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2023年11月28日 (火)

最後のチャンスを得た試合(11/25 PO準決勝 山形戦)

 先週末(11/25)はアイスタ日本平で行われたJ1昇格プレーオフ準決勝の山形戦を観に行って来ました。寒くなるという予報が出ていましたが、日が照ってきたのでそれほどでもなく、むしろ過ごしやすい気候でした。

 開門時点ではそれほど観客が来ておらず少し心配していたのですが、試合開始が近付くにつれて結構入って来て、1万6千人近くの観客が訪れました。ゴール裏サポも気合が入っていて、いつも以上の声量が出ていました。圧巻だったのは試合前のコレオグラフィで、「再起」の文字を白をベースに浮かび上がらせ、選手が入場してくるのに合わせてベースの色をオレンジに変えていくというもので、これは素晴らしかったです。

<J1昇格プレーオフ準決勝 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 0ー0 モンテディオ山形

 ※レギュレーションによりエスパルスが決勝進出

20231125_130015_small

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20231125-po

 SUB:阿部、北爪、吉田、カルリーニョス ジュニオ、宮本、ベンジャミン コロリ、北川

 驚いたのはスタメンGKが権田でなく大久保だった事。後から聞いた話では練習中にボールを頭部に当てて倒れてしまい、脳震盪の疑いがあったため欠場したとの事。大久保の能力には何の疑いも持っていませんが、公式戦出場が5月下旬のルヴァン杯湘南戦以来でいきなり大舞台でスタメンを務める事に一抹の不安は正直ありました。その他では右サイドハーフに岸本が入り中山が左に回りましたが、これは9月上旬のホームでの山形戦の出来を考慮してじゃないかなと思います。それからサブのGKには初めて阿部が入りました。

 前半開始から山形がエンジン全開で仕掛けてきました。2週間前の甲府戦ではビルドアップ開始時は最終ラインの4人のうち3人でスタートさせていましたが、この日は最初からSBを2人とも高い位置に上げ、その代わりGKの後藤雅明が両CBの間に入って3人でビルドアップをスタートさせる一方、3トップとトップ下の後藤優介がこちらの最終ラインと駆け引きしながらウラを狙う体勢をとってきて、そこへ最終ラインもしくはボランチから早めにウラ、特に両サイドのウラへロングフィードを入れてきました。エスパとしては両CBにプレスをかけたいんだけど、GKも入れて3枚で回してくるからかわされてしまう。白崎、ホナウドは相手のボランチを見なければいけないんだけど、すぐ横に相手のSBもいるからそちらも気になる上に、後藤優介も時折両脇に下りてきてボールを引き取っていくからそっちも見ないといけない。サイドハーフも同様。という感じで、リーグ戦の時と攻め方を変えてきた山形の前にエスパは完全に後手に回り、何度も危険なシーンを作られました。特に3分の南のシュート、6分のチアゴ アウベスのクロスからのイサカ ゼインのヘッドとこぼれ球を拾っての山田のシュート、19分の後藤優介のウラへ抜け出してのシュートとこぼれ球を狙ったチアゴ アウベスのヘッドは決定的なものでしたが、それをことごとく大久保が防いでくれたのが大きかったですね。チアゴ アウベスのヘッドは高橋が競ってくれたおかげで楽にヘッドをさせなかったし、この時間帯で失点しなかった事が効きました。

 ボールを持った時も山形の圧力が強かったしエスパも少し安全にプレーをしようという意識が高かった感じで、殆ど相手陣へ攻め込めませんでしたが、12分に山原のサイド突破からの乾のシュートあたりから少しずつ前に出られるようになってきました。そして20分あたりからボール非保持(守備)時には前線と中盤のポジションを少しずつ上げ、乾、サンタナが両CBに前プレをかけるとともに中盤のラインも連動して相手の両SBとボランチに圧力をかけ(特にホナウドが前目にポジションを取るようになりました)、更に後藤優介に対しては高橋が見るようにし、3トップは原テル、ノリさん、山原がマンマーク気味に見るようにして、これにより山形の攻撃の圧力を封じて、逆にエスパが白崎、ホナウド、乾の3人を中心にボールを広く動かしていくいつものサッカーが出来るようになりました。その中で24分に岸本のヘッド、33分に乾のボレー、42分にサンタナのミドルと惜しいチャンスを作りましたが得点には至らず、スコアレスで前半を折り返しました。試合の入りで山形の攻撃の形に戸惑って後手を踏んでしまったのは反省材料ですが、前半のうちにピッチの中で相手のやり方に対応して勇気を持って前に出る事で流れを取り戻す事が出来たのはこれまでのリーグ戦で培ってきた経験の賜物だと思いますし、前半何も出来なかった水戸戦よりは成長したと言えるんじゃないかなと思います。

 後半に入ると、山形は両SBが前半ほどには高いポジションをとらなくなる一方、ボランチとトップ下を経由してサイドにボールを預けて仕掛けさせるこれまでの攻め方に移行し、ボール非保持時もより厳しくプレスをかけてくるようになり、その流れで48分の藤本のシュートなど攻勢をかけてきました。エスパも負けじと応戦し、試合は一進一退の展開となりました。エスパは57分という早い時間にカルリーニョス、吉田と攻守それぞれにフレッシュな選手を投入し、そのカルリーニョスが68分にセンターラインからボールを持ち出してポスト直撃のシュートを放って山形に脅威を与えると、山形も負けじとデラトーレ、高橋潤哉、小西を投入し更に攻勢に。終盤は山形がエスパを押し込む時間が続きましたが、エスパもカウンターから78分にサンタナが決定的なシュートを放ち、86分にはCKから原が決定的なヘッドを撃つなど得点への執念を見せ、どちらが勝ってもおかしくない雰囲気でした。90分には右サイドを崩され、こぼれ球に反応した小西がどフリーでシュートを撃ちましたが枠を外れ、結局試合はスコアレスドローに終わり、レギュレーションによりエスパルスが決勝進出を決めました。

 試合を通して振り返ると、まず山形は強かったです。両ウィングに強力なタレントを揃えて、かつその強みを活かせるサッカーが確立されてました。加えて9月のホームでのウチとの試合を元に対策をたて、それを着実に遂行してきたのも強さの証明でしょう。前半20分までにあった決定機でウチが失点していたら負けていた可能性が高かったと思います。

 そんな山形相手に、よく最後まで集中して凌ぎ切ったなぁと思います。2週間前、目前だったJ1昇格を逃した事で選手達は大きなショックを受けていたみたいだし、翌週の練習もあまり雰囲気は良くなかったみたいですからね。そこからよくメンタルを戻してくれたと思います。また前半山形に後手を踏んでプレスがなかなかハマらない事に関して選手達同士で会話したりプレーの合間に秋葉監督と会話したりして修正をかけ、20分くらいから山形のやり方にアジャストしてみせたのは、繰り返しになりますが、水戸戦から成長したところだと思います。更に試合を通して時間帯毎にどう戦うかというのが共有されていたなと感じました。特にボールを持った時に行くところと行かないところが。このあたりはこの試合に向けてしっかり準備してきたのだろうと思います。ただ得点できなかった事、決めるべき時に決められなかった事に関しては、水戸戦の宿題がそのまま残った格好なので、そこが今日(11/28)から始まった練習における準備ポイントでしょうね。

 個人に目を向けると、何といっても大久保の存在がデカいですね。試合から遠ざかっている事を全く感じさせず、持ち味の堅実なセービングで何度もチームを救ってくれました。またホナウドも中盤で本当に効いてました。彼の中盤でのボール奪取能力と運動量は今や欠かせないですね。

 これで決勝に進出。これが今季J1に昇格する最後のチャンスです。相手は3位の東京V。今度は勝たなくてはなりません。ただこの試合に向けての話は稿を改めます。まずは東京Vの印象や特徴に関して記事を書きます。

 最後になりますが、この日主審を務めた岡部さんのジャッジは凄く良かったと思います。位置取りが良くて、近くで見て笛を吹いてくれるのでストレスを殆ど感じませんでした。まあエスパサポにしてみたら乾、山原に対するイエローが不満かもしれませんけど、少なくとも山原のは結構近くで見られてましたからねぇ。

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