1点が遠い(3/12 大分戦)
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、北爪、井林、松岡、中山、乾、チアゴ サンタナ
3日前のルヴァン杯で結果を出したメンバーを使うのか、それともリーグ戦の前節出場組を重視するのかを密かに注目していたのですが、前者でしたね。オ セフンはメンバーに入らなかったものの、得点に絡んだ西澤、神谷、岸本をスタメンに起用。またトップには長崎戦で同点ゴールを決めたディサロを入れてきました。こうやって結果を残した選手を使っていく姿勢は良い事だと思います。そしてボランチの一角には怪我で出遅れていたもののルヴァン杯で復帰した白崎が帰ってきました。
ボール保持時と非保持時で分けた上で、ボール非保持時の方から話をします。大分が3-4-2-1でエスパが2トップという事で、守備の形としてはルヴァン杯の川崎戦と同じで、2トップは前からけん制をかけつつボランチへのパスコースを消し、サイドにボールが出たところでチェックにいき、後ろに戻したら更にプレスをかけていく感じで、中盤でのボール奪取を狙いながらボールを自陣に通されたとしても真ん中では自由にやらせないようにしていて、それが上手くいっていたと思います。この日トップに入ったディサロが長崎戦同様によく相手を追ってくれたし、ボランチのホナウド、白崎も効いていました。そして最終ラインは高橋がこの日も効いてましたね。空中戦では殆ど負けてなかったと思います。またこちらがボールロストした時の切り替えもこれまで通り早くて、ホナウドを中心にすぐさまボールホルダーにチェックをかけて奪い取る事が出来ていました。そうやって前線、中盤、最終ラインのどこかできっちりボールを絡め取ってくれるので、安心して見ていられました。カテゴリが違うとはいえ4試合中クリーンシートが3試合というのは昨季の事を思うと凄い事ですし、更にここまで3連勝中の大分相手に枠内シュートを撃たせなかった事も評価して良いと思います。ただミスとかエラーによる失点はあり得るわけで、この試合の最大のピンチもエスパボールのCKのこぼれ球を繋ごうとして引っかけられたところから始まっています。こういうミスはなるべくしないようにする必要がありますね。
という事で、焦点はどうしてもボール保持時、つまり攻撃時になります。
大分が1トップと2シャドウによるハイプレスを行ってくるチームという事で、それをどの程度外せるかというのが注目ポイントの1つでした。実際大分のプレス強度は高く、それによって繋ぎをミスしてボールロストする場面も結構ありました。特に65~75分くらいは数本連続してミスしてしまっていてイヤな雰囲気になりかけました。ただ全体で見ると思っていたよりもプレスを剥がせていたと思います。ここでボールの逃がし役になってくれていたのがディサロで、山原にボールが入ったところでハーフスペースのレーンに下りてきてボールを引き取って展開するという場面が結構ありました。また白崎も時にはCBの横まで下りてボールを引き取って前に持ち出したり前の選手にパスを出したりして、上手くプレスからボールを逃がしてくれていました。こうやってボールを相手陣へ運んでいくやり方は昨季もやっていた形で、ここは昨季からの積み重ねが生きているかなと感じます。
問題はやはりボールを相手陣へ運んでから、なんですよね。この日の大分はリトリート時は5-4のブロックを組んでくるのですが、それを崩すのに苦労してましたね。練習でもこの課題に取り組んでいるのかなと思わせた部分はありました。ポケットに侵入する回数が前節よりも増えたと思います。10分くらいに山原のクロスに西澤が合わせた場面とか88分くらいに山原のクロスに飛び出した白崎がフリックして岸本に繋げた場面とか。他にもポケットに入る動きは思っていたより見られたのですが、まだまだサイドで張ったところからのクロスが多いかなと感じます。それだと上背のあるCBが3人いる大分相手だと厳しいですよね。まああれだけ引かれてしまうと崩すのは簡単ではないですし、この部分が課題である事はチームとして認識しているみたいなので、練習を通して認識合わせをしていって欲しいと思います。
一方で引いた相手を崩さないと得点出来ないというわけではないので、セットプレーとかカウンターで仕留める事が出来ればそちらの方が効率的なんですよね。今季のエスパは昨季よりも前の方でボールを奪う事を狙っているしボールロストした後の切り替えも重視しているので、その分カウンターのチャンスは増えるはずなんですよね。実際、42分くらいに中盤で奪ったボールを西澤がウラへ出してそれに反応した北川が相手GKと1対1になりかけた場面がありましたし、後半も60分くらいまでに2度相手と2対2になりかける場面があって、72分頃にはサンタナと北川で抜け出して最後に北川がラストパスを受ける場面がありました。が、いずれも決められなかったんですよね。前半の北川の場面は相手GKの飛び出しが早かったので仕方ないかなと思いますが、後半の60分くらいまでの2つの場面はいずれもラストパスが雑だし、72分頃の場面はちょっと北川が丁寧にいき過ぎた感じで、その分大分に戻る時間を与えてしまいました。こうやって見ていると、やはり「得点をとらなきゃ」と焦ってるのかなと感じます。まあ無理もないですけどね。特に北川は開幕戦の水戸戦の開始直後の決定機を外してますから。こういうのは自分で克服するしかないですね。他の選手達もコンスタントに得点出来るようになれば焦りもなくなってくると思うので、これについても日頃の練習で個々人が精度を上げていくしかないかな、と思います。
いずれにしろ引かれた相手を正面から崩しにかかるだけでなく、相手が引く前にカウンターで仕留めるという手があるし、その形も作れていないわけではないので、その精度を如何に上げていくかをやっていけばいいと思います。他にも74分に乾と北爪が入ってからは、相手のスタミナの問題もあるでしょうが、ほぼ一方的にエスパが相手を押し込んで迫力のある攻撃をする事が出来ましたし、その中で乾がトップ下の位置でボールをさばいて良い潤滑油になってくれた事や、右サイドハーフに入った岸本がまたも決定機に絡んだ事などの収穫もありました。未だ勝ててはいませんが少しずつチームが良くなってきていると思うので、ブレずに今の戦い方を磨いていって欲しいです。
ただ、次節はエコパでのダービーです。この試合は結果が求められます。またダービーでリーグ戦初勝利をあげる事が出来ればチームとしても波に乗る事が出来ると思うので、週末に向けて最善の準備をして欲しいと思います。
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