不器用でも勝ち点1(11/6 札幌戦)
昨日(11/6)はホーム・アイスタ日本平での札幌戦でした。行きたかったしチケットも確保してあったのですが所用のため断念し、DAZNでの観戦となりました。
試合は引き分け。後半早々に逆転を許した際にはどうなる事かと思いましたが、何とか追いついて勝ち点1を積み上げる事が出来たのは良かったです。スタジアムもこの苦境を何とかみんなで乗り切ろうというムードに溢れているのが画面越しにも伝わってきて、やっぱり行きたかったなと思いました。
<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>
清水エスパルス 2ー2 北海道コンサドーレ札幌
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
GK 権田
DF 原、ヴァウド、井林、片山
MF 松岡、竹内、西澤、中村
FW 藤本、チアゴ サンタナ
SUB 永井、鈴木義、奥井、ホナウド、中山、滝、鈴木唯
監督交代からの準備期間が短かったためかスタメンはそれほど大きく変えませんでしたが、中盤はボランチにここ数年チームの中心である竹内を入れ、カルリーニョス、コロリの負傷を受けて両サイドハーフに西澤、慶太を起用。そしてトップには藤本を入れてきました。
立ち上がり積極的に前に出る札幌に対してどこかバタバタしていたエスパルスでしたが、17分に先制に成功します。左サイドからの直接FKで混戦となったボールを拾ったサンタナがシュートを突き刺しました。これで落ち着きを取り戻したエスパでしたが、札幌も落ち着いて反撃し、23分、こちらから見て左サイドでボールロストしたボールを回収して、そこから繋いだ後福森が浮き球をウラに入れ、これに反応した金子が落ち着いて流し込み、あっという間に同点に追い付きます。この後は札幌がボールを握り続け、エスパはなかなか反撃できませんでしたが、40分頃から少しずつ押し返したところで前半が終了しました。
後半、キックオフから積極的に前に出ようとしたエスパでしたがすぐ押し返されてしまい、49分、CKから深井に合わされて逆転を許します。これでペースは札幌に渡り、エスパは選手交代などで流れを取り戻そうとしますが、札幌の落ち着いたゲームコントロールを前になかなか攻撃の糸口を掴めません。それでも少しずつ札幌の足が止まりだした75分くらいから相手陣へ攻め込む事が出来るようになり、83分、自陣でのFKから繋いだボールをサンタナが右へ展開し、中山、原と繋いで原がクロス。これを受けた滝がサイドネットへシュートを突き刺して同点に。アイスタ日本平のムードは最高潮となり一気に逆転へのムードが高まりますが、90+1分、札幌のカウンターの際に前へ動き出そうとした相手のトゥチッチを抑えてしまったという事でヴァウドが退場。この後両チームとも勝ち越しを狙いますが叶わず、試合は引き分けとなりました。
何とか勝ち点1を積み上げる事が出来て良かったと思います。監督交代という劇薬を注入したにも関わらず逆転されたまま終わってしまってはチームのムードは最悪になってしまっていたでしょうから。何とか追いつこう、逆転しようという意欲が選手から見られた事も良かったと思います。
ただ準備期間が2日しかなかった分、粗は多かったですね。
まず攻撃に関して、ボールを大事にする事を意識し過ぎてカウンターのチャンスになりそうな場面でも誰も前に出ずにボールを戻してビルドアップからやり直す場面が多かったのを受けて、割り切って早めにボールをウラへ出す場面が多かったですが、逆にそういうボールが多過ぎてボールキープできそうな場面でもあっさりボールロストしてしまう場面が多過ぎました。GKもこの日は殆ど後ろから繋がずに前へ蹴ってしまっていたと思いますが、せっかく後ろからしっかりビルドアップできるようになったのにそれを放棄してしまうのはもったいないなと思いました。また逆の場面として1失点目の場面がありますね。こちらから見て左サイドでの札幌の繋ぎを片山がカットして慶太に預けたのですが、その時点で慶太は相手2人に挟まれている格好ですぐにボールロストしてしまいました。片山としてはまずはボールキープしたかったのでしょうが、慶太に渡すには可哀想です。そういった感じでつまらないボールロストをする場面が多かったので、まずは割り切って前に出す時とまずはボールキープを優先する時とのメリハリというか判断基準を整理する必要があるなと感じました。それと上手くウラへ抜け出しても周りがフォローできてない場面も散見されたので、そこも意識合わせが必要ですね。
次に守備面ですが、この日は札幌が3バック+1の4人でビルドアップをスタートするのに対して2トップと両サイドハーフがガンガンプレスをかけて、それにより相手のミスを誘う場面が前半途中までは多かったです。ただそれに対して最終ラインとボランチ2枚はそれほど前に上げないので、結果として前線の4枚と最終ライン+ボランチの6枚との間に広大なスペースを与えてしまい、そこを使われてしまう場面が非常に多かったです。まあ札幌はミシャ体制になってから攻撃時は前線を5トップ気味にしてそこに後ろから斜めのボールを入れて一気にゴール前へ迫る形を得意としており、その過程において自分のブロックが多少間延びしようがお構いなしみたいなわりと特徴のある戦いをするチーム。それに対して平岡さんとしては「まず前からプレス」という意識付けをしっかりやったのだと思いますが、札幌に対してそれを無防備にやった事でかえって相手の思うツボになってしまった格好ですね。あと付随する課題として最終ラインの高さの問題もあるかと思います。相手のボールの位置に合わせてラインを上げる事が出来ておらず、結果的に1失点目でヴァウドが残ってしまってオフサイドがとれませんでした。前からプレスをかけるのはいいのですが、そうであれば全体もそれに合わせて上げていかないと無用なスペースを与える事になってしまいます。ロティーナ前監督体制時に失点がなかなか減らなかったのはブロック全体をコンパクトに保つ事が出来ていなかったのが一因なので、そこは調整が必要だと思います。
などと苦言ばかり書きましたが、良くなった部分もありました。ウラ抜けを狙う選手が増えるとともにそれを使う場面が増えたのは良かったと思います。40分頃のサンタナのプレスバックによるボール奪取から最後に藤本が抜け出した場面がその典型ですね。一方で2得点目は今までやって来た後ろから繋いでゴールへ迫る形です。こちらの2CBに対して相手の2人がけん制をかけた時に原が横に入ってノリさんからボールを引き出して真ん中に出来たスペースに落ちてきた唯人へダイレでパス。唯人がそれを持ち出してサンタナへタテパスへ入れて最後に滝のゴールに繋げました。あのシーン自体は狙っていたパターンではなく応用ですが、唯人や両サイドハーフが落ちてきて後ろからボールを引き出して前に運ぶのはこれまでもあった形です。そういった今までやってきた形を活かしつつ、そこへウラ抜けとかあまりやっていない形を入れる事が出来ればまだまだやれる、そう思えたシーンでした。
繰り返しになりますが、ロティーナ前監督から平岡監督へ交代したのは11/4。そこから試合まで2日しか練習時間がない中で劇的に内容が良くなるなんて事はあり得ません。札幌は完成度の高いチームですし、多少の粗が出るのは致し方ないところ。第一今のエスパルスに必要なのは多少不器用であっても粘り強く勝ち点を積み重ねる事。その意味では準備期間がわずかな中で最低限の成果をあげる事が出来たのは喜ばしい事です。順位は変わらず16位と厳しい状態にありますが、幸い次の試合まで2週間あります。その2週間で最善の準備をして、次の広島戦に臨んで欲しいと思います。
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