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2023年4月30日 (日)

3連勝(4/29 栃木戦)

 昨日(4/29)からゴールデンウィークが始まりました。エスパルスはホーム・アイスタ日本平に栃木を迎えての試合でした。

 結果は2-0で、リーグ戦3連勝。ちゃんと調べていませんが、たぶん2018年以来になると思います。まあ今季のエスパの目標はJ1復帰ですからこれで喜んではいられないのですが、ここ数年ずっと負けが込んでいた事を考えると、3週連続で心穏やかに週末を過ごせるのはいいですよね。

<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 2ー0 栃木SC

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230429

 SUB:大久保、井林、宮本、神谷、オ セフン、ディサロ、北川

 累積警告で出場停止の岸本に代わって北爪が入り、CBには高橋が入りました。おそらく相手1トップの根本を考慮しての起用だと思います。

 Youtubeのサッカーキングで北條さんが栃木の事を「いわき、秋田と並んで守備時の強度が高い」と評価されていたのを聞いて少し身構えていたのですが、その評価にたがわぬ強度を見せてましたね。それだけでなく守備は粘り強いし攻撃も果敢に人数かけてくるし、敵としたらやりにくいけど良いチームだなと感じました。

 その栃木のシステムは3-4-2-1。4-2-3-1(ボール非保持時は4-4-2)のエスパとはシステム上ミスマッチとなり、そのギャップをどう突くかが両チームにとっての攻略ポイントとなります。で、エスパが目を付けたのが両WBのウラ。そこを右は北爪と中山との連携、左はカルリーニョスの馬力を使って突いていく事で栃木を押し込んでいきました。ただ前半のエスパはこの2つだけでなく多彩な攻め手を使って栃木守備陣を脅かしました。早めに真ん中のサンタナに当てて相手を真ん中に寄せてからのサイドへの展開とか、真ん中に差し込んでの中央突破とか(宮本から乾へのスルーパスが2本ありましたね)、最終ラインからウラへのロングフィードとか様々な攻め手を繰り出してきて、見ていて面白かったです。その攻め手を出すまでの繋ぎも少ないタッチで行われるので、守備時の強度が自慢の栃木としてもボールの取りどころを定められない感じでした。それでも栃木は5-4のブロックを崩さず最後の所はやらせないようにしてきたのでボールを持っている割には決定機は少なかったのですが、39分、ホナウドがボールを右に持ち出してサイドに張っていた中山に浮き球のパス。左CBの大森が中山に食いついてきましたが、中山は何とかボールをコントロールして大森のウラへ飛び出したホナウドへパス。ホナウドはカバーに入った平松を股抜きでかわしてファーサイドへ走り込んだ乾へ絶妙のパス。これを絶妙なトラップで受けた乾がゴールへ叩き込んで、エスパが先制します。狙っていたサイドのウラを攻略した見事なゴールでした。エスパは更に44分、後ろでボールを繋いでいたところでノリさんが右サイドから相手最終ラインのウラへ走り込んだ北爪へ絶妙のパス。GKと1対1になった北爪がGKより先にボールをゴールへ流し込み、2点目。この場面、栃木はこちらの最終ラインとボランチにプレスをかけてきて、それによりボールをこちらのペナ近くまで押し下げてるんですよね。栃木にしたら「しめた」と思ったはず。一方でサンタナは最前線にいるし、更に中山がボールを受けに落ちてきているからこれ以上押し上げるのは難しいという事で、栃木はほぼ全員がボールウォッチャーになったと思うんですよね。このゴールはそうした状況を見ての北爪のランニングとその動きを見逃さなかったノリさんの2人は勿論賞賛されるべきなのですが、地味にサンタナと中山のポジション取りも効いてるんですよね。こうした見事な攻めを随所に見せたエスパが2点リードで前半を折り返しました。

 後半も前半と同様の攻めを繰り出して追加点を奪いたかったエスパでしたが、今度は栃木がこちらとのシステムのミスマッチを執拗に突く事で流れを引き寄せました。狙われたのはこちらのSBとCBとの間もしくはSBのウラで、そこに1トップの根本が走り込んでボールを引き出し、そこに味方がフォローする事でエスパのブロックを押し下げる事に成功しました。更にこちらの左SBの吉田が他の選手より低いため、ここも狙われた感じでした。エスパも最終ラインや時にはカルリーニョスも後ろに下がって対応したので決定機までは作られませんでしたが、ボールを奪って攻めに出てもロストしたらすぐに早めにこちらの両SBのウラへボールを出されるので、前半のようには分厚い攻めが出来なくなりました。

 が、そこでエスパが60分頃からボール保持時の戦いを微妙に変えたのは良かったと思います。ボールを持ったら少ないタッチでボールを回す事で、ボールを握る時間を増やし相手にボールを渡しませんでした。これは一見すると消極的な策のように感じる人も多いでしょう。嫌いな人が多いバックパスも増えましたしね。ただ僕は合理的な戦い方だと思います。何せこちらが2点リードしているわけで、無理に攻める必要はありません。何よりボールを相手を渡さなければ少なくとも失点する事はないですからね。こういう戦い方も試合をコントロールする策の1つです。もちろん追加点を狙っていなかったわけではなく、スキあらば点を取りにいったと思いますが、そこは栃木の5-4のブロックが堅かったですからね。まあ強いて課題をあげるなら、ああやってボールを握り続けながらどこかで確実に追加点を奪えるようになる事でしょうね。試合の方は栃木が選手交代によって攻撃を更に活性化させましたが、エスパは井林を入れてシステムを栃木と同じ3バックにして捕まえる相手を明確にする事で守備を強化し、2-0でエスパルスが勝利をおさめました。

 前半のエスパの攻撃が非常にバリエーション豊かで、それにより2得点をあげた分、後半追加点をとれなかった事で若干の消化不良を持つ方も少なからずいると思います。試合終了直後の僕もそうでした。が、改めて考えると上手い戦い方をしたなと思います。また「超アグレッシブ、超攻撃的サッカー」を標ぼうする秋葉監督がこのような現実的な策をとってきた事も嬉しい驚きでした。個人に目を向けても、岸本に代わって出場した北爪の働きは見事だったし、試合早々の白崎のアクシデントによって急遽出場する事になった宮本も繋ぎの場面で度々効果的に顔を出してボールを捌くとともに守備でもバイタルエリアをしっかり埋めて3試合連続のクリーンシートに貢献してくれました。この2人の働きぶりをとっても、チームは良い感じで回っていると感じます。

 だからこそ白崎が試合早々に交代したのは心配ですね。竹内、成岡に加えて白崎も怪我となると、ホナウド、宮本の2人でボランチを回さなくてはなりません。これはしんどいですね。幸いヘナトが戻っていますが、まだフル出場できるまでは回復してないでしょうし、外国人枠の問題もあります。高木がボランチの経験もあるようですが、今は白崎の怪我が軽い事を祈るのみです。

 ゴールデンウィークなので、今週も水曜にアウェイでの徳島戦があります。前節の磐田戦でリーグ戦初勝利をあげた事で一息つき、次はホームでの初勝利を、と意気込んでいるでしょう。また磐田戦での先制点の形はウチ相手にもやってくると思います。ウチもセットプレーはゾーンで守るので。ただ、前述のボランチへの負担が大きくなるかもという懸念を除けば、徳島に対抗し得る勢いをウチも持っています。2日間しかありませんが、最善の準備をして徳島に乗り込んで欲しいですね。

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