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2024年3月14日 (木)

負けるべくして負けた試合(3/10 長崎戦)

 先週日曜(3/10)の長崎戦の記事が遅くなってしまってすみません。先週金曜あたりから仕事がクソ忙しくて、記事を書く時間がありませんでした。

 試合結果は1-4で完敗というショッキングなもの。開幕2戦を受けてのウキウキモードが完全に吹っ飛びました。まあ開幕2試合の結果だけ甘い事を考えていた自分達(観ている側含む)の甘さが出た感じでしょうか。

<明治安田J2リーグ 於 トランスコスモススタジアム長崎>

 清水エスパルス 1ー4 V・ファーレン長崎

1.エスパルスのスタメン

20240310

  SUB:沖、住吉、吉田、矢島、白崎、西原、ルーカス ブラガ

 原テルが練習中の怪我で出場出来なくなったため右SBに北爪が入り、CBも恐らくはフアンマを警戒して高橋を起用しました。サブは西澤に代えて白崎を入れた以外は大きな変更はありませんでした。

2.長崎の戦い方

 試合前の時点で1分1敗だった長崎は、リーグ戦初勝利に向けて策を練って来ました。基本システムは通常通り4-3-3ですが、CFに昨季J2得点王のフアンマではなくエジガル ジュニオを起用し、ウチが高いラインをしくのを見越して、いつものように後ろから繋いでくるだけでなくシンプルにウラ狙いのパスも織り交ぜてきました。そうした策をとるなら高さと強さに長けたフアンマより機動力のあるエジガル ジュニオの方が良いと判断したのでしょう。ただ長崎の狙いとしては単純にウラに蹴ってエジガル ジュニオを走らせるよりも両サイドのウラ、特に左の山原のウラが狙い所と考えていたようです。

 ボール非保持時は前プレも狙うもののどちらかというと中盤のブロックに入ったところでボールホルダーに厳しく寄せてボールを奪うのを狙ってました。特に後ろ向きでボールを受けようとする選手には激しく来てましたね。それでもエスパがテンポ良く繋ぐ事で相手をリトリートさせる場面も結構あったのですが、むしろリトリートしてからの方がやりにくかった印象です。4-4のブロックの横幅を狭くして真ん中をガチッと固めてきたので単純にクロスをあげても弾き返されるし、中央にタテパスを入れようにもスペースがなく、ましてや中央突破を図ろうとしても困難という感じで、こじ開けるのは難しいなという印象を前半途中の段階で持ってました。

3.試合経過

 そうした長崎を相手にしての戦いでしたが、前半途中までは互角の戦いで、最初の15分間のボール支配率、シュートともエスパの方が上回っていました。が、25分、長崎右SB飯尾から山原へのウラを狙ったパスの処理を山原がミスして増山に前に入られて先制を許し、更にその5分後、カウンターからエジガル ジュニオに抜け出され、権田がクリアしたもののそのボールが増山に当たり、そのボールを高橋がクリア出来ずに最終的にエジガル ジュニオに決められ、あっという間に2点ビハインドを背負う事になりました。

 後半の入りも両チームが攻め合う展開となりましたが、55分に乾が見事なコントロールショットを決めてから俄然エスパが元気になり、何度か惜しいシーンを作ります。が、長崎は66分にCKからエジガル ジュニオに見事なヘッドを決められて3失点目を喫し、85分にもマルコス ギリェルメにゴールを許し、1-4という屈辱的な敗戦を喫してしまいました。

4.失点シーンから見える課題

 敗因をざっくりあげていくと、

 ・試合前にエスパが予測した事と違う事を長崎にやられ、それがことごとく当たった事
 ・その長崎の戦い方がエスパ側のミスを誘発した事
 ・要所で失点を繰り返し、エスパはチャンスを活かせなかった事

という感じになるかと思います。これだけ見てもタイトルの通り「負けるべくして負けた試合」なのは明らかでしょう。で、いつもなら上記3点についてもう少し掘り下げて書くところなのですが、既に他のブロガーの方々が分析記事をあげて下さっているので、今回は前半の失点シーンと得点シーンについてフォーカスしていこうと思います。

 まずは1失点目からですが、あれは山原が一発でクリアしようとしてバウンドを合わせ損ねて増山に前に入られたのが拙かったですね。増山より前に入るようにしてボールを渡さない事を優先すべきだったと思います。あと権田も前に出過ぎでした。確かにウチは高いライン設定をするのでGKはその後ろをカバーする必要がありますが、サイドのボールまでは必要ないと思います。もし必要なら権田自身がポジショニングをもっと前にしないと。また今季は蓮川がいるので、蓮川にサイドの後ろのカバーを任せた方が良いと思います。このへんは話し合っておいて欲しいですね。

 次に2失点目ですが、エジガル ジュニオにフリーで抜け出された事、権田のクリアが増山に渡ってしまった事、増山がボールの処理を誤ったのを見計らって高橋がクリアにいったのが失敗してしまった事という3つのミスが重なってしまったのが直接の原因です。なので権田や高橋に批判が向きがちなのですが、そもそも何故エジガル ジュニオへのウラへのパスが出てしまったのかの方が問題ではないかと思います。あの場面は直前に松澤にフリーでシュートを撃たれたものの権田の正面だったのでガッチリとキャッチし、そこからのスローから繋いでセンターラインの乾にボールが渡ったところから始まってます。長崎がカウンターを仕掛けた直後で周囲にスペースがあったため乾自ら前に持ち出して北川との連携から中央突破を仕掛け、カルリーニョスも中に入ってきたので北川からそこへスルーパスを入れたのですがそれをカットされ、そのボールが長崎の中盤の選手(秋野か加藤)の下にころがり、そこからフリーでエジカル ジュニオに出されてしまうのです。

 ここで考えるべき事は、この場面は乾と北川で中央突破出来たかどうかという点。長崎のカウンター直後とはいえそれ程人数をかけてのものではなかったため長崎の最終ラインはそのまま残っており、中盤の3枚も乾の周りにいました。一方でエスパの方は両ボランチの中村、宮本がカウンターの対応で戻っていたので、乾がドリブルを始めた段階で2人とも乾の後ろにいました。ですので後ろからのフォローがなく周囲に敵が7人いた中を中央突破を仕掛けるのは無謀だったのではないかと思います。一方で両サイドの松崎、山原は乾のドリブルに呼応して走り出してましたから、彼らにはたけばいったん中央に集まった長崎の最終ラインを広げる事が出来たはず。この2点を考えると乾と北川の判断は無謀だったのではないかと思います。やるならボランチのどちらかが後ろについてきた時ではないでしょうか。でないとボールロストした時にやるはずのゲーゲンプレスが出来ませんから。

5.得点シーンから参考にすべき事

 次に得点シーンです。乾のあのシュートは本当に見事でした。が、そのための時間が中村のポケットへのランニングによって生み出されたのを見逃してはならないでしょう。加えて直前には松崎が右サイドでバランスを失ってボールを失いかけたのですが、前にポジションをとっていた宮本が拾ってボール保持を続けたのも大きかったですよね。更にそのボールを北爪に預けてすぐ北爪の後ろを走ってボールを受け、最終的に乾にパスを出してます。つまり両ボランチが高いポジションをとってボール回しに絡んだ事で前述した長崎の堅いブロックを破る事が出来たのです。この感触については忘れないで欲しいです。逆に言うと2失点目の時のようにボランチのフォローが期待出来ず相手の人数の方が多い時は無理に早く攻めるのではなく味方が上がってくる時間を作った方が良いと思います。いくらチームの方針が「ボールを奪ってから最速でゴールを目指す」といっても時と場合によって変える必要はあるのではないでしょうか。

6.まとめ

 試合結果は本当に散々なもので、「安易なプレー選択をしない」とか「攻めている時のリスク管理を怠るな」とかいろいろな課題を突き付けられましたが、「たくさんの課題を抽出出来た」とポジティブに捉える事も出来ます。大事なのは結果だけ見て落ち込む事ではなく、試合で出た課題を把握しクリアしていく事です。それを繰り返す事でチームをブラッシュアップさせる事が出来ますからね。

 一方で壁にぶち当たった時にいかに早くその壁を超えられるかも大事です。昨季J1に昇格した3チームは連敗をしていません。それを考えると次節の大分戦で負ける事は許されません。手強い相手ではありますがホーム・アイスタ日本平での試合なので、何としても勝ち点3をあげて欲しいですね。

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