9連戦終了(4/22 大宮戦)
週末の土曜はアウェイでの大宮戦でした。NACK5スタに行ったのは、「裏天王山」としての対決だった2017年以来となります。
個人的にアウェイでの大宮戦にはいい思い出がありません。猛烈な雷雨で試合開始が1時間半延びた2008年とか残暑の厳しい時期に当たってボロ負けした2010年とか。NACK5ではなく熊谷での試合ですが、前半2点先行しながら後半立て続けに3点とられて負けた試合もありました。だから良いイメージがなかったのですが、唯一生観戦して勝った2011年はメインスタンドで観戦したので、「じゃあ縁起を担いでメインでの観戦にしよう」と思ってチケットをとって見にいったら、久々に勝ち試合を観る事が出来ました。おかげで少し苦手意識が消えましたね。
<明治安田生命J2リーグ 於 NACK5スタジアム大宮>
清水エスパルス 3ー0 大宮アルディージャ
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、高橋、北爪、神谷、ディサロ、オ セフン、北川
ルヴァン杯川崎戦からリーグ戦仕様にガラッと変更(そのためのローテーションですが)。ただ山口戦で2得点をあげた井林を続けてスタメンに起用。その一方で得点、アシストで結果を残した神谷、北川に代えてカルリーニョス、サンタナを入れて競争心を煽るところは秋葉監督の上手いところですかね。
両チームとも非常にコンパクトな陣形で、その中で最初はウラ狙いのパスをお互い多用しましたが、その形からエスパが先に中山の初シュートに結びつけたあたりから次第にペースを掴み、大宮を押し込んでいきました。
エスパのビルドアップは、以前はホナウドや白崎が落ちてCB2人との3人でスタートする事が多かったですが、山口戦あたりからCB2人でスタートするのを基本とし、状況に応じて吉田が落ちて3人がやるようになっていると思います。で、この試合の狙い所は両サイドだったかと。大宮の4-4のブロックはタテだけでなく横もコンパクトにして真ん中を締めてきますが、その分サイドが空く傾向にあると見たのでしょう。エスパは、右は中山が内側のレーンにポジションをとって大外のレーンを空け、そこを岸本が自由に使う形、左は逆にカルリーニョスが大外に入ってポイントを作り、それを吉田が斜め後ろからサポートする形で、両サイドからどんどん仕掛けていきます。そうなるとどうしても大宮はサイドをケアせざるを得ませんが、それにより空いたニアゾーンに主に乾(中山や吉田の時もありました)が入り込んで更に大宮の守備陣形を混乱させます。その分押し込んでからの真ん中へのくさびは少なかったと思いますが、押し込んだ相手を崩す時に幅を使って攻めるのはセオリーですからね。ボールを失ってもこちらも陣形がコンパクトさを保っている上にネガティブトランジションへの意識も高いのですぐボールを奪い返し、エスパが押し込む時間が続きましたが、何度かあった決定機をモノにする事が出来ません。「このまま先制できないのはまずい」と思った矢先の20分に、乾からのサイドチェンジのパスを受けた岸本がファーサイドへアーリークロス。これを乾がヘッドで押し込むという昨季のホーム鳥栖戦での同点ゴールを思わせるような形でエスパが先制しました。
その後10分ほどはエスパが引き続きペースを保ち続けましたが、35分頃からは大宮にペースを持っていかれるようになってしまいました。原因は何かと思って2度ほど見直したのですが、エスパの選手達の運動量、特に前への推進力が落ちた感じで、それで大宮の選手が前に出られるようになったように見えました。特に右サイドのところで人数かけて詰められてボールを奪われる場面が何回かあり、またホナウドがボールを持った時に出し先が無くて逆にボールを奪われる場面が2度ほどありました(昨日公開されたTHE REALのハーフタイムでの件はこれが原因かと)。ペナ内でのシュートはなかったもののエリア外からフリーでシュートを撃たれる場面が2度ありました。結局1-0で折り返す事が出来たものの雰囲気はあまり良くなかったと思います。
が、ハーフタイムで気持ちを切り替えた選手達は再び前へ出ていくようになり、大宮が前からプレスをかけてくるのを上手くいなしてその後ろのスペースを使ってボールを前に運んで次第にペースを握り返します。そして56分、岸本のクロスに合わせたサンタナのヘッドはクロスバーに阻まれましたが、こぼれ球をカルリーニョスが押し込んで2点目。その後は攻撃的な選手を入れてきた大宮に押し込まれはするものの、ボールを奪ったら途中投入の神谷、北川、ディサロ、オ セフンに預けてカウンターを仕掛ける事で大宮に圧力をかけ続け、87分、自陣でのセットプレーのこぼれ球を奪ってのカウンターから最後は神谷が決めてダメ押し点(大宮のボールホルダーだった岡庭からプレスバックして奪ったのが北川で、更にその前も大宮DFを追い回しているので、北川にも0.5点くらいあげたいですね)。結局3-0でエスパルスが連勝を飾りました。
これで3/26のルヴァン杯浦和戦から始まった9連戦が終わりました。群馬戦、甲府戦の頃はどうなる事かと思いましたが、甲府戦後の劇薬投入を境にムードが変わり、良い流れで9連戦を終える事が出来たかなと思います。とはいえ連戦続きで時間がなかったので、秋葉監督に与えられた時間はあまりなかったと思いますが、「とにかく超攻撃的。超アフレッシブに」というマインド注入と攻守の微修正により随分と良い感じになりましたね。といっても守備時の強度はかなり上がったし、トランジションの部分は本当に早くなったと思います。岡山戦とか大分戦の時は出来ていたのがダービーあたりからボヤけてきたのを再び徹底させた形ですが、そこは今後も追及していって欲しいです。一番変わったと思っている最終ラインの高さについても、「超アグレッシブ」にプレスをかけ続けたいのであれば不可欠だと思うので、ここも維持して欲しいですね。
という事で、チームが良い形で回り始めているのは確かですが、まだリーグ戦4試合に勝っただけです。秋葉監督は選手に「強者のメンタリティ」を求めているようですが、大宮戦を観る限り不足している部分は多いと思います。大宮戦で気になった点を言うと、カードの多さです。ある程度は仕方ないと思うのですが、後半の岸本が貰ったのはムダだったかなと。別に岸本一人を責めるつもりはないです。あの場面はホナウドが倒れてしまったのに無理にボールを前に運ぼうとして、そこでボールを奪われてカウンターを仕掛けられそうになって岸本が止めた形になったんですよね。この時点で2-0とリードしていたので無理に攻める必要はなかったので、主審にアピールするかボールを外に出すかして試合を止めるべきだったと思います。とにかく「超アグレッシブに」という姿勢は大事ですが、「強者」となるにあたって「したたかさ」を持つ事も大事です。同じ意味では前半入りで飛ばし過ぎて途中で足が止まった点に関しても、前へ早くボールを運ぶところとボールを落ち着かせてゆっくり攻めるところのメリハリをつけられるようになれば、足が止まる事も少なくなるんじゃないかなと思います。あとは今はそのメリハリをつけるのを乾に頼っている感がありますが、そこを11人で共有できるようになるのが理想ですね。今すぐは無理でしょうけど。
とはいえ、繰り返しになりますが、チームが良い形で回り始めているのは確かです。そういう良い時ほどチームの微修正はやりやすいものですし、秋葉監督になってから初めてまとまった練習時間を今日から持てていますので、その練習を経てのGW初日のホーム・アイスタ日本平での栃木戦で、エスパルスがどのような戦いを見せてくれるのかが今から楽しみです。
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