再始動初戦で勝利(6/18 福岡戦)
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
SUB:大久保、原、竹内、滝、ディサロ、オ セフン、ベンジャミン コロリ
ゼ リカルド監督が練習を指導するようになってから4日しかたっていないので、それほどやり方を大きく変える事はないだろうと思っていました。発表されたスタメンもそれほど奇をてらったようなメンツではなかったので、余計にそう思ってました。
が、結構変えてきてましたね。
まずボール保持時は上のスタメン表の通り宮本をアンカーにした4-1-4-1。その特徴が表れたのがゴールキックの時で、基本的に権田から両CBのどちらかにパスを出すところから始めますが、SBもこれまでより後ろにポジションをとってCBをサポート。逆にサイドハーフは1トップのサンタナと同じ高さでそれぞれのサイドに張り、神谷、白崎のインサイドハーフも相手ボランチの後ろ目にポジションをとってサンタナをフォローする形にして、そうして空いた前と後ろを宮本が真ん中で繋ぐようなポジション取りでした。そうやって相手のブロックを広げた上でサイドハーフもしくはインサイドハーフが下りてボールを受けて前を向くか横の選手にレイオフの形でボールを渡して前進を図っていきました。またサイドハーフがボールを受けるフリをしてスルーして後ろでフォローに入ったインサイドハーフが受けて持ち出したり、ノリさんから右の西澤へ、立田から左の後藤へロングフィードを狙ったりするなどいくつか他のパターンも見せてくれて、これは結構仕込んできたなという印象を持ちました。
何より最初に説明したポジショニングが凄く理にかなっていると思ったんですよね。やはりゴールキックから短いパスで繋ぐのはリスクがある分SBを無理に高い位置に置かないという意図は理解できるし、その上で相手のブロックを広げるために両サイドハーフに幅をとらせて、その上でボールを前に出して繋いでいくというのも意図がわかるというか、面白いなぁ、と。ボールを持ち出してからも、インサイドハーフの白崎、神谷の献身的かつ変化をつけられる二人がボールに上手く関わっていたし、両サイド、特に右サイドの西澤のクロスの正確さという武器も活きていました。まあ後半は福岡がこちらのSBへのチェックを厳しくしたりアンカーの宮本へのパスコースを消す事でこちらのビルドアップを封じてきて、それが後半かなり押し込まれる要因の1つとなりました。この次当たるチームもきっちり対策をたててくるでしょう。ただこちらもゼ リカルド監督の指導が始まってから日が浅い分練度が低いですし、ビルドアップに関する引出しはまだあると思うので、これから相手が打ってくる対策にどのように対処するか、そうやって練度を上げた時にどのようなビルドアップや崩しを見せてくれるのか楽しみです。
ボール非保持時は、基本形は白崎をボランチの位置に下げての4-4-2ですが、相手の最終ラインでボールを持っている時に4-1-4-1の形にして相手にけん制をかけやすくする時もありました。まあやり方としては基本ゾーンで守りつつ人も見るという今までと同じものだったと思います。ただ明らかに変わったのは相手にプレスをかけるタイミングで、これまでは相手がボールを下げた時はどんどんプレスをかけていましたが、この日はそこまでのプレスはかけずに、前の選手は後ろへのパスコースを消す事に専念し、それよりも4-4のブロックをコンパクトに保つ事、その上で中盤にボールが入ったら誰からボールホルダーに厳しくチェックをかけて自由にやらせないというのを徹底させていました。確かにこれまでは人数をかけてプレスをかけた割には嵌め切れず、結果的に最終ラインとの間に広大なスペースを与えて決定機を作られる事が多かったので、まずそこに修正をかけた判断は正しかったと思います。早い時間に先制して福岡にボールを持たれる時間帯が長かった事も影響しているでしょうが、危ないカウンターの形は作られなかったですからね。
ただ後半福岡が前に人数をかけて攻めてきた時に、特に60分以降の10分間ほど全体が下がり過ぎてしまったのは反省点かなと思います。相手のサイドにボールが入った時の付き方が緩くて再三クロスを上げられてしまったし、1失点目の場面、ルキアンにボールが入った時に2~3人で囲んだのにクリア出来ず、更に山岸をフリーにしてしまったのも反省点ですね。このへんの守備ブロックをどう強固に保つかというのがボール非保持時の引き続きの課題だと思います。
改めて観てみると紙一重の試合だったなと思います。権田のセービングに救われたし、またコロリによるダメ押し点も本当に貴重でした。ただ繰り返しになりますが新体制が本格的にスタートしてからわずかしかたってないにも関わらず攻撃面は理にかなったビルドアップと押し込んでからの選手の特長を活かした配置によって随分活性化しましたし、守備においてもノリさん、立田の相手2トップへの厳しいチェックなどゼ リカルド監督の色が早くも出始めています。特に攻撃面は現代サッカーの要素がかなり取り込まれていたので、「これはブラジル人監督への見方を変えないといけないかも」と思わされました。一方で試合前の練習ではサブ組も含めた全員でアップをして終わるのも一緒にするなどチームの一体感を重視するあたりはブラジル的だなとも思ったし、これからも色々な顔を見せてくれるかもしれません。長年エスパルスのサッカーを観察する事を日常とする身としては新たな楽しみが出来た感じですし、1つ結果も出してくれたので、これからも楽しみです。
次のリーグ戦は日曜ですが、その前の公式戦として天皇杯の京都戦が水曜にアイスタ日本平で行われます。また準備期間が短いですし、京都は福岡とはまた違ったサッカーをするチーム。大変ですが一発勝負ですので、良い準備をして結果を出して欲しいです。
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