静岡三国決戦(5/13 藤枝戦)
先週土曜(5/13)にホーム・アイスタ日本平で藤枝戦がありました。リーグ戦では初の対戦となります。あいにくの雨となりましたが、1万4千人もの観客が訪れました。
今季静岡のJクラブのうち清水、藤枝、磐田の3クラブが同じカテゴリに戦う事になったのを受けて、この3クラブ間の対戦を「静岡三国決戦」と銘打って盛り上げる事となりました。その一環として先日のエコパでのダービーに続きこの試合でも藤枝のスタジアムDJの方を呼んで藤枝の選手紹介をしてもらいましたが、実は藤枝の各選手にもそれぞれキャッチフレーズがあってホームでの選手紹介ではそれを入れて紹介しているのに、この試合ではキャッチフレーズの部分は省かれていたとの事。せっかくの藤枝との初対戦を盛り上げたいのなら、キャッチフレーズ付でやってもらったら良かったのに、と思いました。
<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>
清水エスパルス 5ー0 藤枝MYFC
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、高橋、岸本、神谷、西澤、ディサロ、北川
前節と全く同じスタメン、リザーブで臨みました。恐らく秋葉体制になってから初めてだと思います。
よくある事なのですが、前半と後半で全く違う試合になりましたね。
前半、エスパボールでのキックオフのボールをいきなり引っかけて攻撃を仕掛けるなど藤枝がアグレッシブな入りをしましたが、3分に中盤でのボール奪取から乾がボールを持ちだし、乾からパスを受けた中山はペナの外で倒されますが、そのこぼれ球を拾ったサンタナがゴールを決めてあっという間にエスパが先制に成功します。それによって藤枝の出鼻をくじいたエスパは、前からの積極的なプレスで藤枝の攻撃力を抑えにかかります。藤枝は3バックのうちの1人は前に出て残った川島と鈴木翔太の2人とGKの北村の3人でビルドアップをスタートさせますが、それに対してエスパはサンタナと乾がボランチへのパスコースを消しながら2人のCBをけん制。サイドのWBはサイドハーフが見て、ボールがGKに下げられたらこの4人でGKなどボールホルダーに襲い掛かり、思うようなビルドアップをさせません。藤枝のボランチも宮本、ホナウドが見ていてボールが入れば襲い掛かる感じで、藤枝としてはウラ狙いしかできない感じとなりました。それでも藤枝が何とか自陣からボールを持ち出してエスパを押し込む時間帯もありましたが、エスパは落ち着いて対応して、ボールを奪ったら巧みにボールを繋いで相手守備陣を裏返させ、何度も決定機を作りました。4点目はまさにその形ですし(特に北川のターンは見事でした)、2点目のPKに繋がったプレーも中山から乾にワンタッチでボールを預けたところから始まってますからね。ボールキープ率こそ藤枝に上回られましたが、エスパとしてはしてやったりの前半だったと思います。
が、後半開始時に藤枝はボランチの新井を下げてFWのアンデルソンを投入。アンデルソンが1トップに入る事で前半1トップだった渡邊りょうが1列下がり、更にシャドウの位置にいた横山がボランチに入りました。これにより藤枝は、ボールキープ力に長けた横山が時には最終ラインまで下がってボールを受けて前の選手にボールを入れていくルートと、シャドウの位置に下がった渡邊りょうに直接クサビを入れるルートの2つのプレス回避ルートを作り、これによりアタッキングサードに侵入する回数が増えました。こうなると藤枝は人数をかけているし、システムもミスマッチで特にこちらのCBとSBの間を突かれやすくなり、必然的にファウルが多くなって危険な位置でのFK、CKが増えてしまいました。CKからの渡邊のフリックやこちらのCBとSBの間に入ったアンデルソンへの絶妙なパスからのアンデルソンのポスト直撃のシュートがあり、後半開始から59分まではいつ失点してもおかしくない雰囲気でした。
そこで秋葉監督は高橋を入れて3バックにし、システムを藤枝とほぼ同じ形にして試合を落ち着かせようとしました。確かにここから75分までは藤枝のシュートを2本に抑えているし、一方でカルリーニョスのダメ押しゴールもあったので一見上手くいったように見えるのですが、この時間帯のボールキープ率は31%しかないんですよね。原因としては北川と途中投入のディサロが前でボールを収められなかったのが1つと、あとホナウドも連戦に備えて下げたおかげで純粋なボランチが宮本1人になってしまい、その両脇を使われまくった事の2つかと思います。これに何とか対応すべく選手間で話し合って、途中ボールを持った時は4-4-2にして押し上げるようにするといった対応したのですが上手くいかずに更に攻勢を強められ、最後は5-4-1にしてバイタルエリアのスペースを埋める事で何とか無失点で終える事が出来ました。
という事で、藤枝とのリーグ戦での初めての対戦を5-0での大勝で終える事が出来たのは良かったのですが、後半の戦い方には物足りなさを感じる方が多いのではないかと思います。試合後秋葉監督は「連戦なので省エネで安全に試合を終わらせる事を考えた」と仰っていて、それはその通りだと思うのですが、それでも後半通してのボールキープ率は30%ちょっとでシュートも15本も打たれているので、それで省エネで済ませられたとは言い難いですね。そうなってしまった理由としてまず挙げられるのは、単純に藤枝が強かった事ですね。前半はウチにハメられましたが、プレスの回避ルートを作ってからの攻撃の多彩さは見事でした。リーグ2位の得点力は伊達じゃなかったです。あとはサンタナが10分頃にアクシデントで交代となり北川を予定より大幅に早く使わなければならなかった事も誤算だったんじゃないかと思います。後半途中から足が止まってましたし。またディサロの出来がいまひとつだったのも誤算だったと思うのですが、ディサロの使い方も考えてあげる必要があるかなとも思ってます。開幕からその器用さを買われてトップ下とか下がり目のポジションで主にプレーしてますが、彼は生粋のセンターFWだと思うので、足元に付けるのではなくウラ抜けを狙わせるようなフィードをしてあげた方がいいのかなという気がしてます。ここは本人のアピールのしどころでもあると思いますが。
などとややネガティブな事ばかり書きましたが、試合全体としては満足してます。何せ5-0で勝てたわけですから。それに反省点のない試合なんてあり得ず、どこかしら修正ポイントはあります。それに対する修正を勝って気分の良い状態でやれるのは良い事なので、悲観する必要は全くないと思います。僕も雨で濡れたにも関わらず機嫌良く帰れましたしね。もちろん今後に向けて改善すべきところがある事は心に留めておきますが。
これで8試合負け無しで、早くもプレーオフ圏内に入る事が出来ました。順調過ぎて怖いくらいですが、今週も連戦なので油断は全く出来ません。明日(5/17)はアウェイでの千葉戦で、難しい試合になる事は間違いないでしょう。浮かれる事なく全力で戦ってきて欲しいと思います。
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