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2021年12月 5日 (日)

大団円、かな?(12/4 C大阪戦)

 J1は昨日(12/4)が最終節。14時に10試合が一斉にキックオフ。J2降格の可能性があるのは湘南、徳島とわれらがエスパルスでしたが、そのエスパルスはアイスタ日本平でC大阪と対戦しました。

 試合は2-1で勝利。前節の結果によってかなり優位な立場にありましたが、前半に先制を許し苦しい展開となりました。が、最終的には逆転勝利。勝ち点を42まで積み上げて14位でフィニッシュしました。試合後のエンディングセレモニーも穏やかな気持ちで行われて、結果としては「大団円」で終わったのかなと思いました。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 2ー1 セレッソ大阪

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

 GK 権田
 DF 原、ヴァウド、鈴木義、片山
 MF 松岡、竹内、西澤、後藤
 FW 鈴木唯、チアゴ サンタナ
 SUB 永井、立田、山原、宮本、滝、中山、ディサロ

 前節重症を負ってしまった井林に代えてヴァウドを最終ラインに入れた以外は前節と同じスタメン。リザーブでは立田が久々に入り、慶太に代えて滝が入りました。

 立ち上がりからエスパが積極的な入りを見せ、開始1分以内で竹内がミドルシュート、数分後にセットプレーからヴァウドのヘディングシュートと立て続けに決定機を作りましたが、その後は基本的にはC大阪がボールを握り、エスパが耐えてボールを奪うとカウンターを仕掛けるという展開に。その中でエスパは4-4の堅いブロックを作ってC大阪にシュートすら許さず、ボールを奪えば唯人の推進力などを使って素早くゴール前に迫りC大阪守備陣を慌てさせます。しかし33分に加藤にポスト直撃のシュートを打たれると、その流れのCKで、ファーサイドでフリーの大久保のシュートを竹内がクリアしきれずオウンゴール。エスパにとって痛い失点となりました。が、この日のエスパは動じる事がなく、40分くらいからはC大阪を自陣に押し込んで攻めたて、45+2分、左サイドからの西澤の直接FKをノリさんが押し込んで、前半のうちにエスパが同点に追いついて後半へ折り返しました。

 後半は開始から両チームとも積極的な入りをしましたが、51分、西澤からのパスを受けた唯人がバイタルエリアに入り込んでサンタナにスルーパス。それを受けてのサンタナのクロスはクリアされましたが、これを拾った西澤がカットインして左足を一閃。これがゴール左隅に吸い込まれるゴラッソとなり、エスパが逆転に成功します。この後もエスパは4-4のブロックでC大阪の攻撃を封じ、奪ったボールを前に早く前につないでC大阪を脅かし続けます。さすがに75分あたりから中盤の足が止まってきてC大阪に入り込まれましたが、85分に立田と宮本を入れて5-4-1にしたエスパがしっかり試合をクローズさせ、2-1で勝利。自力で来季もJ1で戦える権利を勝ち取りました。

 広島戦、浦和戦で結果を出してきた戦い方をこの日もしっかりと最後まで遂行した結果が勝ち点3に繋がりました。まず守備に関しては広島戦の時のように前からガツガツプレスをかけるわけでなく、2トップがCBをけん制し、SBが最終ラインに残った時はサイドハーフが前に出て同じようにけん制してボールを簡単に前に出させないようにして、4-4のコンパクトなブロックで真ん中へタテパスを入れさせない事で、C大阪のボールをブロックの周りだけを行き来させる事に成功していました。ロティーナ前監督の時のような完全なゾーンディフェンスというわけではなく要所では人にも付いてボールホルダーの動きを限定させてましたが、選手間の距離をコンパクトにしてブロックの間にタテパスを入れさせないという守り方はまさにロティーナ前監督がやってきたゾーンディフェンスの形で、ここ3試合で1失点という堅い守備を見せる事が出来たのは、チーム始動からロティーナ前監督が落とし込んできた守り方を平岡監督が上手く整理してのもので、1年間やってきたことは無駄ではなかったというのが残り3試合の守備に表れているのではないかと思います。

 あと感心したのは、85分に立田と宮本を入れてシステムを5-4-1にしたのが見事にハマった事。それまでの数分間は疲労からブロックを上げられなくなってきて、被決定機には至らなかったものの危ない場面を作られていました。そこに立田、宮本を入れた事でブロック全体を押し上げる事が出来るようになり、C大阪の中盤の選手がボールを持っても中盤の4人が前からアプローチして思うようなプレーをさせませんでした。また立田が全体を鼓舞すべく声を出すとともに最終ラインを上げさせていたのも印象的でした。平岡監督の試合後のコメントでは試合をクローズさせる時を想定して立田、宮本をリザーブに入れていたようですが、試合のクローズのさせ方までを考えてメンバーを選んでいた平岡監督のマネジメントと平岡監督の期待に応えた立田、宮本の働きは見事だと思いました。

 攻撃に関しては浦和戦の時のようにオープンな戦いを避ける必要がそれほどなかった(むしろ勝つためには積極的に前に出る事も必要なシチュエーションだった)事から、ボールを奪ったらタテに早く攻めるようにしていました。ここで効いていたのが唯人で、ボールを持てば必ず仕掛けていてしかも簡単には取られなかったので、C大阪にとっては脅威だったと思います。決勝点も西澤のパスを受けた唯人が相手ボランチをドリブルでかわしてバイタルエリアに入り込んだところから始まっていましたからね。また西澤、後藤の両サイドハーフもサイドで効いてました。特に西澤の決勝点のゴールは本当に見事なゴラッソです。この日の左足でのシュートが常時高い精度で打てるようになれば相手にとっては更に脅威になるでしょうね。という事で、基本的にはタテに早く攻めるというのを意識してやっていたと思いますが、出来なかった時に最終ラインとボランチでボールをゆっくり回しながらスキを窺うというロティーナ前監督の時にやっていた形も出来ていて、その中で原のスルーパスからの唯人のシュートという決定機を作る事が出来ました。ここでも1年間やってきた事をベースにしながら平岡監督が色を加えていくという作業が上手くいっていたと思います。

 これで平岡監督が就任してからの4試合は3勝1分け。これだけ見ると平岡監督「だけ」の功績と捉えられがちなのですが、これまで見てきた通り攻守ともにロティーナ前監督がチーム始動当初から落とし込んできた戦い方がベースになっており、その意味で1年間やってきた事は決して無駄じゃなかったと思っています。一方で平岡監督の功績をクサすつもりはもちろん毛頭なく、難しい状況の中で監督を引き受けてくれてエスパルスのJ1残留に導いてくれた事には深く感謝しています。

 という事で、終わってみれば勝ち点42で14位という結果となりました。とりあえず来季もJ1で戦える事に安堵してはいますが、3年連続でシーズン途中で監督が代わってしまい、2017年、2019年、2021年とここ5年間で3回残留争いに巻き込まれてしまったのは不本意としか言いようがないでしょう。特に今季はシーズン前の補強でかなり期待を持たせてくれましたしね。今季何故このようなシーズンに終わってしまったかについてはクラブでしっかり総括して頂く必要がありますし、本ブログでも改めてシーズンを総括する記事を書こうかなと思ってます。

 でも何だかんだで今季も楽しませてもらいました。まずは選手、スタッフの皆様には「お疲れ様でした。ゆっくり身体を休めて下さい」と申し上げたいと思います。

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