足踏み(8/27 秋田戦)
先週日曜(8/27)はアウェイでの秋田戦でした。エスパルスを追い続けてきた事とほんの少しだけ鉄分多めな事wなどからあちこち訪れましたが、秋田県は田沢湖と角館にちょこっと行ったくらいで、県庁所在地の秋田には行った事がありませんでした。なので、今季J2を戦うに際し「行ってみたいなぁ」と思っていたのですが、試合日は日曜のナイトゲーム。おまけに用事も入ったため、おとなしくDAZN観戦となりました。
前の日に2位の磐田が敗れたため、この秋田戦で勝てば初めて自動昇格圏の2位に入る事が出来たのですが、結果は1-1の痛み分け。2位を目前に足踏みとなった格好となりました。が、個人的には残り11試合の中でこの試合が一番勝ち点を落とす可能性が高いと思っていたので、勝ち点1でも積み上げる事が出来たのは良かったと思ってます。
<明治安田生命J2リーグ 於 ソユースタジアム>
清水エスパルス 1ー1 ブラウブリッツ秋田
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、井林、山原、北爪、宮本、中山、北川
乾がサスペンションなので間違いなく前節とは変える必要があるわけですが、こんなに変えるとは思いませんでした。特に最終ラインは変えないだろうと思っていたのが、高橋を外して原をCBに入れて空いたところに岸本を起用し、左SBにはアウェイである事を意識して吉田にしてきました。高橋が外れた事に関しては「アクシデントだったらイヤだな」と思っていたのですが、どうもちょっと前のサンタナと同様のアクシデントだったみたいで長引く感じではなさそうなので良かったです。勿論本人達は大変だったでしょうけど。
一方で乾が抜けた前線にはセフンを入れて、オーソドックスな4-4-2にしてきました。試合後の記者会見で秋葉監督は狙いについて、秋田はセットプレーとクロスによる失点が多く、攻撃ではセットプレーからの得点が多いからと仰ってました。確かに秋田はそれまで32失点と堅い守備を誇っていますが、うちセットプレーからの失点は11とダントツで多いというデータが出ていました(Football LABより。クロスからの失点は4でそれほど多くはない)。ですのでそうしたデータから「高さ勝負でいこう」と判断したのは理解できますし、同時に全体をコンパクトにして前プレをかけてくる秋田に対して早めに2トップに入れて相手のラインを下げさせ、なるべく秋田の守備組織が整わないうちに早めに攻め切ろうというゲームプランだったのだろうと思います。
実際前半開始10分くらいまでは早めに2トップに入れてセカンドを拾って攻めるというやり方がそこそこ機能していましたが、11分くらいに真ん中でボールをおさめて左のカルリーニョスがいるスペースをボールを出したところを相手SBの高田にかっさらわれて自陣まで運ばれ、その高田のクロスがファーポストに当たったところでシュートを撃たれる前半最大の被決定機につながってから、秋田の出足が更に良くなった一方でエスパは後手を踏むようになり、なかなか相手陣へボールを運べなくなりました。何とかボールを奪っても位置が低く、秋田は2トップがこちらのボランチを消しながらチェックをかけてくるため2トップに長いボールを蹴るしかなく、しかもこちらの中盤のラインが殆ど押し上げていないから2トップと中盤に大きなスペースが空いているので、そんな状態でサンタナとセフンに当てても難なく回収される事の繰り返し。まあ相手の堅い守備から得点をとるにはサイドから長身のFW目掛けてクロスを入れるのが効果的ではあるので狙いはわからなくはないのですが、よくよく考えると秋田の戦い方に似たところがあり、そうなるとこのやり方を突き詰めてきた秋田にセカンドの拾い合いで負けるのもある程度予想できるわけで、そう考えるとこのやり方を選択したのが結果的には失敗に終わった気がします。
ただエスパは飲水タイムを経て、やり方を変えてきました。サイドハーフの西澤、カルリーニョスをいつものように1つ内側のレーンに立たせる4-2-2-2のような形に変え、それにより2トップに当てた時に誰かが必ず近い位置にいられるようにしてきました。一方で最終ラインでボールを持った時、カルリーニョスが後ろに落ちてボールを引き取って前に運ぶという前節まで乾が担ってきた役割も務めるようになるなど、いつもの後ろから繋いでいく形も増やしていきました。それにより30~45分のエスパのボール支配は一気に70%とその前の時間より15%も上昇。真ん中のセフンに当てて、落としたボールに反応した西澤がダイレで浮き球を送り、サンタナがヘッドを狙うという前半最大の決定機を作るなど惜しい形を少ないながら作る事が出来ました。結局前半は0-0で終えましたが、入りが悪くて苦労した割には良く立て直したんじゃないかと思ってました。
後半、エスパは前半と同じ4-2-2-2でスタート。前半終わり頃の良い流れをそのまま続けたかったのですが、ホームで何とか久々の勝利をと意気込む秋田の方がより良い入りをし、その流れでの48分の自陣でのCKでエスパは権田のオウンゴールという思わぬ形で先制を許します。この場面は水谷のボールが良くしかも思ったより曲がったので目測を誤ったのかもしれませんが、いずれにしろ痛い失点でした。
今までエスパを何度も救ってくれた権田のミスという事で、チーム全体が動揺する可能性もあったと思いますが、そうした雰囲気が感じられなかったのは良かったと思います。ただリードした秋田の勢いが増してきた中で、秋葉監督は56分に北爪、山原、中山を入れていつものパターンである3-4-2-1へ移行。これにより後ろでボールを持っている時は数的優位となり、中盤は同数ながらそこにシャドウが絡んで数的優位を作る事で、エスパが秋田を押し込むようになりました。特に中山の動きが凄く良く、右サイドで北爪と連携しながらボールを運んだかと思えば一列内側でボールを捌いたり、時には左サイドまで顔を出してチャンスシーンに絡むなど神出鬼没の動きを見せて秋田守備陣を翻弄してくれました。こうした中山やカルリ―ニョスの働きによりチャンスを作り、特に71分には中山からハーフスペースへ侵入した白崎へパスが渡ってのシュートは決定的だったと思うのですが、秋田も全員が身体を張って守ってゴールを割らせてもらえません。が、72分、CKでの山原の見事なボールをカルリーニョスがドンピシャのヘッドで合わせて、エスパルスが試合を振り出しに戻しました。秋田の弱点ともいえるセットプレーでの守備を突いた形ですが、山原もカルリーニョスも見事でしたね。
この時点でまだ15分はあったので、何とか逆転に持っていきたかったところですが、それはホームの秋田も同じ。ボールを奪ったら勇気を持って攻め上がるようになり、左からのクロスを大外の水谷が合わせてのシュートとか、左サイドのポケットに侵入されてのクロスとか危ない場面を作られるようになりました。これに対しエスパも対抗して攻撃の圧を高めたかったところでしたが、ボールを持つ時間は66%と多かったものの同点にする前と比べると少し慎重な戦いになってしまった印象があります。これは秋田のカウンターを警戒したというのが大きいと思いますが、長距離移動により疲労が蓄積してしまったため、そんな中で無理にオープンな戦いに持ち込んで勝ち点1すら逃す事を恐れた部分もあったかもしれませんね。結局試合は1-1で痛み分けとなりました。
試合開始時にシステムを4-4-2にした理由等については前述した通りで、上手くいったとはとても言えませんね。一方、後半開始時にそれまでの4試合と同様にシステムを3バックを変えなかった事に関する批判も散見されますが、これは高橋をアクシデントにより使えなかったのが大きいと思います。この日は岸本を使いましたが、彼は本来CBの選手じゃないですし、井林も東京V戦での怪我が完全に癒えていないのでしょう。そうした理由により3バックに移行するにしてもある程度時間を限定する必要があったんだろうと推察してます。そう考えていくと、前半の入りの形に失敗し、このところの勝ちパターンと言える3バックへの切り替えのタイミングが制限され、更に初めてのソユースタジアムでの戦いで芝の状態や気候に慣れていないという複数の悪条件が重なり(1つ目は自滅ですが)、そんな中でミスにより先制を許す最悪の展開だったわけです。にも関わらずシステム変更や選手交代によって流れをどうにか引き寄せ、最低限の結果である勝ち点1を積み上げる事が出来たのは大きいのではないかと思います。確かにせっかく2位に躍り出るチャンスを逃したのは残念ですが、磐田との差をわずか1とする事が出来、4位の東京Vとの差を3に広げる事が出来たのは意味があると思います。残りは10試合あり、その中にはホームでのダービーも含まれます。次に2位になれるチャンスは必ず来るので、それまでチーム力を磨いていくのみでしょう。
次はホームでの徳島戦。連勝して乗り込んで来ますし、選手は揃っていますからまた難しい戦いになるでしょう。ただアイスタで戦えるのは大きなアドバンテージですから、それを最大限活かせるよう準備して欲しいし、僕達サポも当日盛り上げていきたいですね。
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