しぶとく戦って5連戦勝ち越し(7/9 大分戦)
日曜(7/9)はアウェイでの大分戦でした。遠い九州の地にしかも日曜のナイトゲームにも関わらず300人ものエスパサポが駆け付けたとの事。本当に頭が下がる思いです。しかも福岡県と大分県北部は大雨に見舞われて、陸路で行き来された方はかなり影響を受けたであろうと思うと余計に。
試合の方はそんなサポの想いに報いるように2-1での際どい勝利。後半戦のひとつのヤマと位置付けていたリーグ戦の5連戦を勝ち越す事に成功しました。2戦目の秋田戦の時点では思いもよらなかったので、喜びもひとしおです。まだ先は長いですけどね。
<明治安田生命J2リーグ 於 レゾナックドーム大分>
清水エスパルス 2ー1 大分トリニータ
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、井林、吉田、岸本、宮本、神谷、オ セフン
スタメンは前節と全く同じでした。ゼ リカルド前監督の時も含めて今季初めてではないかと思います。それだけ今のスタメンに手応えを感じているのでしょうね。
一方の大分はここのところずっと4バックで戦ってきましたが、この試合では3-4-2-1にしてきました。「ウチに対する対策かな」と思っていたのですが、試合後の下平監督の記者会見によると左SBをやっていた高畑が怪我をしたための窮余の策だったようで、その影響からか試合への入りが悪くて思うようにビルドアップできず、それに対してエスパの方はこれまで同様開始からエンジン全開でプレスをかけてきたので、開始から10分までの間にエスパが2度決定機に近い形を作るなど優位に試合を進めます。
その流れの中で、10分、前プレでGK西川のミスを誘った乾が貴重な先制ゴールを奪います。これは直前にエスパの最終ラインでの繋ぎに対して大分が猛然と前プレをかけてきたのに対して、エスパが何とかかわしてノリさんからカルリーニョスへパスを入れる事で大分を裏返しかけたんですよね。それは大分の選手がカットしてボールをGK西川に戻す事で大分がボール保持を続けられたのですが、その時点で大分の選手は戻り切れてなかったんですよね。で、エスパは北川がお返しとばかりに前プレをかけようとし、左右に中山、カルリーニョスも控えている状態。西川はボランチの池田に預けるのですが、後ろが乾が来ていたので池田は西川に戻した後左に動いてボールを貰おうとします。で、西川もそこに出そうとするのですが、乾がそのパスコースもしっかり切っていたためにボールを奪う事が出来ました。乾の後ろへのパスコースを切りながらのプレスが光った先制点だったわけですが、周りの北川、カルリーニョス、中山もしっかりポジションをとって西川の選択肢を狭めた事やその前にむやみに蹴らずに後ろから繋ぐ事で相手をおびき寄せていた事も効いたゴールだったんじゃないかなと思います。いずれにしろ非常に良い流れを逃さずに先制出来た事が非常に良かったですね。その後は大分も少しずつボールを運べるようになりましたが(エスパの方が、特に20分以降は無理に前プレせずに中盤にボールが入ったところでチェックをかけるやり方にシフトしたのもあると思いますが)与えた決定機は33分頃の左からのクロスによるものくらいで、エスパの方がゲームをコントロールしたまま前半を折り返しました。
後半、大分は開始から野村をシャドウからボランチに下げてゲームをコントロールさせるようにし、両サイドのウラをより意識して狙ってくるようになりました。これに対してエスパの方は、DAZNで観ていた時は気がつかなかったのですが、開始から北爪を中にして中山を一列下げての3-4-3の形に変更していました。恐らくは連戦で疲労があるから早めに大分と同じシステムにして誰が誰を見るかをはっきりさせる事で省エネ気味に試合を進めようとしたんじゃないかと思います。が、これがサイドの守備(特に右サイド)で混乱を生じさせ、更にリトリートした時にどうしても中盤の枚数不足も起こしてしまって、大分の猛攻を食らうようになってしまいました。同点にさせた場面は藤本に簡単にクロスを出させたのが問題だと思うのですが、応対したのが中山でしたからね。北爪だったらどうだったかなと考えてしまいます。その後渡邊、野村と連続してミドルを撃たれたのは中盤の枚数不足によるところが大きいし、このままドローで終わったり或いは逆転されてたりしたら、「また監督の選手交代ミスで勝ち点を落とした」と批判を浴びるところでした。
が、54分頃にカルリーニョスが相手選手との競り合いで頭を打って倒れてその治療でゲームが止まっていた時間に、選手達で話してシステムを4バックに戻す決断をします。改めてDAZNで見ると権田から「イチさん!4-4にするよ!3枚ムリムリ!4-4!4-4!4-4!」という声がベンチに対して送られています。秋葉監督と市川コーチはその判断を受け入れ、カルリーニョスの怪我の治療とその後のセットプレーで時間がとれた事で選手達は落ち着きを取り戻しました。この事に関してはもしかしたら「監督、何やってんだ!」との批判も出ているかもしれませんが、僕は間違いを間違いと認めて選手達の意見を受け入れた秋葉監督の判断は正しいと思いますし、監督・コーチ陣と選手達との間で健全な意見交換が出来ているんだなというのがうかがえて、良い事だなと思いました。
その約10分後に乾の勝ち越しゴールが生まれます。
このゴールの直前にエスパが大分陣内で猛然とプレスをかけてくるのを大分がギリギリで剥がして、それにより大分が数的優位の状態になりました。が、最終ラインのうち高橋が前に出てボールホルダーの渡邊のドリブルのコースを消して左の藤本に出させたのがまず効きましたね。白崎も戻ってきて渡邊の右を消したのも同様。藤本に対しては北爪が粘り強く応対してクロスを入れさせず、真ん中に出たボールを拾ってのパス交換のところをホナウドがカットして、そこから逆カウンターを仕掛けるわけですが、ここまでのところで粘り強い対応によってシュートまで撃たせず逆にボールを奪い返したのが非常に大きかったと思います。そして逆カウンターの場面ではカルリーニョスと北爪が3バックと並走する事で注意をそらしていたのが効きました。が、何といっても乾のシュートがまさにゴラッソの一言ですね。あれは彼にしか出来ない芸当です。
ただ勝ち越したとはいえまだ30分も時間があり、大分の後半の攻撃は良くなってきていたので、全く油断は出来ませんでしたが、その後の守備は非常に安定してましたね。ボール非保持時のシステムを4-4-2に戻した事で、ボールがブロックに入ったところできっちりチェックをかけたり、ボールが戻されたら前プレも仕掛けるという前半と同様の守り方が出来るようになりました。86分には井林を入れてシステムを5-4-1にし、ボールを奪取したらカウンターを仕掛けて、相手DF1人を退場に追い込む事が出来ました。終わってみれば勝ち越してから大分にペナ内への侵入を許したのはボランチの弓場が飛び出してきたくらいでシュートも2本しか撃たせてないし、前節の仙台戦と違って安心して見ていられました。怪我で戦列を離れていた吉田が久々に復帰して非常に安定したプレーを見せてくれたし、収穫の多い試合でした。
最初に書いた通り、後半のヤマと位置付けたリーグ戦5連戦を勝ち越しで終える事が出来ました。長崎戦、仙台戦、大分戦と前の試合で出た課題を1つ1つクリアしていっているのが見てとれたし、時間帯によってどういう試合運びをするかという点についても認識を共有出来て来た感じで、少しずつステップアップしているのが見てとれます。勿論この3試合はほぼ同じメンバーで戦っているからというのは間違いなくあるでしょう。今後は1週間に1試合こなすスケジュールになるのである程度メンバーを固定できるとはいえ、怪我だったり調子を落とした選手が出たとかいうのは絶対に出るでしょうから、チーム全体の底上げは不可欠です。だからこの5連戦にあまり絡めなかった選手達も練習でどんどんアピールしてスタメンを奪い取って欲しいし、そうやって競争して高め合っていく事で更にチーム力を上げていって欲しいです。それによりどんなチームが出来るのかが楽しみになってきました。
ここからは前述の通り1週間しっかり準備して試合に臨む事が出来ます。その最初の試合は国立での千葉戦です。フクアリでは痛い目に合っていますが、同じ失敗を犯すわけにはいきません。なかなか出来ない国立という晴れ舞台での試合なので、明日(7/12)からの練習でしっかり準備して是非とも勝ち点3を奪って欲しいです。
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