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2023年3月 1日 (水)

どちらの数字を重視する?(2/26 岡山戦)

 一昨日(2/26)はアウェイでの岡山戦でした。日曜昼間開催のためか前日の土曜から岡山入りして岡山・倉敷を楽しそうに観光するエスパサポのツイートが #清水サポ岡山遠征 のタグと共にタイムラインに溢れていました。現地観戦の皆様お疲れ様でした。

 試合は前節に続いてスコアレスドロー。試合後アウェイサポ席に挨拶に行った選手達にブーイングがあったようですが、これはさすがに違うんじゃないの?と感じました。まだ2試合目だし、相手は昨季3位の岡山で、しかもアウェーゲームだったのですから、思うような結果が得られない可能性も十分あったはずです。それを勝てなかったらブーイングするのはどうかな、と。何と言うか、岡山を、そしてJ2を舐めていて、それで勝てなかったから勝手にブチ切れているように思いました。

<明治安田生命J2リーグ 於 シティライトスタジアム>

 清水エスパルス 0ー0 ファジアーノ岡山

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

20230226

 SUB:大久保、岸本、井林、神谷、宮本、西澤、森重

 今節はずっと慣れ親しんでいる4-4-2に戻してきましたが、前節後半から出場して試合を活性化させた中山はベンチ外。代わりに北川を右サイドに置き、空いた2トップのサンタナの相方にはディサロを入れてきました。

 試合全体としては、共にJ1昇格候補と認められるチーム同士という事で、インテシティが高く激しいぶつかり合いとなりました。その中で前半はエスパルスの方がある程度狙っていた戦いが出来ていて優位に進められたと思いますが、岡山もこちらのわずかなスキを狙って2度の決定機を作り、後半途中からはむしろ押し気味に試合を進めました。が、結局どちらも決め手を欠き、スコアレスドローとなりました。

 エスパのボール保持時、つまり攻撃時のスタートはCBの高橋、ノリさんから同サイドのSBへのパスが基本。そこへチェックをかけてボールを奪うのが岡山のやり方だと思いますが、その分ハーフスペースに開いたところにディサロ、カルリーニョスが落ちてボールを引き取って展開する事でエスパはボールを前に運ぶ事が出来ていました。特に効いていたのがディサロで、吉田からボールを引き取って両ボランチや前の北川にボールを預けたり、或いは逆サイドに開いた山原にサイドチェンジのパスを出すなど攻撃時の潤滑油となっていました。一旦サイドへ片寄せしてから逆サイドに振るというのも徹底されていたし、ビルドアップは前節に比べて随分とよくなっていました。

 ただアタッキングサードに押し込んでからの崩しは相変わらず今一つでしたね。前に張った選手の動きがまだ足りないかと。特にせっかくサイドに開いた選手にボールが入った時にポケットを突く動きが少なかったのはちょっと物足りなかったですね。あと全体的に攻め急き気味かなぁ、と。前半の松岡のシュートの場面が象徴的なのですが、左のスペースに猛然と山原が走り込んでいたのでそこを使ってあげた方がチャンスが広がったんじゃないかなと思いました。あと同じく前半に北川がシュートを撃ってしまった場面については、確かに自分で撃つのも選択肢の1つですが、サンタナが開いていたのでそこに合わせた方が良かったような気がします。他にも無理しなくていいところで強引に行こうとする場面が所々見られました。これは前節得点できなかった分焦りがあって、それが判断ミスに繋がったんじゃないかなと思います。また選手間のちょっとした意識のズレでボールを失う場面も散見されたあたりまだ最後の崩しの所のイメージ合わせが出来ていないのだろうと思います。そこは開幕直後である程度は仕方ないと思いますし、それでも前半のサンタナとのワンツーからのカルリーニョスのフィニッシュ、後半の松岡のパスをサンタナが落としてのホナウドのフィニッシュといった崩しも出始めてはいるので、1点とれれば気分的に楽になって点がとれるようになるのではないかと思います。勿論練習や試合を通しての崩し方の共有は必要ですが。

 一方ボール非保持時、つまり守備時ですが、スタートこそ2トップは真ん中へのパスコースを切ってサイドへ誘導はするけどそれほどきついプレスはかけませんが、ボールがサイドあるいはボランチに入った時に厳しくプレスをかけ、ボールを下げたら更に追い込んで相手に思うようなビルドアップをさせない形でした。この形自体は昨季とそれほど変わっていませんが、変わったのはその強度で、ボールホルダーに対して厳しくチェックをかけていました。ボールロスト後のネガティブトランジションの時は更に早くかつきつくて、ボールホルダーに松岡、ホナウドに襲いかかり、そこにディサロやサンタナがプレスバックしてボールを奪う場面が何度もありました。岡山のボール非保持時の強度はかなり高いと評判でしたが、前半に関してはその岡山を強度で上回る事が出来ていたと思います。昨季のゼ リカルド体制時のエスパはネガトラ時は無理にはボールを奪いにいかずこちらの陣形を整える事を優先していた感じで、相手にボールを持たれていてもまずはじっくり構えてボールを引っかけるやり方をしていました。それは数字にも明確に表れています。が、それが災いして終盤の相次ぐ失点に繋がり、それが降格した一因と考えたのか、少なくともこの日のエスパからはより前でボールを奪おうという戦い方をしようという意思を感じました。まあ前節は未完成の3-4-3のシステムを採用して、結果としてやりたいサッカーが出来なかったわけですけどね。

 という事で、ボールホルダーに厳しく行こうという姿勢は明確に見てとれたのですが、前半わずかなスキを突かれてあわや得点されそうになったのは反省点ですね。いずれもこちらのファウル後のリスタートからで、一度目はファウル後すぐにウラへ抜け出されて、こちらの陣形が整わないうちにドンピシャのヘッドを撃たれました。二度目はFKからのロングフィードを櫻川が落としたのを高橋がクリアミスしてそれを拾われてのものです。昨季も優位に試合を進めながらわずかなスキを突かれて失点してしまった事が何度もあったので、こういうのは出来れば無くしたいところです。それと後半の途中からは岡山が割とシンプルにウラにボールを入れてきたり、サイド、特にこちらの左サイドのウラにボールを入れてくるようになって、それでズルズルと下がるうちにブロックが間延びしてしまって、結果として岡山に押し込まれ、はね返しても間延びしている分人数が足りずに奪い返される時間帯が続いてしまいました。この日の岡山のようにこちらの中盤の守備を嫌って早めにウラを狙ってくる攻め方は他のチームもしてくると思うので、それに対する対応も必要でしょうね。ただ後半押し込まれている割には岡山に作られた決定機は櫻川の2本くらいでいずれもノリさんが対応できる範囲だったので、まだ2試合目とはいえ守備は堅くなっているように思います。

 以上、述べてきた通り、ボール保持時、非保持時ともに課題や物足りない所はあります。特に2試合連続で無得点に終わったのは不満ではあります。ただチーム作りにおいては攻撃の方が時間がかかるのは良く言われる事です。それを考慮すると2試合連続無得点に終わった事より2試合連続でクリーンシートで終わる事が出来たのを重視し評価した方が精神衛生上も良いのではないかと思います。それに開幕戦と比べてビルドアップがスムーズになったりネガトラ時の強度が増した事など良くなった事はありましたので。

 次節はまたアウェイで長崎戦。開幕連敗したもののメンバー的には昇格争いのライバルとまたアウェイで戦う事になります。厳しい戦いになる事は間違いないですが、何とか勝ち点をモノにして欲しいと思います。

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