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2023年2月21日 (火)

試行錯誤(2/18 水戸戦)

 先週金曜(2/17)、2023年のJリーグが開幕しました。エスパルスは2/18にホーム・アイスタ日本平に水戸を迎えての試合でした。今季のチームに期待してか、或いはタフなJ2を戦うチームを激励するためか、1万4千人もの方が訪れました。天気も良かったし、3年前のFC東京戦以来久々の声出し応援も解禁されたし、試合前の雰囲気は最高でした。

 が、結果はスコアレスドロー。スタジアムは何とも言えない雰囲気に包まれました。観戦に来ていた人の誰もがJ2の難しさを感じたのではないでしょうか。

<明治安田生命J2リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 0ー0 水戸ホーリーホック

20230218_135848_small

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230218

 SUB:大久保、中山、宮本、岸本、西澤、ディサロ 燦シルヴァーノ、ベンジャミン コロリ

 エスパが鹿児島キャンプから3バックにトライしている事は知っていましたので、どういう布陣で来るのかなと思っていたのですが、3バックを採用してきました。それを知って「それだけ仕上がりに自信があるのかな」と思って観てたのですが、まだまだ習熟度は低かったですね。ゼ リカルド監督が3バックにした理由として「プレスがハマりやすいと思ったから」と仰ってますが、水戸はCBの2人とボランチの2人がボックスの形の布陣でビルドアップしてきたのに対し、エスパは前がサンタナだけだから数的不利だし、ボランチの2人にもカルリーニョス、北川の2人は両サイドのケアに入ってしまうしホナウド、松岡がチェックにいくわけでもないから、結局水戸に好きにボールを回させている状態。おまけに水戸の両サイドも真ん中に寄ってボールを引き出してくるのに、それに対するケアも思うように出来ない状態で、全然前から嵌める事が出来ず好き放題にやらせている感じでした。まあ後ろは5バックなので落ち着いて対応出来ていましたが、それでも水戸に3度の決定機を許してしまいました。一方でボール保持時も、まだこのシステムでのボールの動かし方が仕込まれてない感じで、それでも選手個々の技術の高さからボールを前に運ぶ事が出来てましたが、相手にリトリートされた時の崩し方はまだまだ未熟で、右にサイドチェンジしてフリーで受けた選手からのクロスを真ん中で合わせた2度のシーンが仕込んできてる形かな、というくらい。エスパの前半の3度の決定機はいずれもカウンターからで、こちらもまだまだこれからという印象でした。

 試合後のインタビューで権田が「付け焼き刃」と言ってましたが、このシステムに関しての現状はそういう事なのでしょう。おまけにスタメンが有力視されていた白崎がベンチにも入っていませんでしたし、右サイドに入った吉田が「トレーニングマッチで20分ほどやっただけ」とコメントしていましたが、これを聞くともしかしたら右には本当は北爪が最有力だったんじゃないかと推測できるし、その2人に何らかのアクシデントがあって、それも権田が「付け焼き刃」と言った理由の1つかもしれません。それを考えると今回3バックでの戦いが機能しなかった事を以て3バックを封印するのはもったいないとは思います。リードを逃げ切る時なんかは有効ですから。ただ「前からハメる」目的で3バックを使いたいのなら、もっと両WBを上げて前プレに参加させ後ろは3人だけで守る形じゃないと上手くいかないように思ってます。昨季の広島のように。それについては今後も注視したいと思います。

 一方後半は、井林に代えて中山を右サイドハーフに入れた4-4-2の形に修正しました。これにより水戸とシステムがハマる事になり、守備時のマークが明確になってその分選手個々の質で殴れるようになって、エスパが優位に試合を運べるようになりました。特に効いたのは中山のスピードスターぶりで、彼が右でどんどん仕掛けてくれたおかげで相手最終ラインを押し下げる事が出来、それを4-4-2のブロック全体が押し上げてフォローする事で、水戸を自陣に押し込む事が出来ました。一方守備に関しても2度ほど決定機を作られましたが、ホナウド、松岡と最終ラインとで落ち着いて対応する事で、前半のようにボールを握られて押し込まれる事は少なくなったと思います。とはいえビルドアップ時のボールの運び方はまだまだ落とし込みきれてない感じがしますし、押し込まれた時の守り方も改善が必要ですが、少なくとも4バックのチームと戦う時はこちらも4バックで戦った方が慣れ親しんでいる分良いのではないかと思います。

 という事で、システムの話を中心に問題点をあげていきましたが、それでも決定的なチャンスを多く作っているんですよね。どれかを決めていれば勝てたと思うので、それを考えると本当にもったいなかったですね。北川は決定機逸が2本あったし、サンタナも前半に1本、後半に1本ありました。特に試合開始直後の場面は北川に決めて欲しかったし、後半の山原のスルーパスを受けてのサンタナのシュートも相手GKにブチ当てちゃう感じでしたし。この日は2人にとっては「not his day」って感じでしたね。まあサンタナはまだコンディションは100%ではない感じがしましたけどこれから上げてくるでしょうし、北川も決定機に至ったウラへの動き自体は良かったので、次は決めてくれる事を期待します。

 大事な開幕戦がスコアレスドロー止まりに終わったのは残念です。ただ今季加入した高橋、吉田が大事な戦力となっていたのは収穫といえます。高橋は最終ラインの壁として頑張ってくれていたし、吉田の右サイドでの守備も効いていました。また相手の水戸が好チームだった事も忘れてはいけません。昨季の主力が殆ど残った事でチームの完成度は高かったし、要所、特にこちらがシュートを撃ってくる時に誰かが必ず身体を投げ出して止めてくる姿勢には感銘を受けました。ああいうファイティングスピリッツは見習わないといけないと思いましたし、選手達が水戸の戦いぶりから何かを学んでくれればこの日のドローもムダではないでしょう。

 次はアウェーでの岡山戦。開幕戦で磐田を撃破したチームといきなり当たる事になります。こちらはまだまだ試行錯誤状態なのでこんなに早く当たりたくなかったというのが本音ですが、「戻るべき場所へ戻る」という強い決意を持つ我々が怯んでいるわけにはいきません。全力で勝ちにいって欲しいと思います。

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