ゲームプランを遂行しての勝利(11/27 浦和戦)
今季のJ1リーグも残り2節。昨日(11/27)は全10試合が14時に一斉にキックオフされました。その中でエスパルスはアウェーで浦和と対戦しました。
この試合に関しては何故かアウェーサポーター向けの席が用意されませんでした。それもあって昨日(11/27)は埼スタには行かずDAZNで観戦しました。(まあ一番の理由は僕が埼スタでエスパが勝つ試合を見たことがないからですがw。)
<明治安田生命J1リーグ 於 さいたまスタジアム2002>
清水エスパルス 1ー0 浦和レッズ
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
GK 権田
DF 原、鈴木義、井林、片山
MF 松岡、竹内、西澤、後藤
FW 鈴木唯、チアゴ サンタナ
SUB 永井、ヴァウド、山原、宮本、中村、中山、ディサロ
前節良い内容で勝った事を重視してスタメンは変更なし。リザーブには出場停止明けのヴァウドが入り、ボランチのサブとして宮本も久しぶりに入りました。
試合開始直後からの10分ほどはエスパがボールを握りましたが、時間がたつにつれ浦和がボールを握ってエスパを押し込むようになりました。しかしエスパは前節に比べるとプレスを控え4-4のブロックを作って真ん中にタテパスを許さない布陣を作って浦和に自由に攻めさせません。逆にCKから惜しい形を作ったり、終了間際に唯人がドリブルで持ち込んでシュートを放つなど浦和ゴールを脅かし、前半はスコアレスで折り返しました。
後半も浦和が攻めてエスパが守る展開は変わりません。エスパは4-4のブロックで撥ね返し続けます。が、浦和も攻撃のカードを切ってきて圧力を強め、サイドチェンジを繰り返してきたり、かと思えば真ん中で複数の選手が絡んで中央を突破しようとしたりと何とかエスパのゴールをこじ開けようとします。特に85分以降はかなり攻め込まれましたが、何とか凌いだ90+3分、GKのボールをディサロ→中山→山原と繋ぎ、山原が中へ返したボールを慶太が一閃。ボールはエスパから見て左上隅に突き刺さり、エスパルスが先制。試合はこのまま終了し、エスパルスが1-0で勝利しました。
準備してきたゲームプランを90分通してやり続けた事が貴重な勝ち点3に繋がりました。ホームサポーターしかいない中で冷静にゲームプランを遂行し切った選手、スタッフに心から敬意を表します。
浦和は今季リカルド ロドリゲス氏を監督に迎え、後ろからしっかり繋いで攻めてくるチームに変わっていました。そんな浦和相手にしかもアウェーで戦うとなると互角の展開に持ち込むのは難しいと考えたのでしょう。エスパは相手にボールを握られる前提でゲームプランを立てていたと思います。まず守備においては前節ほどには前からプレスをかける事はせず、それより4-4のブロックを作って真ん中にボールは入れさせずサイドに誘導するというロティーナ前監督の時の守り方で対抗しました。時間帯によっては2トップだけでなく両サイドハーフもプレスをかけに行く事もありましたが、浦和のパス回しは上手いので、ボールを引っかけて奪いきる事よりも少しでもけん制をかけて相手を自由にさせない事を重視していたと思います。こうした戦いをするとブロックが下がり過ぎてしまって二次、三次攻撃を受けるうちに瓦解してしまう事になりがちですが、この日のエスパは前節スタメンに復帰したノリさんを中心にこまめにラインコントロールを行う事で常に中盤との間に不用意なスペースを与えず、浦和の攻撃の迫力を減退させる事が出来ていました。また4-4での守り方そのものについてはロティーナ前監督の時の完全なゾーンディフェンスではなく人に付く事も意識した守りになっていましたが、全員が前節同様空きかけた穴をカバーする意識を常に持っていたので、変な穴が開く事は少なかったと思います。まあ後述する攻撃のところで攻め急ぎする事が少なかった事も影響していたと思いますが、4-4のブロックは前節より更にコンパクトに守れていたあたりは平岡監督の修正能力が見事だったと思います。もちろんロティーナ前監督が教え込んだゾーンディフェンスというベースがあったから出来た事というのは確かです。
攻撃に関しては、浦和にボールを握られる時間が多かった分見せ場は少なかったと思います。といいますか、攻め方が前節と違いましたね。前節のようにボールを奪ったら素早くタテを突くというよりはじっくりボールをつなごうとしていて、その証拠にサンタナがウラに抜け出すのに合わせてロングフィードを送る場面が殆どなかったと思います。これは浦和相手に前節同様のハイテンポなサッカーをしようとしてもすぐに回収されて二次、三次攻撃に繋げられる可能性が高いし、ましてやオープンな攻め合いのサッカーをするのはスタミナを考慮すると無謀と判断し、まず先制点を許さず我慢して辛抱強くチャンスをうかがう戦いを選択したのだと思います。まあ予想よりも浦和の守備がきつくてビルドアップのところで上手くいかず、結果としてボールを握る時間帯が少なくなりましたが、それでも唯人の推進力を利用して前進する事により浦和より多くのチャンスを作る事が出来、相手に脅威を与える事が出来ていたと思います。
そんな感じで粘り強く戦っていたわけですが、少ないチャンスを確実に活かして勝とうという意思が選手間で共有されていました。決勝点の場面にそれが詰まっています。決勝点の慶太のシュートは非常に技術の高いものだし、また相手が後ろから来ている事を認識していてボールを受けてすぐシュートを打った判断も見事でした。が、その前の山原がボールをキープして相手右SBをけん制していた時に後ろから片山が全速力でオーバーラップしているんですよね。これで慶太についていた小泉が酒井のフォローに回って慶太がフリーになったわけです。他にも原もオーバーラップしていたしボランチの竹内、松岡もバイタルエリアの後ろまで上がってセカンドボールを狙っていた。「ここで攻め切って1点取るぞ!」と多くの選手が意識して上がっていったわけです。またディサロがGKを後ろで競るふりをして前のスペースに出てフリーでボールを受け、そのディサロに権田が正確なボールを入れるという隠れたファインプレーもありました。それだけ選手達が勝つために集中していたわけで、粘り強く守って相手の攻撃を撥ね返し続けた事も含めて選手達はゲームプランを最後まで遂行して、それが貴重な勝ち点3に繋がった。会心の勝利だと思います。
湘南と徳島の試合で徳島が勝ったため、J1残留は最終節までお預けとなりました。ただこの日の勝ち点3により、最終節のC大阪戦で引き分け以上であれば自力で残留できるという優位な立場を手にしました。とはいえ選手達に「引き分けでOK」という意識はないでしょうし、あったら足元をすくわれます。先週と同様に最善の準備を行って、C大阪に勝って笑顔でシーズンを終えたいですね。
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