2022シーズン振り返り(ゼ リカルド監督に求められる事)
昨年のシーズン終了後、振り返り記事を2つ書きました。その中で「ゼ リカルド監督体制でのサッカーにも触れないとフェアじゃないから別途書くね」と書いていたのですが、それから2か月間ほったらかしになっていました。どうもすみません。
既に新チームが練習開始して2週間経過していますが、改めてゼ リカルド監督体制下でのサッカーについて、今季に持ち越しというか解決しなければならない課題を取り上げるという形で振り返り記事を書こうと思います。
その前に昨年11月に書いた2つの振り返り記事のリンクを貼っておきます。
第17節から監督に就任したゼ リカルド監督は、就任後初戦から前線からのプレスを抑え気味にして守備時のバランスを崩さないようにし、ボール保持時は両SBをあまり上げさせずにビルドアップに参加させ、その上でいったん前に出たトップと両サイドハーフプラスアルファが後ろに下がって相手のプレスを剥がす出口を作るというこれまでと異なるビルドアップの形をチームに落とし込んでいきました。なかなかそれが浸透せずに天皇杯で敗れてしまったりC大阪戦、横浜FM戦と攻められまくるなどといった試合を繰り返しましたが、夏に獲得した選手を投入して前半劣勢だったのを一気にひっくり返した鳥栖戦あたりからチームは軌道に乗り始め、8月の4試合を無敗で乗り切りました。
ただ9月に入って、アウェイの広島戦で数的優位に立ちながら相手のブロックを崩せずに敗れ、続く湘南戦ではマンマーク気味にハメてきた相手に優位に立たれ、それでも試合終盤までリードを保っていたところを追いつかれて引き分け。更にアウェーの福岡戦で先制しながらすぐに追いつかれてパニックになり、結果として逆転負けを食らったあたりで、それまで培ってきた自信が失われてしまった感じがありました。更にそれまで順位が下だったチームがどんどん勝ち点を伸ばして差を詰めてきたのも間違いなくプレッシャーになったでしょう。「平岡前監督時代の負債が大き過ぎた」のが降格の大きな原因なのは確かだと思いますが、ゼ リカルド監督のサッカーがまだまだチームに浸透し切れてなかったのももう1つの大きな原因だろうと思います。
それでも大熊GMが今年の新体制発表記者会見で説明された「エスパルスのサッカースタイル」、簡単に言えば自分達で考えて相手の機先を制してゲームをコントロールしていくサッカーを、ゼ リカルド監督就任後、特に8月の4試合についてはある程度やれていたと思います。それを評価しての続投でしょう。
ただ今季J2を戦い抜くにあたっては昨季に見られた2つの課題を克服する必要があります。
①引いてブロックを作った相手をどう攻略するか
昨季のエスパルスは攻撃にタレントが揃っていて、そこにビルドアップの形を作り上げた事で意図したボールの動かし方が出来るようになりました。その結果殴り合いを仕掛けてくる相手とはどことでも対等に戦えるようになったと思います。アウェイの川崎戦がその好例かと。ただアウェイの広島戦や福岡戦のように、相手がガッチリブロックを固めてきた時にそれを崩し切る事がまだ出来てなかったように思います。まあこれはどのチームでもぶつかる壁なのですが、J2では相手がブロックを固めてくる事が多くなると思うので、そこを強引に崩し切る形というか力が必要です。今季も同様の壁にぶつかるかもしれませんが、その壁をどのような形で打開するかに注目したいです。
②コンパクトなブロックを保つ
ゼ リカルド監督は就任直後は4-1-4-1のシステムを使っていましたが、チームへの浸透度合いを考慮したのか早い時期にシステムを4-4-2に戻し、リトリート時は4-4のブロックを作る戦い方をしてきました。これが一番機能していたのがアウェイ2連戦のF東戦とG大阪戦で、この2試合ともある程度高いラインを保ちブロックのコンパクトさも保たれていました。が、試合を重ねて結果が出なくなるとブロックが前と後ろとで間延びする形になり、さらにSBとCBの間を相手に突かれると中盤の選手もそれに釣られて下がり過ぎてしまい、結果的に6バックになって失点の要因となる事が増えてしまいました。
ゼ リカルド監督は日頃からバランスを重視する発言を繰り返しています。そのバランスを測るバロメータとなるのがブロックがコンパクトであるか否かだと思います。その上でボールがブロックに入ってきた時に数人で囲い込んで奪うというのが理想でしょうし、それが出来ていたのがF東戦だと思います。新チームを立ち上げるにあたっての課題は失点を減らす事ですし、そのためにはコンパクトなブロック作りというのは不可欠だと思うので、そこがどうなっていくかも注目したいと思っています。
既に新チームは始動しています。その練習の中では昨季の課題を踏まえてのメニューも多く入っていると思います。リーグ開幕後、はたしてチームは上記の課題をどの程度クリアしているのか、楽しみ半分不安半分ですが、じっくり見ていきたいです。
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