まだまだ成長途上(9/3 広島戦)
8月後半にACLのノックアウトステージが入った関係で一部の試合が行われずに来たJ1リーグですが、先週末から再び全9試合が行われるようになりました。8月を無敗で乗り切ったエスパルスはアウェイで同じく8月に全勝を飾った広島とアウェイで対戦しました。
結果は0-2で敗戦。それも内容的に悪くない展開ながら最後の方で足をすくわれたという感じで、改めてサッカーの難しさを痛感する事となりました。
<明治安田生命J1リーグ 於 エディオンスタジアム広島>
清水エスパルス 0ー2 サンフレッチェ広島
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、ヴァウド、山原、ホナウド、後藤、鈴木唯、北川
まず、広島は強かったです。守備の強度は高いし、攻撃のバリエーションも豊富でした。何より相手にペースを握られながらわずかなチャンスをモノに出来るしたたかさ、これは残念ながらウチにはないものだなと思いました。
が、そんな広島相手にも、90分通して観ればウチは決して引けをとっていませんでした。前半、開始からペースを握ったのはむしろエスパの方で、前節の京都と同じ3-4-2-1で前からプレスをかけてくる広島に対して、GK権田と両CBが上手くいなしながらSBへつけたりサンタナへフィードを出したり、時には松岡が両CBのちょうど斜め前に入ってボールを引き出したりして、ボールを上手く前進させる事が出来ていました。松岡のカルリーニョスへのタテパスから始まって最後に前節と同じように乾がフリーで左サイドに走り込んでのシュートなど決定機も作れていたし、いい試合の入りだったと思います。が、さすが広島というべきか、15分過ぎくらいから次第にプレスの圧力を強め始め、更にビルドアップの際に両CBから上手くボールを引き出していた松岡にも人を付けるようになって、それによりエスパの方がなかなかボールを相手陣に運べなくなり、広島にペースを握られるようになりました。ただ押されていた割には与えた決定機は野津田にパスカットされてのショートカウンターからの森島のヘッドと、柏のピンポイントクロスからのベンカリファのヘッドの2回くらい。この日も立田、ノリさんの両CBは堅かったし、広島が必ず入れてくるポケットへの侵入も白崎、松岡の両ボランチを中心に粘り強く対応し、何とかスコアレスで前半を折り返しました。
後半の入りは広島の方が良く、前半の勢いそのままに攻め込んで来ました。が、エスパも繋げる時は繋いでボールを前進させられるようになり、49分に自陣でのスローインからのロングカウンターからのカルリーニョス、51分も相手を押し込んでからの右サイドからのクロスから最後は乾と、立て続けに決定機を作って広島ゴールを脅かします。そして59分、自陣に押し込まれてのクロスをはね返したところからのロングカウンターで乾が抜け出し、塩谷が倒してファウル。最初はイエローカードでしたがVARの介入が入り、オンフィールドレビューの結果レッドカードの判定に変わり、塩谷が退場。エスパルスが数的優位となりました。
が、結果的にはエスパとしてはかえってやりにくいシチュエーションになりました。
広島は2シャドウの一角の森島に代えてDFの住吉を投入し、5-3-1で守備重視の布陣にしてきました。これでエスパとしては攻めにくくなってしまいました。5つのレーンを全て埋められてギャップを作るのが難しくなりましたので。それでもWBの前のスペースを使ったり真ん中に敢えてタテパスを差し込んでみたりサイドチェンジを多用したりする事で中盤の3人を動かして疲弊させる事が出来れば時間がたつにつれてスキが生まれやすくなると思うのですが、そうした揺さぶりが少なくて、むしろ「どう崩そうか」と戸惑っている感じに見えましたね。数的優位になってから最初の決定機も、相手ボールになったところを松岡が潰してボールを奪回してからのショートカウンターでしたし。このへんは完全にリトリートした相手をどう崩すのかがチームとして完全にイメージ出来ていないという事だと思います。この攻めあぐねた状態を何とかすべく唯人を投入したと思いますし、唯人もあちこちに顔を出してボールを引き出し、失点する直前には右サイドのポケットに侵入してのクロスなど(サンタナにはあわず)多少攻撃を活性化させる事が出来ました。82分に入った山原もたびたび左サイドに侵入して相手を脅かしていたので全く何にも出来なかったわけではないのですが、相手が1人退場になってからは特に前の選手達の動きの工夫が少なくて、広島の堅陣を脅かすにはちょっと足りなかったという印象です。
それでも失点せずに終える事が出来ればまだ良かったのですが、ちょっとしたスキから先制点を与えてしまったのは非常に痛かったですね。あの場面はドウグラス ヴィエイラへのフィードを潰そうと立田が前に出たのは良かったのですが転倒してしまった事、立田とともに挟み込もうとした白崎が川村のボールの持ち出しを許したあげく本来のポジションから離れて柏にいってしまいラストパスを通させてしまったのが拙かったですね。2失点目も川村のシュートそのものは見事としか言いようがないですが、スローインからの競り合いからボールを持ち出されてしまったのは拙かったです。こうしたここ数試合見られなかったミスを重ねたあたり、今までなかった「数的優位にたっている」というシチュエーションゆえの焦りからくるのかなと思いますが、まだまだ勝負どころで甘いなぁと感じました。
絶好調の広島相手に真っ向勝負で戦って互角の展開に持ち込み、相手のミスを誘って数的優位となった事を見ても、決して悪い試合はしてなかったと今でも思っています。が、数的優位を活かせずに相手にスキを与えて勝ち点をとれずに終わったあたりはまだまだだなぁというところですね。特に相手に完全にリトリートされた時にどう崩し切るかという部分は大きな課題となりました。本当にほろ苦い試合でしたが、課題があるという事はまだまだ伸びしろがあるとも言えます。ウチはまだまだ成長途上のチームで、試合毎に出た課題を練習で1つ1つ潰していっている段階ですが、ゼ リカルド監督就任以降それを着実に行ってチームが成長してきているのを僕達は観て来ていますから、この試合で出た課題も少しずつ潰していってくれるはず。そうした過程を楽しみながら観ていきたいと思ってます。
とはいえ、今節で下との差が少し詰まってしまいました。そして次節はホームに残留争いのライバルである湘南を迎えての6ポイントマッチです。この試合で求められるのは勝ち点3のみ。それに向けて最善の準備をして欲しいです。
| 固定リンク
コメント