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2023年11月14日 (火)

また自滅 そして苦難の旅は続く(11/12 水戸戦)

 昨日(11/12)はJ2最終節という事で、アウェーの水戸まで行って来ました。聞くところによると4,000人以上のエスパサポが訪れたとの事。実際メインスタンドも半分近くがオレンジ色のユニ等を身にまとっていましたし、アウェーとは思えない雰囲気となっていました。

 しかし結果は1-1。この結果J1自動昇格を磐田に譲る事となり、東京Vにも抜かれて4位でリーグ戦を終える事となりました。

 本当に受け入れがたい結果で、時間がたった今でも失意の底にいるような感じです。とはいえ試合の感想をブログにあげる事はルーチンみたいなものだし、90分映像を見直したので、現地で観た印象と合わせて書いていこうと思います。

<明治安田生命J2リーグ 於 ケーズデンキスタジアム水戸>

 清水エスパルス 1ー1 水戸ホーリーホック

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

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 SUB:大久保、北爪、吉田、岸本、宮本、ベンジャミン コロリ、北川

 水戸は前節は3-5-2で戦いましたが、本来は4-4-2をベースとするチーム。前節その不慣れなシステムもあって大敗したのを受けてかシステムを4-4-2に戻し、その上で気持ちを切り替えてかつしっかりとエスパを分析してきた上でアグレッシブに向かってきました。それに対してエスパが完全に後手にまわってしまいました。

 エスパがボールを保持する時、水戸はこちらの最終ラインがボールを持つ間は、1人くらいは前プレをかけてきましたが、それ以外は4-4のコンパクトを維持し、ボールが中盤もしくはサイドに入ったところで人数をかけてプレスをかけボールを奪いに来ました。特に乾には常に誰かしらがついてきてボールが入ってきた途端にチェックにきて得意のターンを許さないようにしてきました。ならばとトップのサンタナにボールを当てようとしますが、ここにも水戸の両CBが厳しくチェックをかけてポストをさせないようにしてきて、こうした事が続いたために次第にエスパはボールの出し所に迷うようになりました。

 一方で水戸にボールを持たれた時、エスパは4-4-2でブロックを作った上で乾、サンタナの2トップがけん制をかけますが、それに対して水戸はボランチの長井が下がって両CBも含めて3人でビルドアップを始めるため、どうしても数的不利になります。いつもならカルリーニョスか中山が前プレに参加するのですが、水戸のもう一方のボランチの前田が前プレをかけようとするエスパの2~3人で最終ラインからボールを引き取れる絶妙のポジションをとってきて、そこから前へボールを散らしていくので中山、カルリーニョスとしては下手に前に出られなくなり、エスパはボールの取り所も失いました。

 前半は水戸が前述した戦い方を通してやって来たので、結果としてエスパは前半シュートZEROに終わり、この45分を無駄にしてしまった結果が後に響く事となりました。これに関して原因をメンタルとか心の弱さに求める指摘がありますし、秋葉監督も試合後そのような事を仰っています。確かにそういった面もあったとは思います。中盤で差し込むところがないならウラを狙わせて相手のブロックを広げれば良いし、この日も中山あたりはそうした動きを見せていたのですが、いつもよりもそういう動き、もしくはサンタナがサイドに開く動きが少なかったのも確かで、またたまに走ってもそこへボールを出す勇気とか心の余裕とかがなかったのかもしれません。そうした事が起きたのは大一番であるがゆえにリスクを負う事を恐れたとかいった事もあったでしょう。ただそれ以上に水戸がウチを良く研究して、いつもは前プレをガンガンかけるのを抑え目にしてその分中盤でのボール奪取に力を注ぐという戦い方をしてきて、それを打開する術をエスパルスが持ち合わせていなかったという側面が非常に大きかったんじゃないかと思います。33分に選手達の発案でシステムを3-4-2-1に変えただけでしたしね。ただこれだけ水戸に主導権を握られながらも完全に崩された場面はなく、何とか失点ZEROで乗り切った事は絶対に後半につながると現地で観た時は思ってました。

 後半も開始5分までは水戸にペースを握られましたが、前半のうちにシステムを3-4-2-1にしたのが次第に効いてきて、エスパがペースを握れるようになりました。前半と違ってシステム上ミスマッチなのでどこかに空いている選手が出るようになったし、これはシステムとは無関係ですが、誰かがボールを持った時の動きが多くなり、そうした動きを使って水戸のプレスを剥がせるようになりました。そうやってボールを握れるようになったエスパは53分に白崎、57分にサンタナ、60分に原テルと決定機を作り出します。「いける!もう少し!」と誰もが思ったと思います。

 が、落とし穴が待っていました。62分、自陣でのスローインから最終ラインで繋ぎ、高橋から1つ飛ばして中山へ出そうとしたボールを杉浦がカット。それを前に持ち出してクロスを上げると、それを安藤が狙いすましたヘディングでゴールへ流し込み、エスパは水戸に先制を許しました。

 致命的なミスになってしまいましたが、高橋一人を責める気にはなれません。高橋の横の原テルには杉浦が前プレにいく素振りを見せてましたから、原を飛ばして中山へ出そうとした事は間違いとは思いません。おそらく浮き球で送ろうとしたのをキックミスしてしまったんじゃないかと思います。ただこれまで高橋には何度も助けられているので糾弾する気にはなれないし、ボールを奪った後ホナウドとノリさんの間の絶妙の位置へ落ちるクロスを入れた杉浦と、それをヘッドで叩き込んだ安藤の方が上手だったと思います。

 厳しい立場に追い込まれたエスパは68分に北爪と北川を入れて攻勢をかけようとしますが、先制して元気を取り戻した水戸の守備を崩す事が出来ません。このため80分にはコロリを中盤のインサイドハーフ、岸本を3バックの左に入れましたが、これが効きました。サンタナ、北川の2トップに加えてコロリも前に入ってくるので、水戸の最終ラインとしたら注意しなければならない選手が増えましたし、岸本が左SBのような積極的な上がりを見せた事で山原と注意を分散させる事にも繋がりました。その結果、81分に山原のクロスをサンタナがヘッドでゴールに叩き込んで、エスパが同点に追い付きました。これで流れを引き寄せたエスパはこの後猛攻を仕掛け、88分に北爪、89分にコロリ、90+3分にはサンタナと決定機を3度作りましたが、決める事が出来ず、結局試合はドローに終わってしまいました。

 勝てなかった要因をまとめると

 ①前半完全に後手に回ってしまって全く攻められなかった事
 ②最終ラインのところで致命的なミスを犯してしまい、そこから先制を許した事
 ③決めるべきところで決められなかった事

 の3つになるかと思います。いずれも今季の出来が良くない試合で見られた事象で、それがこれだけ揃ったらそりゃ勝てませんよねという感じです。繰り返しになりますが②に関しては、高橋を責めるつもりはないです。サッカーにおいてミスは付き物なので。それに③の事象がなければ問題なく勝ててました。後半だけでも8~9回決定機があったわけで、そこで決めていればとの思いはどうしてもあります。特に89分のCKのこぼれ球をふかしてしまったコロリと90+3分のペナ外とはいえフリーでのシュートを外したサンタナに関しては、目の前に正座させて小一時間説教したい気分です。

 そして①について。これに関連して水戸の戦い方は前述しましたが、これってホームで戦った時の徳島、甲府、アウェイで戦って完敗した藤枝のやり方と似ていると思います。前プレでボールを奪うよりもブロックを作って待ち構えて、ボールがブロックに入った時に人数をかけてチェックにいくというやり方が。それに対する戦い方をチームとして作れずにきたのが最後にツケとして現れてしまったんじゃないかなと思ってます。これについて一番責任が重いのは言うまでもなく秋葉監督です。チームとして局面ごとにどう動くかを提示して落とし込むのが監督の仕事だと思っているので。だから「今まで何してきたの?」という思いはどうしてもあります。何より「水戸の選手の事は全員よくわかっている」んじゃなかったんですかね?

 が、それもわかっていた事ですし、選手達で判断してシステムを変更し、ハーフタイムでの修正を経て後半は流れを引き寄せる事が出来ていました。何より終わってしまった事ですから、あれこれ批判しても仕方ないですね。繰り返しになりますが本当に受け入れ難い結果ですが、選手、スタッフ、そしてクラブの方々全体が同じ思いを味わっている以上、切り替えるしかないです。

 それに何より、まだ昇格できるチャンスはあります。難しい大会ではありますが、プレーオフ出場が決まっています。選手達にはそれに向けてしっかりと気持ちを切り替えて欲しいと思います。

 その昇格プレーオフに向けての記事は稿を改めて書きます。

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