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2023年7月21日 (金)

酷暑の中での死闘(7/16 千葉戦)

 先週日曜(7/16)は2年連続での国立の主催ゲームとなった千葉戦を観に行きました。まあ本当に暑くて、かき氷がいつにも増して美味しいと感じました。

 今季も国立でホームゲームをやると最初聞いた時は「J2に落ちたからなぁ。どれだけ集まるのかなぁ」と若干不安でした。が、スタジアム内外でトークショー等のイベントをやったり、いつもお世話になっているJam9に加えて電気グルーヴまで呼んでミニライブをやったり、清水翔太さんに試合前に君が代を独唱して頂いたりした結果、約4万8千人もの観客が集まりました。これはJ2の新記録だとか。これはサポーターの努力もあるでしょうが、クラブのスタッフの方々の営業努力の賜物だと思います。心から敬意を表します。

 が、不満が1つだけ。競技場のゲートのいくつか、特に2層目のG1ゲートを閉じてしまっていた事。新しい国立競技場は1層から2~3層に上がるための階段とかが両サイドスタンドにしかないのですが、その分バックスタンドならG1ゲートを開けておけば1層に下りなくてもスムーズに外に出られるんですよね。それがこの日は閉じていたのでサイドスタンドまで向かわなくてはならず、外に出るまで結構大変でした。コストの面からそうしたのかもしれませんが、試合終了後くらいは開けて欲しかったですね。昨年は開けていたと思いますし。

<明治安田生命J2リーグ 於 国立競技場>

 清水エスパルス 2ー2 ジェフユナイテッド千葉

20230716_175842_small

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230716

 SUB:大久保、井林、吉田、岸本、竹内、ベンジャミン コロリ、オ セフン

 この日サスペンションの白崎を除けば前節と変わらないだろうと思っていたのですが、カルリーニョスがベンチからも外れました。何でも体調不良との事。その代わりコロリが久々にリザーブに入りました。

 中立の立場の方が観たら間違いなく「面白い!」と思って頂けるゲームだったんじゃないかと思います。試合展開がそうですし、あの酷暑の中両チームの選手達全員が「勝つ!」という気持ちを全面に出して戦っている事が伝わってきました。

 その死闘から既に4日たっており、試合展開に関しては書いても仕方ないと思うので、エスパルスの良かった点、気になった点について書いていこうと思います。

 開始から先制するまでの時間帯は非常に良かったと思います。中山、乾、神谷の3人が頻繁にポジションを変えながらボランチや最終ラインからのボールを中間ポジションで引出し、それを合図に両SBが上がって来て中盤を追い越していき、後ろからはボランチがサポートしてくるという感じで、非常に分厚い攻めが出来ていました。また前半は千葉がブロックをコンパクトに保つ事に腐心していた分ドリブルに誰がどう対応するかが曖昧だった感じでしたが、それを見透かしたかのようにホナウドが自ら持ち出してスルーパスを出す場面もあり、非常に攻撃のバリエーションが豊富で観ていて面白かったです。先制点は北爪からのクロスのこぼれ球を神谷が拾っての見事なゴールで、まさに神谷の技術があってこそのものでしたが、あの場面は直前に高橋がペナ近くまで上がって繋ぎに参加しているし(上がらなければカウンターを受ける危険性があった。ナイスな上がり。)、北爪のクロスの際には左SBの西澤も中に入っているんですよね。それだけ分厚い攻めが出来ていた証だと思います。

 すぐに同点に追い付かれ、その後の飲水タイム以降は千葉が後ろから中盤へのタテパスを入れさせまいとかなり中を絞った守備をしてきたので、なかなかタテパスを入れられず攻めあぐねてしまいましたが、それでもどこかでタテパスを入れる事が出来れば全体にスイッチが入って前へ上がっていく事が出来ていました。このあたりの「どこで攻撃のスイッチが入ったとするか」についての共通認識についてはだいぶ出来て来たのではないかと思います。最後の崩し方についても「これ、〇〇戦の時と同じ崩しだ」というのが少しずつ増えてきたし、ボール非保持時の前へのプレスについてもメンバーが少し入れ替わっても強度をそれほど落とさずに出来るようになってきて、この試合でもそれによりチャンスを作れていた事など少しずつチームとして積み上げてきている事が感じられて、良かったと思います。

 後半開始早々に逆転弾を許し、それにより千葉に勢いが出て危ない場面をいくつか作られましたが、岸本、吉田の投入によってその流れを押し留め、更にコロリの投入によって攻勢をかける事が出来た事も良かったです。特にコロリは久々の公式戦出場にも関わらず非常に良い働きをしてくれました。ボールは簡単に奪われないし、最初は左サイドハーフでプレーし、3バックにしてからはセフンの下のシャドウのポジションに入ったと思いますが、どちらも問題なくプレーしていました。同点ゴールも見事でしたし、外国人枠の関係で出場機会が限られた中でも腐らずチームのために戦ってくれるのは本当にありがたいです。

 といった感じで、良かったところや収穫と呼べるところはたくさんありました。が、じゃ何故ドローだったのか?という事で、ここからは気になった点や悪かった点についてです。

 まず浮かぶのは「決定力不足」ですよね。前半から何度決定機があった事か。ホナウドからスルーパスを受けての中山のシュートとか、宮本が相手ボールをカットしたボールを受けての乾のシュートとか、セットプレーからの二次攻撃での中山のボレーとか。後半もセフンが左サイドを突破してのクロスからの岸本とか、カウンターから乾のスルーパスを受けてのコロリとか、ペナの側での直接FKからの高橋のヘッドとか。確かに相手GKの鈴木椋大は素晴らしかったですが、それにしてもこれだけ決定機を外していたら勝てませんよ。

 特に相手のプレゼントパスを貰ったセフンのシュートは決めて欲しかったですね。改めて見るとボールを貰った瞬間逆に焦ってしまって、その分GKとの駆け引きを忘れてしまったように見えました。確かに焦るのもわからなくはないですが、そこで落ち着いて決める事が出来ないと欧州移籍は難しいですよ。ファン ソンホやチョ ジェジンのような歴代の韓国人ストライカーに並び立つ存在になれる資質はあると思うので、もっと頑張って欲しいですね。

 という事で「あそこで決めていれば勝てたのに」と思いがちなのですが、改めて見ると失点があまりに安かった事が非常に気になりました。

 まず1失点目は、確かにアンラッキーなのですが、見木に対して殆ど寄せる事が出来てないんですよね。あの場面は小森がウラへ抜け出そうとしたところを高橋がヘッドでクリアしたまでは良かったのですが、それが右サイドに流れた事でノリさんがサイドに釣り出された事で最終ラインを上げさせる役目の選手がいなくなってブロックが下がったままになったのが原因だと推察しています。が、ノリさんがいないなら誰かがやればいい話で、ましてやボールはいったん後ろに戻されてますからそれに合わせて全体をプッシュアップするのが決まり事のはずです。その意味ではノリさんがいなくても常に声を掛け合ったりジェスチャーしたりしてブロックを高く保つようにならないといけないし、そこはまだ足りないと感じました。

 それ以上に問題なのが2失点目。ロングスローをいったんはね返したものの、それを拾われ再度放り込まれた時に前に残っていた鈴木大輔がノリさんに競り勝ち、そのボールを高橋がかぶってしまった格好となり、小森にフリーでシュートを撃たれてしまいました。だから高橋やノリさんが責められがちなのですが、僕は西澤にも責任の一端があると思います。なぜならボールが放り込まれた当初鈴木大輔を見ていたのは西澤でしたから。なのに離しちゃって、そもそも西澤と鈴木大輔では身長面でミスマッチだからと慌ててノリさんが競りにいったんだけど間に合わなかったわけです。それにロングスローを与えたのは、西澤が右サイドハーフの田中にスピードでちぎられてフェイントでかわされて、何とかノリさんがカバーしたからですし、前半でも一度スピードでちぎられてたし、それを受けて後半は失点してからもかなり狙われていて、慌てて本職の吉田を左SBに入れる事になったわけです。

 ここのところ後半開始してそう時間がたたないうちに失点してしまうのが続いており、それを受けて試合後秋葉監督が「後半の入りガー」とか「大きな処方箋ヲー」とか仰ってましたが、僕が見る限りことこの試合に関しては左SBに本職でない西澤を起用した事が原因だと思います。西澤が左SBに入って攻撃面では効果が出ています。簡単にはボールを取られませんし、右サイドへのサイドチェンジのパスも非常に効果的です。でもあのサイドチェンジのパスは昨季山原も出してたんですよね。結構。また吉田の守備が西澤より優れている事は、入ってすぐに田中を完全に封じて交代に追い込んだ事からも明らかです。やはり西澤は一列前でより機能する選手ですから、適材適所という点からも次からは左SBには本職の選手を入れて欲しいです。

 もう少し蒸し返すと前節の大分戦での後半早々の失点も中途半端にシステムをいじった事が悪い方に作用したと見てます。前述したようにボール保持時の攻めのバリエーションは増えてきているし、ボール非保持時の前プレも機能してきているなど、秋葉監督になって良くなった事はいろいろあるのです。だからこそ変な選手起用や交代で状況を悪くする事があるのがもったいないと感じるんですよね。何より就任当初「適材適所で選手を配置する」という方針でチームを立て直したのですから、ここは原点に立ち帰って頂きたいなと思います。僕みたいなシロートが偉そうに言う事ではないかもですが。

 などといろいろ書き連ねましたが、結果を除けば面白い試合を見せてもらったと思ってます。この後8月上旬までは酷暑が続くみたいで、そんな中で次節アウェイでの栃木戦となります。アウェイとはいえ負けるわけにはいきませんので、是非とも勝ち点3を奪って帰ってきて欲しいです。

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