3年ぶりの開幕戦勝利(2/25 熊本戦)
先週金曜(2/23)、2024年シーズンのJリーグが開幕しました。エスパルスは日曜(2/25)にアウェーで熊本と対戦しましたが、それを観に熊本へ行って来ました。2019年のラグビーW杯以来なので約4年半ぶりなのですが、前に来た時と変わらない良い街でした。
先制されてどうなる事かと思いましたが、後半盛り返しての逆転勝ち。昨季は2度しか観られなかった逆転勝ちを開幕戦で観る事が出来て、良い気分で帰路につく事が出来ました。久々にエスパの試合を観る事が出来ただけでも嬉しいものですが、やはり勝つと気分がいいですからね。
<明治安田J2リーグ 於 えがお健康スタジアム>
清水エスパルス 2ー1 ロアッソ熊本
1.エスパルスのスタメン
SUB:沖、北爪、吉田、白崎、西澤、西原、ルーカス ブラガ
今季の新加入選手のうち4人がスタメン入り。サブにも2人が入りました。更に二種登録ながらトレーニングマッチで結果を出した西原もサブに入ったので、随分様変わりした印象ですよね。
2.熊本の戦い方
昨季の熊本のシステムは3-3-1-3でしたが、今季は3-4-2-1で戦うと聞いてました。ただ戦ってみると結構変則的で、特にボール保持時は2トップの松岡、ペ ジョンミンが両サイドに張って、特に序盤は両サイドのウラに長いボールを入れてこちらのラインを押し下げようとしてました。で、こちらを押し込んだら空いた真ん中にトップ下の石川やその後ろのボランチの上村や豊田、更にWB(?)の伊東、小長谷まで入ってくるという分厚い攻撃を仕掛けてきました。昨季絶対的な存在だったトップ下の平川やウイングの島村が抜けた中でも残った選手を組み合わせて戦い方を仕込んでくるあたり大木監督は流石だなと思いました。一方のボール非保持時は5-3-2で、2トップやWBがこちらの最終ラインにけん制をかけてパスコースを消し、ボールが中盤に入ったところでチェックを掛けてボールを奪うというのが基本形で、北川や乾にボールが入った時にもがっつりチェックをかけてきました。前述した通り特に序盤はラインを押し下げられていたので、ボールを奪ってもそこから相手のプレスをかいくぐろうとしてもトップと最終ラインとの間が間延びしていたので、なかなか自陣から抜け出せない感じでした。
3.エスパルスの戦い方
対するエスパルスの戦い方は、ざっくり纏めちゃうと昨季と同じ(汗。ボール非保持時は4-4-2のブロックを高く保ち、北川と乾でけん制をかけ、ブロックにボールが入ったところでボールを奪いに行く形。ボール保持時はCBとGK、時にはそこにボランチのどちらかが下がってビルドアップをスタートさせ、中盤のラインに上がったSBやボランチ、更には乾を経由してボールを前に進めていくという感じでした。
ただボール保持時の前への運び方は昨季と比べるとかなり整理されている印象を持ちました。CBからSBにボールが入った時にトップの北川やサイドのカルリーニョスがタイミングよく落ちてきて、そこに斜めのパスが入ってそこから逆サイドへ展開してボールを前に進める場面が多く見られました。また前にボールが入った時に乾やボランチがサポートに入るのも意識付けがしっかり出来ていたのも好印象です。他にもハーフスペースのレーンから持ち出す時にサイドの選手とのワンツーで相手を剥がすとか、ボールを受けるふりをしてスルーして後ろのフリーの選手に預けるなど、いかにプレスを剥がしてボールを前に運ぶかについて色々な形をチーム始動後のトレーニングで落とし込んできているなと感じました。このへんは新シーズン開始から秋葉監督が指揮をとっている事のメリットが出ていますね。勿論連携ミスも数多くありましたが、この時期に完璧な連携を見せる事なんてほぼあり得ないですし、逆にこの日見せてくれたボールの運び方がブラッシュアップされればもっと面白いサッカーを見せてくれるかもと思ってます。
4.先制は熊本
エスパルスは前述のような戦い方で次第にペースを掴み、35分の松崎のヘッドなどいくつかの決定機を作りましたが、39分に熊本がセットプレーで先制します。豊田が左足のインスイングで蹴ったボールがそのまま入ってしまった形でしたが、ボールが良かったので、少なくとも権田はノーチャンスだったと思います。ただ最初小長谷が蹴るフリをした時にエスパの選手達が釣られてしまった事が影響して、何人かの熊本の選手に前に入られてしまっているんですよね。それで余計に権田が反応しずらくなってしまったので、もう少し我慢出来たらなと思います。途中から良い流れになっていただけにもったいない失点となってしまいました。
5.後半の逆転劇
後半は開始早々に原テルが決定的なシュートを放ち、逆に50分には熊本がセットプレーの流れから3連続で決定的なシュートを放つなどオープンな展開となりましたが、60分にエスパが同点に追い付きます。ここはいったん中盤で松崎がボールを奪われたところですぐ宮本と中村がチェックにいって最終的に松崎がボールを取り返したところが良かったですね。その後乾、北川と繋いだボールを最後に山原がゴールに沈めてくれたわけですが、見事なコントロールショットでした。
その後も何とか開幕戦を白星で飾りたい両チームが激しい戦いを続けていったわけですが、時間を追うごとに熊本の足が止まっていったのに対し、エスパは最後まで足が止まる事がありませんでした。75分からの15分間のエスパのボール支配率が64.5%だったのがその証拠でしょう。これは秋葉監督の仰る通りチーム始動後から厳しいトレーニングを積んできた成果が出たのだと思います。更にサイドハーフにルーカス ブラガ、西原とフレッシュな選手が入ってきたのも熊本にとってはイヤだっただろうと思います。
ただ押し込まれたら5バックで人数をかけて守ってくる熊本に対してなかなかシュートまでいけなかったのですが、88分にエスパが逆転に成功します。ここはまず西原のサイドチェンジが効きました。それで相手を押し込んでおいて、更に原テルがそのウラのポケットを取り、そこへ宮本がドンピシャのスルーパスを出してくれました。最終的にはオウンゴールになりましたが、原テルの動き出しとそれに合わせた宮本のパスが生み出した見事なシーンでした。
6.反省点と今後に向けて
この決勝点によってエスパルスが見事な逆転勝ちをおさめたわけですが、勿論反省点はあります。気になったのは相手に押し込まれた時の対応です。特に前述した50分頃の3連続での決定的なシュートを撃たれた場面はセットプレーの流れからとはいえちょっと下がり過ぎだったし、相手のパスをカットし切れずにこぼれ球を江崎に拾われてシュートを撃たれ、更にそのこぼれ球を石川に2連続で撃たれてるんですよね。他にもクリアが中途半端になって混戦になってしまう場面があったので、ああいう場面はもう少しセーフティに対応出来るようにする必要があると感じました。他にもボール保持時の連携面とか課題はありますが、開幕戦ですから課題や反省点が出るのは当たり前です。ただそれを勝ってポジティブな気持ちの中で修正するか負けてネガティブな状態で修正するかは全然違います。何より繰り返しになりますが、チームとしてやろうとしている事の片鱗が見えたというのは大きな収穫だと思います。オフを2日挟んでいますし、良い雰囲気の中で課題の修正に取り組めるのではないでしょうか。
7.選手個々の印象
まず新加入でスタメン入りした4人はそれぞれ持ち味を出したと思います。中でも良かったのが蓮川と松崎ですね。蓮川は守備で効いているのは勿論、ボールを出せるだけでなく自らボールを持ち出せるのがいいですね。ああいうプレーをしてくれるとビルドアップの幅が広がります。松崎はボールを持った時の推進力が魅力ですし、ゴール前にも入っていって決定的なシュートを3本撃っていて、良い選手が来たなぁと感じました。残り2人の中村、住吉も良かったですね。また途中交代でクラブ最年少出場記録を更新した西原も良いですね。自分でも仕掛けられる上に周りも見えているのが良いです。既存のメンバーでは、キャプテンとして奮闘した北川も良かったのですが、一番印象に残ったのは宮本ですね。Box to Boxで動き回って両ゴール前に顔を出し、攻守両面で存在感を見せてくれました。MOMをあげるなら彼かなと思います。
8.まとめ
開幕戦勝利は2021年シーズンの鹿島戦以来です。ただ次勝たないと意味がないです。3年前もホーム開幕戦となる福岡戦でドローに終わり、そこからなかなか勝てなくなりました。同じ轍を踏まないためにも、次の愛媛戦に向けて最善の準備をして欲しいです。
P.S あまり区切りなしにダラダラ書いた状態では見にくいかなと思って、まずはセクションを明確に分けてみました。他にも見やすくする工夫を少しずつしていこうと思います。(もっと短くまとめられれば良いのでしょうけどね(汗)
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