激闘(7/1 長崎戦)
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、高橋、岸本、ホナウド、ディサロ、チアゴ サンタナ、北川
ほぼ前々節の群馬戦のメンバーに戻してきましたが、1トップにはセフンが入りました。5連戦の真ん中という事でコンディションを重視したのと、長崎がセットプレーが得意である事も意識したのかもしれません。
お互いに上位同士の対決である事を重視したのか、開始からオープンな攻め合いとなりました。最初のシュートは笠柳の抜け出しから都倉が放ちましたが、エスパも負けじとカウンターから中山がシュートを放ち応戦します。そんな中、14分、左にいた乾からのパスを受けた宮本が真ん中に入ったカルリーニョスへタテパス。カルリーニョスはそれをスルーすると左へ流れ、後ろにいたセフンがカルリーニョスが流れた方へ落とし、それをカルリーニョスが見事なコントロールショットでゴールへ叩き込み、エスパが待望の先制点を奪いました。これは練習でやっている形でしょうね。それが見事に得点として実りました。その後はエスパが優位に試合を進めましたが、なかなか追加点が奪えません。が、28分、CKをノリさんが長崎のブロックの外側で合わせるとボールはフリーの乾へ。乾がこれを落ち着いて流し込み追加点を奪います。何より乾のボールコントロールが光ったゴールですが、長崎がCKの時にボールに釣られて後ろを空ける傾向があるという分析があったみたいで、それを受けて準備したのだろうと思います。これも見事なゴールでした。
前述した通り開始から先制するまでは互角の展開でしたが、先制してからは優位に試合を進める事が出来ていました。群馬戦や秋田戦と比べて良かったのはビルドアップ開始時にCBやSBに対して白崎、宮本、乾の3人が効果的にフォローに入ってパスを貰っていた事とそのボールをなるべく早く前に運ぼうという意識付けが出来ていた事、相手を押し込んだ時にバイタルエリアを使えていた事とサイドに付けた時にそこからニアゾーンを突く動きが多く見られた事ですね。それによって非常に分厚い攻撃が出来ていましたし、ここのところ課題だった「相手に引かれた時にどう崩すか」という点に対し、「真ん中を使う」「相手のウラやニアゾーンを突く」という改善ポイントを持って戦っている事が見てとれました。ボールロストした時のネガトラも早かったですし、ボール非保持時のプレスも効いていました。何より秋田戦のショッキングな敗戦からきっちり気持ちを切り替えてアグレッシブな戦いをしてくれた事はとても良かったと思います。
が、これで楽勝といかないところが難しいですね。
後半、長崎は開始時に4枚替えを敢行し、システムを4-2-3-1にしてきました。これの狙いの1つは、DAZN解説の成岡さんが仰っていた「エスパのシステムに合わせる事で誰が誰を見るのかを明確にした」という事だと思います。もう1つ上背とフィジカルが売りの都倉に代えてスピード系の加藤や澤田を入れて、エスパの最終ラインのウラを早めに突かせる狙いもあっただろうと思います。更に左サイドに重量系のクリスティアーノが入った事で長崎の攻撃は一気に活性化し、試合は再び互角の展開となります。エスパも一歩も引かずカウンターから決定機を作りましたが決められず、逆にこちらの左サイドのSBとCBの間を突かれ、最後はフアンマ デルガドに決められてしまいました。これはノリさんと西澤の間をカバーした宮本の後ろを澤田(?)に突かれた事、鍬先に3人が行ってしまった上にフアンマへのパスコースを消せなかった事、井林のフアンマへの寄せが遅れた事の3つが拙かった点だと思いますが、まだ1点リードしていたので慌てる必要はありませんでした。
が、この得点によって俄然長崎の勢いが強くなったし、それに対してエスパの方が受けてしまったというか、慌ててしまいましたね。そこに輪をかけたのが、失点のすぐ後に行われたエスパの3枚替え。これは失点の前から準備してもので、恐らく試合前から予定していた交代じゃないかと思うのですが、これで余計な混乱を与えてしまいました。あくまで結果論ですけどね。その象徴になっちゃったのが岸本で、入って早々にフアンマにサイドで競り合った末にクロスを許してそれがクリスティアーノのポスト直撃のヘッドに繋がったり、澤田に2度デュエルで負けてボールロストしてしまい、2度目は同点弾に繋がってしまいました。もし負けたり引き分けてたりしたら猛批判を受けていたかもしれませんが、途中交代で試合の流れに順応するのは簡単じゃないし、ましてや非常にテンションの高い試合でしたから、岸本を責めるのは酷かなと。むしろ失点した直後に3枚もの選手交代をしてしまった秋葉監督の方が問題だったなと思います。繰り返しになりますが結果論ですけどね。
同点に追い付かれて非常に拙い状況だったのですが、同点弾の後にいったん選手が集まって話をし、更に高橋を入れて3バックにして相手の早い攻撃に対応する形にした事でどうにか試合を落ち着かせる事が出来、試合はエスパがボールを握り長崎がカウンターを仕掛ける展開となりました。その中でCKからの北爪のシュートとそのこぼれ球を井林を押し込もうとした場面や北爪のクロスからの乾のダイレクトボレーなどの決定機が何度かあり、逆にこちらの最終ラインとの競り合いに勝ってからのフアンマの角度のないところからのシュートがあるなど、どちらにもチャンスのあるドキドキする展開が続きましたが、90+1分に勝ち越しゴールが生まれます。左サイドから岸本が持ち出して白崎を経由して右の北爪へ。北爪の左足のクロスを乾がダイレクトで合わせたシュート(だと思います)は枠を外れていましたが、サンタナが足元に来たにも関わらず上手く右足を合わせ、それがうまい具合にループシュートのような形になってGK波多野の頭上を超えます。あいにくバーにはじかれましたが、いち早く反応した北川が押し込み、再びエスパが勝ち越しに成功しました。このゴールまでの流れを書きましたけど、改めてラッキーな部分が多分にあった理屈では説明しずらいゴールなのがわかります。が、選手達の「絶対に勝つんだ!」という強い想いが上手く作用してボールをゴールに運んでいったのかな、とは言えると思います。
最後に紙一重で勝つ事が出来ましたが、まず長崎は強かったですね。特に後半に入ってからの迫力ある攻撃は強力でした。またGKの波多野が「敵ながらあっぱれ」と称えるしかない素晴らしいセービングをしてました。決定機を何度防がれたかわかりません。それに対して後半、特に1失点してから同点に追い付かれるまでのエスパの出来はとても褒められたものではありません。またそれに合わせるようにタイミングの悪い交代をしてしまった秋葉監督も責められて然るべきです。が、前半に関しては前節までの悪いムードを払しょくするような戦いをしてくれました。これは秋葉監督のメンタルコントロールの上手さが成せる技だと思いますし、選手達もそれによく応えてくれました。そして何よりいったんは同点にされてそのまま持っていかれそうなところを持ち堪えて最後の最後に勝ち切ってくれたのはとても嬉しかったです。不器用ではありましたがこういう勝ち方が出来たのは今後に向けて自信に思っていいんじゃないかと思います。
とはいえ、あくまで1つ勝って踏みとどまっただけです。次に繋げないと意味がありません。この後アウェーでの試合がしかも中3日で続きます。次の相手の仙台は前節山形に完敗してしまった分より気合を入れて来るでしょう。これに負けずに勝ち点3を持ち帰る事で、この試合の勝利がより大きな意味を持ちます。最善の準備をして、是非とも勝ってきて欲しいです。
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