ダービー勝利(10/7 磐田戦)
先週末はアイスタ日本平での磐田とのダービーでした。チケット完売で多くの人が来るだろうと思って、いつもより早く出かけました。
この試合のチケットは後援会販売枠の時点で東側スタンド以外は売り切れてしまい、その東側スタンドも一般販売開始後すぐに完売してしまいました。近年の試合でここまで早く売れたのは記憶にありません。それだけこの試合の重要性を認識していたという事でしょう。ゴール裏サポーターもこの試合を盛り上げるべく東側2F以外の全てのスタンドの観客に参加してのコレオを実施しました。印象的だったのはコレオそのものの壮観さもさる事ながら、ボードを配ってくれた方が何度もスタンドの人達にコレオの段取りを丁寧に説明してくれた事です。ボードを用意して配置を考えてその通りに配るだけでも大変なはずなのに、段取りを何度も説明してくれるその熱意に心を動かされました。選手達もあのコレオを観て感じるところがあったと思いますし、それがこの日の結果にも作用したのではないかと思います。改めてあのコレオグラフィを企画・実施してくれたゴール裏サポーターの方々に感謝したいです。
<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>
清水エスパルス 1ー0 ジュビロ磐田
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、北爪、吉田、岸本、宮本、西澤、オ セフン
スタメンは前節と全く同じ。サブも神谷に代えて西澤を入れただけと、特に大きな変更はありませんでした。
磐田のスタメンも前節怪我で欠場した松原を復帰させただけでした。で、この試合前の段階で横内監督が前節のウチと藤枝の試合での藤枝の戦い方について「非常に参考になった」とコメントしたという報道がありました。これを聞いた時に「藤枝と同じやり方をしてきたらイヤだな」と思っていたのですが、前半を観た感じでは開始から積極的に前プレをかけてきたし、それほど大きく変えたようには見えませんでした。横内監督としては変に戦い方を変えるよりもこれまで積み上げてきた戦いで臨んだ方が良いと考えたのでしょう。ボール非保持時は4-4-2にした上で前からプレスをかけ、奪ったボールを早めに前に送ってジャーメインのスピードを活かし、相手を押し込んだらダイレでのパス交換で相手ブロックを崩していくという戦いを仕掛けてきました。特にジャーメインは脅威で、4分と26分にはノリさんと高橋をかわしてエスパゴールを脅かしました。特に26分は「やられた」と思いましたね。
一方のエスパは、特に2試合連続無得点という事で、どのように修正をかけてくるのかが注目されましたが、明確に変えてきたのが相手最終ラインのウラへのパスを増やしてきた事ですね。ボール保持時は基本的には下記のような立ち位置でスタートしました。
その上でサンタナ、カルリーニョス、中山が時折ポジションを入れ替えつつ交互にウラへ飛び出して、そこへノリさん、高橋、原テルが長いボールを入れて相手最終ラインを下げさせるようにしてました。それまでの2試合は相手の最終ラインの前での足下のパスが殆どだったので、相手としてはやりやすかったと思います。それに対する反省としてロングボールも使うようにしたのでしょう。これによって磐田のブロックが間延びし、その事でここ2試合窮屈なプレーに終始した乾に存分に遊べるスペースが出来、乾が大いに躍動する事となりました。14分の中山がターンしてのシュートは乾からのパスを受けてのものですし、18分にカルリーニョスからのパスを受けてのサンタナのシュートの場面も、乾が持ち出してアウトでカルリーニョスに出してのもので、明らかに磐田にとっては脅威となっていました。ただそうした決定機をモノに出来ないでいると、やはり磐田も力のあるチームですから、30~40分までは逆に磐田に押し込まれる展開となりました。
が、それを凌いだ後の41分に先制点が生まれます。
GKからのパスを受けた伊藤が乾の前プレを受けて中央にロングパス。これを白崎がはね返しホナウドがダイレで浮き球のボールをサンタナへ送ります。フリーのサンタナがこれを収めてゴール前へ走り込んだカルリーニョスへパス。これはカットされますが、そのボールが乾の元へ転がって来て、乾がダイレでシュート。これがリカルド グラッサの足に当たってコースが変わりゴールへ吸い込まれ、エスパルスが先制しました。乾のプレスによって伊藤に蹴らせた事、出し先の山田に対して白崎がきっちりマークしてボールをカットし、更にホナウドがダイレで前にボールを出した事で押し上げようとしていた磐田を裏返させた事がゴールに繋がりました。乾のシュートは磐田にとってはアンラッキーでしたが、乾の強い気持ちが生んだゴールでもあったと思います。
後半、磐田は開始から古川を投入。これに対するエスパは開始当初は前半と同様に4バックで臨みましたが、48分にドゥドゥにポケットを取られそこからのクロスを古川がダイレでシュートを撃つという決定機を作られたのを見て、秋葉監督は5バックへの移行を指示しました(ベンチから立って5本指を立てた手を示していたのが見えました)。両サイドハーフにドゥドゥ、古川という独力での突破が出来る選手が配置された事で、彼らを捕まえやすいシステムにしたかったのでしょう。実際これ以降磐田にボールは握られるようになりましたが、磐田の方もボールの出し所に困るようになり、磐田の攻撃の勢いは間違いなく減退しました。「超攻撃的、超アグレッシブ」という言葉からひたすら攻撃的なサッカーをしてくる印象を持たれがちな秋葉監督ですが、こうやって相手の良さを消しにかかる策への変更を即断するあたりは物凄いリアリストだなぁと感じます。勿論これまで試合途中でシステムを変える事で相手の攻撃の勢いを消したり逆に攻撃に出たりというのをやってきていたからこそ即断出来たと思いますが、そうやって少しずつ戦い方の幅を増やしてきたのも秋葉監督ですからね。前節の試合を受けて本ブログでは秋葉監督をボロクソに批判しましたが、前述したボール保持時に長いボールも織り交ぜるように修正してきたのも含めて考えると、少なくとも「無能」の一言で片付けられないし、逆に頼りになる人だなぁと思いました。
ただ相手にボールを持たれた分セットプレーは多くなったし、73分には後藤にあわやというシュートを撃たれてしまいました。更に82分くらいのサイドからの直接FKに合わせて遠藤が入って来て、そこから6本くらい連続で自陣でのセットプレーが続いた時間帯は観ていて本当に胃が痛かったです。ただ本当に全員が集中してよくはね返してましたね。こぼれ球からシュートに対しても誰もが前に出ながらシュートコースに入ってシュートを防いでいました。昨季は同じように終盤まで1点リードしていながら、セルフジャッジによって相手にスキを与えて同点ゴールを許しました。その時のメンバーの多くがピッチに立っていたわけですが、この日の選手達は「二度と同じ過ちはしない。絶対にゴールは許さない」という強い意思を共有して戦っていました。ここ2試合いまひとつだったトランジションも試合を通して早かったですしね。そうした強い気持ちが勝ち点3をもたらしたんじゃないかと思います。
個人に目を向けると、攻撃面では乾が見事でした。この後の4試合でも同じように乾に十分なスペースというか遊び場を作ってあげられるかがカギでしょうね。守備面ではホナウドが別格の存在感を見せてましたね。ただ後ろのノリさん、高橋、原テルも壁として磐田を抑え込んでくれました。更に43分くらいのCKでの競り合いで負傷してずっと痛みを抱えながら最後までゴールを守り続けてくれた権田にも感謝したいです。勿論名前をあげなかった他の選手達も自分達の役割を最後まで遂行し続けてくれました。そうした選手全員の働きがあってこそのダービーでの勝利だと思います。
これで再び自動昇格圏の2位となりました。が、すぐ下の東京V、磐田とは勝ち点差わずか2。1つ負けたらすぐ差を詰められてしまいます。次はアウェイでのいわき戦ですが、5月に大敗した借りを返そうと目の色を変えてくると思います。全く油断は出来ません。幸い次は1週開いて10/21なので、まずは身体のケアに努めてもらって、オフ明けからいわき戦を含む残り4試合を全部勝つために最善の準備をして欲しいと思います。
※ブログランキング参加中です。
| 固定リンク
コメント