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2022年6月29日 (水)

鬼門中の鬼門(6/26 C大阪戦)

 日曜(6/26)はアウェーでのC大阪戦でした。エスパルスがかつての長居球技場のスタンドを増改築してヨドコウ桜スタジアムとなってから初めて訪れる事となりましたが、日曜夜の開催では帰るのが非常に大変なので、おとなしくDAZNで観戦しました。

 試合前のJリーグ公式HPのプレビューでも、試合中の実況でも「エスパルスは17試合C大阪ホームで勝てていない。唯一勝ったのはJ2の時だけ。」と散々喧伝され、「そんなに言わんでもわかっとるわ!」と怒鳴りたくなりました(汗)。長居で一番最後に勝った試合を僕は生で観ていますので、「あの年はオジー体制の3年目で非常に強かったなぁ」とか「あの年から随分お互いの立ち位置が変わっちゃったなぁ」とか妙に郷愁にふけってしまいますが、それにしても18試合勝ててないというのは何というか凄いですね。

<明治安田生命J1リーグ 於 ヨドコウ桜スタジアム>

 清水エスパルス 1ー1 セレッソ大阪

 

 この試合のスタメンは以下の通りです。

 20220626-c

 SUB:大久保、原、松岡、カルリーニョス ジュニオ、ディサロ、オ セフン、ベンジャミン コロリ

 観る人によって評価の分かれる試合だと思います。僕は「現時点ではこんなところか」という感じでしょうか。

 立ち上がりからC大阪の上手なパス回しと守備時の厳しい対応の前に押され気味となり、なかなか相手陣にボールを運べない状態。飲水タイム明けから少し持ち直して、ラッキーな形で先制点を奪って、その後前半終了まではボールを握って試合をコントロール出来たけれど、後半は再びC大阪の厳しいプレスの前に劣勢となり、どうにか凌いでいたけれど、CKから失点。その後はややオープンな展開となってこちらにもチャンスはあったものの決められず、ドロー。という感じでザクッと振り返ると、試合を通して押され気味だった事は明らかで、人によって「この内容でも勝ち点1ならOK」という人と「酷い出来。これではお先真っ暗」という人に二分されるんだろうなぁと思います。

 僕は前者の立場です。理由は良くなってきた部分がいくつか見られたからです。

 まずボール非保持の時の4-4-2でのブロックが安定してきた事です。清武を中心としたパスワークで崩してくるチームという事で、特に真ん中を堅く締めていこうという意識の下で戦ったようですが、それがある程度機能していたと思います。2トップは真ん中へのパスコースを消してなるべくボールをサイドへ誘導し、そこから中に入れられても両CBと宮本、白崎で真ん中をしっかりと締めてバイタルで相手を自由にさせませんでした。天皇杯の京都戦では2度真ん中を割られた事を考えれば進歩といってもいいと思います。またサイドの深いところでボールを持たれた時にSB、サイドハーフがどのように見るのかがある程度整理されてきた感じで、サイドを崩される事もあまりなかったと思います。試合を通してボールを長く持たれた割には被決定機は前半後半それぞれ1つずつくらいというのは評価できるのではないでしょうか。

 攻撃に関しては、なかなかボールを持てなかったし、アウェーという事でなるべくリスクを抑えようとしたのかこれまでよりもロングフィードの割合が多く、かつサンタナにボールが入った時にフォローが上手くいかなかったり息が合わなかったりしたためにボールロストしてしまう事が多くてなかなか上手くいきませんでした。ただ観ていて「ああ、こういう形の繋ぎを仕込もうとしているのね」という場面は何回かありましたね。また低い位置でボールを持った時はこれまでと同じく両SBも低い位置からスタートさせてましたが、相手をミドルゾーンまで追い出した時は右SBの片山の方は中盤のラインまで上がって、立田、ノリさん、山原の3人でビルドアップを行うという新たな形が披露され、そこからサイドへボールを送って全体を押し出す事が出来ていました。特に右サイドの方は片山と西澤が互いにレーンを使い分けながらボールを引き出す事が出来ていました。先制点は立田から前で幅をとっていた西澤にパスが渡ってから生まれてますからね。左サイドも後藤と神谷、更には後ろから山原が上がってきて良い感じのクロスを上げていました。ゼ リカルド監督が就任してからこの試合で3試合目ですが、早くもいろんな仕込みをしているし、まだ引出しにはいろいろ持っていそうなので、これから何を見せてくれるのか楽しみです。

 勿論課題は多々あります。まず流れの中での決定機は少なかったにも関わらず、セットプレーから失点してしまったのは残念でした。実況の方が仰った通りこと今季についてはセットプレーからの失点は少なく抑えていたのに。ゼ リカルド監督になってからCKの時の守り方が少し変わって、完全なゾーンディフェンスではなく一部をマンマーク(といっても邪魔する事がメイン?)にしていますが、この時は船木についてなくて、その船木に絶妙なボールが入ってしまいました。まあここもまだ完全ではないと思うので、少しずつ修正していくでしょう。あとはやはりボールを低い位置で奪った時にどう相手を裏返してカウンターを仕掛けるのか、というところ。この部分に関してもサンタナへボールを入れてそれをフォローするとかいったパターンをいくつか仕込んでいるようなのですが、まだ精度が低くて途中でボールを奪回されてしまう場面が多いですよね。あとカウンターを狙う際にも両サイドハーフ(ウィングと呼ぶべき?)は幅は取るけどステイする事が多く、その分インサイドハーフにウラ抜けを狙わせているようなのですが、時には逆をとってサイドハーフに単純にウラ抜けさせた方がいい場面もあると思います。またそれによって所謂深さが十分とれない傾向にあると思うので、攻め手に加えて欲しいなぁと思います。これは押し込んでからの崩しも同様です。まあ恐らくは監督の選択肢には入っていると思いますけどね。

 17位の湘南が勝ったため、順位は自動降格圏となる17位となりました。これを受けて慌てている方が多いようですが、まだ残り16試合もありますし、勝ち点1を積み上げたためにG大阪との勝ち点差も縮まりました。ゼ リカルド監督のチーム作りはまだまだこれからですので、しばらくは胃に悪い状態が続くとは思いますが、慌てるにはまだ早いと思います。既にいろんな仕込みを施されたチームがどのように変わっていくか、果たしてリーグ終了までに間に合うのか、まずは見守っていきましょう。

 次はいよいよクラブ創設30周年記念試合となる横浜FM戦です。あまりこれまでの歴史を振り返る余裕がないのが残念ですが、今季トップクラスのチーム力を持つ横浜FMを相手に我らがエスパルスがどこまでやれるか、楽しみに待ちたいと思います。

(6/30 追記)
大変申し訳ありません。スコアが間違っていたので訂正致します。
特にC大阪サポの方にお詫びいたします。

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