しんどかったけど(11/20 広島戦)
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
GK 権田
DF 原、鈴木義、井林、片山
MF 松岡、竹内、西澤、後藤
FW 鈴木唯、チアゴ サンタナ
SUB 永井、エウシーニョ、山原、中村、中山、滝、ディサロ
ヴァウドの出場停止を受けてノリさんがルヴァン杯鹿島戦以来のスタメン復帰。負傷中の藤本の代役には唯人が起用され、練習での調子の良さをかって後藤が左サイドハーフに入りました。
試合開始後の5分間はどこか硬いエスパを広島が押し込む展開となりましたが、5分に唯人が相手のパスミスをかっさらってペナへ持ち出したあたりからエスパが流れを掴み、広島を押し込むようになります。そして30分、最終ラインのノリさんから相手最終ラインのウラへ抜けようとした唯人へ絶妙のスルーパス。これを受けた唯人のシュートはポストに嫌われましたが、こぼれ球をサンタナがきっちり押し込んで、エスパルスが待望の先制点を奪います。この後広島が何とかエスパの守備ブロックを崩そうとしますがエスパも落ち着いて対応し、前半は1-0で折り返しました。
後半はハーフタイムで切り替えた広島が前に人数をかけるようになり、それに対して前半オーバーペースだったのかエスパの方が前に出られなくなり、広島が優位な展開が続きました。しかしエスパもコンパクトなブロックを敷いて撥ね返し、4度ほどあった広島の決定機も権田のビッグセーブなどで失点を許さず、結局前半の1点を守り切ったエスパルスが貴重な勝ち点3をあげました。
非常にインテンシティの高い試合となりましたし、メンタル的にもしんどい試合だったと思いますが、よく勝ち切ったと思います。まずそれを称えたいですね。また札幌戦の後の2週間の準備期間を上手く活用できた事も評価したいです。
まず攻撃面においてはこれまでのポジションを維持して相手をピン留めする事で相手を崩していくサッカーとは異なり、相手最終ラインのウラを狙う動きとその動きをシンプルに使うパスが増えました。かといってむやみにロングフィードを蹴るのではなく、相手のWBのウラを狙いどころとしてそこをサンタナもしくは後藤、西澤の両サイドハーフに走りこませる事で意思統一が出来てました。アタッキングサードに入ってからも両CBとボランチのどちらか以外が絶えずスペースに走り込み人数をかけて相手を崩し切ろうという姿勢が見えました。それが結実したのが先制の場面で、唯人が最終ラインのウラへ走りこんだのを見たノリさんが自身から鋭いスルーパスを通したのがサンタナの先制点に繋がりました。唯人が足を止めずに動き出したのが効きましたし、ノリさんのスルーパスもどちらかというとリスクの高いパスなので、ロティーナ前監督の時にはなかなか見られなかった形ではあると思います。が、唯人が動き出すスペースを作ったのは西澤のノリさんからのパスを引き出そうと少し後ろへ下がろうとして、それで相手の左CBを引き付けてるんですよね。まあデザインした形ではないでしょうし全般的な攻撃のスピードは速くなってますが、こういったところでロティーナ前監督の遺産は活かされていると感じました。
守備面に関しての基本はこれまで変わってなかったと思います。4-4-2のブロックを作って真ん中に入れさせないゾーンディフェンスですね。ただ以前よりも人を意識する事は多くなりました。特に顕著なのは相手最終ラインへの前線からのプレスで、基本は2トップが相手ボランチへのパスコースを消しながら前へ出るのですが、相手の左CBにボールが入った時は西澤がこれまで以上にきつくプレスをかけ、広島がビルドアップを4枚にしてきた時は後藤が右の選手へプレスをかけ、時にはボランチの竹内も前へ出てましたね。前半はこのプレスが凄く効果的で、広島のミスを誘って前半を優位に進める要因となりました。後半はさすがにスタミナが切れてリトリートして守る時間が増えましたが、その時も人を意識していてボールホルダーへの寄せはこれまで以上に強かったです。ただそれによって、例えば後半相手が枚数をかけて攻めてきた時に中盤の選手も下がり過ぎて最終ラインに吸収されている場面が散見されたし、あるいは数人が前に出過ぎて別のところに穴を開ける場面もありました。これまでの失点パターンは微妙に4-4のブロックのバランスが崩れてそれを突かれるというのが多く、この試合もそうなりそうな場面はありました。ただこれまでと違ったのは全員が人任せにせずに空きかけた穴を塞ぐ作業を怠らなかった事です。それによって危なくなりそうなところを防いでいました。結局どんなに立派な戦術に基付いてやっていても、まずは失点を防ぐのが最優先ですからね。おそらく選手達はこの2週間でそういう基本的な考えを思い出して、それがこの日のクリーンシートに繋がったのだろうと思います。
もちろん改善して欲しいところはあります。特に後半オープンな試合展開になり過ぎたのは反省すべきじゃないかと思いますね。後半はリードしていたのですから、もちろん押し込まれている時はしょうがないですが、ボールを奪い返す事が出来たらタテに付けるだけじゃなく、ロティーナ前監督の時のようにリスクの高いパスは出さずにボールを握る時間を増やすべきだったと思います。ただこの段階で完全な形を求めるのが困難なのはわかってますし、残り2試合ですから、今自分達が出来るサッカーを愚直に全力にやるしかないかなとも思ってます。
湘南、徳島も勝ったので、状況は全く変わりませんでした。ウチの残りの対戦相手は浦和とC大阪という難敵。それを思うとついビビってしまいますが、今はやれる事をやるしかないですからね。次の浦和にはもう9年くらい勝っていませんが、恐れる事なく戦って欲しいと思います。
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