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2023年10月31日 (火)

隙(10/28 熊本戦)

 先週末(10/28)はホーム・アイスタ日本平での熊本戦でした。非常に良い天気で、気温は若干日差しは強いものの暑くも寒くもない22度。風も殆どなく絶好の気象状況でした。

 この日は清水桜ヶ丘高校や東海大翔洋高校など地元の高校とのタイアップイベントも多く行われ、選手入場時に流れる「雷神」も清水桜ヶ丘高校の吹奏楽部による演奏により行われました。不覚にもその時の写真を撮りそこなったのですが、雰囲気は最高でしたね。

<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 1ー3 ロアッソ熊本

20231028_130004_small

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20231028

 SUB:大久保、北爪、岸本、吉田、神谷、宮本、北川

 スタメン、リザーブともに前節と全く同じでした。おそらく今季初めてではないかと思います。

 前半40分までは非常に良かったです。ボール非保持時は相手の3バックとアンカーを前の4人がしっかり見てボールをサイドへ誘導し、そこでボールを奪い切るか後ろに戻させて苦し紛れのロングフィードに追い込み、殆ど相手を自陣に入れさせませんでした。ボールを保持したら相手のプレスをかわしつつ、ウラ抜けしようとする中山や乾にフィードを送って相手の最終ラインを下げさせる一方、それで生まれたスペースにサンタナが入って起点となるなど様々な形でボールを前に運びます。サイドにボールが入った時も相手WBが前に出たウラのスペースをサンタナ、中山などが上手く使えていて、熊本としてはボールの取り所に苦労している感じでした。そうやって相手を押し込んだところで、4分のFKからの高橋のヘッドがノリさんに当たってクロスバーを直撃する最初の決定機を作り、5分に中山、13分と17分にサンタナと何度も決定機を作ります。そして26分、山原からカルリーニョスへパスが入るとカルリーニョスはヒールで落とし、それを拾った乾が中山へパスを送ると、中山は右のスペースに走り込んだ原へ出すフリをして身体の向きを変えてインサイドで丁寧にボールをゴールに流し込み、エスパが待望の先取点をあげました。この場面は乾が降りる事でカルリーニョスが流れるスペースを作ったり、乾がボールを持った時にサンタナが左へ動いて中山へのパスコースを作ったりするなど誰もが自分が動く事で相手を動かして味方のスペースを作り出した素晴らしいゴールでした。その後も28分には前プレからボールを奪ってのカルリーニョス、37分には中山など惜しいチャンスがありながら得点出来ませんでしたが、この時間までは良いサッカーをしていました。

 が、40分を過ぎたあたりから少しずつプレスの強度が落ち始め、42分には自陣バイタルを使われて、島村のクロスからの伊東のヘッドという危ない形を作られました。この日は13時キックオフ。つまり1日の中で一番日差しがきつくなって暑くなってくる時間帯です。そんな中前半からエンジン全開でやってきた分、オーバーペース気味になって疲れが出たのかもしれません。それでも上手く試合をコントロール出来れば良かったのですが、45+1分、白崎からサンタナへのタテパスをカットされ、それを拾った竹本が松岡へスルーパス。松岡のシュートはブロックされましたが、それによるCKからニアで阿部に合わされ、こぼれ球を伊東に押し込まれて、同点に追い付かれてしまいました。CK時にゾーンの外側となるニアを狙うのは常套手段ですので、これについてはポジションなどを確認する必要があると思います。が、そのCKを生んだサンタナのボールロスト、更に言うとあの時間帯で白崎がサンタナへ出す必要があったのかという疑問は残りますね。結構無理して身体を曲げてパスを出した分サンタナが処理しずらいボールになってましたし、もう少しで前半終了という時間帯ですから後ろでボールをキープする形でも良かった気がします。いずれにしろ前半のうちに同点に追い付かれた事が試合の分水嶺となってしまいました。

 後半、熊本は誰が誰に付くかを整理した上で、より前に仕掛けていくようになり、47分には決定機を作りました。それに対して前半同様4-2-3-1で後半に臨んだエスパも負けてはおらず、49分、52分、54分と立て続けにカルリーニョスが惜しいシュートを放ちます。が、それらを決められないでいると、56分、熊本にエスパ陣内でボールを運ばれ、島村への斜めのパスはカルリーニョスがチェックに入ってボールを奪い、それをホナウドが拾って前へ持ち出そうとします。が、伊東が戻って来てボールを奪い返し、こぼれ球を島村が拾って持ち出してウラへ抜け出そうとした平川へスルーパス。これを平川が落ち着いてゴールへ流し込み、エスパはまさかの逆転を許しました。この場面、いわき戦の失点時と同じで切り替えのところでやられてるんですよね。ホナウドとしては自陣からのロングカウンターがウチの武器なのでそれを狙ったのでしょうけど、前に2人いてサンタナや中山へのパスコースを消されていたので、サイドに横パスを出して逃げるとかした方が良かったんじゃないかと。周りもホナウドがパスを出しやすいところへ早くポジションをとる必要があったと思います。いずれにしろ前節と全く同じパターンなので、もう1度チームで意識合わせをして欲しいです。なお試合後秋葉監督がホナウドのミスの後のカバーが遅れた事を問題視するコメントを出されていました。ホナウドの戻りが遅れた事を問題視したのでしょうが、ホナウドが取られた時点で前に2人いて、結果3vs4の数的優位に晒されてましたから、ちょっと的外れなコメントのように思いました。強いて言うならホナウドにボールが渡った時点で最終ラインをもう一段上げておいた方が良かったかなというくらいでしょうか。

 逆転して勢いの出た熊本は、更に前に出てくるようになり、エスパは守勢に回ります。これを嫌った秋葉監督は中山から北爪に代えてシステムを3-4-2-1にし、相手とミラーゲームの形にしてきました。が、66分、押し込まれた状態からいったんはカルリーニョスが竹本からボールを奪いましたが、すぐに竹本に奪い返されボールはフリーの伊東へ。そこから伊東が放ったシュートが見事な弾道でゴールに突き刺さり、熊本が3点目。その後エスパは北川、神谷、宮本、岸本といったフレッシュな選手を投入し、最後はノリさんと高橋を前線に上げるスクランブルも敢行しましたが実る事はなく、エスパルスが1-3で敗れました。

 まず熊本が強かったと思います。特に後半の修正が見事に効いて自分達の土俵に持ち込んでからの戦いは見事でした。これは素直に讃えないといけないと思います。

 その熊本に40分までサッカーをさせなかったエスパも非常に良かったのですが、前半のうちに同点にされてしまい、熊本に立て直す隙を与えてしまったのが非常に痛かったと思います。ホームでは開始からエンジン全開でいくというのが合言葉のようになってますのでそれが悪かったとは思わないし、それで先制出来たのですからね。ただ30分以降も変わらずに前プレをかけ続けた結果、40分頃から足が止まって全体を押し上げられなくなったのは拙かったですね。そして前述したアディショナルタイムでの白崎のプレー選択。時間帯を考えると無理に前に出す必要はなかったんじゃないかと思います。このあたりはまだまだ試合運びが拙いなと感じました。で、CKで同点に追い付かれ、熊本に良い気分でハーフタイムで修正をする余地を与え、修正を施された熊本にペースを握られてしまった。逆転された場面でホナウドが無理に前にボールを持ち出そうとしたのも勝ち越し点をとらないといけない状況だったからと考えると、あまり責められないかなとも思ってしまいます。勿論前節のいわき戦と同じように切り替えのところの判断ミスや周囲の反応の遅れからやられてしまったのは非常に問題があります。ここは今一度チーム内でどうすべきかを話し合って欲しいです。ただ試合を通してのペース配分、リードしてからの前後半終わり頃の戦い方、そして逆転されてからのリアクションの4点をしっかり修正してくれれば、繰り返しになりますが40分までの内容は非常に良かったので、そこまで悲観する必要はないと、試合を見直して思いました。

 ただ、サッカーの監督の仕事の7~8割が試合前の練習を通しての戦術の落とし込みであり試合中の選手交代等の采配の比重は高くない事は重々理解しているつもりですが、ことこの試合の秋葉監督の後半の采配には厳しい指摘をせざるを得ません。逆転される前後の時間帯エスパは熊本の選手の動きを捕まえきれてませんでしたから、60分頃にシステムを熊本と同じ3-4-2-1に変えた事は間違っているとは思いません。が、この日キレッキレだった中山を北爪に代えてしまったのは全く納得がいきません。代わって出て来た北爪は全く存在感を出せずに終わりましたし。またサンタナを残さず北川を入れて1トップの形を変えなかった事も意味がわかりません。北川は1トップの役割をまっとうしようと頑張っていましたが、やはり彼の適性は2トップの片割れもしくは2nd トップでしょう。何より2点リードを追いかけないといけないのに1トップのままというのは・・・。思えばここ数試合リザーブはほぼ固定されていますが、メンツを見ると先行して逃げ切るパターンのみのためのメンバーのように見え、後半ビハインドになった時にどういう布陣にして追い付くかを考慮できてないように見えるんですよね。勿論プレーするのは選手達で、彼ら自身にもビハインドでも諦めずにゴールを目指す姿勢が求められますが、それをやりやすくしてあげるのが監督の役割のはず。それをしない状態で試合後に選手達のみに苦言を呈するのは全く納得いきません。残り2試合なので雰囲気を悪くするような事は書きたくないのですが、この点に関しては秋葉監督に猛省して頂きたいです。

 磐田と東京Vの試合が痛み分けに終わった事で、自力で自動昇格を勝ち取る権利は維持できました。が、もう同じ失敗は許されません。次はホーム・アイスタ日本平に21位の大宮を迎えてのホーム最終戦です。勝たないと21位以下が確定する大宮は必死に立ち向かってくるでしょうが、僕達にもJ1昇格という譲れない目標があります。ホーム最終戦を笑顔で終え、水戸での最終戦を良い雰囲気で迎えられるようにするために、最善の準備をして欲しいと思います。

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