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2023年12月 5日 (火)

自滅だが必然でもあった?(12/2 PO決勝 東京V戦)

 こういう試合の振り返りをするのは気が重いです。ただ前の記事で予告しましたし、ずーっと自分のルーチンになっているので、改めて決勝戦の振り返りをしようと思います。

 試合前は気分が高揚してました。朝一で用事を済ませてから行ったのですが、国立に近付くにつれて東京Vサポをちらほら見かけ、国立に着いたら沢山のエスパサポがいて、いやが上にも気持ちは上がりました。タイトルとは言えないですが、エスパにとって何かがかかった試合で国立へ行くのは2012年のナビ杯決勝以来ですからね。試合前の両チームのサポーターの声量も凄かったし、雰囲気は最高でした。

 それが、あんな結末になるとは、ねぇ。

<J1昇格プレーオフ決勝 於 国立競技場>

 清水エスパルス 1ー1 東京ヴェルディ

 ※レギュレーションによりヴェルディがJ1昇格

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20231202-v

 SUB:梅田、北爪、岸本、吉田、神谷、ベンジャミン コロリ、北川

 権田は脳震盪の問題で間に合わず、大久保が2試合連続のスタメン。一方でカルリーニョスがスタメンに復帰。これは明らかに最初から点を取りに行くための変更でしょう。サブではここ2年続けて国立で点をとっている神谷が久々にサブに入りました。

 前半は決勝戦らしい緊張感漂う試合でした。立ち上がりはエスパがペースを握り、ハーフスペースのレーンへのパスとウラへのロングフィードを使い分けてボールを前に運び、ファウルやCKを貰って8分のカルリーニョスのヘディングシュートに繋げました。ただ10分くらいからは東京Vが押し返し、17分に染野がシュートを放つなど単発ながらチャンスを作ります。その後またエスパが押し返すなど一進一退の展開となりましたが、東京Vの方はこちらをZEROに抑えれば勝ちなので攻撃時にそれ程リスクをかけず、その分中盤で4-4のブロックをしっかり作ってこちらを迎え撃つ戦い方を続けたので、エスパの方は少し攻めあぐねてしまって、ボランチが2人とも最終ラインまで下りてきたり、時には乾まで下がってしまったために、後ろが重たくなった一方で前に人がいなくなってバランスを崩すという良くない状況が何度かありました。それでも29分にはCKからフリーの乾がシュートを放ったり、42,44,45分には中山、原が相次いで右サイドのポケットに入ってクロスを入れるなど惜しい場面を作りましたが得点には至らず、0-0で前半を折り返しました。

 後半も一進一退の状況は変わらず、お互いに惜しいところまでいくけれど得点には至らない状況。そんな中の60分、点をとらなくてはならないエスパが先に動いてカルリーニョスに代えて北爪を投入し、システムも3-4-2-1に変更。その直後の61分、入ったばかりの北爪からウラへ出ようとした中山への浮き球のパスを森田が処理しようとして手に当たり、エスパがPKを獲得。これをサンタナが冷静に沈めて、エスパが待望の先制点を奪いました。

 これで立場が逆転し、東京Vが点を取らなくてはならなくなりました。東京Vは次々にフレッシュな選手を入れてきて、ボールを握ってエスパを押し込みますが、直前にシステムを3-4-2-1、リトリート時は5-4-1にしたエスパの前になかなかボールをタテに入れる事が出来ません。エスパもボールを奪った時に殆どカウンターを仕掛けられなかったので、終盤は東京Vが一方的にボールを握り続けましたが、決定機と言えるのは89分の染野のシュートだけ(高橋がブロックしてクリア)。このまま終わるかと思われた90+5分、ウラへ抜け出した染野に高橋がタックルを仕掛け、これがPKと判定され、染野がこれを決めて(大久保は僅かながらボールに触れていたんですけど・・・)東京Vが同点に。そのまま1-1で試合が終了し、エスパルスの1年での昇格という目標は達成できませんでした。

 まずPKをとられたシーンなのですが、僕はメインの1層目で観てたので、目の前でした。だから「ノーファウルだろ!厳し過ぎる!」と思いました。が、帰って映像を確認する限り高橋の足がボールより先に染野の足に当たってしまっているので、PKをとられてしまうのも致し方ないかなと今は思ってます。また場所を考えると高橋が滑ってしまったのは判断ミスと言わざるを得ません。時間は殆どなかったし、ゴールへの角度もきつかったので、まずシュートを打たせない、或いはクロスを入れさせないようにしつつサイドへ追い込むべきだったと思います。ただ高橋1人を責めるのは酷な話で、ああいう状況に持ち込んだのが問題。直前に吉田から神谷へパスが入って、神谷はそれを何とかキープしようとしたのですが3人に囲まれてボールを奪われ、そこから染野へパスを出されました。その時点でバランスが崩れていて染野が走り込むスペースが出来てしまっていた。更に染野へのパスに対してノリさんがかぶってしまったのも拙かったですよね。試合後神谷もノリさんも号泣してましたが、自分達のミスを自覚していたからこそでしょう。呆然としていた高橋も同じだと思います。更に言えば、吉田が神谷にパスをつける必要あったんですかねって気もするんですよ。あと5分守り切れば勝っていた、つまり無理して点をとる必要なんてなかったんですよ。だから神谷の更に後ろの左サイドのウラのスペースに長いボールを出した方が良かったと思います。そこへサンタナが走ってきてボールをキープしてくれればOK、回収されたとしてもある程度の時間は稼げた。そういう終盤でリードしていた時の意思統一をちゃんとやっていたの?という疑問が残ります。

 もっと言うと、エスパが先制してから同点に追い付かれるまでの約30分間、エスパは1本もシュートを撃ててないんですよ。それどころか相手のアタッキングサードに入り込めたのは北爪が自陣からボールを一人で前へ運んで中央へクロスを入れた場面の1回だけ。後はボールを持ち出そうとしては中盤で回収される事の繰り返しで、それも数回くらいしかなかった。そうやって長い時間自陣に押し込まれ続けたら、心身ともに疲れますよ。よく集中してやってましたけどね。ここで思い出されるのが昨季終盤失点して引き分けもしくは負ける試合が続いた事について大熊GMが語っていた反省点。新チーム始動時の記者会見で仰っていたと思うのですが、長い時間押し込まれる事により失点のリスクを増やしてしまったという趣旨の事を仰っていました。だから今季はもっと前でボールを奪えるようにしたいとも。それと同様の事象が大事な大事なこの試合で出てしまった。残念ですが必然だったのかなという気もしてます。

 そこで思い出して頂きたいのが、試合後の秋葉監督のコメント。記者会見で「点を取ったからといって守るつもりは全くなかった」と仰っています。「85分まで」と時間を区切ってもいましたね。でも実際のピッチでは全く逆の事象が起きていました。これを以て秋葉監督は「メンタルガー」として責任は選手にあると仰りたいのでしょうか?でも、思えばホームでの山形戦の後半(確かシステムは違いますけど)やホームでのダービーの後半も自陣に押し込まれ続けて、相手を裏返すカウンターが出来たのって数回ずつくらいで、しかも個人が頑張ってのものが多かったです。そこから読み取れるのは、強い相手に押し込まれた時にチームとして意図して裏返す術というか共通認識が殆どなかったという事。山形戦もダービーも守り切れたから良かったけど、どこかで水漏れを起こすリスクを抱えたまま戦っていて、その水漏れが一番大事な時に起きてしまったという事じゃないかと。そういうチームでしかなかったという事だと思います。非常に残念ですが。

 そういうチームしか作れなかった秋葉監督を来季も続投させる事には僕は反対です。たとえ開幕後7節までわずか勝ち点5というハンデがあった事を考慮したとしても。留任させたらゼ リカルド前監督と同じ過ちを犯す事になると思いますし、もし仮に留任させるのなら戦術面で秋葉監督に諫言が出来るコーチは必須です。

 なんかきつめの振り返りになってしまってすみません。でも頭を整理すればするほどそういう結論になってしまうんですよね。選手達は頑張っていたのできつい事は書きたくないんですけど。まあこの後は少し頭を冷やした上で、改めて今シーズンを振り返る記事を書こうと思ってます。一方で事実上シーズンオフに入ってますので、何か動きがあったら書くつもりです。

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