応えがあったのでしょう。そして左サイドハーフに西原、トップに千葉とアカデミー出身の若手を抜擢してきました。一方サブにはカルリーニョスが復帰し、ドウグラス タンキを初めてサブに入れました。攻撃的な面子を揃えてきたのにはワクワクしましたが、一方でCBの控えが入っていない事には不安を感じました。

2.徳島の戦い方

 徳島はここまで1勝1分5敗で最下位に沈んでいました。前節の群馬戦の翌日には吉田達磨監督が解任され、ヘッドコーチの増田氏が暫定で指揮を執る事に。更に前節の試合前に主力の西谷が練習に参加出来ない状態にある事が報道され、月曜にはここまで全試合に出場していた島川が突然引退を発表するなどチーム内は大荒れ状態になっていると傍目には見えました。ただもともと面子は揃っており、前々節はこの時まで無敗だった仙台相手にアウェイでスコアレスドローに持ち込み、前節の群馬戦でも負けはしたものの内容では上回るなど立て直しの兆しは見せていたので、決して楽な試合にはならないと思っていました。

3.試合経過

 試合は5分にいきなり動きます。山原のCKのボールを高橋がヘディングシュート。GKのスアレスに防がれたもののこぼれ球をルーカス ブラガが押し込んでエスパルスが先制しました。これでエスパが勢いを得て徳島に対し優勢に試合を進めます。またそれ以上に徳島が動揺して、エスパの前プレの前にボールをなかなか前に運べなくなりました。エスパは前プレをかけてはスアレスに蹴らせ、後ろで回収してルーカス ブラガ、西原の両翼から揺さぶりをかけ、セットプレーから何度か決定機を作ります。特に29分の中村のヘッドとそのこぼれ球に対する高橋のシュートは決めたかったところですね。結局前半は1-0で折り返しました。

 後半、当然ながら徳島が修正をかけてきました。ボランチやサイドの杉森がこちらのプレスの後ろのスペースに落ちてボールを引き取るようにしてきました。更にチアゴ アウベスも柿谷と役割を交換して中盤に落ちてボールを受けるようになり、これによってエスパはプレスが全く効かなくなり徳島に押し込まれるようになりました。更に徳島は54分に柿谷に代えて渡を入れて攻勢を強め、勢いの出た徳島は55分に渡のヘッド、56分に永木のウラへのパスをエウシーニョがダイレでクロスを入れた場面、58分のCKからのエウシーニョのどフリーでのヘッド(ポスト直撃)と立て続けに決定機を作りました。これに対して秋葉監督も62分に前でのボールの落ち着かせ所を作るという目的(だと思います)で矢島とカルリーニョスを投入。これによりエスパも落ち着きを取り戻し、きっちり4-4のブロックを作ってはね返すようになって、あと少し我慢すれば勝てるところまで来ました。が、87分、エリア内で吉田が棚橋を倒してしまってPKを取られ、それを決められて同点に。試合はそのまま1-1で終了しました。

4.勝てなかった要因

 こうして振り返ってみると「ドローが妥当かな」という試合だったような気がします。もう少し我慢出来ればというのはあるんですけどね。ここでそうなってしまった要因について考えてみたいと思います。

①アタッキングサードに入った時の攻撃の質が低かった

 前半は開始早々に先制点をあげ、その後は面白いようにエスパの前プレが嵌って優勢に試合を進められたので、「前半は素晴らしかった」と絶賛する向きがSNSで多かったのですが、僕はそこまで良いとは思いませんでした。何故なら優勢だったわりには流れの中からの決定機が少なかったから。8分の山原のボレーと45+1分の西原くらいで、あとはセットプレーからのものなんです。じゃあ何故優勢な割に攻めきれなかったんだろうと思った時に見たのがSPORTERIAさんの下記パスソナー図です。

Pass_sonar_network_126

(SPORTERIAより引用)

 確かに白崎、宮本を中心にボールは回っているんですけど、中村が絡む事が出来てないんですよ。実際中村のタッチ数は非常に少ないです。この影響でトップの千葉も殆どボールに絡む事が出来ていません。じゃあ何故そうなってしまったかというと、1つは徳島のリトリートしてからのブロックが堅く、特に真ん中を締められたのがあるかなと。昨季ホームで引き分けた時もこのブロックを崩すのに非常に苦労しましたが、それと同じだったのではないかと思います。もう1つは急造布陣である事。中村の能力に疑いの余地はありませんが、ボランチが本職ですから乾のように前にいながらタイミングを見て落ちてボールに触る事がそんなに得意ではないでしょう。そんな彼にトップ下として機能させるためにはしっかりと練習の中でコンビネーションを磨く必要がありますが、それを出来るだけの時間は全くなかったですよね。急造布陣ゆえの悲しさです。

 「2点目が取れれば勝てたのに」と嘆く方は多いですし僕も半分は同意なんですけど、じゃあ2、3点目が楽に取れそうな試合内容だったかというとそう簡単な内容じゃなかったよ、というのが僕の感想です。それでも前述の29分の決定機など決めて欲しい場面はありましたけどね。

②相手の後半の修正への対応が遅れた

 2つめは前述した徳島の修正への対応が遅れた事です。あれで徳島に元気を与えちゃいましたよね。前節と同じなのですが、ピッチ内でもっと早く相手の変化に気付いて修正出来ていれば良かったのですが、ズルズル下がるばかりで62分の矢島、カルリーニョスの投入まで防戦一方になってしまいました。まあ西原、千葉といった経験の浅い選手がいては厳しかったかもしれませんが。

③最後の交代カードを切るのが遅かった

 まず62分のカルリーニョス、矢島の投入について批判する向きが多いように思うのですが、試合を落ち着かせるために一定の効果はあったと思います。カルリーニョスは確かに本調子ではなかったですがそれでも良くボールに絡んでくれましたし、矢島も良くボールを落ち着かせてくれました(後述するPKに繋がった場面だけはダメですけど)。その後入った松崎も相手を後ろに押し下げる効果がありました。ただ3回目の選手交代をしないまま同点を許してしまったのは致命的でした。千葉戦や秋田戦の時は高橋を入れて3バックにしてゲームをクローズしていたのに何やっているんだ、という話ですよね。で、ベンチを観た時、前述したようにCBの控え要員がいないんですよ。郡司、ドウグラス タンキといったFWの選手ばかり。だから試合をクローズさせようがなかったという言い分があるのかもしれませんが、「じゃあCB要員入れとけよ!」って話ですよね。以前から書いているようにサッカーの監督の仕事における選手交代の割合って2割程度と思っているのですが、ことこの試合に関しては選手交代の仕方やそれ以前のリザーブの選び方に関し秋葉監督を批判せざるを得ません。

④ペナ内で滑ってしまった

 4つ目はもう明確ですよね。ペナ内で滑ったらダメです。相手の棚橋がシュートを撃ちそうだったからだと思いますが、それでもダメです。寄せて自由にさせないとこまでです。昨年12月のプレーオフ決勝での悪夢から何を学んだのかって話ですよ。

 ただ吉田1人を責めるつもりはないです。ああいうシチュエーションにしてしまった事が問題です。あの場面、直前に宮本がボールを奪って松崎がそのボールを矢島に繋いでカウンターになりかけたんですけど、矢島が中途半端なパスを出してボールをカットされているんですよね。あれは矢島は相手最終ラインの前ではなくウラへのパスを選択すべきでした。相手のCBがすぐ寄せてきたので簡単ではなかったですけど。それでカットされたボールを徳島が繋いで、玄が高田へサイドチェンジを出すのですが、この時のルーカス ブラガのポジショニングの中途半端な事。疲れているのはわかるけどあそこは玄への対応を矢島に任せるのではなく自分も寄せてサイドチェンジを許さないようにして欲しかったです。ただこれは③に伴って疲弊していたルーカス ブラガをピッチに残してしまった事の方が問題だと思いますが。

5.まとめ

 以上、この試合を振り返って来ましたが、決して内容的に良くない中でそれでも勝てるチャンスはあったんだけど、所々で詰めが甘くてドローに持ち込まれた試合ってところでしょうか。言ってしまうと試合展開を見るとドローが妥当だったように思います。

 ここ2試合の結果や内容を以て秋葉監督を批判する声が強くなっていますが、現時点でそれに同調する気はないです。何故ならまだ8試合目でありベストなチーム状態である必要がないからです。チームは生き物ですから常にベストの状態で戦えるわけではなく、11月までの長いシーズンを通して戦いの幅を増やして強くしていくものだと思います。確かにここ2試合の内容はとても褒められたものではないですが、それは秋田戦までに作ってきたチームの軸がいきなり3枚抜けて、前述の戦い方の幅を広げる作業を突貫工事的にしているからであって、そうした明確な原因がある以上、今監督・コーチ陣を責めても仕方ないと思います。それにこういう苦しいチーム状態は必ず来るものなので、ここは我慢してこの状態を乗り越えてくれるのを待つしかないと思います。ただこの状態を如何に短くするのが監督・コーチ陣の腕の見せ所なので、それが出来ずに今の状態が長く続くようなら容赦なく批判しますけどね。僕は元々昨季秋葉監督へはかなり当たりが厳しかったですし(汗。

 次はアウェイでの甲府戦。守備の堅いチームなので、今のチーム状態で崩し切れるのかという不安はありますが、とにかく我慢強く戦って勝ちを手繰り寄せて欲しいです。

P.S PKの判定について「カイケのシュートでアドバンテージは終わっているはずだからPKはおかしいのでは?」という指摘があります。選手達もそれを主審に訴えたようです。確かに言われてみればそうもとれるのですが、ルールの専門家ではないので断定は出来ないです。なのでクラブにはこのプレーに関してリーグに意見書を出すべきだと思います。もし審判委員会がジャッジミスを認めたら、結果は覆らないにせよこの試合の主審を務めた清水修平氏を一定期間J2の主審を出来なくする事が出来るかもなので。

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