雨中のゴールショー(5/7 いわき戦)
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、高橋、岸本、神谷、西澤、ディサロ、北川
基本的には前々節の栃木戦のスタメンに戻した形ですが、その栃木戦で負傷した白崎に代わって宮本を入れてきました。最終ラインは右SBを北爪に代えてきました。このあたりは競争をさせてますね。
いわきの試合は2017年の天皇杯でウチと当たった時の試合しか見ていません。ただ「日本のフィジカルスタンダードを変える」等の特長的なスローガンを掲げて着実に強化を行い、地域リーグ、JFL、J3をトントン拍子で駆け上がってきたチームであるというのは知っていました。今季に入ってからの戦いも、Football LABの数値を見る限りでは、ボール奪取の数字はリーグでトップクラスで、常にプレスを仕掛けて相手を出来るだけ自陣に入れないようにし、奪ったらボール保持というまどろっこしい事はせずボールを出来るだけ早く相手陣へ運ぶというカラーが良く出ています。ここ3試合は3連敗してしまっていますが、前々節はホームで長崎相手に優位に試合を進めたと聞いていたし、ウチは強度の高い守備を仕掛けてくるチームをどちらかというと苦手にしているイメージがあったので、かなり苦戦するのではないかと思っていました。
が、そんな心配は全くの杞憂でしたね。
勝因は、いわきの強みである走力と球際の強さの部分でエスパがいわきを凌駕した事だと思います。象徴的なのは1点目かと。井林から北爪にボールが渡って、それを受けた北爪は中山が走るコースにパスを出しました。それはいわきの左SBの河村に渡りそうだったのですが、中山は自慢のスピードを活かしてボールをかっさらい、そのまま右サイド深くに侵入しクロス。ニアに入ったサンタナは合わせる事が出来ませんでしたが、中に飛び込んだ乾が上手く合わせて先制したというものです。この時イーブンかどちらかというといわきにボールが渡りそうだったのをかっさらわれた事で「これまでの相手と違う」といわきの選手は思ったのではないでしょうか。2点目にしても権田から中山へのフィードは防がれ、そのボールをサンタナが拾ってキープしようとするのを一旦はつついてルーズな状態にしたのですが、すぐに乾に拾われかけます。何とか足を出してボールをルーズな状態にするのですが、そのボールの落ち際にアウトサイドで中山へのパスにされてしまうのですから、もうあっけにとられるしかないんじゃないですかね。その後もサイドからのクロスあり、中央を割るスルーパスあり、中盤からのウラ狙いのパスありと非常に攻め手が多彩で、僕達エスパサポからすると本当に見ていて楽しいというか魅力的なサッカーを見せてくれました。
この日このようなサッカーが出来た要因は、まぎれもなく秋葉監督の指導方針の賜物だろうと思います。就任当初から「サッカーの本質で負けるな」と選手達に口酸っぱく言い続け、その一方でプレーに迷いが出ないように戦術面を整理してくれて、それによって結果が出るようになり自信もついて今に至っているという事だろうと思います。インタビューなどを聞いていても秋葉監督の言葉はシンプルでわかりやすく、その上でハートをぐっと掴むような事を投げてくるので、選手達にしたらやりやすいでしょうね。
もちろん、この調子がいつまでも続くかはわかりません。対策を施されて苦戦を強いられる試合も出てくると思います。ただ秋葉監督がこれまで言ってきた「サッカーの本質で負けない」という原点を外さなければそう大崩れはしないのではないかと思います。選手達には「何かおかしいな」と感じたらこの日のサッカーを思い出すようにして欲しいですね。
ただ、秋葉監督も仰ってましたが、1失点してしまったのはもったいなかったですね。上を目指すなら与えてはいけない失点だったと思います。失点シーンを見返しましたが、全体が下がり過ぎた上に皆が人に引っ張られて最終ラインにほぼ8人いるような状態でした。あれじゃやられますよね。まあいわきも「せめて1点返そう!」と人数をかけてきていたのでそれにつられるのもわからなくはないのですが、やはり最終ラインの前の所謂バイタルエリアのところには誰か戻っておく必要があったんじゃないかと思います。一方でこの失点は権田のFKのボールをはね返され逆にこちらの最終ラインのウラへ出されて裏返されてしまうという難しい場面でした。それを考えると、そもそも権田が安易に前に蹴らずに最終ラインの誰かに預けてキープする形にした方が良かったのでは、という気もしてます。
個人に目を向けると、ハットトリックを決めた中山、サンタナはお見事でしたね。中山は先制点のアシストをしているし、サンタナも前半ポストに弾かれている惜しいシュートもありましたから。ただこの2人以上に圧巻だったのが乾ですね。1得点3アシスト以外でも、5点目は乾から北爪へのスルーパスからですし、その前の3点目ではスペースに出ようとしたカルリーニョスに絶妙なタイミングでパスを出しています。つまり出場時間中の得点全てに絡んでいるんですよね。顔を出すタイミングも絶妙だし、今のサッカーの軸は乾が担っているといえるでしょう。それだけに万が一彼が欠ける事になったらという不安はなくはないですが、そこは神谷も出来ると思いますし、成岡、齊藤といった若手の台頭にも期待したいです。
チームは今週末からの5連戦に向けたトレーニングを今日(5/9)から再開しています。その5連戦の初戦がリーグ戦で初めて実現した藤枝とのダービーです。これに勝てば更に勢いに乗れると思うので、試合に向けて最善の準備をして欲しいです。
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