痺れる6ポイントマッチ(8/6 東京V戦)
先週日曜(8/6)は3位の東京Vとの試合を観に味スタに行ってきました。「勝てば3位だ!」というシチュエーションで気合の入ったエスパサポが大勢詰めかけ、「負けてなるものか」とばかりに東京Vのサポーターも大勢駆け付けたおかげで1万7千人もの観客が集まりました。
試合は1-0でエスパルスの勝利。前半奪った虎の子の1点を守り切って勝つなんてここ数年全く記憶になかったから(汗、試合中は何とか追加点をとって欲しいと願ってたし終盤の東京Vの攻勢にもヒヤヒヤしっ放しでした。それだけに主審のホイッスルを聞いた時は本当にホッとしたし、こういう痺れるシチュエーションの試合を体験できてかつ勝ってくれたので、満足して家に帰る事が出来ました。
まあ心臓に悪いとも思いましたけどねw。
<明治安田生命J2リーグ 於 味の素スタジアム>
清水エスパルス 1ー0 東京ヴェルディ
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、高橋、北爪、岸本、宮本、乾、チアゴ サンタナ
大卒後6年間東京Vでプレーした井林が久々のスタメン復帰。気合が入っていたと思うのですが、残念ながら前半の早い段階で怪我のため交代となってしまいました。本人も悔しかったでしょうね。一方、唯人が復帰後初のスタメンでトップ下に入り、前節トップ下を務めた白崎はボランチへ回りました。一方、リザーブには怪我明けの北爪と乾、ご家族の事情で欠場していたサンタナが復帰。これは心強かったです。
前半はほぼ東京Vの思い通りの試合だったと思います。基本フォーメーションは4-4-2でボールを保持して攻める時は4-3-3にする可変の形で戦ってきましたが、まずボール非保持時は、まず前の2人がこちらのボランチへのパスコースを消した上でプレスを仕掛けてきて、ボールをサイドへ誘導。ここまではよくあるやり方ですが特徴的なのはその後で、ブロックをボールサイドに寄せて横幅を狭める事で、こちらがボールをつなぐスペースをかなり狭めてきました。だからSBとしてはボールを預けられても同サイドのサイドハーフには相手SBが付いているし、ボランチに預けてもすぐ相手にチェックされるし、意表をついて真ん中に斜めのボールを入れようとしても味方との呼吸があわずに、という感じでボールを殆ど前へ運ぶ事が出来ませんでした。30分頃までの間にボールを相手陣に運ぶ事が出来たのは1回くらいだし、シュートもZERO。今季ここまで抑えられたのは記憶にないです。
一方で東京Vがボールを保持すると基本システムを4-3-3にして、3トップに加えて中盤のインサイドハーフを絡ませて、所謂5つのレーン全てを使ってきました。ボールをいったん中で持って、それでこちらがブロックを絞ってきたら空いたサイドのスペースを突く。こちらをサイドへ寄せたらまた内側のレーンを使ってくるという感じで、非常に理にかなった攻撃を仕掛けてきました。エスパも前からプレスをかけて相手がボールを前進させる事を何とか阻止しようとしましたが、東京Vがそれに慣れてきた20分頃からは次第に自陣に押し込まれるようになりました。32分頃に右サイドからのクロスから染野に合わされた場面は危なかったです。この時はノリさんがシュートブロックをしてくれたおかげで事なきを得ましたが、戦況は良くなかったです。
そんな戦況にも関わらず、35分にエスパルスが先制します。前半の東京Vの唯一の誤算がこれでしょうね。
起点は最終ラインのノリさんから右サイドでフリーとなっていた原へのサイドチェンジでした。サイドハーフの中山が中に絞って空いたスペースにSBが上がってそこへサイドチェンジのパスを入れるのはいつもやっている形ですが、この日の東京Vが前述の通りブロックの横幅を狭くする形にしていた分より効果的でしたね。ボールを受けた原はフリーでボールを運び、これに合わせて最前線のコロリも前へ行き、東京Vの最終ラインとしては下がらざるを得ません。これによって相手最終ラインと中盤との間に出来たスペースに唯人が走り込んでパスを要求。原もこれを見逃さず絶妙なパスを唯人に送ります。これに気付いた東京VのDFにボールを触られた事で唯人はトラップ出来ませんでしたが、こぼれ球を後ろから走り込んだカルリーニョスがシュート。これはDFに防がれましたが、そのこぼれ球を唯人が見事なボレーでゴールに流し込んで、エスパルスが先制しました。このシュートは逆サイドからだったので生観戦時はよく見えなくて、帰宅後に見直したのですが、見事でしたね。ボールがバウンドして落ちてくるところを落ちる前にバウンドを合わせて、ふかす事なく流し込むなんてちょっとマネできないですね。わずか半年間ですがフランスで練習を重ねる事でシュート技術がまた伸びたのかなと思いました。試合はこの後東京Vに押され気味になり、結局前半のエスパのシュートはこの時の2本だけだったのですが、何とか1点リードのまま前半を折り返しました。
後半、エスパは前節と同様にシステムを3-4-2-1にしてきました。試合後の秋葉監督のコメントによると相手が3トップと2人のインサイドハーフで攻めてきて数が合わないので変えたようですが、これがハマりました。5レーン全てこちらが埋めてきた事で、東京Vはボールは握り続けるもののボールの出し所に困るようになりました。実際、45分から75分までの間に東京Vが撃ったシュートはわずか2本です。
一方でエスパがボールを持った時に東京Vがブロックをコンパクトにしてハメてくるのは同じで、最初のうちは相変わらずそれに苦労してましたが、次第にサイドチェンジのパスを使って相手のプレスを剥がすようになり、少しずつ相手陣へ攻め込めるようになりました。そして58分、北爪、乾、サンタナの3人を同時投入する事で攻撃のギアが一気に上がりました。サンタナ、乾、カルリーニョスの前3人はボールを持ったら簡単にはボールを取られず前進させたり味方に預けたりできるから、両サイド、特に北爪がそれを信じてガンガン上がってくるし、白崎もボランチの位置から飛び込んでくるし、で、いつもの攻撃のクオリティを見せてくれました。東京Vとしたらさぞ捕まえにくかったろうと思います。だからこそこの時間帯で追加点が欲しかったですね。決定機もありましたし。確かに相手GKのマテウスは良いGKでしたが、フィニッシュやその前のパスの精度を上げるのは継続の課題ですね。
終盤は東京Vが北島や山田といったフレッシュな選手を入れるとともに攻撃の圧を強めてきて、それにより押し込まれる展開が続きましたが、前節と同様に最終ラインがこまめにラインの上げ下げをして相手にスペースを与えず、押し込まれてリトリートする時間が続いても5-4のブロックを維持しつつボールホルダーに対して厳しいチェックをかける事で、相手に自由にシュートを撃たせませんでした。81分頃の北島のヘッドはノリさんが身体を預けてやらせてないですし、90+4分頃の山田のヘッドには岸本がきっちりチェックに行く事でシュートを枠から外してます。権田にとってはこの時間帯は忙しかったかもですが、権田としては味方がきっちり対応してくれた分守りやすかったんじゃないかと思います。
まあ欲を言えば相手が攻勢に出てきた時でもボールを握る時間をもっと作れるようにしたいですね。心臓に良くないのでw。ただボール非保持時の約束事が整理されチーム内で徹底されてきたなというのを、特に最終ラインのコントロールのところで凄く感じられるようになったので、これは非常に心強いです。無失点に抑える事が出来れば少なくとも勝ち点1は手に出来ますからね。前述の決定力のところは課題ですし、まだまだ詰めるべき部分が攻守ともにあるとは思います。ただ選手達はそれを認識してくれているようですから、これからもそれらを詰めて更にチーム力を上げてくれると思ってます。この日の勝利は見ている僕達にそうした感覚を持たせてくれるものでした。
これで3位浮上。しかしこれはあくまで通過点。最終目標はJ1昇格の権利を勝ち取る事です。次節はホーム・アイスタ日本平に山口を迎えての試合です。山口は監督が代わってからチームが一気に良くなったと聞きますので、簡単な試合にはならないでしょう。しかしここで止まっているわけにはいきませんので、是非とも勝ち点3をもぎ取って欲しいです。
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