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2024年3月23日 (土)

我慢比べに勝利(3/20 千葉戦)

 水曜(3/20)はアウェイでの千葉戦でした。祝日なので試合日程が発表された時は「今年はフクアリに行ける!」と思っていたのですが、運悪く仕事となってしまったため今年もフクアリには行けず、情報を完全に遮断した上で仕事が終わった後DAZNで観戦しました。

 厳しい試合でしたが3-1で勝利。同じく昇格を狙うライバルである千葉をアウェイで倒した非常に価値のある勝ち点3でした。ホッとしましたが、現地に行けなかった事を改めて残念に思いました。

<明治安田J2リーグ 於 フクダ電子アリーナ>

 清水エスパルス 3ー1 ジェフユナイテッド千葉

 

1.エスパルスのスタメン

20240320  

 SUB:沖、高橋、北爪、西澤、白崎、松崎、千葉

 結果だけでなく内容も良かった大分戦のスタメンをそのまま起用。リザーブも矢島に代えて西澤を入れたのみという布陣でした。

2.千葉の戦い方

 昨季小林監督が就任し、戦術が浸透したシーズン後半から連勝を重ね最終的にリーグ戦6位でフィニッシュ。惜しくもプレーオフで敗れたもののその時の戦力をほぼプロテクトし、今季昇格の有力候補にあがっていた千葉。そのスタイルは非常に攻撃的なもので、前からプレスをかけてボールを奪ってそこから一気にゴールを目指して攻め掛かり、ボールロストしたら即時奪回を目指すというエスパと似たスタイルを標榜しています。違いがあるのはボール保持率で、リーグで12位とそれほど高くなく、それほどボール保持にはこだわっていないようです。このスタイルで得点、シュート数ともリーグ1位と、非常に高い攻撃力を誇っています。一方で今季は失点も多く、第4節の鹿児島戦ではミスが相次いで2-4で敗れており、そこにつけ入るスキがありそうですが、その分ホームで行われるこの試合ではより気合を入れてくる事が予想されました。

3.試合経過・前半

 予想通り千葉は開始から激しいプレスでエスパに襲い掛かって来ました。小森が圧をかけてサイドハーフも加勢してボールをサイドへ誘導し、こちらのSBにボールが渡ったら相手のSBがチェックに来て、そこを突破されたらCBが潰しに来るって感じでボールを前に出させないようにして来ました。それに対してエスパも少しでもボールを持つ時間を増やそうと後ろでボールを繋ぎますが、結局圧に耐え切れずに蹴るしかなくなる感じでした。権田は蹴るにしても両サイドハーフを狙っていましたが、如何せん全体が下げられているのでなかなか繋がらず、相手陣へ入る事が出来ませんでした。

 という感じでなかなかボールを前に運べず、千葉のCK、FKが多くなったし、おまけにエスパの左サイドからのスローインではロングスローを入れてくるのでどうしてもやられっ放しに見られがちなのですが、そこは千葉と同じく厳しいプレスとネガトラからの即時奪回をチーム戦術にしているエスパルス。負けじと中盤でプレスをやり返す事で激しい中盤での潰し合いに持ち込んでいました。そうした潰し合いが続いた44分、FKからのクイックリスタートによるパスを受けた宮本が素早く北川へタテパス。それを受けた北川が左から入ってきたカルリーニョスへパス。カルリーニョスのトラップは長くなったものの乾への絶妙な落としとなり乾がダイレでシュート。こぼれ球をカルリーニョスが押し込んで、エスパが先制に成功します。これで一気に優位に立ったと思われたのですが、45+1分、ロングフィードのクリアを拾った宮本が小林にボールを奪われ、最終的に小森にタイミングを外したシュートを撃たれてたちまち同点に。結局1-1で前半を折り返しました。

4.試合経過・後半

 後半も激しい中盤の潰し合いとなりましたが、若干千葉がショートパスの繋ぎを増やす事でボールを持つ時間を長くしてきました。後半開始からの15分間のエスパのボール支配率は38.6%と厳しい数字が出ています。これを打開すべく秋葉監督は67分、なかなかボールが渡らず孤立君だった北川、ルーカス ブラガに代えて松崎と白崎を投入。白崎を左サイドハーフに入れてカルリーニョスの1トップとしました。そのカルリーニョスが攻撃時は起点となり、守備時は相手最終ラインを追い回す事で次第にペースを取り戻します。そして80分、カルリーニョスの相手最終ラインを追い回した事でエスパが高い位置でボールを奪取し、バイタルエリアでの乾と松崎のワンツーによる突破は日高にカットされたものの、すぐさま中村が寄せてボールをカットし、こぼれ球の奪い合いで住吉が横山に勝ってボールはフリーの松崎へ。松崎はウラへ抜け出そうとしていた乾へパスを出し、乾がニア上に叩き込んでエスパが勝ち越しに成功しました。

 これを受けて秋葉監督は高橋と北爪を入れてシステムを5-4-1へ変更。これで相手のスクランブルをはね返す体制を整えると、逆に90+1分、北爪のオーバーラップを観た中村が見事なサイドチェンジのボールを入れ、北爪がこれをダイレで中に入れ、松崎が左足で流し込んでダメ押しの3点目を奪取。このまま3-1でエスパルスが貴重な勝ち点3を奪いました。

5.勝敗を分けたもの

 改めて振り返っても「厳しい試合だった」という感想しか出ませんね。千葉の寄せの早さ、守備の強度は非常に高かったし、プレスがどれだけ組織化されているかを比べると千葉の方が若干上だったかもしれません。ただエスパも千葉に負けない守備の強度と所謂ネガトラの早さがあったので、試合は激しい中盤の潰し合いとなったわけですが、そんな中でエスパが以下の部分でわずかながら千葉を上回っていたから勝てたのかなと思います。他のブログで語られている事と重なるかもですが、あげてみます。

①リトリートした時の守備

 1つはリトリートした時の守備の堅さがあげられるかと思います。4-4のブロックをコンパクトに保って相手に容易に入り込ませず、サイドからのクロスは住吉、蓮川がはね返す事で決定機を作らせませんでした。特に住吉の守備は際立ってましたね。また千葉の攻撃パターンとしてサイドに起点を作った時に後ろの選手がインナーラップをかけてポケットをとる事で決定機を作るというのがあるのですが、このエスパはそれに対するケアがしっかりしていて、ブロックの幅をいつもより狭める事でスペースを空けないようにしていたし、SBが釣り出されてそこに入られてもCBがしっかりケアしていました。終わってみれば千葉にペナ内で決定的なシュートを撃たれたのは小森の得点時くらいだったのがその表れかと思います。

②アタッキングサードでの崩しの質

 次にアタッキングサードに入った時の崩しの質で勝った事ではないかと思います。まあこの日はアタッキングサードに入った回数自体が少ないし、それは相手の中盤のプレスを剥がした時だからその分相手と人数があまり変わらないという有利な条件もあるのですが、乾、北川、カルリーニョスがワンタッチのパス回しで侵入した時は確実に相手に脅威を与えていたと思います。千葉も小森にボールが渡った時は怖いし、ドゥドゥや田中、日高がスピードを持って入ってきた時は怖かったですけど、スピードを殺してしまえば何とかなる感じでしたから。そのようにスピードを殺していたのはエスパの最終ラインや両ボランチなわけですから、前述の①によって千葉の攻撃の怖さを減退させたからというのはあるでしょうね。

③交代選手の質

 エスパで途中から入ってきた松崎、白崎、北爪らは与えられた仕事を全うし、松崎と北爪でダメ押し点まで奪ってみせました。一方千葉で途中から入った米倉、高木は存在感を見せられないままという印象です。高木はかつてウチにいた選手なので悪口は言いたくないですが、その差も出たのかなと思います。ただ千葉にとってはエドゥアルドと田口がいなかったのが痛かったと思います。この③については彼らがリザーブにすらいなかった事が作用していると思いますし、彼らがスタメンに名を連ねるであろうアイスタでの試合はまた厳しいものになるかもしれません。

 この試合の勝敗を分けたものは以上の3点になるかと思うのですが、繰り返しになりますが差は本当に僅かでしたし、厳しい中盤での潰し合い、言い換えれば我慢比べでした。厳しかったからこそこの我慢比べに勝ったのは大きいです。今後このレベルのプレスでも剥がせるようにするなど課題はまだまだありますが、チームにとってはまた一つ自信を得たと思います。この自信を糧にさらにチーム力を磨いていって欲しいです。

6.個人の寸評

 MOMを1人選ぶなら住吉ですかね。あの高さとカバーリングの早さは今やチームに欠かせません。蓮川とのコンビも抜群です。ただ2人とも警告を貰っていて少しずつ累積が気になるところです。だから高橋、菊地、高木践にはいつ出番があってもいいように準備していて欲しいです。それと両CBがここってところで身体を張れるのは前で中村、宮本の両ボランチが相手が入るコースを限定しているからというのも忘れてはならないですね。

 攻撃陣では決勝点を奪った乾に目が行きがちなのですが、それ以上にカルリーニョスの貢献度が高かったと思います。先制点をとったのは勿論なのですが、決勝点は前述した通り彼が相手最終ラインを追い回してミスを誘ってボールを奪ったところから始まってますし(白崎も加勢してのもの)、3点目も権田からのボールを相手選手と競り合ってマイボールのスローインにしたところから始まっているんですよ。そうした献身的なプレーには心から拍手を贈りたいです。

7.まとめ

 これで5試合を終えて4勝1敗と早くも勝ち点が二けたを超えました。滑り出しは例年になく順調です。ただここで手綱を緩めては危険です。何せ次の相手は昨季勝てていない秋田。また中3日の連戦ですから厳しい試合になるのは間違いありません。ただこの千葉戦での我慢比べは確実に糧になっていると思うので、今回の壁も突破して欲しいです。

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