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2023年6月30日 (金)

更にモヤモヤ(6/28 秋田戦)

 昨日(6/28)はホーム・アイスタ日本平での秋田戦でした。平日なのでおとなしく自宅でDAZNで観戦しました。

 失点の少ない秋田相手に乾抜きで戦わないといけないという事で、相当厳しい試合になるとは思ってました。が、秋田サポには失礼ながら、負ける事は予想してませんでしたね。おまけに見事に相手の戦い方に嵌められての敗戦ですから、本当に失望しました。

<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 0ー1 ブラウブリッツ秋田

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230628

 SUB:大久保、北爪、井林、宮本、中山、白崎、北川

 前節からスタメンを9人入れ替えて来て、しかもメンツを見てシステムが思い浮かばず、「4-3-3?それとも中盤ひし形の4-4-2?」とかいろいろ考えましたが、始まってみたら3-4-2-1でした。考えられる意図としては、まず岸本はこの試合に間に合ったもののSBにけが人が相次いでいるので3バックにせざるを得なかった事とか、4-4-2の秋田に対してシステム上ミスマッチにして間でボールを受けやすくする事、秋田がロングボールを多用するのでセカンドボールを拾いやすくする事、そして前節の群馬戦の後半途中から3-5-2にして押し込む事が出来たという「成功体験」があったから、というあたりかなと思います。

 で、前半はボール非保持時はある程度狙い通りやれていたんじゃないかと思います。まずボールロストした時に早くボールホルダーに蹴らせないようにしてたし、トップにくさびを入れられても相手に自由にさせずボランチと3バックとで挟み込んでボールを奪う事が出来ていました。が、システム上サイドは数的不利になるのを狙われてWBの後ろを走られて危険なクロスを何度か入れられていたし、外に出してもロングスローが来るので、サイドの対応は若干気になっていました。

 もっと問題だったのはボール保持時ですね。相手の2トップによる前プレに対しこちらは3人と数的優位でビルドアップを始められますが、相手の4-4のブロックがコンパクトで、こちらのボランチは常にケアされているし、一番出したいであろう1トップ2シャドウに差し込むなんて出来ない。だから外を経由するしかないんですけどこちらのWBへのパスコースは相手のサイドハーフに見られているので、ボランチが落ちてそこを経由するか1人飛ばしてパスして何とかWBへ付けるという感じで、ボールをアタッキングサードに運ぶ事すら苦労している感じでした。で、何とかWBに付けてアタッキングサイドへボールを運ぶわけですが、ここでネックになったのはシステムを変えた事で、いつもならサイドは数的同数なんですがこの日サイドはWB1枚。相手が2枚いるのを1人で打開しなければならない状態。更にビルドアップをフォローするためにボランチだけでなくシャドウのディサロ、齊藤も落ちている時があるので、いざクロスを上げようと思っても中の人数がいないからそもそもクロスを上げられない。サンタナもボールを貰いにサイドへ開く時がありましたしね。で、一番の問題はシステムが変わっただけでなく選手も変わっている事。実戦でろくに一緒にプレーしていない同士でかつ今まで十分やっていないシステムで堅守の秋田から点をとるのは相当厳しいですよ。しかも自分達で模索しながらというのは。結局前半決定機と呼べたのは1度くらいで「これは選手交代してからが勝負かな」と思って見てました。

 後半、北川を入れて2トップにして膠着状態を打開しようとしたエスパですが、先制点は秋田に奪われてしまいます。ロングスローからの流れから齊藤恵太に決められたわけですが、最初見た時は完全なホナウドと高橋の凡ミスだと思ってました。が、よく見ると、ボールを出した沖野がすぐに藤山(?)がフリックしたボールのところに走り込んで、そのボールを受けに来た斎藤恵と重なるような感じになり、結果としてホナウドも高橋も沖野に釣られてしまってるんですよね。ホナウドは沖野を追って後ろに戻ったから勿論ですし、齊藤恵を見ていた高橋も。走り込んできた沖野にスピードで持ち出されてしまったら危険ですからね。その後ホナウド、高橋、齊藤恵の3人が重なって、こちらが処理を誤ってしまったわけで、2人の責任は免れる事は出来ませんが、秋田のここ一番での機転が効いたゴールとも言えるかなと感じました。

 この後エスパは北爪、中山、白崎の主力組を投入し、ボランチをホナウド1枚にして前への圧力を強め、特に右サイドの北爪、中山コンビによって秋田のブロックを混乱させ、秋田を自陣深くに押し込み攻撃し続けました。右の北爪のクロスからのコロリのボレーやサンタナの再三に渡るシュートなどいくつもの決定機を掴みましたが、最後まで秋田の堅守を崩す事が出来ずに敗れました。

 こう書くと「最後の精度にもっとこだわらなければ」と感じる方もいるかもしれませんが、「じゃ何故前半からこれが出来なかったの?」という疑問「も」生まれますよね。この試合に関してはやはり北爪と中山というよくコンビを組んでいてお互いの特長がわかっている選手が後半はいたけど前半はいなかったという点に尽きると思うんですよね。上手くいっている時の「成功体験」が主力選手でしか共有されておらず、それ以外の選手とで差があるから、いざ試合経験の少ない選手で組み合わせて戦っても思うようにいかず、時に引いた相手にはどん詰まりになる。そんな状態で9人入れ替えてターンオーバーなんてやってもそりゃ思うように結果は出ないですよ。

 ターンオーバーを否定するつもりはないです。というより、同じ11人で戦い続けるなんて無理です。特に今週のような中2日での三連戦で選手を変えずに戦ったら誰かが壊れます。ただ、やるのならどういう形でボールを運び崩すのかについてのゲームモデルを選手間で共有しなければ、誰が出ても同じ質での戦いをするのは困難です。ところが現監督の秋葉さんは「ビルドアップは興味ない。最後の精度にこだわる。」と言い切っておられる方で、アタッキングサードに入ってからの崩しに関してアバウトには指示はしてると思いますが、細かな部分については選手に任せている感じに見えるんですよね。だからある程度真っ向勝負に来てくれる相手とはやれるのですが、引かれる、あるいは主力以外の選手で戦う時にはボロが出るという感じになっているように感じるんですよね。だから、これまで絶賛もしてきたのを手のひら返しするようで恥ずかしいのですが、「このままの体制でいいのかな?」という気持ちが自分の中では生まれてしまっています。

 とはいえ、試合はすぐやって来ます。土曜はホーム・アイスタ日本平に長崎を迎えての一戦です。この後仙台、大分とのアウェイゲームを控えており、今のモヤモヤした状態で臨むのは非常に危険なので、このモヤモヤ感を吹き飛ばす勝利を期待したいです。勿論長崎は攻撃陣が強力な強敵ですので、簡単な試合にはならないでしょうけどね。

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コメント

長崎戦も含めて考えてこちらの記事にコメントさせていただきます。
ターンオーバーは理解出来ます。ただ代えすぎで、カップ戦なんかで下のカテゴリーに負けるのはだいたいこのパターンです。しかも練習はしているのだろうがオプションシステム。
とまぁ勝ち点を落とすフラグはたくさんあった訳ですよね。もちろん選手の個々の質は清水のほうが上でもさすがに一緒に練習していてもほぼ急造チームでは厳しいとは思いました。
3バックの狙いは少なからずあっただろうし、主様の書かれてる通りだと思います。
ただ3と4バックを使い分けるなら正直、試合中に可変システムでもいいから選手交代なしで出来るようになって欲しいのが素直な気持ちです。
秋葉監督は連戦のと言うかマネジメントはものすごい下手だと思います。戦術乾、カル、中山の代役がいないと言う部分がありますが、連戦でミッドウィークの試合ほとんど勝ててない気がします。
乾いないなら成岡?白崎一列前?
中山、カルの代わりに北爪?岸本?
と怪我人もいるし、選手層のバランスの悪さもありますが、柔軟な発想が秋葉監督には欲しい(今やっているのは博打打ちの攻め手だと)

投稿: はすき | 2023年7月 2日 (日) 21時40分

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