基準にして欲しい試合(8/7 FC東京戦)
一昨日(8/7)はアウェーでのFC東京戦でした。味スタへ行ったのは3年ぶりだったのですが、試合前のFC東京の選手紹介時などでの演出が照明や2層目のスタンド下に設置された電光掲示板を使った派手なものに変わっていてビックリしました。今から思えば3年前はラグビーW杯に向けた改装工事が行われていたので、その時設置されたものなのでしょうね。
一方、この日は声出し応援運営検証試合で、ホーム、アウェイのゴール裏スタンドからの声を出しての応援を本当に久しぶりに聞く事が出来ました。選手入場前のF東サポーターによるYou'll never walk aloneから始まり、選手入場から試合終了まで両チームからの力いっぱい声を出しての応援は、何というか聞いていて感慨深いものがありました。前節の鳥栖戦後半でハンドクラップによる応援だけであれだけ盛り上がれるのかというのに気付かされてはいるもののああいう声を出しての応援もやっぱり必要だよなと思いました。なるべく早く元に戻れればいいなと思います。
<明治安田生命J1リーグ 於 味の素スタジアム>
清水エスパルス 2ー0 FC東京
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、片山、ホナウド、宮本、ベンジャミン コロリ、後藤、北川
今季これまで観た試合の中でベスト バウトだったと思います。攻守とも100%まではいかないまでもかなり高いレベルでやりたい事をやれた試合じゃないでしょうか。
まずボール保持時ですが、やはり権田、立田、ノリさんの存在は大きかったですね。3人ともパス出しが安定していました。勿論これは3人の個人技で解決できるものではなく、彼らがボールを持った時に顔を出してくれる選手がいるからこそ出来る事で、その面ではこの日は両SBは勿論の事松岡も両CBの間でトライアングルを作れる場所にポジションをとって両CBやSBからボールを引き出していました。更に松岡をフリーにすべくカルリーニョスと白崎が相手アンカーの東の両脇にポジションをとる事で相手の両インサイドハーフをけん制していて、彼ら2人もパスを引き出す事でボールを相手陣まで進める事が出来ていました。そうやってボールを前に運んだら左サイドは乾が基本的に幅をとっていてそこから山原を使うなど攻撃の最後の所の組み立てを行い、右はピカチュウと原がインナーのレーンとサイドのレーンを交互に使い、そこに白崎が絡む事で崩そうとするなどしていて、所謂アタッキングサードでの崩し方も見えてきた感じがしました。先制点は練習から仕込んでいた攻撃パターンの1つでしょう。右サイドのセンターライン付近に下りてきたピカチュウに立田から斜めのパスが入り、ピカチュウは自分が下りた事によって出来たスペースにダイレでパス。そこへインナーラップしてきた原が流れ、松木に競り勝った原が奥に侵入したところでクロスを上げ、真ん中のカルリーニョスが仕留める。一見外に出さされているように見えて自分達で意図してスペースを作った見事な形だったと思います。ゼ リカルド監督就任以降少しずつ最終ラインからのビルドアップの形を整えてきましたが、ここに来てアタッキングサードでの崩しの形も見えてきてその形による得点も出てきたのは大きいと思います。2点目の山原のクロスからサンタナが決める形も定着してきたし、リーグ戦前半の決定力不足に悩んできたのがウソのように得点出来るようになっているのは嬉しいですね。
一方のボール非保持時の対応が課題だったのですが、この日は非常にバランスがとれていて良かったです。トップのサンタナ、両サイドのピカチュウ、乾で相手のパスコースを限定し、真ん中を繋がれても松岡、白崎の両ボランチや時にはカルリーニョスも下りてきて容易に前にボールを進めさせない守り方が出来ていたと思います。F東はボールを奪ってからのディエゴ オリベイラやアダイウトンによるカウンターが一番怖いわけですが、この日はアダイウトンに対してはしっかりタテを切ってボールを進めさせず、3回ほど突破を許しかけても粘り強く対応して決定的な場面を作らせませんでした。それ以上に秀逸だったのがディエゴ オリベイラへの対応で、くさびのボールが入ったところで必ずノリさんか立田がチェックにいって前を向かせないようにしていました。この守り方もゼ リカルド監督就任以降徹底されるようになったものですが、これによりF東の攻撃のスピードをかなり減退させる事が出来ていたと思います。カウンターを食らったのって、後半最初の頃の木本のロングフィードから長友に抜け出された場面と、同じく半ばにピカチュウが後ろからのフィードを受けそこなってそれを拾われてのものくらいだったかと。前節の広島戦を観てもF東のカウンターは怖いと思っていたので、それを抑える事が出来たのが勝因の1つだと思います。個人に目を向けても松岡が中盤で相手の攻撃の起点となるところを悉く潰していたし、途中出場のホナウドも守備面で効いていました。何より全員が集中して自分の役割をまっとうしていて、それによりクリーンシートを達成できたと思います。
課題は、選手が入れ替わった時にどれだけ守備のクオリティを維持できるか、ですかね。この試合の場合はサイドで睨みをきかせていたピカチュウと乾が下がって後藤とコロリが入ったわけですけど、やはりサイドでの守備の強度は落ちたかな、と。特に左サイドのコロリのところが。それとF東がシステムと人を代えた事に対応しきれず、特に77分から5分くらいはかなりバタバタしたように見えました。これは個人の能力だけでなく残った選手の疲労などもあるので単純な話ではないのですが、もう少しサイドハーフ同士で話をして守り方を共有する作業が必要かもしれないですね。
とはいえ気になったのはこれと前半時間帯によってビルドアップがスムーズさを欠く時間帯があった事くらいで、それ以外は申し分のない試合でした。何より今季のアイスタでの試合は完敗で、特に後半はデュエルと相手のネガトラの速さ、強さの前に何もさせてもらえなかったのが、今回デュエルでもトランジションのところでも全くひけをとらない戦いが出来たのは自信に思っていいと思います。ただ同時に要求したいのは、この日の試合での戦いを一つの基準というかメルクマールにして、これくらいの戦いを平均的に出せるようにして欲しいという点です。それが出来れば現在のような残留争いからは絶対に抜け出せるし、より上も狙えると思うので、それくらいの気持ちで練習から取り組んで欲しいです。
とはいえ、次節に関しては相手が残留を争っているG大阪との直接対決なので、結果がとにかく大事です。アウェーですし相手も必死で来るでしょうが、勝ち点3奪取に向けて最善の準備をして欲しいです。
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