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2023年11月 8日 (水)

前節の反省を生かしての勝利(11/4 大宮戦)

 先週末(11/4)はホーム・アイスタ日本平での大宮戦。今シーズンのホーム最終戦でした。11月とは思えない暑さこそあったものの、気持ちのいい青空が広がる好天となりました。

 チケットは早々に完売し、ダービーと同じ1万8千人もの観客が訪れました。スタンドのあちこちにサポーター有志による観客へのメッセージが貼りだされ、選手入場時にはその雰囲気を更に高めるような「共に」とのコレオグラフィ。雰囲気は最高でした。

<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 4ー0 大宮アルディージャ

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

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 SUB:大久保、北爪、岸本、吉田、宮本、オ セフン、北川

 スタメンは前節と全く同じ。サブには神谷に代わってセフンが入りました。

 キックオフからエスパが大宮を押し込みます。開始30秒でCKを得て、それは防がれたものの、ボールはキープ。山原のところで高柳とアンジェロッティに挟まれてボールを奪われますが、すぐさま乾がアンジェロッティにチェックに行き、カルリーニョスと山原も呼応して3人でボールを奪取。ボールはサンタナ、白崎を経由して右へ展開され、原からアーリークロス。これはDFにカットされましたが、そのボールをサンタナが振り向きながらシュート。これがゴールへ突き刺さり、エスパが先制点をあげました。サンタナのゴールは本当に見事でしたが、ネガトラからすぐボールを奪い返せたのも良かったし、ゴールをあげた1分46秒までの間、ほぼ相手陣でボールを握り続けてゴールを奪ったあたりは、選手達のこの試合にかける意気込みを感じました。

 ただ負けはおろか引き分けも許されない大宮もすぐさま反撃に転じます。2トップでこちらのCBにけん制をかけてサイドへ誘導し、SBに来たところでボールを奪うか奪えなくてもミスを誘うやり方の下前に出て、6分には岡庭にポケットに入られてクロスを入れ(中山がクリア)、7分には室井がクロスバーの上に当たるシュートを撃つなどエスパゴールを脅かします。が、これはエスパも想定済。特に山原のところを狙われている感じでしたが、ノリさんやホナウド、乾がサポートしながらボールを回し、一番危ない場所でボールを奪われないよう細心の注意を払ってました。そうやってボールと相手を動かしているうちに山原のトイメンがアンジェロッティになり、ドリブルのコースが切られていないのを見て山原がドリブルを仕掛けてアンジェロッティをかわし、センターライン近くまでボールを運んだところでウラ抜けを狙っていたカルリーニョスへスルーパスを出し、カルリーニョスがGKと1対1になるという決定機を作りました。これ以降も大宮は前でボールを奪おうとしてもエスパの選手達にいなされ続けたため、15分以降は前にプレスにいけなくなりました。

 これによりエスパが完全にボールを握るようになり、15-30分の時間帯のボール支配は72%と完全にゲームを支配するようになりました。ただエスパも既に先制している事もあって無理に前に差し込もうとはせず、CBと白崎、ホナウド、乾の計5人でボールをじっくり回し、サイドチェンジも織り交ぜる事で相手ブロックに穴を開けるのをしつこく狙っている感じでした。これは前節の熊本戦の反省から来ていると思います。前節は先制した後もガツガツ前プレをかけて熊本を混乱させる事で追加点を狙いましたが、それによるオーバーペースがガス欠をもたらして相手に隙を与えました。それを受けてこの日はギアを上げたままにせずにボールを握りながら揺さぶるやり方を選択したのだと思います。ただ簡単な足下のパスを相手ブロックの外で回し続けるだけではなく、時にサンタナにもタテパスを入れて大宮をけん制する事も忘れなかったし、相手がスキを見せたところでギアを上げ、13分に原のクロスからサンタナ、18分にはホナウドのミドル、20分には山原のクロスから原と幾度となくチャンスを作りました。まあさすがにずっとノーミスでボールを回せるはずもなく、30分頃からエスパのパス回しにミスが出始めたのを逃さず大宮が前へ出るようになり、45+3分にはペナの近くで直接FKを与えてしまいました。熊本戦のイヤな記憶がよみがえりましたが、白崎がきっちりはね返してその後はエスパがボールをキープ。SBの左右が逆になっていたし時間もなかったのでこのまま前半を終えても良い雰囲気だったのですが、45+6分、ノリさんからパスを受けようとする原に高柳がチェックに来たのを見て原はダイレで乾へ横パス。当然乾にも石川がチェックに行きますが、乾が見事なターンでかわしてがら空きの右サイドへサイドチェンジ。フリーで受けた山原からのクロスはサンタナにはあわなかったものの、ファーのカルリーニョスへ。カルリーニョスが落ち着いて逆サイドのサイドネットへのシュートを決めて2点目。最高の形でエスパが前半を折り返しました。

 2点リードでの後半、エスパは開始から3-4-2-1に変えてきました。「リアリストの秋葉監督らしいなぁ」と思いましたが、大宮も開始から突破力に定評のある泉澤を左サイドハーフに入れ、それまで左サイドハーフだった茂木を左SBに回すという攻撃的な布陣をとって勝負に出て来ました。で、開始から泉澤が積極的に仕掛けてくるし、後ろには同様に攻撃力を持つ茂木も控えているという事で、ここをどう封じるかで秋葉監督も頭を悩ましたんじゃないかと思います。システムがミスマッチになってサイドは数的不利を強いられるし、かといって原テルがポジションを外して中山の加勢に回ったら今度は真ん中が空きますからね。同様の事を選手達も考えていたみたいで、結局原テルがベンチに4バックを進言し秋葉監督もそれを受け入れた事で、52分頃からシステムが元の4-2-3-1に戻りました。これによりそれまで押されていたエスパが盛り返し56分にカルリーニョスがあわやのシュートを放つなどしましたが、59分には逆に茂木にあわやのヘッドを撃たれ(権田がナイスセーブ)、一進一退でどうなるか予断を許さない展開となりました。

 この流れを一気にエスパ側に引き寄せたのが61分に中山に代わって投入された岸本でしたね。62分、高橋からのロングフィードに合わせてウラへ抜け出し、茂木と競り合いながらもボールをキープして味方が上がってくる時間を作ってくれました。それだけではなく、その流れで相手を押し込み、一旦はボールロストしたのを乾が奪い返しますが、岸本がそれを見て真ん中へ侵入し左足で見事なシュートを決め、チームに3点目をもたらしてくれました。彼のウラ抜けから始まったわけで、まさに「アグレッシブの鬼」の面目躍如という感じでした。

 3点差となったところで、エスパはシステムを3-4-2-1に変更。更に吉田、宮本、北川といったフレッシュな選手を入れて逃げ切り体制に移行します。そして68分、カルリーニョスが前プレで茂木からボールを奪ってカウンターを仕掛け、北川の動き出しによりフリーとなった乾へパス。これを受けた乾が本当に上手いとしか言いようのないシュートを決めて4点目。その後はシステムを3-4-3にして何とか点差を縮めようとする大宮にボール支配は許しますが、高橋を筆頭に大宮の攻撃をはね返し続けて決定的なシュートは撃たせず、4-0でエスパルスが勝利しました。

 前半の話の中で前節の前半のオーバーペースによる失速を反省してじっくりボールを回しながら相手のスキを窺う形にしたと書きましたが、それ以外でも前節の反省を受けて修正したと思われる部分が結構ありました。まずトランジションのところで絶対に負けないというのは強く意識されていたと思います。4得点のうち3得点が相手ボールを奪ってからのものであるというのがその証左かと。またミスがあった時にも慌てずしっかりカバーする事も出来てました。典型例が23分にホナウドが左サイドでアンジェロッティにボールを奪われた時で、高橋がすぐ反応してアンジェロッティからボールを奪い返した場面です。こうして前節とかその前の試合で出た反省点をきっちり修正してみせるのは今季何度かあったわけで、こうした修正を選手達と会話しながらきっちりしていく秋葉監督の指導力は流石だなと思いました。また「この試合は絶対に勝つ!」という強い気持ちが選手達が凄く伝わってきて、頼もしく感じました。本当に良いチームになったなぁと思います。

 磐田、東京Vともに勝ったため今節での昇格決定はなりませんでしたが、残りの1試合で勝てば文句なしにJ1昇格、というか復帰決定というところまで来ました。痺れる状況が続きますが、これに怖気付く選手達はいないでしょうし、秋葉監督やコーチ陣もそれを許さないでしょう。最終節の相手は秋葉監督が昨季まで監督を務めた水戸。今季開幕戦で対戦してスコアレスドローに持ち込まれ、「やはりJ2は難しい」と思い知らされた相手ですし、ホーム最終戦で負けるわけにはいかないと気合を入れてくるでしょう。ただ清水からも大勢のサポーターが乗り込む模様で、アウェーとは思えない環境を作ってくれるでしょう。僕も微力ながらその一助をするつもりですので、まずは日曜の最終戦に向けて最善の準備をして欲しいです。

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