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2022年10月31日 (月)

負けるべくして負けた(10/29 鹿島戦)

 先週末はホーム・アイスタ日本平での鹿島戦でした。今シーズンのホームでの最終戦です。非常に良い天気に恵まれたためか、1万6千人もの観客が集まりました。

 ダービーでドローに終わった事を受けてホームアドバンテージを得て戦えるこの試合での勝利は必須だったのですが、結果は0-1で敗戦。試合後のシーズンエンディングセレモニーは何ともいえない重苦しい雰囲気での開催となりました。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 0ー1 鹿島アントラーズ

20221029_145956_small

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

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 SUB:大久保、ヴァウド、岸本、松岡、西澤、ヤゴ ピカチュウ、乾

 前半の入りは悪くなかったと思います。まあ鹿島が前の試合から3週間たったせいか試合の入りがこれまで見た事がないほど出来が悪かったのもありますが、CB2人もしくはSBのどちらかを起点としながら両サイドへボールを配給しそこからの突破もしくは誰かがフォローして更に崩すべく1つ内側へのパスを狙うなどして鹿島を押し込む事が出来ていました。また相手を片方のサイドに寄せてからの逆サイドへのサイドチェンジも効いていて、それによって相手のブロックを揺さぶって広げた上で真ん中を開けさせようという意図が見てとれました。その中からのホナウドのきわどいミドルやCKからのサンタナのヘッドなど惜しいシーンを作ったのですが、少しずつ落ち着きを取り戻した鹿島がウチの最終ラインへのプレスを強める事でエスパのビルドアップのリズムを乱し、20分くらいからボールを握る時間を増やしていきました。わりと同サイドで細かくパスをつなぎながら崩そうとしている感じでそれほどダイレクトにゴール前に迫ってこなかったので、エスパとしては4-4のブロックを保つ事で対応できていましたが、ボールの取りどころに関しては定まっていないため高い位置でボールを奪う事が出来ず、なかなか相手陣にボールを持ち出す事が出来なくなりました。ただ38分に北川が試合中のケガでプレー続行不可能となり、代わりに乾を左サイドに入れてカルリーニョスが北川のポジションに回りましたが、それによって2トップがより前への推進力が高いメンバーとなり、乾も左サイドにこだわらず真ん中でボールを受ける動きもしてくれた事で前線が活性化し、そこから前半終了まではエスパが再びペースを握りました。特に前半終了間際のホナウドのヘッドは決定的な場面でしたが、ボールは枠外に。スコアレスで前半を折り返しました。

 後半、開始から前半終了間際の勢いを以て主導権を握りたいエスパでしたが、実際にペースをつかんだのは鹿島でした。ポジショニングを整理した上でエスパの攻めをしっかりと受け止め、ボールを握ったら中盤の数的優位を活かしじっくりパスを回しながらこちらのスキをうかがう展開に。それに対してエスパは前半同様にボールの取り所を定められず、鹿島にボールを握られる展開となりました。とはいえ鹿島側の繋ぎのミスも散見され、奪ったボールを2トップ+中山の推進力を活かしてカウンターを仕掛ける場面もあったのですが、53分頃の中山から乾へのパスを乾が珍しく収めきれず攻撃をスローダウンさせられた場面に象徴されるように細かなミスが散見され、決定機を作り出すまでには至りませんでした。

 そんな中の56分、鹿島のCKがいったんはじかれたところを再びピトゥカが拾ってクロスを入れ、そこからの三竿のシュートは止めたものの、こぼれ球を中山がクリアしようとしたがそこへ足を出した三竿に当たり、それがゴールに吸い込まれ、エスパが痛恨の先制点を与えてしまいました。

 リードを許したエスパルスは何とか同点に追いつくべく鹿島陣内へ攻撃を仕掛けようとしますが、1点リードを得た鹿島の4-5のブロックに対して効果的な攻撃を仕掛ける事が出来ません。立田、ノリさんは何とか仕掛けのパスを出そうとしていましたが、如何せん前の選手達が前に張りっ放しでよかった時のように動いてボールを引き出す動きがなく、しかも距離が遠いのでタテパスの出しようがありません。仕方なくサイドにボールを預けますがそこからの展開もないような感じで、結局鹿島のブロックの周りでパスを回すだけの状態となり、焦りから非常に狭いスペースに無理にタテパスを通そうとして引っかけられるシーンも散見され、なかなか鹿島ゴールに迫る事が出来ません。更にこの日は先週の磐田戦と同じ轍を踏まないようにという意図からかベンチには守備をより意識した構成になっていましたが、その分前線で起爆剤となりそうな選手がおらず、そのためにサイドの選手ばかりだった分乾をトップ下に回したのですが、その分真ん中の強度も落ちてしまい、それが結果的に終盤になっても攻撃の圧力がかからない事につながってしまいました。結局失点してからのエスパの攻撃で相手GKを慌てさせたのはFKからのサンタナのヘッドと山原の強烈なミドルシュートくらい。逆に鹿島は落ち着いて時計の針を進め、結局試合はエスパルスが0-1で敗れました。

 これまで良く見た展開ではありましたが、良い時間帯に先取点をとれなかった事が最後まで響きました。前述の通りベンチメンバーが守備を意識した構成になっていたあたり、ゲームプランとしては先行逃げ切りだったはず。にも関わらず先制点を早いタイミングで奪えず、後半これからというところで失点してしまっては勝てないですね。まさに負けるべくして負けた試合だったと思います。

 ただ負けた事そのものより心配な事は、先制されてからの反発力の無さですね。後ろの選手と前の選手とで意識がズレていたように見えたし、良い時だったら見つけられていたスペースが見つけられない感じでした。勿論決してやる気がないわけではなく個々の選手は何とかしようとしていたと思うのですが、それが焦りとか自信の低下とかいった事が原因でチームとして全然かみ合わないというように見えました。

 ここで僕が良く思い出すのが、もう20年近く前のスペインリーグの中継でコメンタリスタを務めていた金子達仁さんの言葉です。リーグ開幕後そうたっていない頃に当時好調同士だったソシエダvsベティスの試合で、結局2-2のドローに終わったのですが、試合後にこんな事を仰ったんですよ。

 「どんなに良い内容の試合を続けていても、そこで結果を出せなかったらやがて内容も蝕まれていくんですよね」

 この言葉は凄く印象に残ってます。なぜならエスパがこの言葉に合致する状態に陥るのを何度も見ているから。つい最近では昨季がまさにそうですよね。アウェイでの福岡戦で良い感じで勝ったのに、その次の柏戦で負けて、その後残留争いのプレッシャーもあってか一気に調子を崩してしまいました。で、今がまさにこの言葉の通りではないかと。8月は非常に良い状態でしたけど、9月に入っての広島戦で内容が良かったのに敗れ、その次の湘南戦はあと少しのところで同点弾を食らってドロー。その後福岡戦、川崎戦と連敗し、トドメが先日の磐田戦。またも1点差を守り切れずにドロー。これだけ結果が出ないと「内容は悪くない」と思ってもどこかで疑心暗鬼になるから、特に先に点をとられるとガクッとなる選手と焦りまくる選手とかが出てきて、チームとしての力を発揮できなくなる。そこへ残留争いのプレッシャーも加わりますから、なかなか平常心では戦えないでしょう。ちょっとこの状態をあと数日で抜け出す事は簡単ではないな、というのが正直な僕の感触で、だから非常にドヨーンとしたメンタルを引きずっています。

 とはいえ、残留の可能性が全くなくなったわけではありませんので、残り1試合全力で足掻いてもらわなくてはなりません。そういう残り試合の展望について、稿を改めて書きます。

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