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2023年3月 7日 (火)

相手の勝ち点2を奪った試合(3/4 長崎戦)

 先週末はアウェイでの長崎戦でした。ここは行きたいと思っていたので、スケジュール発表とともに航空券等を準備して、今季初の長距離遠征に行って来ました。

 試合の方はドロー。試合終了間際に追い付いて、長崎がほぼ手中にしかけていた勝ち点3のうち2点を奪い取った以外はなかなか収穫の見出せない試合でした。まあその後も長崎観光を楽しみましたけどね(汗。

<明治安田生命J2リーグ 於 トランスコスモススタジアム長崎>

 清水エスパルス 1ー1 V・ファーレン長崎

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230304

 SUB:大久保、岸本、井林、白崎、神谷、西澤、乾

 第2節の長崎と藤枝の試合を観ましたが、長崎は5-3-2のシステムで低めのライン設定をし、奪ったボールをシンプルに前に送るかサイドへ展開してボールを前に進めるやり方をしていました。また2トップのフアンマとエジガル ジュニオはそれほど前プレをかけてこない感じだったので、低めにブロックを敷いた相手をどう崩すかという難題はあるものの、プレスに来ないのはこちらとしては有難いと思っていました。ところがこの日はエジガル ジュニオがスタメンから外れ、代わりに本職がSBの高橋を起用。ライン設定は前節同様高くはないものの4-4-2のブロックをしっかり敷いて、その上でフアンマと澤田、更には宮城も前プレをかけるなど、やり方を少し変化させてきました。やはり「これ以上勝ち点を落とせない」という思いは当然ながら長崎も同じだったのでしょう。ディサロの同点ゴールの際に何人かの長崎の選手がピッチに膝をついていたところにこの試合にかける長崎の選手達の気持ちが表れていたように感じました。

 一方のエスパの方も、これまでビルドアップをスタートする時はCB2人でやるか右SBの吉田が下がって3人でやるかのどちらかでした。それがこの日の前半は山原の方が下がってビルドアップに加わる形が多かったです。試合後のゼ リカルド監督のコメントによるとカルリーニョスを左に開かせて、それで空くであろうポケットをディサロに突かせる狙いだったようです。恐らく対藤枝戦の1失点目が長崎の右のポケットの所に横山に入り込まれてのものなので、ここが弱点と見たのでしょう。ただ長崎もそこを修正ポイントと捉えていたようで、前述の通り高橋を右SBに入れて前節右SBだった米田を一列前に上げて守備を強化してきました。その影響もあってエスパは左サイドで狙い通りの形を作れず、ならば右サイドはと言えばSBの吉田はそれほど攻撃が得意というわけではないし北川も本来サイドの選手ではないという事で、連携しての崩しの形が見えませんでした。そうなると真ん中しかないわけですが、試合後見直すと試合中の印象よりもCBから真ん中にボールが入る場面が多かったんですよね。そこから前を向けばチャンスという場面が何回かあったのですが、何故か下げてしまったり、前を向けても慌て気味になって次のパスが雑になってしまう感じでした。このあたりは前4人がいずれもどちらかというと仕留めるのを得意とする選手ばかりなのが影響していたかもしれませんね。そんな感じで前半のエスパはボールを持てた割には決定機はゼロ、逆にわずかな被決定機で長崎に狙い通りの形から先制されてしまうという最悪の展開で前半を終えました。

 後半、エスパは開始から岸本を右SB、白崎をボランチに起用。この2人によって多少は攻撃が活性化されました。ボールを散らすだけでなく真ん中へ差し込んだり前の選手と連携が出来る白崎の存在によって長崎を前半より更に自陣低い位置へ押し込む事が出来たし、単騎での突破が出来てかつ両足で危険なクロスを入れられる岸本も右サイドを一気に活性化させました。ゴールシーン以外の3度の決定機にはいずれも岸本が絡んでましたからね。ただ長崎の4-4のブロックをサイドからのクロスだけで崩すのは難しく、このまま試合終了かと思われた90+4分にCKのセカンドボールからディサロが値千金のゴラッソを決めて、何とかドローに持ち込む事が出来ました。

 まあどう見ても収穫より課題の方が目に付く試合でしたね。特にボール保持時、アタッキングサードでの崩しに関しては煮詰まったままの状態に見えます。一応5つのレーンに人を配置する事は出来ているように思うのですが、そこからどうやって連携しながらボールを動かすのかが見えてこなかったです。特に前半は真ん中からサイドに振る場面はありましたが、どちらかのサイドに寄せて逆サイドに振るという場面は殆どなかったと思います。それだと相手としては楽ですよね。たまに真ん中に入ってもブロックを広げる事が出来てないから、そこから崩すのは厳しいです。

 そうした閉塞感が多少なりとも薄れたのは、繰り返しになりますが白崎と岸本の働きが大きいですね。更に81分にサンタナ、北川に代わって乾と神谷が入ってから攻撃が更に活性化されました。2人ともボールを出したら必ず次へ動いていたし、特にそれまで少なかったポケットを突こうとする動きを繰り返していたのも効果があったのではないかと思います。トップに回ったディサロの動きも更に精力的な動きを見せるようになり、同点ゴールの2つ前のプレーでポケットに入り込んでCKを得ています。ああいうウラへの動き出しを見ているとやはり彼はトップの選手なんだなと感じますが、普段サンタナがいるからといって遠慮するのはもったいないと思うので、時にはウラを狙う動きもどんどん見せて欲しいですね。

 ようやく今季初得点はしたものの攻撃の部分の閉塞感はなかなか解消出来ていません。ゼ リカルド監督が特にアタッキングサードのところでは型にはめるようなチーム作りはしない感じである分余計にチームを成熟させる難易度が高くなっている感じなのですが、白崎、乾がようやく怪我から復帰して神谷も2試合連続途中出場と攻撃にアクセントを付けられる選手が戻ってきたのは明るい材料です。この試合の、特に81分以降の攻め方のイメージを選手間で共有して、少しずつでもボール保持時の精度を上げていって欲しいです。一方でボール非保持時においては、失点時にカイオ セザールにサンタナ、ホナウドの2人で囲む状態になったのにボールを繋がれてしまったところが大きな反省点だと思います。ああやってプレスを剥がされた時の対応については整理する必要がありますね。

 リーグ開幕後3試合いずれもドローというのはちょっと想定外でしたね。このチーム状態で別の大会であるルヴァン杯が始まり、いきなりJ1屈指の強豪の川崎と当たらなければならないというのは非常にしんどいなと思います。一方で昨季に比べ安定したと言われる守備が本物かを図るのにこれ以上の相手はいないので、リーグ戦の事はひとまず置いておいて全力でぶつかって行って欲しいと思います。

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